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第二話
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私は一人、雨が降る中庭に出ました。
雨に濡れ全身びっしょり。
なぜしょうか? 涙は枯れて流れていないのにこの雨は止まない。
この雨は、私が降らせているわけではないのですね。
エストベラル様がいうように、私は聖女ではなかったようです。偶然が重なっただけ。
たぶんエストベラル様は、最初から私を聖女だとは思っていなかったのでしょう。好きな方ができ、陛下に私が聖女ではないと信じさせて、婚約破棄にこぎつけたのですね。
□
学園に行けば、私の話しで持ち切りでしょう。なので行きづらくなって今日はお休みしました。
少し熱もあるようです。雨の中外にでたからでしょうね。
とそこに見舞いの花束が届きました。
イース・サララス様からでした。
確か、留学生です。
次の日、熱は下がりましたが学校をお休みしました。
今日は、驚く事にイース様が訪ねて来たのです。
「突然お邪魔して申し訳ありません」
彼は、長い銀の髪を束ねている。イース様の国では、男性も髪を伸ばすらしい。
「いえ。お気遣いありがとうございます」
そうね。彼には聖女など関係ないのですものね。
「体調はまだ優れないのでしょうか?」
「熱は下がりました」
「そう。それはよかった」
数度しか話をした事がない方なのに、なぜ見舞いなど……。
「一つ問いたいのだが、君はその……エストベラル殿と婚約をなさっておりませんでしたか?」
なぜその様な傷口をえぐるような質問を?
「う、噂をお聞きになったのですね」
「いえ、エストベラル殿が学内で婚約を発表されたので……」
「え?」
婚約発表をしたですって!!
私と婚約を解消したばかりだというのに……。
「す、すみません。大丈夫ですか?」
「なぜ、私にその様な事をお聞きになるのです? エストベラル様が他の方と婚約発表をしたのでしょう?」
「すみません。聞き方を間違えました。今、あなたにはどなたとも婚約なさっておられないのですね?」
「え? そういう事になりますね」
聞き方を変えても答えは同じなのですけどね。
「そうですか。傷心しているあなたに、今言うのはずるいとは思うのですが、私と婚約して頂けませんか?」
「なぜですか?」
「一目ぼれなのです。ですが、エストベラル殿の婚約者でしたので、諦めていたのです。それが今日、他の方との婚約発表を聞いて、居ても立っても居られなかったのです。どうか前向きに検討願いませんか?」
他国の方とはいえ、王太子に捨てられた私をですか?
聖女としてではなく、最初から女としての告白。嬉しいはずなのに……。
「ありがとうございます。ですが、私などと結婚すればいい笑いものですよ?」
「いいえ。あなたの笑顔は女神のようでした。それを向けられているエストベラル殿が羨ましかったのです。また明日も伺います」
「え? 明日も?」
「はい。あなたにあの太陽の様な笑顔を取り戻してほしいのです」
雨乞い聖女かもしれないと言われた私が太陽ですって!?
雨に濡れ全身びっしょり。
なぜしょうか? 涙は枯れて流れていないのにこの雨は止まない。
この雨は、私が降らせているわけではないのですね。
エストベラル様がいうように、私は聖女ではなかったようです。偶然が重なっただけ。
たぶんエストベラル様は、最初から私を聖女だとは思っていなかったのでしょう。好きな方ができ、陛下に私が聖女ではないと信じさせて、婚約破棄にこぎつけたのですね。
□
学園に行けば、私の話しで持ち切りでしょう。なので行きづらくなって今日はお休みしました。
少し熱もあるようです。雨の中外にでたからでしょうね。
とそこに見舞いの花束が届きました。
イース・サララス様からでした。
確か、留学生です。
次の日、熱は下がりましたが学校をお休みしました。
今日は、驚く事にイース様が訪ねて来たのです。
「突然お邪魔して申し訳ありません」
彼は、長い銀の髪を束ねている。イース様の国では、男性も髪を伸ばすらしい。
「いえ。お気遣いありがとうございます」
そうね。彼には聖女など関係ないのですものね。
「体調はまだ優れないのでしょうか?」
「熱は下がりました」
「そう。それはよかった」
数度しか話をした事がない方なのに、なぜ見舞いなど……。
「一つ問いたいのだが、君はその……エストベラル殿と婚約をなさっておりませんでしたか?」
なぜその様な傷口をえぐるような質問を?
「う、噂をお聞きになったのですね」
「いえ、エストベラル殿が学内で婚約を発表されたので……」
「え?」
婚約発表をしたですって!!
私と婚約を解消したばかりだというのに……。
「す、すみません。大丈夫ですか?」
「なぜ、私にその様な事をお聞きになるのです? エストベラル様が他の方と婚約発表をしたのでしょう?」
「すみません。聞き方を間違えました。今、あなたにはどなたとも婚約なさっておられないのですね?」
「え? そういう事になりますね」
聞き方を変えても答えは同じなのですけどね。
「そうですか。傷心しているあなたに、今言うのはずるいとは思うのですが、私と婚約して頂けませんか?」
「なぜですか?」
「一目ぼれなのです。ですが、エストベラル殿の婚約者でしたので、諦めていたのです。それが今日、他の方との婚約発表を聞いて、居ても立っても居られなかったのです。どうか前向きに検討願いませんか?」
他国の方とはいえ、王太子に捨てられた私をですか?
聖女としてではなく、最初から女としての告白。嬉しいはずなのに……。
「ありがとうございます。ですが、私などと結婚すればいい笑いものですよ?」
「いいえ。あなたの笑顔は女神のようでした。それを向けられているエストベラル殿が羨ましかったのです。また明日も伺います」
「え? 明日も?」
「はい。あなたにあの太陽の様な笑顔を取り戻してほしいのです」
雨乞い聖女かもしれないと言われた私が太陽ですって!?
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