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第50話》リラは知っていた!彼女のもくろみ
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「ちょっと、リラさん。いきなりどうしたの?」
俺は、慌ててそう言った。
「俺がいつ、何を盗んだというんだ」
「私が、ギルドも入らずにレベル20になってもババール街に居たのはね、強いプレーヤーを見つける為よ。強いプレイヤーは、もっと先の街に行けば強いギルドに引き抜かれちゃうのよ。その前に一緒のギルドになろうと思ってね」
と突然、盗人とは何も関係ない自分の話をリラさんは始めた。俺達は、顔を見合わせた。
「彼女の話を聞きましょう」
ボソッと、ミチさんが言った。俺とママルさんは頷く。
「だからあの街に居たの。あなたもそうよね。初心者を狙った盗人でしょう? カモになるプレイヤーを待っていた」
「はぁ?」
「私、ずっとあの街にいたから色々聞いているのよ。ソロギルドの人を仲間に入れたら装備品を持って逃げられたってね」
「ふーん。そいつらがマヌケなんだろう? そこのお人好しみたいに、わざわざ宝箱開封権利を譲渡したんだろう?」
「まあね。そういう人もいたみたいだけど、大抵は今みたいに見せてと言われて見せたらとんずらされたそうよ。運営に言っても、自己判断で渡したのならどうにもならないって言われたって」
「え……」
俺は驚いた。もしリラさんが言った通りなら、彼が魔法使い系にも関わらず、剣を見せてと言った説明がつく。
「ギルドに入っていれば、脱出魔法陣でダンジョンを出る事が出来る。しかも脱出魔法陣を使われれば、追う事はできないわ」
「へーそう。それが俺に当てはまるから俺が盗人だと?」
「じゃ、聞くけど何のためにあの街にいたの? ソロでダンジョンを回る気がないなら違う街に行けば、仲間に入れてくれる人がいるわよ。弱いならなおさらね。ラックもそこまで上げているのも宝箱のレア度を上げる為でしょう?」
「ふん。おたくSランクなんだろう? 引く手あまたじゃん。俺は、Dランク。最低ランクなんだよ。誰も声なんて掛けて来ないよ!」
「ギルドに入れるならランクは関係あるかもしれないけど、ダンジョンを回るのにランクは関係ないわ。レベルを上げるのに、人数合わせで入れてくれる人だっているのよ? あなたが入れて貰えないのは、盗人だからってばれているからでしょう?」
「……ふん。言いたい事ばかりいいやがって! どこに証拠があるんだよ!」
「証拠は私よ。最初のクエストの時に、あなたも参加したのよ。今回みたいに、パーティー内をかき回して不仲にさせて、宝箱のレアの装備を持って行っちゃったわ。お蔭で、仲違いしてその時のプレイヤー達はバラバラよ。悪いのはあなたなのに、装備を渡してしまったリーダーは責められていたわ」
「お、お前、俺だとわかっていて一緒に来たのかよ」
「お人好し過ぎるリーダーだから、こういう奴もいるって実体験してもらおうと思ってね。それにダンジョン内だと離脱する以外に逃げ道ないでしょう?」
「っち」
「あなた、そんな事して楽しい? その装備で強くもなっていないのでしょう?」
ミチさんが、会話に参戦した。
「結局、エンチャントも大変だからね。一人だとレベルだって上がらないし」
スーセンチさんではなく、リラさんがそう返す。
そうだこのゲームのレベル上げは、どう考えてもパーティー組んで、ダンジョンで強い敵を倒す方法だ。フィールドじゃほとんど上げられない。
「うるさい! 脱出魔法陣!」
スーセンチさんが、突然魔法を使って離脱して逃げてしまった!
「……あ、ありがとう。リラ。あの時、リラも見せてって言わなかったら私、彼に剣を渡していたわ」
「それね。エットが自分で宝箱を開ければ、たとえ彼に渡したとしてもエットの責任になったでしょうけどね」
「う……」
まさか、そんな事をする人がいるなんて思わなかった。今回、リラさんが未遂で防いでくれて助かった。
「ごめんなさい。そして、ありがとう。助かったよ」
「私もあなたの事を誤解していたわ。いつも一方的だから。先に行ったのは、彼を私達から引き離してくれたのよね? 自分達がされたように、パーティー内をバラバラにされない為に」
「べ、別に」
ミチさんの言葉にリラさんは、ちょっと照れて言った。
そっか。だから彼を連れて先に……。
「本当にありがとう」
「まあ、気を付ける事ね。あなたの優しさを利用する人もいるんだから」
「うん。肝に銘じます」
「わ、わかればいいのよ!」
「あ、その剣はあげるよ。二人もいいよね?」
俺が言うと、ママルさんとミチさんは頷いた。
「だから、そういう所がダメなんだってばぁ!」
あげると言うのに、リラさんに文句を返された!
「もう、照れずに素直にもらっときなさいよ。槍が出た時は、私がもらうからさ」
「そうよ。私はもうバディを装備してるから武器はいらないし」
「俺は、自分で作る予定だから遠慮せずにどうぞ」
「……わかったわよ。でも、★一つのは別にいらないんだけど」
「え……」
凄い返答がリラさんから帰って来た。そう言えば彼女は別に、初心者じゃなかった。
俺は、慌ててそう言った。
「俺がいつ、何を盗んだというんだ」
「私が、ギルドも入らずにレベル20になってもババール街に居たのはね、強いプレーヤーを見つける為よ。強いプレイヤーは、もっと先の街に行けば強いギルドに引き抜かれちゃうのよ。その前に一緒のギルドになろうと思ってね」
と突然、盗人とは何も関係ない自分の話をリラさんは始めた。俺達は、顔を見合わせた。
「彼女の話を聞きましょう」
ボソッと、ミチさんが言った。俺とママルさんは頷く。
「だからあの街に居たの。あなたもそうよね。初心者を狙った盗人でしょう? カモになるプレイヤーを待っていた」
「はぁ?」
「私、ずっとあの街にいたから色々聞いているのよ。ソロギルドの人を仲間に入れたら装備品を持って逃げられたってね」
「ふーん。そいつらがマヌケなんだろう? そこのお人好しみたいに、わざわざ宝箱開封権利を譲渡したんだろう?」
「まあね。そういう人もいたみたいだけど、大抵は今みたいに見せてと言われて見せたらとんずらされたそうよ。運営に言っても、自己判断で渡したのならどうにもならないって言われたって」
「え……」
俺は驚いた。もしリラさんが言った通りなら、彼が魔法使い系にも関わらず、剣を見せてと言った説明がつく。
「ギルドに入っていれば、脱出魔法陣でダンジョンを出る事が出来る。しかも脱出魔法陣を使われれば、追う事はできないわ」
「へーそう。それが俺に当てはまるから俺が盗人だと?」
「じゃ、聞くけど何のためにあの街にいたの? ソロでダンジョンを回る気がないなら違う街に行けば、仲間に入れてくれる人がいるわよ。弱いならなおさらね。ラックもそこまで上げているのも宝箱のレア度を上げる為でしょう?」
「ふん。おたくSランクなんだろう? 引く手あまたじゃん。俺は、Dランク。最低ランクなんだよ。誰も声なんて掛けて来ないよ!」
「ギルドに入れるならランクは関係あるかもしれないけど、ダンジョンを回るのにランクは関係ないわ。レベルを上げるのに、人数合わせで入れてくれる人だっているのよ? あなたが入れて貰えないのは、盗人だからってばれているからでしょう?」
「……ふん。言いたい事ばかりいいやがって! どこに証拠があるんだよ!」
「証拠は私よ。最初のクエストの時に、あなたも参加したのよ。今回みたいに、パーティー内をかき回して不仲にさせて、宝箱のレアの装備を持って行っちゃったわ。お蔭で、仲違いしてその時のプレイヤー達はバラバラよ。悪いのはあなたなのに、装備を渡してしまったリーダーは責められていたわ」
「お、お前、俺だとわかっていて一緒に来たのかよ」
「お人好し過ぎるリーダーだから、こういう奴もいるって実体験してもらおうと思ってね。それにダンジョン内だと離脱する以外に逃げ道ないでしょう?」
「っち」
「あなた、そんな事して楽しい? その装備で強くもなっていないのでしょう?」
ミチさんが、会話に参戦した。
「結局、エンチャントも大変だからね。一人だとレベルだって上がらないし」
スーセンチさんではなく、リラさんがそう返す。
そうだこのゲームのレベル上げは、どう考えてもパーティー組んで、ダンジョンで強い敵を倒す方法だ。フィールドじゃほとんど上げられない。
「うるさい! 脱出魔法陣!」
スーセンチさんが、突然魔法を使って離脱して逃げてしまった!
「……あ、ありがとう。リラ。あの時、リラも見せてって言わなかったら私、彼に剣を渡していたわ」
「それね。エットが自分で宝箱を開ければ、たとえ彼に渡したとしてもエットの責任になったでしょうけどね」
「う……」
まさか、そんな事をする人がいるなんて思わなかった。今回、リラさんが未遂で防いでくれて助かった。
「ごめんなさい。そして、ありがとう。助かったよ」
「私もあなたの事を誤解していたわ。いつも一方的だから。先に行ったのは、彼を私達から引き離してくれたのよね? 自分達がされたように、パーティー内をバラバラにされない為に」
「べ、別に」
ミチさんの言葉にリラさんは、ちょっと照れて言った。
そっか。だから彼を連れて先に……。
「本当にありがとう」
「まあ、気を付ける事ね。あなたの優しさを利用する人もいるんだから」
「うん。肝に銘じます」
「わ、わかればいいのよ!」
「あ、その剣はあげるよ。二人もいいよね?」
俺が言うと、ママルさんとミチさんは頷いた。
「だから、そういう所がダメなんだってばぁ!」
あげると言うのに、リラさんに文句を返された!
「もう、照れずに素直にもらっときなさいよ。槍が出た時は、私がもらうからさ」
「そうよ。私はもうバディを装備してるから武器はいらないし」
「俺は、自分で作る予定だから遠慮せずにどうぞ」
「……わかったわよ。でも、★一つのは別にいらないんだけど」
「え……」
凄い返答がリラさんから帰って来た。そう言えば彼女は別に、初心者じゃなかった。
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