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第四十六話

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 「実は僕も魔力の質がわかるんだ。彼女もそうだから先生も薦めたんだよね。ただし、一番に彼女が思い浮かぶようにはしてあったと思うけどね」
 「先生まで洗脳していたって事?」
 「いや、先生には魔力を乗せてはいないと思うよ。魔力の質を見極められるって言ってあったみたいだし、先生に好印象を与えておけばいい」

 なるほど。魔法促進委員だし。もしかしたら、お姉様に接触するチャンスを狙っていたのかもね。

 「話をする前に、確認なんだけど。君は、池で何をお願いしたの? ヒールで治してあげた時だよ」

 え? なぜ今そんな事を聞くの?

 「あ、責めているわけではなくて……。もしかして、誰かを守ってという願いだったのではないかなって」
 「え? なぜわかったのですか?」

 誰とかではなくて、国でしたけど……。

 「やはりね。実はあの黒い影を押さえ込んだのは、君の魔力なんだ」
 「え? 言っている意味がわかりませんわ」
 「これは僕の推測だけど。あの君が投げ入れた物に魔力がこもっていた。その願いは他の者を守ると言うものだった為、その願いを叶える為に他の魔力を吸い取りながら大きく螺旋を描き、黒い影を包み込んだ」
 「え? あの光が私の魔力!?」

 う、嘘でしょう。しかも魔力を吸い取りながらって。

 「実際は、ほとんどが池の底にあった魔力だね。それを吸収して事だけどね。あの時、君は願ったはずなんだ。僕を守ってって。違う?」
 「私にそんな力があるとは思えないわ。それに確かに願ったけど、別に魔法は使ってない。だってあんな凄い事をするならかなり魔力が削られると思う」
 「君の言う通り使ってはいないよ。想いに反応しただけ。元から池の中に、君の魔力があったからね。他の魔力を借りて、黒い影になってしまった魔力を封印したんだ。あの光に君の魔力があの中にあったんだ。ロッドに魔力を入れてた時に見ているから間違いないよ」
 「え? ちょっと待ってそれって……」

 私が封印の魔法を持っているって事になるのでは?
 マイステリー様は、強く頷いた。

 「僕ではなくて、君だったんだよ。封印の力があったのは。姉さんは、勘違いをしたんだと思う。どう見えていたかはわからないけど、君と一緒に居たとしてもヒール持ちの僕が使ったと思っても不思議じゃない。君は、魔法が使えないと思われていたからね」

 でも……だとしてもいきなりそんな巨大な力というか想い? みたいなので、そんな事を出来てしまうものなの?

 「腑に落ちないって顔だね。僕は、あの時の事で君のお姉さんの価値がわかったんだよ」
 「価値? ですか?」
 「価値だなんて失礼かな? でもそれを見抜いたリゾール殿下は凄いと思うよ。だって、マリニール様には魔力がないからね」

 うん? 魔力がないけど価値があるって事? 全然意味がわからないわ。私の時と違って、お姉様の魔力が見えて確信したって事ではないのでしょうから。
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