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第59話 母親は強し
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「魔女だと? マカリーさんの孫のせいにするつもりだったと? この場に来るかどうかわからなかったのにか? 殺していたかもしれないのにか?」
イグーレンが問うと、サイグルドはニヤリとする。
「いるではないですか、この城に最初から魔女が」
「まさか……王妃」
ミルアビが呟く。
「国民が知ったら驚くだろうなぁ。王族の妻は全員魔女でした。ってな」
全員、魔女!?
まさかの事に、ルナードは驚いた。ディアルディの母親が魔女だと聞いていたが、たまたまだと思っていた。
「まさか! 暴れる精霊が起こす現象を王妃のせいにするもりだったのか! 正気か!」
「どうやってそう思われるつもりでいたのだ?」
ミルアビが叫ぶと、ウィドガが聞いた。
「簡単な事。王妃の周りだけ精霊を近づけさせなければいい。どういうからくりかなんてどうでもいいのだ。お祝いムードから一転、恐怖に陥った者達は信じるだろう」
「信じる? それだけで?」
「あぁ。あなたにもそれを体験して頂く予定でしたのに」
残念だとサイグルドだは笑った。そしてルナードを睨み付ける。
ドンドンドン。
「し、失礼します!」
突然ドアが開き、兵士が顔色を変えて入って来た。
「どうした?」
「エ、エ、エルドアリス様がお戻りになりました!」
「な、なんだと!!」
安全な場所にいると言われていたエルドアリスが、戻って来たと聞き陛下だけではなく、王臣達も驚いた。
「失礼します。突然お伺いして申し訳ありません」
艶やかな黒髪に、優しげでリンとした雰囲気を持った女性だ。その後ろにラルーもいた。
あの方が、ディアルディさんの母親。ディアルディさんは、母親似だな。
エルドアリスを見て、ルナードはそう思った。
「エルド!!」
陛下は、嬉しさのあまりそのままエルドアリスに近づこうとするもエルドアリスは、申し訳ありませんと頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。私は、陛下を置いてディと一緒に逃げ出しました。本来なら戻る資格などないでしょう。ですが、あの時の犯人がわかったと聞き、居ても立っても居られず来てしまいました」
顔を上げたエルドアリスが、サイグルドを見た。
「まさかあなただったとは、騙されました!」
そう言ったエルドアリスはつかつかとサイグルドの前に立った。
パシン!
エルドアリスは、サイグルドの左頬を引っ叩いた!
パシン!
サイグルドは、反対側の頬もラルーに引っ叩かれる。
「ラルー! 君まで叩く事はないだろう?」
みな、驚いて唖然としているなか、フィタードが慌てて言った。
「何を言ってます! この方が事を起こさなければ、ルナードは女性として暮らしていたのですよ!」
親として当然だとラルーが言った。
「サイグルドを牢に入れておけ!」
「………」
何が起きたかわからずに茫然としている兵士に言うも、まだ茫然としている。
「何をしている? 陛下のご命令だ」
「っは」
ウィドガに言われ、ラルー達と一緒に来た兵士が、サイグルドを連れて部屋を出て行った。
イグーレンが問うと、サイグルドはニヤリとする。
「いるではないですか、この城に最初から魔女が」
「まさか……王妃」
ミルアビが呟く。
「国民が知ったら驚くだろうなぁ。王族の妻は全員魔女でした。ってな」
全員、魔女!?
まさかの事に、ルナードは驚いた。ディアルディの母親が魔女だと聞いていたが、たまたまだと思っていた。
「まさか! 暴れる精霊が起こす現象を王妃のせいにするもりだったのか! 正気か!」
「どうやってそう思われるつもりでいたのだ?」
ミルアビが叫ぶと、ウィドガが聞いた。
「簡単な事。王妃の周りだけ精霊を近づけさせなければいい。どういうからくりかなんてどうでもいいのだ。お祝いムードから一転、恐怖に陥った者達は信じるだろう」
「信じる? それだけで?」
「あぁ。あなたにもそれを体験して頂く予定でしたのに」
残念だとサイグルドだは笑った。そしてルナードを睨み付ける。
ドンドンドン。
「し、失礼します!」
突然ドアが開き、兵士が顔色を変えて入って来た。
「どうした?」
「エ、エ、エルドアリス様がお戻りになりました!」
「な、なんだと!!」
安全な場所にいると言われていたエルドアリスが、戻って来たと聞き陛下だけではなく、王臣達も驚いた。
「失礼します。突然お伺いして申し訳ありません」
艶やかな黒髪に、優しげでリンとした雰囲気を持った女性だ。その後ろにラルーもいた。
あの方が、ディアルディさんの母親。ディアルディさんは、母親似だな。
エルドアリスを見て、ルナードはそう思った。
「エルド!!」
陛下は、嬉しさのあまりそのままエルドアリスに近づこうとするもエルドアリスは、申し訳ありませんと頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。私は、陛下を置いてディと一緒に逃げ出しました。本来なら戻る資格などないでしょう。ですが、あの時の犯人がわかったと聞き、居ても立っても居られず来てしまいました」
顔を上げたエルドアリスが、サイグルドを見た。
「まさかあなただったとは、騙されました!」
そう言ったエルドアリスはつかつかとサイグルドの前に立った。
パシン!
エルドアリスは、サイグルドの左頬を引っ叩いた!
パシン!
サイグルドは、反対側の頬もラルーに引っ叩かれる。
「ラルー! 君まで叩く事はないだろう?」
みな、驚いて唖然としているなか、フィタードが慌てて言った。
「何を言ってます! この方が事を起こさなければ、ルナードは女性として暮らしていたのですよ!」
親として当然だとラルーが言った。
「サイグルドを牢に入れておけ!」
「………」
何が起きたかわからずに茫然としている兵士に言うも、まだ茫然としている。
「何をしている? 陛下のご命令だ」
「っは」
ウィドガに言われ、ラルー達と一緒に来た兵士が、サイグルドを連れて部屋を出て行った。
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