34 / 58
呪いの箱庭の真実 4
しおりを挟む
(経緯はわかりました。ですが別に、あなたが私に伝えなくともワンちゃんが話せばいいのではないのでしょうか)
ワンちゃんは、人間に姿を見せ声を聞かせる事が出来る。さっきもそうするような事を言っていた。ならランゼーヌは必要ない。いや、ランゼーヌでなくてもよい。
『確かにそうでしょう。ですが、ワンが姿を見せ声を聞かせる事が出来るのは少しの間だけなのです。いろんな事を説明するのには、あなたが必要です。もちろん、ワンを通してあなたと会話してもいいでしょう。しかし、伝わりづらい部分があると思います。残念ながら人の声は、結界に阻まれここまで届かないのです。こうやって会話が成り立つのは、あなたの能力なのです』
(私の能力?)
『はい。精霊の姿が見える者は、それなりに生まれますが、あなたのように見聞き出来る者は千年に一人ほどなのです。もちろん、今話した内容だけで信じろとはいいません。今日、この時の為の手配はしてありました』
(手配?)
『ちょうどそこに、キーマンとなる二人がいるようなので、彼らに協力して頂きましょう』
(ちょっと待って、二人ってまさか陛下と枢機卿ではないですよね?)
いきなり二人を巻き込むと言われ、ランゼーヌは困惑した。
自分が信じる信じないは別の次元だ。二人がランゼーヌが企てたものだと思ったら言い訳ができない。
『大丈夫です。枢機卿にはワンが見えているはずですので』
(え! 見えているですって!?)
『そうです。将来の事を見通し、聖女協会を作らせたのは私です。そのトップには、精霊が見える者が就く事にしてあります。今も守られているならば、これから話す事を信じて頂けるでしょう』
(………)
確かに先ほど聞いた話が本当ならば、聖女協会を設立させたのがピュラーアだとしてもおかしくはない。
『まずワンに姿を現してもらい、精霊王である私がここにいる事を知らせてもらいます。そして、それを証明する方法を教えしますので、それを二人に行ってもらうのです』
(なぜ陛下と枢機卿なのですか?)
『人間の寿命は長くない事を知っています。その為、重要な事を伝えて行くにあたり、歪曲して行く事も。そして、都合が悪い真実を抹消しようとする事も。その事をさける為に、王族と聖女協会の代表者が揃って行った時に限り開ける事が出来る封印を作らせました。そこに先ほど話した真実が描かれています』
(そんな事まで用意しているなんて……)
ランゼーヌは、用意周到過ぎて驚きを隠せない。
まだ精霊王だとは信じられないけど、もし本当だった場合、自分が拒否して黙っていれば、今度ランゼーヌと同じ能力を持つ者が生まれるのが千年後となる。その時この世界がどうなっているかわからない。
ずっと聖女を選び呪いを浄化する事は可能なのだろうが、精霊王としての役目をワンちゃんが果たせない場合、どうなるのだろうかとランゼーヌは悩む。
『まだ私が精霊王だとは信じて頂けていないようですね。仕方がない事だとは思いますが、あなたがいう奇術師だとして、このようなまどろっこしい事をするなら、すぐに結界を解く手筈をして解いていると思いませんか?』
確かにそうかもしれないと、ランゼーヌは頷く。
もしピュラーアの言う通り、王族と聖女協会に精霊王に関する何らかの事が残っていれば、嘘ではないかもしれない。
「ワンちゃん。私、ピュラーア様の言っている事を信じてみるわ」
目を開けたランゼーヌがワンちゃんを見てそう言うと、ワンちゃんは嬉しそうにランゼーヌの周りを飛び回る。
『話し合いがうまく行ったんだな。俺っちに任せておけ!』
不安があるものの、奇術師が人間なら生きてはいない。そう信じての行動だ。
「おぉ! なんだ?」
そう声を発したのは、イグナシオだ。
「どういたしました?」
「小さな白い犬が見える!」
ワンちゃんが、見えない者にも見える様にしたので、イグナシオにも見えた。
ランゼーヌがそれを機に立ち上がる。
「そうですか。見える様になりましたか。きっと伝えたい事があるのでしょう」
「もしかして、先ほどからアレはいたのか?」
「はい。いつも彼女の傍におりました」
アルデンの言葉に、ランゼーヌは驚いた。
ピュラーアの言う通り、アルデンにはワンちゃんがずっと見えていたのだ。
「じゃアレは、犬の姿をした精霊か? 本当に犬の姿をした精霊が存在したとはな」
「儀式の時に現れた精霊と聞いています。で、何を伝えたいのでしょうか。お聞き致しましょう」
『おう。俺っちは、ワン。精霊王、ピュラーア様の代理だ。ランゼに語らせるからよく聞け』
「精霊王だと」
イグナシオは、驚いていた。そして、ワンちゃんの横に立つランゼーヌを見た。
「わ、私は今、そのピュラーア様のお言葉を聞きました。陛下と枢機卿にまず存在を信じて貰うために、私にある事をお話になりました」
少し震える声で、ランゼーヌが言うとイグナシオが聞こうと頷く。
「その、お怒りにならずに聞いて下さい……」
一応そう前置きするランゼーヌ。
受け取り方によっては、王族を侮辱する内容だからだ。
わかったとイグナシオとアルデンは頷く。
「その昔、隣国と戦争をして我が国が勝利を治めました。その時に隣国の王子を婿として受け入れたのですが、彼には呪いが掛けられていた……」
「……!」
王子の呪いに驚いたのは、傍観していたクレイだけだ。
つまりイグナシオとアルデンは、少なくとも呪われた王子が婿に来た昔話を耳にした事があるのだろう。
「その呪いとは、生まれた子が泣くと周りに呪いが広がるというものです。その打開策を精霊王は提案し、その時代の女王は飲んだのです。その方法を使えば、子を殺さなくて済むからです。その方法とは、聖女を見つけ出しその呪いを浄化する事。でもこの方法だとたぶん、浄化するより呪いが広まる方が早いのでしょう。精霊王が宿る精霊樹を守る為に、時間を止める結界を張った。そこだけは、それ以上呪いが濃くなる事はなくなった……」
「まさか、それが今、目の前に広がっている呪われた箱庭ですか?」
途中までの説明で、ある程度理解したのかアルデンがそうランゼーヌに問う。
「はい。そう言っています。あそこに見える大きな木が精霊樹です」
「大きな木?」
「いや、木など見えないが?」
「え!?」
まさか精霊樹が見えていないとは思っていなかったランゼーヌは、驚いて声を上げ精霊樹を見つめた。ランゼーヌの瞳には、はっきりと精霊樹が見えている。
だから呪われた箱庭になったのかとランゼーヌは思うのだった。
ワンちゃんは、人間に姿を見せ声を聞かせる事が出来る。さっきもそうするような事を言っていた。ならランゼーヌは必要ない。いや、ランゼーヌでなくてもよい。
『確かにそうでしょう。ですが、ワンが姿を見せ声を聞かせる事が出来るのは少しの間だけなのです。いろんな事を説明するのには、あなたが必要です。もちろん、ワンを通してあなたと会話してもいいでしょう。しかし、伝わりづらい部分があると思います。残念ながら人の声は、結界に阻まれここまで届かないのです。こうやって会話が成り立つのは、あなたの能力なのです』
(私の能力?)
『はい。精霊の姿が見える者は、それなりに生まれますが、あなたのように見聞き出来る者は千年に一人ほどなのです。もちろん、今話した内容だけで信じろとはいいません。今日、この時の為の手配はしてありました』
(手配?)
『ちょうどそこに、キーマンとなる二人がいるようなので、彼らに協力して頂きましょう』
(ちょっと待って、二人ってまさか陛下と枢機卿ではないですよね?)
いきなり二人を巻き込むと言われ、ランゼーヌは困惑した。
自分が信じる信じないは別の次元だ。二人がランゼーヌが企てたものだと思ったら言い訳ができない。
『大丈夫です。枢機卿にはワンが見えているはずですので』
(え! 見えているですって!?)
『そうです。将来の事を見通し、聖女協会を作らせたのは私です。そのトップには、精霊が見える者が就く事にしてあります。今も守られているならば、これから話す事を信じて頂けるでしょう』
(………)
確かに先ほど聞いた話が本当ならば、聖女協会を設立させたのがピュラーアだとしてもおかしくはない。
『まずワンに姿を現してもらい、精霊王である私がここにいる事を知らせてもらいます。そして、それを証明する方法を教えしますので、それを二人に行ってもらうのです』
(なぜ陛下と枢機卿なのですか?)
『人間の寿命は長くない事を知っています。その為、重要な事を伝えて行くにあたり、歪曲して行く事も。そして、都合が悪い真実を抹消しようとする事も。その事をさける為に、王族と聖女協会の代表者が揃って行った時に限り開ける事が出来る封印を作らせました。そこに先ほど話した真実が描かれています』
(そんな事まで用意しているなんて……)
ランゼーヌは、用意周到過ぎて驚きを隠せない。
まだ精霊王だとは信じられないけど、もし本当だった場合、自分が拒否して黙っていれば、今度ランゼーヌと同じ能力を持つ者が生まれるのが千年後となる。その時この世界がどうなっているかわからない。
ずっと聖女を選び呪いを浄化する事は可能なのだろうが、精霊王としての役目をワンちゃんが果たせない場合、どうなるのだろうかとランゼーヌは悩む。
『まだ私が精霊王だとは信じて頂けていないようですね。仕方がない事だとは思いますが、あなたがいう奇術師だとして、このようなまどろっこしい事をするなら、すぐに結界を解く手筈をして解いていると思いませんか?』
確かにそうかもしれないと、ランゼーヌは頷く。
もしピュラーアの言う通り、王族と聖女協会に精霊王に関する何らかの事が残っていれば、嘘ではないかもしれない。
「ワンちゃん。私、ピュラーア様の言っている事を信じてみるわ」
目を開けたランゼーヌがワンちゃんを見てそう言うと、ワンちゃんは嬉しそうにランゼーヌの周りを飛び回る。
『話し合いがうまく行ったんだな。俺っちに任せておけ!』
不安があるものの、奇術師が人間なら生きてはいない。そう信じての行動だ。
「おぉ! なんだ?」
そう声を発したのは、イグナシオだ。
「どういたしました?」
「小さな白い犬が見える!」
ワンちゃんが、見えない者にも見える様にしたので、イグナシオにも見えた。
ランゼーヌがそれを機に立ち上がる。
「そうですか。見える様になりましたか。きっと伝えたい事があるのでしょう」
「もしかして、先ほどからアレはいたのか?」
「はい。いつも彼女の傍におりました」
アルデンの言葉に、ランゼーヌは驚いた。
ピュラーアの言う通り、アルデンにはワンちゃんがずっと見えていたのだ。
「じゃアレは、犬の姿をした精霊か? 本当に犬の姿をした精霊が存在したとはな」
「儀式の時に現れた精霊と聞いています。で、何を伝えたいのでしょうか。お聞き致しましょう」
『おう。俺っちは、ワン。精霊王、ピュラーア様の代理だ。ランゼに語らせるからよく聞け』
「精霊王だと」
イグナシオは、驚いていた。そして、ワンちゃんの横に立つランゼーヌを見た。
「わ、私は今、そのピュラーア様のお言葉を聞きました。陛下と枢機卿にまず存在を信じて貰うために、私にある事をお話になりました」
少し震える声で、ランゼーヌが言うとイグナシオが聞こうと頷く。
「その、お怒りにならずに聞いて下さい……」
一応そう前置きするランゼーヌ。
受け取り方によっては、王族を侮辱する内容だからだ。
わかったとイグナシオとアルデンは頷く。
「その昔、隣国と戦争をして我が国が勝利を治めました。その時に隣国の王子を婿として受け入れたのですが、彼には呪いが掛けられていた……」
「……!」
王子の呪いに驚いたのは、傍観していたクレイだけだ。
つまりイグナシオとアルデンは、少なくとも呪われた王子が婿に来た昔話を耳にした事があるのだろう。
「その呪いとは、生まれた子が泣くと周りに呪いが広がるというものです。その打開策を精霊王は提案し、その時代の女王は飲んだのです。その方法を使えば、子を殺さなくて済むからです。その方法とは、聖女を見つけ出しその呪いを浄化する事。でもこの方法だとたぶん、浄化するより呪いが広まる方が早いのでしょう。精霊王が宿る精霊樹を守る為に、時間を止める結界を張った。そこだけは、それ以上呪いが濃くなる事はなくなった……」
「まさか、それが今、目の前に広がっている呪われた箱庭ですか?」
途中までの説明で、ある程度理解したのかアルデンがそうランゼーヌに問う。
「はい。そう言っています。あそこに見える大きな木が精霊樹です」
「大きな木?」
「いや、木など見えないが?」
「え!?」
まさか精霊樹が見えていないとは思っていなかったランゼーヌは、驚いて声を上げ精霊樹を見つめた。ランゼーヌの瞳には、はっきりと精霊樹が見えている。
だから呪われた箱庭になったのかとランゼーヌは思うのだった。
8
あなたにおすすめの小説
「醜い」と婚約破棄された銀鱗の令嬢、氷の悪竜辺境伯に嫁いだら、呪いを癒やす聖女として溺愛されました
黒崎隼人
恋愛
「醜い銀の鱗を持つ呪われた女など、王妃にはふさわしくない!」
衆人環視の夜会で、婚約者の王太子にそう罵られ、アナベルは捨てられた。
実家である公爵家からも疎まれ、孤独に生きてきた彼女に下されたのは、「氷の悪竜」と恐れられる辺境伯・レオニールのもとへ嫁げという非情な王命だった。
彼の体に触れた者は黒い呪いに蝕まれ、死に至るという。それは事実上の死刑宣告。
全てを諦め、死に場所を求めて辺境の地へと赴いたアナベルだったが、そこで待っていたのは冷徹な魔王――ではなく、不器用で誠実な、ひとりの青年だった。
さらに、アナベルが忌み嫌っていた「銀の鱗」には、レオニールの呪いを癒やす聖なる力が秘められていて……?
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
噂の聖女と国王陛下 ―婚約破棄を願った令嬢は、溺愛される
柴田はつみ
恋愛
幼い頃から共に育った国王アランは、私にとって憧れであり、唯一の婚約者だった。
だが、最近になって「陛下は聖女殿と親しいらしい」という噂が宮廷中に広まる。
聖女は誰もが認める美しい女性で、陛下の隣に立つ姿は絵のようにお似合い――私など必要ないのではないか。
胸を締め付ける不安に耐えかねた私は、ついにアランへ婚約破棄を申し出る。
「……私では、陛下の隣に立つ資格がありません」
けれど、返ってきたのは予想外の言葉だった。
「お前は俺の妻になる。誰が何と言おうと、それは変わらない」
噂の裏に隠された真実、幼馴染が密かに抱き続けていた深い愛情――
一度手放そうとした運命の絆は、より強く絡み合い、私を逃がさなくなる。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
白い結婚に、猶予を。――冷徹公爵と選び続ける夫婦の話
鷹 綾
恋愛
婚約者である王子から「有能すぎる」と切り捨てられた令嬢エテルナ。
彼女が選んだ新たな居場所は、冷徹と噂される公爵セーブルとの白い結婚だった。
干渉しない。触れない。期待しない。
それは、互いを守るための合理的な選択だったはずなのに――
静かな日常の中で、二人は少しずつ「選び続けている関係」へと変わっていく。
越えない一線に名前を付け、それを“猶予”と呼ぶ二人。
壊すより、急ぐより、今日も隣にいることを選ぶ。
これは、激情ではなく、
確かな意思で育つ夫婦の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる