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第四章 立場逆転!?眷属に弟子入り!
第三〇話
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街に戻った俺は、冒険者ギルドで報酬を受け取る。
さて、次はどれにしようか。取りあえずまた一〇体でいいかな?
今度はダイガルだけ召喚すればいいから、さっきみたいな事は起こらないだろう。
『キソナ様。ご提案があります』
俺が悩んでいると、ピピがそう言ってきた。勿論聞くさ!
『なんだ?』
『はい。クエストを受けずにリリタの森にてダイガルに教えて頂くのはどうでしょうか? 召喚は戦闘中でもなくともできます。元の世界に戻す場合は、送還すれば宜しいのでいかがでしょう』
なるほど。そういう手もあるか。ピピだって戦闘中じゃない時に召喚してるんだし。ダイガルは見た目、人間に見える。誰かの目に触れたとしても問題はないよな。よし! そうしよう!
『それいいな! そうするよ。いつもピピはいい提案をしてくれて助かるよ! ありがとう』
『はい! では、ここを出てワープで向かいましょう!』
ピピは、少し頬を染め、嬉しそうに言った。
『ワープか。そうだな。行った事ある場所は行けるんだったな。じゃ、ギルド出るか』
俺はピピの提案通り、ワープしてリリタの森へ向かった。
リリタの森は、近くの森よりもジャングルっぽい。まだ敵には会った事がないので、どんなのがいるかわからないが、トラとか出て来そうだ。
人気がないか確認をして、俺はダイガルを呼び出す。
「いでよ! ダイガル! ダイガルを召喚!」
ちょっと格好付けて呼び出してみた。今まで通り魔法陣からダイガルが現れた。
「ダイガル師匠! 俺に剣術の稽古をつけてほしい」
「稽古とな?」
唐突に言うと驚いて復唱する。まあ、敵を倒してじゃなくて、稽古してだもんな。
俺は頷く。
「魔王殿のお願いとあれば何なりと!」
「あ、それと、俺の事は俺が一人前になるまで、キソナと呼び捨てで!」
その言葉にダイガルは驚く。いや、ピピも驚いていた。
「俺さ。攻撃も防御もダメでさ。本気で教えて欲しいから、弟子として鍛えて欲しいんだ」
ダイガルは、静かに頷いた。
『キソナ様! なんと立派なお言葉!』
ピピはハンカチを持っていないが、それで拭いている仕草をする。何となく執事のじいや的な感じだが、俺的には可愛く映る。
目がウルウルもいいな。
「わかりました。今から師匠と弟子。キソナと呼び捨てにさせて頂きます」
ダイガルは、頷いて承諾してくれた。
「はい! 宜しくお願いします!」
俺は頭を下げた。
こうして魔王の俺は、眷属に習う事になった。
×× × ××
リリタの森に、金属音が響く。
俺は右手に刀を持ち、ダイガルに切りかかる。だが、全て右手の『ぐう』で防がれた。彼の両手にはナックルが装着されていた。
『なあ、ピピ。ダイガルって剣士なんだよな? 武道家じゃないよな? なんでナックルなんだ?』
『彼は剣の達人ですが、武術も相当な腕前です。キソナ様相手ですと、剣を使うまでもないのでしょう』
『………』
うん。間違ってはいないな。でもこの頃発言が厳しいよな、ピピ。
「おい! 意識がそれているぞ!」
「え! あ、はい!」
ピピと話しているのは聞こえてないはずだけど、集中していないのはバレた。流石だ。
こうして一〇分ほどずっとさせられた。
「うむ。よし、やめ!」
俺は剣を下ろした。
「で、どれくらいになりたいのだ?」
「え?」
「例えば、相手を瞬殺できるようになりたいとか。急所をつけるようになりたいとか。そういう事だ」
どっちも難しそうだな。って、そこまで出来なくてもいいんだよな。攻撃を食らわず戦えれば……。
「そういう技術はいらないかな。俺は、相手の攻撃をかわしつつ、攻撃を与えられればいい」
「なんだ、スキルを取得したいのではなかったのか! ただのカウンターか」
今なんと……。さっき言っていたのって、スキルの技の事だったのか!
「よしわかった。ではまず、攻撃をかわす訓練からだ! 相手の隙を見つけれるようになれば、自然と攻撃できるようになる!」
「え! 待って!」
「背を向けずにかわせ!」
言うが早いか、ダイガルは蹴りを入れて来た。勿論、今の俺に合わせて優しい蹴りだ。
待ってって言ったのは、スキルだったらそれも教えて欲しいと言いたかったんだが、これが出来るようになってからでもいいか。
俺は必死にダイガルの蹴りを避ける。
だがここは森の中だ。足場も悪いし木などもあるので動きづらい。後ろを確認したりすると、ダイガルの蹴りを食らう。
ふとHPを見ると三〇%近く減っている! 俺は、さっきのクエストで一〇レベルになっていた。HPは七〇〇超えているが、一撃で二〇〇ぐらい食らった事になる!
「って、ダメ入るのか!」
『仲間同士でも攻撃は受けます。勿論、武器でも魔法でも同じです。蹴りやパンチは素手攻撃になります』
そうだったのか! いや、同士討ちありって聞いていたけど、素手攻撃ってあったんだ。
ダメが入るって先に教えて欲しかった……。
いや、こういう甘えがダメなんだ!
ダイガルは、容赦なく繰り出して来る。確認しなければ、木に気づかずにぶつかり、これもまた蹴りを食らう。
HPが半分を切った!
「げ! 回復魔法!」
HPが四〇%ほど回復した。たぶん三〇〇回復しんだろう。
うん。検証も出来た!
蹴りを食らうと回復をして……。
そんな事を繰り返しているうちに要領が掴めて来た。
「よし次は、色んな攻撃を仕掛ける」
「え! 休憩なし?」
「これが出来たら休憩だ!」
スパルタだな。いや、俺が望んだ事だ。
さて、次はどれにしようか。取りあえずまた一〇体でいいかな?
今度はダイガルだけ召喚すればいいから、さっきみたいな事は起こらないだろう。
『キソナ様。ご提案があります』
俺が悩んでいると、ピピがそう言ってきた。勿論聞くさ!
『なんだ?』
『はい。クエストを受けずにリリタの森にてダイガルに教えて頂くのはどうでしょうか? 召喚は戦闘中でもなくともできます。元の世界に戻す場合は、送還すれば宜しいのでいかがでしょう』
なるほど。そういう手もあるか。ピピだって戦闘中じゃない時に召喚してるんだし。ダイガルは見た目、人間に見える。誰かの目に触れたとしても問題はないよな。よし! そうしよう!
『それいいな! そうするよ。いつもピピはいい提案をしてくれて助かるよ! ありがとう』
『はい! では、ここを出てワープで向かいましょう!』
ピピは、少し頬を染め、嬉しそうに言った。
『ワープか。そうだな。行った事ある場所は行けるんだったな。じゃ、ギルド出るか』
俺はピピの提案通り、ワープしてリリタの森へ向かった。
リリタの森は、近くの森よりもジャングルっぽい。まだ敵には会った事がないので、どんなのがいるかわからないが、トラとか出て来そうだ。
人気がないか確認をして、俺はダイガルを呼び出す。
「いでよ! ダイガル! ダイガルを召喚!」
ちょっと格好付けて呼び出してみた。今まで通り魔法陣からダイガルが現れた。
「ダイガル師匠! 俺に剣術の稽古をつけてほしい」
「稽古とな?」
唐突に言うと驚いて復唱する。まあ、敵を倒してじゃなくて、稽古してだもんな。
俺は頷く。
「魔王殿のお願いとあれば何なりと!」
「あ、それと、俺の事は俺が一人前になるまで、キソナと呼び捨てで!」
その言葉にダイガルは驚く。いや、ピピも驚いていた。
「俺さ。攻撃も防御もダメでさ。本気で教えて欲しいから、弟子として鍛えて欲しいんだ」
ダイガルは、静かに頷いた。
『キソナ様! なんと立派なお言葉!』
ピピはハンカチを持っていないが、それで拭いている仕草をする。何となく執事のじいや的な感じだが、俺的には可愛く映る。
目がウルウルもいいな。
「わかりました。今から師匠と弟子。キソナと呼び捨てにさせて頂きます」
ダイガルは、頷いて承諾してくれた。
「はい! 宜しくお願いします!」
俺は頭を下げた。
こうして魔王の俺は、眷属に習う事になった。
×× × ××
リリタの森に、金属音が響く。
俺は右手に刀を持ち、ダイガルに切りかかる。だが、全て右手の『ぐう』で防がれた。彼の両手にはナックルが装着されていた。
『なあ、ピピ。ダイガルって剣士なんだよな? 武道家じゃないよな? なんでナックルなんだ?』
『彼は剣の達人ですが、武術も相当な腕前です。キソナ様相手ですと、剣を使うまでもないのでしょう』
『………』
うん。間違ってはいないな。でもこの頃発言が厳しいよな、ピピ。
「おい! 意識がそれているぞ!」
「え! あ、はい!」
ピピと話しているのは聞こえてないはずだけど、集中していないのはバレた。流石だ。
こうして一〇分ほどずっとさせられた。
「うむ。よし、やめ!」
俺は剣を下ろした。
「で、どれくらいになりたいのだ?」
「え?」
「例えば、相手を瞬殺できるようになりたいとか。急所をつけるようになりたいとか。そういう事だ」
どっちも難しそうだな。って、そこまで出来なくてもいいんだよな。攻撃を食らわず戦えれば……。
「そういう技術はいらないかな。俺は、相手の攻撃をかわしつつ、攻撃を与えられればいい」
「なんだ、スキルを取得したいのではなかったのか! ただのカウンターか」
今なんと……。さっき言っていたのって、スキルの技の事だったのか!
「よしわかった。ではまず、攻撃をかわす訓練からだ! 相手の隙を見つけれるようになれば、自然と攻撃できるようになる!」
「え! 待って!」
「背を向けずにかわせ!」
言うが早いか、ダイガルは蹴りを入れて来た。勿論、今の俺に合わせて優しい蹴りだ。
待ってって言ったのは、スキルだったらそれも教えて欲しいと言いたかったんだが、これが出来るようになってからでもいいか。
俺は必死にダイガルの蹴りを避ける。
だがここは森の中だ。足場も悪いし木などもあるので動きづらい。後ろを確認したりすると、ダイガルの蹴りを食らう。
ふとHPを見ると三〇%近く減っている! 俺は、さっきのクエストで一〇レベルになっていた。HPは七〇〇超えているが、一撃で二〇〇ぐらい食らった事になる!
「って、ダメ入るのか!」
『仲間同士でも攻撃は受けます。勿論、武器でも魔法でも同じです。蹴りやパンチは素手攻撃になります』
そうだったのか! いや、同士討ちありって聞いていたけど、素手攻撃ってあったんだ。
ダメが入るって先に教えて欲しかった……。
いや、こういう甘えがダメなんだ!
ダイガルは、容赦なく繰り出して来る。確認しなければ、木に気づかずにぶつかり、これもまた蹴りを食らう。
HPが半分を切った!
「げ! 回復魔法!」
HPが四〇%ほど回復した。たぶん三〇〇回復しんだろう。
うん。検証も出来た!
蹴りを食らうと回復をして……。
そんな事を繰り返しているうちに要領が掴めて来た。
「よし次は、色んな攻撃を仕掛ける」
「え! 休憩なし?」
「これが出来たら休憩だ!」
スパルタだな。いや、俺が望んだ事だ。
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