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『レベル9―これで卒業!?検証セレモニー ―』
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僕が、来客用のイスを並べていると突然、辺りが静かになった。――なんなんだぁ!?
顔を上げると、ミーラさんの横に師匠のパスカルさんに、本物の魔法使いのミントさんがいた。
そして、見知らぬおじさんが二人……。
ミーラさん以外は、向こうの世界の一般的な服装だと思われる、水色や緑色などのワンピースの様な格好をしている。
で、誰も周りの人たちが騒いでないと言う事は、彼らの姿は見えていないみたい。基本的に、何故か見えないらしい。
「何しに来たんですか? お客さんまで連れて……」
嫌な予感しかしない。
ミーラさんの師匠のパスカルさんも、ミーラさん以上に厄介な人だ。こちらの事情なんてお構いなし!
「実はな。その杖が、技を繰り出せるまでになったと聞いてな。監査官の方々に、杖の査定をして頂こうと思ってお連れした」
今、何とおっしゃいました!?
それってあれだよね? モンスターを必殺技で倒す所を見せるって事だよね!? ――ここでやらせる気かぁ!!
「大丈夫です。色々この世界の事を勉強しました。今、音を遮断する結界を張ってあります! 気兼ねなく出来ます!」
と、ミントさんは、真面目な顔でいいました……。
いや、音だけ遮断してもねぇ。
それって、僕の姿は見えているって事かな?
「あのさ。もうちょっと後でもいいかな? もう少ししたら終わるからさ」
「何を言っておる。わざわざお越し下さったのだ!」
だったら先に連絡よこしてよ!
さて、どうしよう。もうやる気満々な彼らは止められない!
「あぁ、じゃ場所を変えませんか?」
「私が張った結界ではダメでしょうか?」
ミントさんが、ショックを受けた顔つきになった。
あぁもう!
「ねえ、七生くん。何をしているの?」
げ! 安達先輩!
結界ってどこからかわからないけど、普通に僕の横に来たんだけど!
「何かわからない事があるの?」
「いや、えーと」
まずい。また巻き込んでしまう。
「あ、安達先輩だ! 師匠! 彼女が出したモンスターが凄く強かったんです! それで、七生くんが必殺技を編み出したんですよ!」
って、余計な事を言わなくていいから!
「安達先輩! 悪いけど、離れて!」
「え!?」
「そうか。彼女が……では、同じモンスターの方がいいか」
「はーい!」
僕が言った言葉で安達先輩が驚いている間に、何か良からぬ話が進んでいるんですけど!
「ちょっと待って!」
「え? 何?」
「あ、いや。安達先輩じゃなくて!」
「安達先輩!」
「きゃ!」
僕と安達先輩が、漫才の様なやり取りをしていると、杖を持ったミーラさんが安達先輩に声を掛けた。
たぶん今は、安達先輩に見える様になっているんだと思う。
って、何でしがみつくんだぁ!!
「あの、先輩……」
「誰、なんで?」
安達先輩がミーラさんではない方を見て言った。
「え? まさか、全員見えるの?」
「見える様にした」
僕の質問に、ミントさんが答えた。
余計な事をしないでほしい!! ――もう誤魔化せなくなった!
「お願いがあるんだけど。この杖でこの前のモンスターを出してもらえないかな?」
「スライムですか?」
「うん。それそれ」
「ちょっと待って! ここ……」
「うん。杖用意するまで待ってるね」
待ってるって言ったのは、ミーラさんではなく彼女から杖を受け取った安達先輩だった。とても嬉しそうに、早くしてと目で訴えて来る。
いいのか? ここがぐちゃぐちゃになっても!!
あぁもう、知らないから!
「るすになにする!」
胸ポケットに入れてあった杖を取り出すと、大きさを戻す言葉唱えた!
杖は、元の大きさに戻る。
「スライム召喚!!」
「「おぉ!!」」
監査官達は、安達先輩が召喚した、見た目はカワイイスライムを見て感動? している。
さてと、ちゃちゃっと終わらせよう!!
「必殺技!」
僕は、スライムに向けて杖を振う!
「おぉ!!!」
パスカルさんは、歓喜の声を上げた!
スライムは、一発で消滅していた!
必殺技ってすごい!
前回は、普通に攻撃を何度もしてやっとスライムは、水色から赤色に変わった。
ゲームでいうならある程度HPが削れると、狂暴化する状況と同じ現象らしい。本当は、赤くなるのは目なんだけどね!
それで、必殺技を使ったら一回で撃破!
って、目が回る……。
僕はフラついて、倒れた。
ガシ!
と、誰かが僕を抱えてくれた。
「お前、何先輩と遊んでるんだよ!」
支えてくれたのは、大場だった。
やっぱり僕と安達先輩の姿は見えていたんだ!
「もしかして……モンスターを出したの? 二人で!? ずるいわ!」
「あ、あのね……」
「あら? その杖……」
抗議していた二色さんが、杖を指さした。僕は握っていた杖を見て、驚いて起き上がった!
先がくるっと丸まった何の変哲もなかった杖が、とぐろを巻いた様にねじれ、先はコウモリの様な羽の形になっていた!
そして、羽の間には、小さなオレンジっぽい宝石がついていた。――この宝石は、どこから?!
いやいや、そうじゃない!
杖の形が変わった! これで、役目も終わる!
僕は、顔を上げた。そして、居るはずのパスカルさんに話しかけようとするも誰もいない!
「はぁ!? なんで! 居ないの!?」
「お前、元気じゃん」
「君達、手伝う気がないなら帰っていいから!」
ムッとした声に振り向いて顔を上げると、睨んで見下ろしている稲葉先輩がいた。
あぁ……言われた通り、帰りたい。
パスカルさんが消えていた事で、だるさが二倍になった!
「もうそんなに怒らないで。大切な作業をしていたのよ」
安達先輩が、稲葉先輩に言うも彼は困り顔だ。
「そうなんです! 大切な検証だったんですよ!」
「あ! ミーラさん! パスカルさんは? 杖見てよ!」
居ないと思っていたミーラさんが現れて、僕は変化した杖を掲げた。
ミーラさんは、パチパチパチと手を叩く。
「そっか。変わったのね!」
「すげー!! 本当にかわったのかよ」
二色さんと大場は、驚きながらもミーラさんと同じく拍手する。――その拍手いらないから!
「師匠からの伝言。明日、その変化を遂げた杖の効果の検証をするそうです!」
「……え? えぇ!!!」
まだするのかよ!
ちょっと待て! 明日って卒業式じゃないかぁ!!
これは、学校にこれないな。はぁ……。
「そうだわ! その検証、皆さんに見て頂きましょうよ!」
「………」
驚きの言葉を安達先輩が言った!
それ、ミーラさんが言う台詞だよ? それを先輩が言っちゃうんですか!!
「いいわよね? 稲葉生徒会長!」
「こういう時だけ、生徒会長って……。それ、俺だけじゃ決められないし」
「あら、教頭先生だわ!」
二色さんの声に振り向けば、教頭先生が様子を見に来て、僕達を見つけ近づいてきている!
タイミング、良すぎですからぁ!!
そして、安達先輩筆頭に、あーだこーだと教頭先生に言った結果、最後の余興として、ステージの上で披露する事になった。
もう知りません――。はぁ……。
顔を上げると、ミーラさんの横に師匠のパスカルさんに、本物の魔法使いのミントさんがいた。
そして、見知らぬおじさんが二人……。
ミーラさん以外は、向こうの世界の一般的な服装だと思われる、水色や緑色などのワンピースの様な格好をしている。
で、誰も周りの人たちが騒いでないと言う事は、彼らの姿は見えていないみたい。基本的に、何故か見えないらしい。
「何しに来たんですか? お客さんまで連れて……」
嫌な予感しかしない。
ミーラさんの師匠のパスカルさんも、ミーラさん以上に厄介な人だ。こちらの事情なんてお構いなし!
「実はな。その杖が、技を繰り出せるまでになったと聞いてな。監査官の方々に、杖の査定をして頂こうと思ってお連れした」
今、何とおっしゃいました!?
それってあれだよね? モンスターを必殺技で倒す所を見せるって事だよね!? ――ここでやらせる気かぁ!!
「大丈夫です。色々この世界の事を勉強しました。今、音を遮断する結界を張ってあります! 気兼ねなく出来ます!」
と、ミントさんは、真面目な顔でいいました……。
いや、音だけ遮断してもねぇ。
それって、僕の姿は見えているって事かな?
「あのさ。もうちょっと後でもいいかな? もう少ししたら終わるからさ」
「何を言っておる。わざわざお越し下さったのだ!」
だったら先に連絡よこしてよ!
さて、どうしよう。もうやる気満々な彼らは止められない!
「あぁ、じゃ場所を変えませんか?」
「私が張った結界ではダメでしょうか?」
ミントさんが、ショックを受けた顔つきになった。
あぁもう!
「ねえ、七生くん。何をしているの?」
げ! 安達先輩!
結界ってどこからかわからないけど、普通に僕の横に来たんだけど!
「何かわからない事があるの?」
「いや、えーと」
まずい。また巻き込んでしまう。
「あ、安達先輩だ! 師匠! 彼女が出したモンスターが凄く強かったんです! それで、七生くんが必殺技を編み出したんですよ!」
って、余計な事を言わなくていいから!
「安達先輩! 悪いけど、離れて!」
「え!?」
「そうか。彼女が……では、同じモンスターの方がいいか」
「はーい!」
僕が言った言葉で安達先輩が驚いている間に、何か良からぬ話が進んでいるんですけど!
「ちょっと待って!」
「え? 何?」
「あ、いや。安達先輩じゃなくて!」
「安達先輩!」
「きゃ!」
僕と安達先輩が、漫才の様なやり取りをしていると、杖を持ったミーラさんが安達先輩に声を掛けた。
たぶん今は、安達先輩に見える様になっているんだと思う。
って、何でしがみつくんだぁ!!
「あの、先輩……」
「誰、なんで?」
安達先輩がミーラさんではない方を見て言った。
「え? まさか、全員見えるの?」
「見える様にした」
僕の質問に、ミントさんが答えた。
余計な事をしないでほしい!! ――もう誤魔化せなくなった!
「お願いがあるんだけど。この杖でこの前のモンスターを出してもらえないかな?」
「スライムですか?」
「うん。それそれ」
「ちょっと待って! ここ……」
「うん。杖用意するまで待ってるね」
待ってるって言ったのは、ミーラさんではなく彼女から杖を受け取った安達先輩だった。とても嬉しそうに、早くしてと目で訴えて来る。
いいのか? ここがぐちゃぐちゃになっても!!
あぁもう、知らないから!
「るすになにする!」
胸ポケットに入れてあった杖を取り出すと、大きさを戻す言葉唱えた!
杖は、元の大きさに戻る。
「スライム召喚!!」
「「おぉ!!」」
監査官達は、安達先輩が召喚した、見た目はカワイイスライムを見て感動? している。
さてと、ちゃちゃっと終わらせよう!!
「必殺技!」
僕は、スライムに向けて杖を振う!
「おぉ!!!」
パスカルさんは、歓喜の声を上げた!
スライムは、一発で消滅していた!
必殺技ってすごい!
前回は、普通に攻撃を何度もしてやっとスライムは、水色から赤色に変わった。
ゲームでいうならある程度HPが削れると、狂暴化する状況と同じ現象らしい。本当は、赤くなるのは目なんだけどね!
それで、必殺技を使ったら一回で撃破!
って、目が回る……。
僕はフラついて、倒れた。
ガシ!
と、誰かが僕を抱えてくれた。
「お前、何先輩と遊んでるんだよ!」
支えてくれたのは、大場だった。
やっぱり僕と安達先輩の姿は見えていたんだ!
「もしかして……モンスターを出したの? 二人で!? ずるいわ!」
「あ、あのね……」
「あら? その杖……」
抗議していた二色さんが、杖を指さした。僕は握っていた杖を見て、驚いて起き上がった!
先がくるっと丸まった何の変哲もなかった杖が、とぐろを巻いた様にねじれ、先はコウモリの様な羽の形になっていた!
そして、羽の間には、小さなオレンジっぽい宝石がついていた。――この宝石は、どこから?!
いやいや、そうじゃない!
杖の形が変わった! これで、役目も終わる!
僕は、顔を上げた。そして、居るはずのパスカルさんに話しかけようとするも誰もいない!
「はぁ!? なんで! 居ないの!?」
「お前、元気じゃん」
「君達、手伝う気がないなら帰っていいから!」
ムッとした声に振り向いて顔を上げると、睨んで見下ろしている稲葉先輩がいた。
あぁ……言われた通り、帰りたい。
パスカルさんが消えていた事で、だるさが二倍になった!
「もうそんなに怒らないで。大切な作業をしていたのよ」
安達先輩が、稲葉先輩に言うも彼は困り顔だ。
「そうなんです! 大切な検証だったんですよ!」
「あ! ミーラさん! パスカルさんは? 杖見てよ!」
居ないと思っていたミーラさんが現れて、僕は変化した杖を掲げた。
ミーラさんは、パチパチパチと手を叩く。
「そっか。変わったのね!」
「すげー!! 本当にかわったのかよ」
二色さんと大場は、驚きながらもミーラさんと同じく拍手する。――その拍手いらないから!
「師匠からの伝言。明日、その変化を遂げた杖の効果の検証をするそうです!」
「……え? えぇ!!!」
まだするのかよ!
ちょっと待て! 明日って卒業式じゃないかぁ!!
これは、学校にこれないな。はぁ……。
「そうだわ! その検証、皆さんに見て頂きましょうよ!」
「………」
驚きの言葉を安達先輩が言った!
それ、ミーラさんが言う台詞だよ? それを先輩が言っちゃうんですか!!
「いいわよね? 稲葉生徒会長!」
「こういう時だけ、生徒会長って……。それ、俺だけじゃ決められないし」
「あら、教頭先生だわ!」
二色さんの声に振り向けば、教頭先生が様子を見に来て、僕達を見つけ近づいてきている!
タイミング、良すぎですからぁ!!
そして、安達先輩筆頭に、あーだこーだと教頭先生に言った結果、最後の余興として、ステージの上で披露する事になった。
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