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第六章 ヒカルの正体
第四四話
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「私からだよ」
ルミさんだ!
彼女はニッコリ微笑み、ゆっくりと俺に近づいて来る。
「ルミさん……。ヒカルは、テスターのヒカルじゃないんだ。どうして名前が重複しているかわからないけど別人だから!」
「別人ねぇ……。そうかしら? 自分じゃケンタを倒せないからあなたを寄こしたんじゃない? あなた強いものね」
「俺は別に争う為に来たんじゃない」
「あらでも、争ってたじゃない」
両手を後ろに回し、俺の顔を覗き込む様に言った。ポーズは可愛いが目が笑っていない。
「それはそういう条件を出して来たから……。それにヒカルだって上手くやれば、ケンタに勝てる。ヒカルが相手の動きを奪うスキルを持っているのを知っているだろう? 相手の動きを封じ、魔法で攻撃すれば出来る。ヒカルは俺より魔法のコントロールはいい!」
「あのさ、ルミ。俺もそう思う。この人が言った通り、森に呼びだした時にそれ出来たと思う。仲良くは無理なのかもしれないけど、もうやめないか?」
俺の熱弁でケンタはわかってくれたみたいだ。後はルミさんだけど……。
「さすがヒカルが寄こして来ただけあるわね。口がうまい事」
「ルミさん……」
ここまで言ってもダメか……。どうやったらわかってくれるんだ。
「ルミ。俺はやめるよ。確かに名前は一緒だけど、中身は全然違うと思うんだ。嫌ならさ。接点持たなければ……」
カキン!!
突然ルミさんが斧を装備して襲い掛かって来た! 俺にではなくケンタに!
俺は咄嗟にそれに気付き、ケンタの前に出て刀で斧を受け止めた!
「な、なんで……」
驚いてケンタは、ルミさんに問う。
「なんで? それはこっちの台詞よ! 寝返るなんてね!」
「別に寝返ってないだろう!?」
「じゃ、自分は復讐が出来たし満足だからって事?」
「………」
ルミさんの言葉にケンタは何も返せない。彼女から見たらそう捉える事も出来るからだと思うけど、何かルミさんイメージが全然違う。
何故、俺じゃなくケンタを狙う? どう考えても殺す気だった!
今彼はHP半分切っている。魔法の効果も切れて防御力も普通に戻っていただろう。俺が間に入らなかったら死亡していたかもしれない!
「ケンタに回復魔法」
俺は小さな声で唱えた。
一応回復しておこう。そうすれば、一発では死なない。
「本当にお前、邪魔!」
ルミさんが俺をギロリと睨む。
俺がケンタを回復したのに気付いたんだろう。
「邪魔って……」
ブンと今度は俺に向けて斧を振り上げて来た!
つい咄嗟に今度は左手のナイフで受け止めるも、ナイフは叩き落とされ俺はダメを食らう!
ビリッと痛みが走り怯んでいる内に、今度は右から振った斧で吹き飛ばされた!
「うわー!」
『キソナ様!!』
ドサッ!
「いった……」
「おい、大丈夫かよ」
驚いてケンタが俺の側に来て、俺を起こす。
「ルミ待てって! 少し落ち着け!」
ケンタが叫ぶ。
ルミさんには笑顔はない。
HPを確認すると、二撃食らったが一二%しか減っていない。九〇程のダメージだ。
『キソナ様……』
『大丈夫だ。それよりルミさんを何とか説得しないと……』
『かなり難しそうですが……』
『あぁ。そうだな』
俺はチラッとピピを見て会話した。
「大丈夫だ。ケンタさん。ありがとう」
俺はそう言って立ち上がる。
「ルミさん、ヒカルは二度殺されてやめると言っている。もしテスターの時のヒカルならそれはないだろう? こうなる事態はわかっているし、あいつならやめるぐらいなら仕返しにくるだろう? 重複の原因はちゃんと究明するからさ。噂流すのはやめてくれないか」
「え……やめるって言ってるのか?」
驚いて返して来たのは、俺の後ろに立つケンタだけだった。
だけどルミさんは、斧をしまってくれた。ホッと一安心だ。
「まあ噂を流すのは勘弁してあげるわ」
「ルミ……」
ルミさんが言った台詞と被るように、彼女を呼ぶ声がかかった。その人物はルミさんの後ろに近づいて来た。
「「ヒカル!!」」
俺とケンタは声を揃えて名を呼んだ!
何故ここに!?
ルミさんがゆっくりと彼女に振り返った――。
ルミさんだ!
彼女はニッコリ微笑み、ゆっくりと俺に近づいて来る。
「ルミさん……。ヒカルは、テスターのヒカルじゃないんだ。どうして名前が重複しているかわからないけど別人だから!」
「別人ねぇ……。そうかしら? 自分じゃケンタを倒せないからあなたを寄こしたんじゃない? あなた強いものね」
「俺は別に争う為に来たんじゃない」
「あらでも、争ってたじゃない」
両手を後ろに回し、俺の顔を覗き込む様に言った。ポーズは可愛いが目が笑っていない。
「それはそういう条件を出して来たから……。それにヒカルだって上手くやれば、ケンタに勝てる。ヒカルが相手の動きを奪うスキルを持っているのを知っているだろう? 相手の動きを封じ、魔法で攻撃すれば出来る。ヒカルは俺より魔法のコントロールはいい!」
「あのさ、ルミ。俺もそう思う。この人が言った通り、森に呼びだした時にそれ出来たと思う。仲良くは無理なのかもしれないけど、もうやめないか?」
俺の熱弁でケンタはわかってくれたみたいだ。後はルミさんだけど……。
「さすがヒカルが寄こして来ただけあるわね。口がうまい事」
「ルミさん……」
ここまで言ってもダメか……。どうやったらわかってくれるんだ。
「ルミ。俺はやめるよ。確かに名前は一緒だけど、中身は全然違うと思うんだ。嫌ならさ。接点持たなければ……」
カキン!!
突然ルミさんが斧を装備して襲い掛かって来た! 俺にではなくケンタに!
俺は咄嗟にそれに気付き、ケンタの前に出て刀で斧を受け止めた!
「な、なんで……」
驚いてケンタは、ルミさんに問う。
「なんで? それはこっちの台詞よ! 寝返るなんてね!」
「別に寝返ってないだろう!?」
「じゃ、自分は復讐が出来たし満足だからって事?」
「………」
ルミさんの言葉にケンタは何も返せない。彼女から見たらそう捉える事も出来るからだと思うけど、何かルミさんイメージが全然違う。
何故、俺じゃなくケンタを狙う? どう考えても殺す気だった!
今彼はHP半分切っている。魔法の効果も切れて防御力も普通に戻っていただろう。俺が間に入らなかったら死亡していたかもしれない!
「ケンタに回復魔法」
俺は小さな声で唱えた。
一応回復しておこう。そうすれば、一発では死なない。
「本当にお前、邪魔!」
ルミさんが俺をギロリと睨む。
俺がケンタを回復したのに気付いたんだろう。
「邪魔って……」
ブンと今度は俺に向けて斧を振り上げて来た!
つい咄嗟に今度は左手のナイフで受け止めるも、ナイフは叩き落とされ俺はダメを食らう!
ビリッと痛みが走り怯んでいる内に、今度は右から振った斧で吹き飛ばされた!
「うわー!」
『キソナ様!!』
ドサッ!
「いった……」
「おい、大丈夫かよ」
驚いてケンタが俺の側に来て、俺を起こす。
「ルミ待てって! 少し落ち着け!」
ケンタが叫ぶ。
ルミさんには笑顔はない。
HPを確認すると、二撃食らったが一二%しか減っていない。九〇程のダメージだ。
『キソナ様……』
『大丈夫だ。それよりルミさんを何とか説得しないと……』
『かなり難しそうですが……』
『あぁ。そうだな』
俺はチラッとピピを見て会話した。
「大丈夫だ。ケンタさん。ありがとう」
俺はそう言って立ち上がる。
「ルミさん、ヒカルは二度殺されてやめると言っている。もしテスターの時のヒカルならそれはないだろう? こうなる事態はわかっているし、あいつならやめるぐらいなら仕返しにくるだろう? 重複の原因はちゃんと究明するからさ。噂流すのはやめてくれないか」
「え……やめるって言ってるのか?」
驚いて返して来たのは、俺の後ろに立つケンタだけだった。
だけどルミさんは、斧をしまってくれた。ホッと一安心だ。
「まあ噂を流すのは勘弁してあげるわ」
「ルミ……」
ルミさんが言った台詞と被るように、彼女を呼ぶ声がかかった。その人物はルミさんの後ろに近づいて来た。
「「ヒカル!!」」
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何故ここに!?
ルミさんがゆっくりと彼女に振り返った――。
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