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第四十五話
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「私、ラワーヌ様に騙されていたのですね……」
いつの間にか涙が。嫌だわ。泣いて許しをこいているようで。
「ごめんなさい。泣いて許される事ではなにのに……」
泣き顔を見られない様にクルッと後ろを向くと、マイステリー様が後ろから私を抱きしめた。
これはちょっと……密着し過ぎではありませんか!?
「あ、あの……」
「ごめん。君のせいではないから。僕は、わかっていたんだ。やはり止めるべきだった。君をこんなに傷つけるなら――」
「え……」
気がついてた? いつから?
「あの……いつからラワーヌ様の策略に気づいて」
「君のロッドに、彼女の魔力が入っていたって聞いた時だよ」
「そんな前から!?」
私は驚いてマイステリー様を振りほどき、正面を向いた。マイステリー様は、ちょっと困り顔。
まさか、あの落としたロッドを拾った時から、狙われていたなんて。
「どうしようか迷ったんだ。でも何をするのか、何が目的なのかがわからなかったから様子を見ようと思ったんだ。彼女は優秀だ。自分を貶める様な行為は、そうそうしないだろうと思ってね」
「……って、私は何をされたのですか? また操られていたのですか」
「言葉の誘導だよ。言葉巧みに心を操る。それに魔法を加えて行った。相手の心の中に入りやすくする為にね。君を信用させる為に本当に、教えてくれていたんだね。教師に向いているかもしれない」
「心を操る教師なんて怖いですわ」
「そうだね。そのうち、僕にもしてくるだろうと思っていた。暴くなら僕にしてもらわないと、証拠がないからね」
「そうだったのね。ありがとう。私はダメね……」
「ダメじゃない。ちゃんと自分で魔法を解いたんだ」
「自分で……」
マイステリー様は頷いた。
「君に足りないのは、自信だと思う。出来るんだって言う自信。それが出て来たから上手くいくようになったんだと思う。それを彼女は引き出してくれた」
「……なんか複雑ですわ」
「それは、僕もだよ。僕に出来なかったんだからね」
「え?」
「それにしても君を使って、マリニール様を失脚させようなんてね。思いついても普通は出来ないよ。君のお姉さんには、敵が多いと思う。でも、結婚の発表までだと思うから」
そうマイステリー様の言う通り。お姉様は学校に通う様になって、一時期かなり落ち込んでいた。その時にお姉様がぽろりと言っていたわね。思っていたより辛いわって。みんなの視線が怖いとも。
お父様達からお姉様についていろいろ言われたりするだろうから、もしそういう事があったら言いなさい。と言われている。
まさか何か実行に起こして来るなんて。今更だけど、私はかなり浅はかだった。私には、こんな目に遭ったら、リゾール殿下の婚約者でいる自信などないわ。
「そうですね。言えなくなりますものね。でも今回の事で不安になりました。反対派が直接危害を加えて来るのではないかと。」
「うーん。そうだね。もう自信もついたようだし。本当は、本人から聞いた方がいいのだろうけど。僕以外の人から聞く事もあるかもしれないから話すよ」
うん? それってお姉様の秘密とか? ってそんなわけないわね。一体何かしら。
いつの間にか涙が。嫌だわ。泣いて許しをこいているようで。
「ごめんなさい。泣いて許される事ではなにのに……」
泣き顔を見られない様にクルッと後ろを向くと、マイステリー様が後ろから私を抱きしめた。
これはちょっと……密着し過ぎではありませんか!?
「あ、あの……」
「ごめん。君のせいではないから。僕は、わかっていたんだ。やはり止めるべきだった。君をこんなに傷つけるなら――」
「え……」
気がついてた? いつから?
「あの……いつからラワーヌ様の策略に気づいて」
「君のロッドに、彼女の魔力が入っていたって聞いた時だよ」
「そんな前から!?」
私は驚いてマイステリー様を振りほどき、正面を向いた。マイステリー様は、ちょっと困り顔。
まさか、あの落としたロッドを拾った時から、狙われていたなんて。
「どうしようか迷ったんだ。でも何をするのか、何が目的なのかがわからなかったから様子を見ようと思ったんだ。彼女は優秀だ。自分を貶める様な行為は、そうそうしないだろうと思ってね」
「……って、私は何をされたのですか? また操られていたのですか」
「言葉の誘導だよ。言葉巧みに心を操る。それに魔法を加えて行った。相手の心の中に入りやすくする為にね。君を信用させる為に本当に、教えてくれていたんだね。教師に向いているかもしれない」
「心を操る教師なんて怖いですわ」
「そうだね。そのうち、僕にもしてくるだろうと思っていた。暴くなら僕にしてもらわないと、証拠がないからね」
「そうだったのね。ありがとう。私はダメね……」
「ダメじゃない。ちゃんと自分で魔法を解いたんだ」
「自分で……」
マイステリー様は頷いた。
「君に足りないのは、自信だと思う。出来るんだって言う自信。それが出て来たから上手くいくようになったんだと思う。それを彼女は引き出してくれた」
「……なんか複雑ですわ」
「それは、僕もだよ。僕に出来なかったんだからね」
「え?」
「それにしても君を使って、マリニール様を失脚させようなんてね。思いついても普通は出来ないよ。君のお姉さんには、敵が多いと思う。でも、結婚の発表までだと思うから」
そうマイステリー様の言う通り。お姉様は学校に通う様になって、一時期かなり落ち込んでいた。その時にお姉様がぽろりと言っていたわね。思っていたより辛いわって。みんなの視線が怖いとも。
お父様達からお姉様についていろいろ言われたりするだろうから、もしそういう事があったら言いなさい。と言われている。
まさか何か実行に起こして来るなんて。今更だけど、私はかなり浅はかだった。私には、こんな目に遭ったら、リゾール殿下の婚約者でいる自信などないわ。
「そうですね。言えなくなりますものね。でも今回の事で不安になりました。反対派が直接危害を加えて来るのではないかと。」
「うーん。そうだね。もう自信もついたようだし。本当は、本人から聞いた方がいいのだろうけど。僕以外の人から聞く事もあるかもしれないから話すよ」
うん? それってお姉様の秘密とか? ってそんなわけないわね。一体何かしら。
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