魔法使いじゃないから!

すみ 小桜(sumitan)

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『レベル6―雪の結晶を求めて―』

―2―

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 僕はかそう部の部長だ。
 『かそう部』――この部は、趣味全開! 魔女っ子大好きの大場おおば幸映ゆきはると同じクラスの二色にしき愛音あまねさんがエンジョイする為に作った部だ!
 僕はその部の部長だ。やりたくないがやらされた! そしてミーラさんは、部員になった。

 いつも部長である僕の意見など聞き入れて貰えない。今回もそうだった。

 「今年は雪が降るのが遅いみたいね」
 「そうだな。何十年ぶりの記録だっけ?」

 二色さんと大場が部室で、そんな話を始めた。

 「雪? 雪って何?」

 それにミーラさんが食いついた!
 嫌な予感しかしない。しかもこの予感、的中率がいいんだ……。

 「あらまぁ。雪を知らない? だったらどんなのかネットで検索してみる?」
 「うん!」

 二色さんの提案に、嬉しそうにミーラさんは頷いた。

 「うんじゃ、俺の家で見るか?」
 「そうね、いいわよね? 七生くん」

 大場の提案に二色さんは、僕に許可を求めて来た。
 僕は頷いた。
 今回の勘は外れてくれたらしい。

 「どうぞ。雪を見るぐらい、いいんじゃないか?」

 僕はそう答えた。
 一応寄り道せずに帰宅する事になってはいるが、大抵の生徒は寄り道をしているだろうし。って、別にそこまで僕に一々許可取らなくてもいいんだけどなぁ。
 もしかして僕って、ミーラさんの保護者的な立ち位置になってる?

 「よし! じゃ行こうぜ。あ、何か買って帰ろうぜ」

 そう大場は僕に言ってきた。
 あ……僕も行くって事なんだ。

 これ部活動の一環なんだね。まあ、鑑賞するだけだからいいか。
 そう軽い気持ちで、僕は大場の家にお邪魔する事にした。



 大場の家は一軒家で、バスに乗らずに通える距離だった。途中でコンビニに寄り買い物をする。
 そこでミーラさんは、目をキラキラと輝かせていた。

 彼女は初めての買い物の体験だったらしい。
 一応こっそり、お金という物と交換だから勝手に持って行かないでねと言っておいた。
 ミーラさんの世界では、どういう風なのかわからないし、知らない前提で話しておいたほうがいい。

 ミーラさんは、欲しい物を僕におねだりしてきた……。
 よく考えれば、彼女がお金を持っているわけがなかった!
 結局、ミーラさんの分も僕が出す羽目になった。

 飲み物にお菓子を持って大場の家に行き、四人でネットで見つけた画像や動画を鑑賞した。

 「すごいね! 雪の結晶って綺麗!」
 「稀に結晶を肉眼で見れたりもするのよ」
 「そうなの!?」
 「でも、直接手で触れるとすぐに解けちゃうから、手袋で受け止めた方がいいわね」

 僕の横でガールズトークをする二人。いや、内容は全然ガールズトークじゃないか。
 突然クルットと、ミーラさんが僕に振り向いた。

 「手袋がほしい!」

 自分で買えよ! ――そう言いたいが、この世界のお金を持ち合わせていない彼女には買えない。

 「百均でいいなら」
 「うん! いいよ!」

 僕の返答に、百均の意味も知らずに頷く。
 まあそれで事足りるし問題ないだろう。

 「じゃ、買いに行こう!」

 そう言ってミーラさんは立ち上がった!

 「はぁ? 今?!」

 驚いて声を上げる僕に、ミーラさんは当然だと頷く。

 「いや、今日はもう遅いし……」
 「え~!! 欲しい!」

 このわがままめ!!

 「別に明日でもいいだろう! どうせ土曜日なんだし!」
 「そうね。じゃ、明日皆で買いに行きましょう!」

 僕の意見に、二色さんはそう言って賛成した。
 いや、皆で行かなくていいんだけどなぁ……。

 「よし! じゃ十時に学校に集合な!」

 大場も二色さんの意見に賛成する。
 学校って……。

 「私服でいいよな?」
 「何を言ってるのよ! 制服に決まっているでしょ? 学校に集合なのですから!」

 当然とばかりに二色さんが言った。
 やっぱり部の活動としてするらしい。
 休日にわざわざ、制服で百均に入るんですか?

 はぁ。
 別にいいけどね。
 二色さんは、ツインテールに制服のミーラさんの格好がお気に入りらしい。事あるごとに部の活動にして、それを堪能しようとする。
 って、それは大場も変わらない。

 結局、帰りにネット鑑賞するだけのはずが、土曜日も部活動になった。
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