【完結】大きな声では言えないが俺が魔王だ!

すみ 小桜(sumitan)

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第五章 その鑑定、偽りあり!

第三二話

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 俺はのほほんっと回復を待っていた。

 「おい。そんな所で何してるんだ?」

 声がかかり顔を上げると、ガイさんが立っていた。

 「あぁ、ガイさん。休憩中。HPとMPを回復している」

 「おぉ、一〇レベルになったのか!」

 少し間があってからそう返して来た。メル友でレベルを確認したんだろう。

 「確かワープ持っていたよな?」

 「うん? 持っているけど?」

 「だったら塔に行かないか?」

 そう言えば一〇レベルから行けるんだっけ?

 「俺も一〇レベルになったんだ。テスターの時、塔に行ったことはあるか?」

 「いや、ないんだよな……」

 「ないか。まあ、さらっと言うとだな。塔は一方通行で、上の階にしか行けないんだ。五階ごとに外に出るワープもあるんだが、それ以外は、魔法のワープでしか外に出る方法がない」

 そうだったのか! ワープ選んでおいてよかった! あ、だから表ステータスなのか。塔に登る為にあったら便利な魔法だもんな。どうやって取得するかは知らないけど。

 「で、どうだ? 覗いてみないか?」

 さて、どうしよう。どんなのか見てみたい気もするけど……。

 『どう思うピピ?』

 『今のキソナ様なら問題ないと思われます。フィールドのエンカウントと同じで、そんなに大量には出現したしません。オオカミンよりは、練習に丁度いいかもしれません』

 『そうだな! じゃ、ちょっと行ってみる!』

 「あぁ。OK。行こう」

 後MP七〇ぐらいで全回復だが、MPはそんなに使わないから問題ない。

 「あれれ? キソナさん? 何しているの? そんな所に座って」

 立ち上がろうとすると、またもや声を掛けられた。そんなに目立つだろうか?

 確かに大量に回復する時は、ログアウトする人が多いかもしれない。ログアウト中の回復は、座って回復と一緒だ。しかも満腹度も減らない。
 見渡せばずっと座りっぱなしは、俺だけだったようだ。
 俺は、スクッと立ち上がった。

 「さっきはどうも。これから塔に行こうってガイさんと話していたんだ」

 「ガイです」

 俺が説明するとガイさんは、ルミさんに挨拶をする。

 「はいはい! 私も行きたい!」

 ルミさんは手を挙げ元気に言った。

 「俺は構わないが、えっと……」

 「ルミです! レベルは一一です!」

 ルミさんは、ガイさんが聞きたい事だろうと、名前とレベルを自分で紹介した。

 「一一! 早すぎないか? さっき、九になったばかりじゃ……」

 俺とオオカミンのクエストをして彼女は九になった。それなのにもう一一になっている。俺が、ダイガルと修行している間にだ!

 「あ、誘わなくてごめんね。二人でも大丈夫そうだったからさ。……っていうかさ、戦闘下手すぎて、居てもいなくても同じっていうか……」

 「う……」

 そこまでハッキリと本人の前でい言いますか……。確かにルミさん達と比べたら大人と子供というぐらい戦い方は違ったが……。

 「そうだな。あれには俺も驚いたぞ。ステータスが凄いのに勿体ないと思ったほどだ」

 「俺もそれに気付いて、修行……練習してまともに戦闘出来る様になったから!」

 頑張った! オオカミンで試したけど普通になったと思う。まあ、二人にはまだ及ばないだろうけどさ。
 俺がムキになって言うと、二人は顔を見合わせる。

 「まあ、ワープ使えるヤツがいると便利だし。期待はしてないから大丈夫だ」

 「うん。防御高いみたいだから、食らっても死なないでしょう。それにどんな感じか見に行くだけだし……」

 「ちょ……二人共酷くないか! 足手まといにはならない程度には、出来る様になったって言ってるだろうが!」

 二人は笑い出す。

 『バカにされていますよ! 見返してやりましょう!』

 『おう!』

 ピピの言葉に軽く頷いた。

 「ごめんごめん。冗談だからもう本気にしないの。ちゃんと助けてあげるから」

 「楽しみにしてるからな。存分に練習の成果を見せてくれ。じゃ、パーティーを組もうか、ルミちゃん」

 「ちゃんって! 子供じゃないんだから。まあいいけどさ」

 「どれどれ……」

 二人は気が合うようだ。俺をからかって遊んでいる……。
 俺達はパーティーを組んだ。

 「ほう。ルミちゃんは、怪力を合わせると攻撃力九〇あるのか。すごいな。って、キソナさん、おたく魔法を取りに行ったのか? どれだけHPチートなんだ?」

 早速ガイさんは、俺達のステータスチェックを始めた。俺が、魔法を覚えている事に凄く驚いた様子だ。まあ、あのへっぽこ戦闘じゃ普通死ぬわな……。
 それにしてもルミさんは、怪力のスキルで攻撃力がかなりUPしてるな。

 「一人で行ったんじゃないよ。ちょっとした便利なスキルを使える人がいて、足止めしてくれたからさ。俺でも行けたんだ!」

 「なるほどな。納得だ」

 「あ、わかった!」

 誰とは言わないけど、ルミさんはヒカルだと気づいたようだ。
 こうして和気あいあいと塔に俺達三人は向かった。
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