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『レベル5―航空祭に魅せられて―』
―3―
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そして当日。朝早くに学校に集合した。
取りあえず、人前に出る前に師匠に色々を釘をさしておかなくてはいけない。
学校に行くともう全員集まっていた。って、一人多い気がする。
大場に二色さん、そしてミーラさんに師匠のパスカルさん。……それと、エメラルドグリーンの短い髪の男。誰だよ!
「お、おはよう……」
「おはよう。遅いわよ!」
時間より早く来たのに二色さんに遅いと言われてしまった。
「あのさ、きっとミーラさんが連れて来た人だと思うけど誰?」
というか、この髪の色にこの格好。ミーラさんの世界の人だよね。初めてミーラさんに会った時と同じ水色ワンピースを着ている。これは、彼女の世界の服のようだから……。
「私はミントと言います。空を飛ぶお祭りがあるというので、ご一緒させて頂いた」
思ったより丁寧な挨拶に僕は驚いた。
まともそうだ。
「えっと。よろしく」
「ミントさんって、魔法使いなんだって!」
「師匠の杖の話も聞いたんだぜ」
二色さんと大場は興奮して僕に話しかけて来た。もう既にテンションが上がっている。
まともだと思ったけど、こっちの常識を教えないと! この二人だと変な事教えそうだ!
「あのパスカルさん、ミントさん、お願いがあります。この世界では男性はそういう格好をしていないんです。僕みたいなズボンと言うのをはくんです! ですので一旦戻って違う……」
「何を言っているのよ! そんな時間あるわけないじゃない!」
二色さんの言う事はごもっともだけど、この格好のまま連れていける訳ないじゃないか!
ミーラさんを学校に送り込んで来るぐらいだから、それぐらいはわかっていると思って服装の事を何も言わなかった僕も悪かったけどさ!
「なるほど。この格好ではまずいんだな?」
頷くとミントさんは、腰に下げていた杖の一つに手を掛けた。彼は、腰に数本の杖を剣のように下げていた。剣のようにと言っても、腰にぐるっとだけどね。
そして杖を手に取った。僕は咄嗟にミントさんの手を掴んでいた!
ミントさんは、凄く驚いた顔をしていた。そりゃそうだろう。突然、がっしっと両手で僕が押さえつけたんだから。
直感が働いた。きっと、この杖にはそれぞれ出来る事が違って、多分今持っている杖は変身が出来る杖。
つまり一振りで、格好を替えられる。着替えてくれるのはありがたい。だがそれを二人の前でやってほしくない。
大場と二色さんは、この前、ミーラさんが作った杖で魔物を出した。魔法を信じているようだけど、手品だと思っている様子。これ以上魔法をみせてバレたら厄介だ。
「お願いだから陰に隠れて魔法使ってくれる? この世界の人は魔法を使えない。これから見に行くのも魔法ではないから。文明が作り出した物だから……」
こそっとミントさんに言ったら顔を真っ赤にして頷いた。そして、僕のお願いを聞いてくれて師匠と二人で陰に隠れ変身してくれました。
……が、二人共制服なんです! ミントさんはまだ僕達より少し上ぐらいの様に見えるからいいとして、パスカルさんもですか!
「あぁ、パスカルさんはせめて無地してもらってもいいですか?」
だからつい、そう言ってしまった。無地なら背広に見えなくもないだろうと。だが、それが間違いだった。頷いたミントさんは、結局二人の前で杖を振りパスカルさんの服装を替えてしまった!
「すげぇ!」
「無地になったわ!」
二人は拍手喝采。それにはミントさんも驚いていた。こんな事で拍手されるとは思っていなかったんだと思う。
「ね。驚かれたでしょ? 取りあえず、僕達のいう事聞いて着いてきて下さい」
ミントさんは、頷いた。
「でさ、ミントさんは何故そっちの格好なの?」
そっちとはスカート。男性はズボンって言ったんだけど。ズボンを知らなかったかな? でもパスカルさんは、ズボンだよね? うん? もしかして……。
「そんなの決まってるじゃない。私と同じ女性だもの」
ミーラさんは、僕が行きあたった答えを言った。女の人だったんだ! 失礼しました。
ミントさんは、赤面していた――。
そして僕達は、何とかJRで南千歳まで行った。凄い人でミーラさん達は驚いていた。
本当は、ここからバスに乗って行くと五分もかからずに開催場所に到着する。但しバスに乗るまでの時間は別だけどね。
ミーラさん達が乗り物に乗るのに慣れていないので、結局歩いて会場まで行くことになった。
「これ見えるのかしら?」
歩きながら二色さんが空を見上げ言った。
残念ながらどんよりとした曇り空だった。しかも風もある。
歩く事三十分程して会場に到着。ミーラさん達は、展示してある航空機の大きさに驚いていた。そして、それが飛ぶと聞くと更に驚く。
魔法で飛ぶわけでもない事ももう一度伝えると目を見開いていた。
僕としては、魔法で飛ぶ方が凄いんだけどね。
結局、午前中はずっと曇ったまま、風邪も凄かった。その天気の中、会場を見て回った。プログラムも変更になったっり中止になったり。
飛んだ航空機も雲の中に直ぐに消えてしまう。それでも見えればミーラさん達は喜んでいた。
だが、午後には晴れた!
メインであるプログラムの最後、ブルーインパレスが華麗に飛行する姿を堪能する事ができた!
ゴゴゴー! と過ぎ去った後に聞こえて来る音にも感動する。
「晴れてよかったわ!」
「おう! やっぱカッコいいよな!」
「凄い音だったね!」
ミーラさんが、ミントさんに言うと彼女は頷く。
「あれは遅いね?」
そして、見上げた空に見えた旅客機を見てミントさんはそう続けた。
比べれば速さってこんなにも違うんだなぁっと、僕も見上げていた。
取りあえず、人前に出る前に師匠に色々を釘をさしておかなくてはいけない。
学校に行くともう全員集まっていた。って、一人多い気がする。
大場に二色さん、そしてミーラさんに師匠のパスカルさん。……それと、エメラルドグリーンの短い髪の男。誰だよ!
「お、おはよう……」
「おはよう。遅いわよ!」
時間より早く来たのに二色さんに遅いと言われてしまった。
「あのさ、きっとミーラさんが連れて来た人だと思うけど誰?」
というか、この髪の色にこの格好。ミーラさんの世界の人だよね。初めてミーラさんに会った時と同じ水色ワンピースを着ている。これは、彼女の世界の服のようだから……。
「私はミントと言います。空を飛ぶお祭りがあるというので、ご一緒させて頂いた」
思ったより丁寧な挨拶に僕は驚いた。
まともそうだ。
「えっと。よろしく」
「ミントさんって、魔法使いなんだって!」
「師匠の杖の話も聞いたんだぜ」
二色さんと大場は興奮して僕に話しかけて来た。もう既にテンションが上がっている。
まともだと思ったけど、こっちの常識を教えないと! この二人だと変な事教えそうだ!
「あのパスカルさん、ミントさん、お願いがあります。この世界では男性はそういう格好をしていないんです。僕みたいなズボンと言うのをはくんです! ですので一旦戻って違う……」
「何を言っているのよ! そんな時間あるわけないじゃない!」
二色さんの言う事はごもっともだけど、この格好のまま連れていける訳ないじゃないか!
ミーラさんを学校に送り込んで来るぐらいだから、それぐらいはわかっていると思って服装の事を何も言わなかった僕も悪かったけどさ!
「なるほど。この格好ではまずいんだな?」
頷くとミントさんは、腰に下げていた杖の一つに手を掛けた。彼は、腰に数本の杖を剣のように下げていた。剣のようにと言っても、腰にぐるっとだけどね。
そして杖を手に取った。僕は咄嗟にミントさんの手を掴んでいた!
ミントさんは、凄く驚いた顔をしていた。そりゃそうだろう。突然、がっしっと両手で僕が押さえつけたんだから。
直感が働いた。きっと、この杖にはそれぞれ出来る事が違って、多分今持っている杖は変身が出来る杖。
つまり一振りで、格好を替えられる。着替えてくれるのはありがたい。だがそれを二人の前でやってほしくない。
大場と二色さんは、この前、ミーラさんが作った杖で魔物を出した。魔法を信じているようだけど、手品だと思っている様子。これ以上魔法をみせてバレたら厄介だ。
「お願いだから陰に隠れて魔法使ってくれる? この世界の人は魔法を使えない。これから見に行くのも魔法ではないから。文明が作り出した物だから……」
こそっとミントさんに言ったら顔を真っ赤にして頷いた。そして、僕のお願いを聞いてくれて師匠と二人で陰に隠れ変身してくれました。
……が、二人共制服なんです! ミントさんはまだ僕達より少し上ぐらいの様に見えるからいいとして、パスカルさんもですか!
「あぁ、パスカルさんはせめて無地してもらってもいいですか?」
だからつい、そう言ってしまった。無地なら背広に見えなくもないだろうと。だが、それが間違いだった。頷いたミントさんは、結局二人の前で杖を振りパスカルさんの服装を替えてしまった!
「すげぇ!」
「無地になったわ!」
二人は拍手喝采。それにはミントさんも驚いていた。こんな事で拍手されるとは思っていなかったんだと思う。
「ね。驚かれたでしょ? 取りあえず、僕達のいう事聞いて着いてきて下さい」
ミントさんは、頷いた。
「でさ、ミントさんは何故そっちの格好なの?」
そっちとはスカート。男性はズボンって言ったんだけど。ズボンを知らなかったかな? でもパスカルさんは、ズボンだよね? うん? もしかして……。
「そんなの決まってるじゃない。私と同じ女性だもの」
ミーラさんは、僕が行きあたった答えを言った。女の人だったんだ! 失礼しました。
ミントさんは、赤面していた――。
そして僕達は、何とかJRで南千歳まで行った。凄い人でミーラさん達は驚いていた。
本当は、ここからバスに乗って行くと五分もかからずに開催場所に到着する。但しバスに乗るまでの時間は別だけどね。
ミーラさん達が乗り物に乗るのに慣れていないので、結局歩いて会場まで行くことになった。
「これ見えるのかしら?」
歩きながら二色さんが空を見上げ言った。
残念ながらどんよりとした曇り空だった。しかも風もある。
歩く事三十分程して会場に到着。ミーラさん達は、展示してある航空機の大きさに驚いていた。そして、それが飛ぶと聞くと更に驚く。
魔法で飛ぶわけでもない事ももう一度伝えると目を見開いていた。
僕としては、魔法で飛ぶ方が凄いんだけどね。
結局、午前中はずっと曇ったまま、風邪も凄かった。その天気の中、会場を見て回った。プログラムも変更になったっり中止になったり。
飛んだ航空機も雲の中に直ぐに消えてしまう。それでも見えればミーラさん達は喜んでいた。
だが、午後には晴れた!
メインであるプログラムの最後、ブルーインパレスが華麗に飛行する姿を堪能する事ができた!
ゴゴゴー! と過ぎ去った後に聞こえて来る音にも感動する。
「晴れてよかったわ!」
「おう! やっぱカッコいいよな!」
「凄い音だったね!」
ミーラさんが、ミントさんに言うと彼女は頷く。
「あれは遅いね?」
そして、見上げた空に見えた旅客機を見てミントさんはそう続けた。
比べれば速さってこんなにも違うんだなぁっと、僕も見上げていた。
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