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『レベル8―僕はスライムより弱かった?―』
―2―
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今日は、午前中までミーラさんは、超ご機嫌だった。
午後もまだよかった。けど……。
部室に行けば、ミーラさんに睨まれた!
僕が所属している部は、かそう部。そして何故かお飾り部長をさせられている!!
『かそう部』――この部は、趣味全開! 魔女っ子大好きの大場幸映と同じクラスの二色愛音さんがエンジョイする為に作った部だ!
ミーラさんも部員になった。
「誰もくれない……」
むくれたままミーラさんは、一言僕にそう言った。
この時やっと、ミーラさんの機嫌が悪くなったのがわかった。
彼女は先月、バレンタインのチョコを配りまくった。それこそ恋人がいようがいまいが関係なく、先生にも渡していた。
そうしたのは、二色さんに今日3月14日にそのお返しが貰えると聞いたかららしい。でも、誰もお返しをくれない。だからむくれているのだ。
だいたい、生徒会が設置していた目安箱に苦情が殺到して、僕が呼び出される羽目になり、しかもミーラさんが杖を使ったお蔭で、生徒会副会長で二年生の安達陽乃先輩を巻き込んでしまった!
今思い出すだけでも、顔が赤面する内容だ!
で、その後にミーラさんの手作りチョコを食べた。あれはもう食べたくない!
あれを配ったのなら誰もお返しなどくれないだろう。
仕方がないからクッキーでも買うか。じゃないと、ずっとむくれたままだろう……。
「わかったよ。帰りにクッキー買ってあげるから」
「本当?」
「あら、手作りを食べたのだから手作りで返して差し上げるのが、愛ってものよ」
安いクッキーで喜んでいたのに、ちょうど部室に入って来た二色さんが余計な事を言った!
何が愛だ! その愛を配りまくったのに何故僕だけが、手作りで返さなくちゃいけないんだ! ――と、言い返したいけど、それを飲み込んだ。言えば倍で返って来る。
「ねえ、幸映」
「え? それって俺にも言ってるのか?」
「そうよ。あなた、一度も返してくれた事ないじゃない」
「俺が作った、激マズクッキーでも構わないと?」
「もちろん。でも美味しい方がいいわ」
「………」
大場も作る事が決定した。
って、一度も返した事がなかったのか!
僕も今回、二色さんからチョコを頂いた。というか、凄い量を大場と一緒に食べさせられた。美味しかったが、あれもあれで拷問のような……。
大場は、僕のせいだと二色さんの後ろから睨んでいる。
いや、僕からすれば、二色さんが言ったんだから僕が巻き込まれたと思うんだけど。
「あの……。ちょっと、よろしいでしょうか?」
大場達の後ろから声が聞こえ振り向けば、この学校のマドンナで先月巻き込んでしまった安達先輩が立っていた!
「あ、七生くんと一緒にチョコ食べていた人だー!」
安達先輩を見て、ミーラさんが言った言葉だが訂正する! 食べてもいないし、食べられてもいないからぁ!!
「だから食べてないって言っただ……」
「あ、もしかしてお菓子取りに来たの?」
僕の反論の言葉に被る様に、ミーラさんは言った。
いや彼女なら催促しなくても貰えると思う。チョコをあげてない人からも頂けるかもしれない。それぐらいの美少女だ。
「あら? では、一緒に食べます?」
「え?」
何をしに来たのか知らないが、このままだと安達先輩は、僕達が作ったクッキーを食べる羽目になるかもしれない!
「あげてないんだから取りにこないだろう! で、安達先輩、何の御用でしょうか?」
「あの……えーと……」
何故か安達先輩は、もじもじとしてるんだけど? もしかして本当にクッキーを取りに来たとかじゃないよね? チョコあげてないよね?
「大丈夫よ! 照れなくていいわ! 一緒に私の家に行きましょう!」
「うんうん。一緒に行こう!」
何が大丈夫で、何を照れなくていいのかわからないが、二色さんが安達先輩にそう言ってしまった!! そして、ミーラさんが後押しをする。――彼女をまた巻き込む気だよ、この人達!
「いや、待ってよ! 僕、クッキー作るの初めてだよ!?」
「大丈夫よ。材料は私が買ったものなのですから」
そうなんですか……。
まあ、ミーラさんが作ったチョコのような事はないとは思うけど、このメンバーと一緒なのは、安達先輩が嫌なのでは?
「あの! 行きます!」
「え? 来るの?」
「ほら、やっぱり食べたいんだよ!」
嫌じゃないのかよ!
安達先輩の返事に僕が驚くも、ミーラさんは思った通りだと言わんばかりの顔だ。
安達先輩は、あんな目に遭ったというのに一体何を考えているんだろう……。
午後もまだよかった。けど……。
部室に行けば、ミーラさんに睨まれた!
僕が所属している部は、かそう部。そして何故かお飾り部長をさせられている!!
『かそう部』――この部は、趣味全開! 魔女っ子大好きの大場幸映と同じクラスの二色愛音さんがエンジョイする為に作った部だ!
ミーラさんも部員になった。
「誰もくれない……」
むくれたままミーラさんは、一言僕にそう言った。
この時やっと、ミーラさんの機嫌が悪くなったのがわかった。
彼女は先月、バレンタインのチョコを配りまくった。それこそ恋人がいようがいまいが関係なく、先生にも渡していた。
そうしたのは、二色さんに今日3月14日にそのお返しが貰えると聞いたかららしい。でも、誰もお返しをくれない。だからむくれているのだ。
だいたい、生徒会が設置していた目安箱に苦情が殺到して、僕が呼び出される羽目になり、しかもミーラさんが杖を使ったお蔭で、生徒会副会長で二年生の安達陽乃先輩を巻き込んでしまった!
今思い出すだけでも、顔が赤面する内容だ!
で、その後にミーラさんの手作りチョコを食べた。あれはもう食べたくない!
あれを配ったのなら誰もお返しなどくれないだろう。
仕方がないからクッキーでも買うか。じゃないと、ずっとむくれたままだろう……。
「わかったよ。帰りにクッキー買ってあげるから」
「本当?」
「あら、手作りを食べたのだから手作りで返して差し上げるのが、愛ってものよ」
安いクッキーで喜んでいたのに、ちょうど部室に入って来た二色さんが余計な事を言った!
何が愛だ! その愛を配りまくったのに何故僕だけが、手作りで返さなくちゃいけないんだ! ――と、言い返したいけど、それを飲み込んだ。言えば倍で返って来る。
「ねえ、幸映」
「え? それって俺にも言ってるのか?」
「そうよ。あなた、一度も返してくれた事ないじゃない」
「俺が作った、激マズクッキーでも構わないと?」
「もちろん。でも美味しい方がいいわ」
「………」
大場も作る事が決定した。
って、一度も返した事がなかったのか!
僕も今回、二色さんからチョコを頂いた。というか、凄い量を大場と一緒に食べさせられた。美味しかったが、あれもあれで拷問のような……。
大場は、僕のせいだと二色さんの後ろから睨んでいる。
いや、僕からすれば、二色さんが言ったんだから僕が巻き込まれたと思うんだけど。
「あの……。ちょっと、よろしいでしょうか?」
大場達の後ろから声が聞こえ振り向けば、この学校のマドンナで先月巻き込んでしまった安達先輩が立っていた!
「あ、七生くんと一緒にチョコ食べていた人だー!」
安達先輩を見て、ミーラさんが言った言葉だが訂正する! 食べてもいないし、食べられてもいないからぁ!!
「だから食べてないって言っただ……」
「あ、もしかしてお菓子取りに来たの?」
僕の反論の言葉に被る様に、ミーラさんは言った。
いや彼女なら催促しなくても貰えると思う。チョコをあげてない人からも頂けるかもしれない。それぐらいの美少女だ。
「あら? では、一緒に食べます?」
「え?」
何をしに来たのか知らないが、このままだと安達先輩は、僕達が作ったクッキーを食べる羽目になるかもしれない!
「あげてないんだから取りにこないだろう! で、安達先輩、何の御用でしょうか?」
「あの……えーと……」
何故か安達先輩は、もじもじとしてるんだけど? もしかして本当にクッキーを取りに来たとかじゃないよね? チョコあげてないよね?
「大丈夫よ! 照れなくていいわ! 一緒に私の家に行きましょう!」
「うんうん。一緒に行こう!」
何が大丈夫で、何を照れなくていいのかわからないが、二色さんが安達先輩にそう言ってしまった!! そして、ミーラさんが後押しをする。――彼女をまた巻き込む気だよ、この人達!
「いや、待ってよ! 僕、クッキー作るの初めてだよ!?」
「大丈夫よ。材料は私が買ったものなのですから」
そうなんですか……。
まあ、ミーラさんが作ったチョコのような事はないとは思うけど、このメンバーと一緒なのは、安達先輩が嫌なのでは?
「あの! 行きます!」
「え? 来るの?」
「ほら、やっぱり食べたいんだよ!」
嫌じゃないのかよ!
安達先輩の返事に僕が驚くも、ミーラさんは思った通りだと言わんばかりの顔だ。
安達先輩は、あんな目に遭ったというのに一体何を考えているんだろう……。
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