【完結】大きな声では言えないが俺が魔王だ!

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
33 / 48
第四章 立場逆転!?眷属に弟子入り!

第三一話

しおりを挟む
 連続で蹴りを入れてきたり、パンチも繰り出してくる。ナックルは外しているようだ。俺はさっきから地面に手をついてばかりだ。つまり食らいまくり!
 回復するのが大変なぐらいだ。こんなに必死なのは、あの魔法茶イベント以来かも。

 「もう、そこまでにしませんか?」

 その声にダイガルは、ピタッと止まった。

 「ピピか? ……そうか。これはあなたの提案か。では、休憩にしよう」

 ピピって普通にも話せたんだ。従えたら話せなくなったのかと思っていた。

 「ありがとうございました!」

 俺がダイガルに頭を下げると、彼はうむっと頷いた。

 『MP切れです』

 『ありがとう、ピピ。必死過ぎてMPまで気が回らなかった』

 流石に疲れた感があるな。凝視していたからか目も疲れた。
 俺はダイガルを送還して少し休む事にした。

 「ダイガル師匠、街に戻る事にしたので、一度送還します」

 「わかった」

 ダイガルは頷いた。

 「ありがとうございました。では! ダイガルを送還!」

 ダイガルは、スッと消えて行った。送還にはHPもMPも必要ない。

 「さて、街に戻って食堂だな」

 見れば、満腹度が半分を切っている。
 俺はワープ分MPが戻るとそれでタード街に戻り、その足で食堂に向かいパスタを食べた。

 考えてみると、ダイガルもチートだよな!
 って、召喚した魔族の方が俺より強いよな。確かに凄い役に立つけど、立場的に恥ずかしいし虚しい。
 よし! 頑張ってせめて、攻撃をかわせるようにならないとな!
 まずはどれくらいになったか、確認してみよう!

 『これ食べ終わったら、MP回復がてらオオカミンのクエスト受けて、実践してみる事にする』

 『承知しました』

 一〇分後、冒険者ギルドでオオカミン一二体、報酬一,二九六Tのクエストを受け、双子の丘に向かった。
 エンカウントすると俺は、オオカミンに向かって行った。刀は右手だけに装備している。

 向かって来るオオカミンを切り付け、攻撃をかわし切り付ける。
 今までただ動かず攻撃していたが、今は攻撃をかわしつつ攻撃を入れる事が出来ている。敵の数が多いので、全てをかわす事は出来てはいながいが、ダイガルに教えて貰う前と後では、雲泥の差だ!

 こんなに効果が出るなんて! ピピの言う通りダイガルに指導してもらってよかった! 二人に感謝だな!

 今までの半分ほどの時間でオオカミンを倒す事が出来た。
 俺、凄い成長したよな!
 これなら防御チートを誤魔化せる。勇者だと思わせる程のチートはやばいからな。
 それにやっぱり、回避して食わらずに戦闘する方が、嬉しいというかストレスがないよな。カッコいいし……。

 俺はオオカミン全て倒し、ルンルンでタード街に戻って報酬を受け取った。
 そして、まだHPもMPも回復しきっていなかったので、回復魔法をかけた後、座ってMPを回復させる為、一五分ほど休憩する事にした。

 休憩後、ワープでリリタの森に向かう。周りに人気がないのを確認して召喚する。

 「ダイガルを召喚!」

 目の前にダイガルが召喚された。

 「もう休憩はいいのか?」

 「はい! またお願いします」

 俺は、右手に刀を装備する。

 「その武器以外持っているか? ナイフぐらいの長さがいいんだが」

 「あ、はい。イベントで手に入れた最初のやつなら」

 俺は冒険者になる時に手に入れたナイフを左手に出した。

 「ではそのままそれは左手に装備し、その刀は私に貸して頂こう」

 そう言うと、ダイガルは右手を出した。
 俺がナイフでダイガルが刀でやり合うのか?
 取りあえず言われた通り、刀をダイガルに渡す。

 「これからこの刀で攻撃をするから、そのナイフで受け止めろ」

 「左手で?」

 「そうだ」

 ダイガルは頷く。
 マジか。こんな短いので受け止めるのかよ!

 「行くぞ!」

 「え! あ、はい!」

 最初に振り下ろした攻撃は受け止められたものの、次の攻撃はもろに食らった!

 HPはなんと、四〇%近く削られている!
 刀の補正があったとしても一五だ! おかしいだろう!

 「なんでこんなに増えるんだ!」

 『ダイガルには、剣と刀を装備した時に補正が入ります。その為攻撃力が上がります! 気を抜かない様に!』

 それはちょっとズル過ぎはしませんか! 俺は心の中で叫んだ!

 「回復魔法!」

 HPは全回復する。
 これ連続で受けたらやばいだろう。
 俺は必死に受け止めるも体がダイガルのスピードについて行かない為、次の攻撃を受けてしまう。

 攻撃を受け、回復を繰り返す。もう攻撃を受けたら無意識のうちに回復と口にしているぐらいだ。

 「これぐらいか」

 ダイガルはそう言って、攻撃をやめた。

 「MPが回復したらまた修行だ」

 「はい……。ありがとうございました」

 俺は頭を下げた。
 いつの間にかMP切れになっていた。回復と言っても回復していなかったようだ。
 俺はダイガルを送還して、タード街に戻った。そして、噴水の前に座って回復を待つ。

 『だいぶ防げるようになっておりますよ。最初の頃からみたら別人です!』

 『ありがとう、ピピ。二人のお蔭だよ。レベルがただ上がるより嬉しい』

 それが俺の素直な気持ちだ。レベルが上がっていけば、普通の戦闘では、攻撃を受けてもダメは入らないだろう。きっとそれぐらい、魔王補正チートで強くなっていく。
 けど俺は、かわす方を選ぶ。その方が楽しいさ! って本当の理由は、カッコいいからさ。そうだ、もっと上達してみんなを驚かそう。今まで下手過ぎたから凄く驚くだろうな。

 こんな事で胸を躍らせるなんて、始めた事からは想像もつかなかった。戦闘で瀕死にならないように、チート過ぎてバレるんじゃないか。戦闘する度に不安だったのに……。

 早く回復しないかな。
 戦闘するのが、待ち遠しくなるなんてな! 本当に修行前には考えられなかった――。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

酔っぱらったせいで、勇者パーティーを洗脳してしまった

透けてるブランディシュカ
ファンタジー
悪友のせいで酔ったら。(※重複投稿しています)仲仁へび

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

処理中です...