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第五章 その鑑定、偽りあり!
第三三話
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塔は近くの森を抜け、十字路の道を右に進むとあった。ちょっとした林を抜けると大きな湖があり、その中心に島が見える。そこにデーンと建っていた。頂上は見えない。雲に隠れるほどだ!
現実では見れない光景に俺は感動を覚えた。
あれを近くで早く見てみたい! そう思う程だ。
「あそこに見える塔に登る。まずは、そこにいる兵士に認定書を提示して、そこの小さな建物に入る。あそこには、塔が建つ島に行けるワープがあって、それで渡れるってワケだ」
ガイさんが簡単に説明をしてくれた。
俺達は兵士に認定書を提示し、建物にあるワープを使って塔が建つ島に降り立った。
塔から少し離れた場所に、同じような建物があり、そこにワープが設置されていた。その建物から出ると、数人の冒険者が居た。その他にNPCだと思われる人物もいる。
どんな役割があるのか気になるな。
「今日はあの人だよね?」
「そうだな」
ルミさんがそう言うと、ガイさんは頷き答えた。
二人が言う人物は、一番近くにいる女性だ。見た目はエルフだが、冒険者ではないのは確かだ。
木で作ったハープが横にあり、その横に座っている。エメラルドグリーンの長いウェーブした髪が腰まであって、それより少し濃い目のドレスを着ている。神秘的だ。
「おーい。戻ってこーい」
ガイさんが俺に話しかけていた。彼女に目を奪われ放心していたようだ。
「またトリップしていたな? それ戦闘ではするなよ!」
「なになに。キソナさんってこのお姉さんがタイプなの?」
「あのな! ちょっと見惚れていただけだろう!」
『ムムム! 見惚れたのですか!』
ピピまで何で怒るんだ。別に現実世界にいない人だからちょっと見入っていただけだろう……。
「いや……だから、神秘的で……」
「はいはい。別に構わないよ~」
「口説くなら塔から戻ってからな!」
ピピにまで言われ、しどろもどろになりながら弁解をするも、二人に適当にあしらわれる。
俺も別に動揺しなくてもいいよな。相手はNPCだろう……。
小さくため息をつくと、ガイさんが話始めた説明に耳を傾けた。
「塔には、いくつかの扉があって目的に応じて違う。で、今回は経験値を取得する扉に入ろうと思う。と、言ってもそこしか入れないけどな」
「だよねぇ。お金いくらかかるかな?」
「そんなにかからないだろう。テスターと一緒じゃないか?」
「え! お金かかるのか!」
二人が俺の驚いた顔を見て、やっぱり何も知らないんだという顔をした。
「今更だがそうだ。前回は一,〇〇〇Tだった」
「同じだといいねぇ」
二人は頷きあう。
今一,五〇〇Tぐらいしかないんだが……。
「あのさ、それ挑戦する度に必要なのか?」
たぶんそうだと思うけどが払ってまでやる価値があるかどうかだな。
「毎回だな。このエルフの女性の扉の番人にお金を支払うと、扉を通り抜けられる魔法を掛けてくれて、塔の中に入れる」
「そうそう。でも扉によって必要な物が違うんだよね。だから今は、経験値の扉にしか入れないの」
毎回必要な上に、扉によって支払う物が違うのか……。
「で、扉によって何が違うんだ? それに、お金払うほどの価値があるのか?」
フィールドでも経験値が稼げる。それにワープがないと塔がから出れないようだし、簡単に挑むものでもないよな。
「あるから来てるんだろうが。まず塔には宝箱がある! それに、ボスが五階ごとに居て、倒せば経験値ががっぽりだ。貴重なアイテムもドロップする事がある。毎回一階からスタートになるが、敵は別に倒さなくてもいい。まあ経験値の扉から入れば、そこにいる敵の経験値は一.五倍だからある程度になったら倒した方がいいだろうけどな」
ガイさんの説明にルミさんはうんうんと頷いている。
なるほど。宝箱があるのか。そしてボスもいるのか。
「で、経験値を稼ぐ扉、お金を稼ぐ扉、スキルを獲得する扉、魔法を獲得する扉、試練を受ける扉などがあるんだ。それぞれの扉によって用意しなくてはいけない物が違う。なので今はお金で行ける経験値の扉からしか入れないってワケだ」
この塔でスキルや魔法も獲得できるのか! あぁ、前回挑戦しておけば、どんな感じかわかったんだな。
「じゃ、話しかけて取りあえず中に入るか。後は中で聞かせてやる」
「そうだね」
二人は時間がもったいないと、早速お姉さんに声をかけた。
「俺達、塔に入りたいんだけど」
「はい。一人一,〇〇〇Tです」
テスターの時と同じようだ。俺達は、彼女にお金を渡した。そうすると彼女は、ハープを奏で始める。
短い曲が終わると、彼女はニッコリ微笑んだ。
「あの緑の扉からどうぞ」
俺達は言われた通り、緑の扉も前に来た。
「うんじゃ、そこのタイルに登録してくれ」
「登録?」
見れば扉の横の壁の前に一メートル四方の白いタイルがあった。
「ワープ先の登録をすると、ここにワープしてくる」
『キソナ様。ここにワープ先の登録を致しますと、塔の中からはここにしかワープ出来なくなる仕組みになっております。登録し忘れますと、塔の中でワープをする事が出来なくなりますので必ず必要です。タイルの上に乗って登録すれば完了です』
「わかった」
ガイさんの言葉に、ピピが補足して説明をしてくれた。俺はそれに頷き、タイルの上に乗っかった。
ポン。
《ワープ先に登録致しますか?》
ポン。
《登録を完了致しました》
メッセージが出て来たので、はいを選び設定を完了させる。
「設定した」
「じゃ、行くか」
「楽しみだね」
俺達三人は、扉を開けるのではなく、扉を通り抜けて塔の中に入って行った!
現実では見れない光景に俺は感動を覚えた。
あれを近くで早く見てみたい! そう思う程だ。
「あそこに見える塔に登る。まずは、そこにいる兵士に認定書を提示して、そこの小さな建物に入る。あそこには、塔が建つ島に行けるワープがあって、それで渡れるってワケだ」
ガイさんが簡単に説明をしてくれた。
俺達は兵士に認定書を提示し、建物にあるワープを使って塔が建つ島に降り立った。
塔から少し離れた場所に、同じような建物があり、そこにワープが設置されていた。その建物から出ると、数人の冒険者が居た。その他にNPCだと思われる人物もいる。
どんな役割があるのか気になるな。
「今日はあの人だよね?」
「そうだな」
ルミさんがそう言うと、ガイさんは頷き答えた。
二人が言う人物は、一番近くにいる女性だ。見た目はエルフだが、冒険者ではないのは確かだ。
木で作ったハープが横にあり、その横に座っている。エメラルドグリーンの長いウェーブした髪が腰まであって、それより少し濃い目のドレスを着ている。神秘的だ。
「おーい。戻ってこーい」
ガイさんが俺に話しかけていた。彼女に目を奪われ放心していたようだ。
「またトリップしていたな? それ戦闘ではするなよ!」
「なになに。キソナさんってこのお姉さんがタイプなの?」
「あのな! ちょっと見惚れていただけだろう!」
『ムムム! 見惚れたのですか!』
ピピまで何で怒るんだ。別に現実世界にいない人だからちょっと見入っていただけだろう……。
「いや……だから、神秘的で……」
「はいはい。別に構わないよ~」
「口説くなら塔から戻ってからな!」
ピピにまで言われ、しどろもどろになりながら弁解をするも、二人に適当にあしらわれる。
俺も別に動揺しなくてもいいよな。相手はNPCだろう……。
小さくため息をつくと、ガイさんが話始めた説明に耳を傾けた。
「塔には、いくつかの扉があって目的に応じて違う。で、今回は経験値を取得する扉に入ろうと思う。と、言ってもそこしか入れないけどな」
「だよねぇ。お金いくらかかるかな?」
「そんなにかからないだろう。テスターと一緒じゃないか?」
「え! お金かかるのか!」
二人が俺の驚いた顔を見て、やっぱり何も知らないんだという顔をした。
「今更だがそうだ。前回は一,〇〇〇Tだった」
「同じだといいねぇ」
二人は頷きあう。
今一,五〇〇Tぐらいしかないんだが……。
「あのさ、それ挑戦する度に必要なのか?」
たぶんそうだと思うけどが払ってまでやる価値があるかどうかだな。
「毎回だな。このエルフの女性の扉の番人にお金を支払うと、扉を通り抜けられる魔法を掛けてくれて、塔の中に入れる」
「そうそう。でも扉によって必要な物が違うんだよね。だから今は、経験値の扉にしか入れないの」
毎回必要な上に、扉によって支払う物が違うのか……。
「で、扉によって何が違うんだ? それに、お金払うほどの価値があるのか?」
フィールドでも経験値が稼げる。それにワープがないと塔がから出れないようだし、簡単に挑むものでもないよな。
「あるから来てるんだろうが。まず塔には宝箱がある! それに、ボスが五階ごとに居て、倒せば経験値ががっぽりだ。貴重なアイテムもドロップする事がある。毎回一階からスタートになるが、敵は別に倒さなくてもいい。まあ経験値の扉から入れば、そこにいる敵の経験値は一.五倍だからある程度になったら倒した方がいいだろうけどな」
ガイさんの説明にルミさんはうんうんと頷いている。
なるほど。宝箱があるのか。そしてボスもいるのか。
「で、経験値を稼ぐ扉、お金を稼ぐ扉、スキルを獲得する扉、魔法を獲得する扉、試練を受ける扉などがあるんだ。それぞれの扉によって用意しなくてはいけない物が違う。なので今はお金で行ける経験値の扉からしか入れないってワケだ」
この塔でスキルや魔法も獲得できるのか! あぁ、前回挑戦しておけば、どんな感じかわかったんだな。
「じゃ、話しかけて取りあえず中に入るか。後は中で聞かせてやる」
「そうだね」
二人は時間がもったいないと、早速お姉さんに声をかけた。
「俺達、塔に入りたいんだけど」
「はい。一人一,〇〇〇Tです」
テスターの時と同じようだ。俺達は、彼女にお金を渡した。そうすると彼女は、ハープを奏で始める。
短い曲が終わると、彼女はニッコリ微笑んだ。
「あの緑の扉からどうぞ」
俺達は言われた通り、緑の扉も前に来た。
「うんじゃ、そこのタイルに登録してくれ」
「登録?」
見れば扉の横の壁の前に一メートル四方の白いタイルがあった。
「ワープ先の登録をすると、ここにワープしてくる」
『キソナ様。ここにワープ先の登録を致しますと、塔の中からはここにしかワープ出来なくなる仕組みになっております。登録し忘れますと、塔の中でワープをする事が出来なくなりますので必ず必要です。タイルの上に乗って登録すれば完了です』
「わかった」
ガイさんの言葉に、ピピが補足して説明をしてくれた。俺はそれに頷き、タイルの上に乗っかった。
ポン。
《ワープ先に登録致しますか?》
ポン。
《登録を完了致しました》
メッセージが出て来たので、はいを選び設定を完了させる。
「設定した」
「じゃ、行くか」
「楽しみだね」
俺達三人は、扉を開けるのではなく、扉を通り抜けて塔の中に入って行った!
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