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次の日の正午前、容子と葉奈は病院の外にあるタクシー待合所のベンチに仲良く座って、タクシーが到着するのを待っていた。
「あしたーもー、あそぼーおーねー。やあっ!」
葉奈は、ベンチに座って足をバタつかせながら自作の歌を歌っている。
「あ、もしもし。陽生さん? 私です」
容子はケータイで二賀斗に連絡を取った。
「あ、どうも。こんにちは」
「葉奈ね、今退院したのよ。それでね、陽生さんにご連絡と思って」
「あっ、そうですか! よかったー。元気にしてますか? 葉奈ちゃんは」
「ええ、今も元気に歌なんか歌ってるわ」
容子は葉奈に目を向けると、笑顔で答えた。
「それでね、今夜辺り葉奈の退院を祝ってウチで夕食会しません?」
「えっ? ええ。はあ。……あの、あーちゃんは何か、言ってますか?」
「あははは。そんなに明日夏が怖い? 大丈夫よ、私から言っておくから」
「あー、ははは。いやあ、別にそう言う訳じゃないんですが、……はい。じゃあ、寄らせて頂きます」
「はい。お待ちしてますね」
容子は電話を切った。
「ママー。だーれー?」
葉奈は、足をバタつかせながら容子に尋ねた。
「んんー? 陽生お兄さんよ。葉奈ちゃんが退院したから今日葉奈ちゃんに会いに来るってぇ」
容子は葉奈の頭を優しく撫でながら笑顔で答えた。
「ほんとー? やったあー! いつ来るの?」
「晩御飯になったら来るって」
その時、容子と葉奈ののんびりとした会話を遮るように黒いセダンのタクシーが二人を迎えにやってきた。
「はい、じゃあ葉奈ちゃん乗っちゃおっか」
「うん! 一番に乗る!」
そう言うと、葉奈は自動で開いた後部席に元気よく飛び乗った。続いて容子が乗り、ドアが閉まる。そしてタクシーは、ゆっくりと葉奈の自宅に向かって走り出した。
夕飯時の午後八時。明日夏の自宅のテレビドアホンが鳴る。
容子は流し台からダイニングに設置されているモニター親機を覗き込んだ。
「はーい、いらっしゃーい。いま開けますね」
「あっ、お母さん! あの……、私が出るわ」
明日夏は、動き出そうとする母を手で制止すると、すました顔をして玄関に向かった。
トントントンッと、少し緊張した足取りが玄関に響く。明日夏はドアの取っ手を握り、玄関を開ける。ゆっくりと開くドアから、明日夏は遠慮がちに顔を現した。
「……こん・ばん・は」
「ぉわッ! あ、あーちゃん。……あぁ、こんばんはー」
おどろいた表情で二賀斗は明日夏に挨拶をした。
下を向いて、照れくさそうに明日夏は声を出す。
「えっーと、……あのォ、……ご、ごめんねっ」
首をかしげて、愛らしい顔で明日夏は二賀斗にお詫びを入れた。
「……あ、ああ。……は、はは。あーちゃんのそんなポーズ、初めて見たよ。はははっ」
呆気にとられながらも、二賀斗の口からは笑い声が漏れていた。
「えへへ。この前はちょっと、角ありすぎだったかなって。だから……ごめんね。ニーさんの気持ち、考えなさすぎだったよね」
「いや、まあ。……うん。なんだ、ちょっとドキッとしちゃったよ。そんなポーズで謝られると」
「にーちゃんだー!」
二賀斗の声を聞きつけた葉奈がダイニングから走って玄関に飛び出してきた。
「おおー。元気になったねー、葉奈ちゃん」
二賀斗は、飛び掛かる葉奈を抱きしめると、そのまま高く持ち上げた。
「わっはぁー!」
葉奈は奇声を上げて大喜びをする。
「ニーさん、どうぞ。上がって」
「あ、うん。行くぞー、葉奈ちゃん」
二賀斗は、葉奈を抱っこしたまま明日夏の後についてダイニングに入っていった。
「おお、ヒロ。よく来た。座れ座れ」
ダイニングテ―ブルの椅子に座っている鐡哉は、二賀斗に向けて席を指さした。
「こんばんは。大変でしたね」
二賀斗は葉奈を彼女専用の椅子に座らせると、指定された椅子に一礼して座った。
明日夏は、手際よくテーブルに皿を置き始めた。
「いやいや、びっくりしたよ。実際、俺も知らんかったよ。ムカデの毒とハチの毒に親和性があるなんてなあ」
鐡哉は、眉を八の字にして語った。
「でも何ともなくてよかったわ」
容子が料理をテーブルに置きながら話に加わる。
「葉奈ちゃんには、サクランボよ」
容子は、黄色地に赤く染まったサクランボがてんこ盛りに盛られた器を葉奈の席の前に置いた。
「ぅわぁおー。ぜーんぶ食べる!」
葉奈は器を両手で抱えた。
「葉奈ァー。ごはんもたべなよねー」
明日夏は箸を配りながら葉奈に話しかける。
「じゃあ、食べましょ」
容子がテーブルにやってきた。明日夏も席に座り、にぎやかな団欒が始まる。
「明日夏もよーくハチに刺されたんだよ。……何回くらいだった?」
鐡哉はグラスの中の飲み物を喉の奥に流し込みながら、明日夏に尋ねた。
「んん、4回かな」
口をモゴモゴさせながら明日夏は答える。
「葉奈もハチに刺されて、我が家はほんとにハチに好かれているなあ、はははっ」
鐡哉はグラスの中の飲み物を一気に飲み干した。
「そんな。冗談にならないですよ、お父さんっ」
隣に座っている容子が鐡哉をたしなめる。
「ん、ああ。そうだな、ははっ」
鐡哉は、照れ笑いをした。
「ははは……。ねえ、葉奈ちゃん。病院は退屈だったでしょ」
二賀斗は、サクランボの柄で遊んでいる葉奈に話しかけた。
「パパのお友だちがいたよ」
「はあ? 誰がいた?」
鐡哉は、隣にいる容子に尋ねた。
「ああ、そうそう。紫藤先生がいましたよ。お父さん、後でお礼を言っといてくださいね」
「おおーっ。なんだぁ、あいつまだいたのか。……そうかぁ」
「お知り合いですか」
二賀斗が尋ねた。
「ああ。大学の後輩だ。あいつに嫁さん紹介してやったんだ」
「ねー、パパぁ。パパっておいしゃさんなの?」
遊んでいる手を止めて、葉奈が父に話しかけた。
「んー。そうだよ」
満面の笑顔で鐡哉は答えた。
「葉奈もおいしゃさんになりたーい」
「ほおー。そうかー。そりゃすごいぞ」
鐡哉はご満悦な顔で喉を唸らせた。
「その先生によーく遊んでもらったんで、ご機嫌なのよ」
容子は二賀斗に話しかけた。
「言わなくていいの! もうー!」
葉奈は、母と二賀斗の話に割って入った。
「葉奈、葉奈のお姉ちゃんもお医者さんなんだぞ。犬さんとか猫さんのお医者さんだ」
鐡哉が笑顔で葉奈に言う。
「あーっ! 葉奈もなる! おいしゃさんになるー!」
「じゃあ、いっぱいごはん食べて大きくならないとね」
明日夏は、ほおづえを付いて柔らかな表情で葉奈に話しかけた。
「食べる!」
そう言うと、葉奈は小さい茶碗に盛られた白いご飯を忙しなく口の中に掻き込み出した。
「おいおい、そんなガッツくな!」
「はははっ」
その様子を見て、全員が口を開けて笑い出した。……葉奈の、未来に向かう扉が開かれた。
そして月日は重なり、葉奈は小学六年生になっていた。
「ふーん。中学受験するんだ、葉奈ちゃんは」
「うん、土日も塾に行ってて、すごいわよ」
椅子にもたれ掛かりながら二賀斗は、明日夏から葉奈の近況を聞かされていた。
「でもね、ほーんと最近生意気でさぁ。嫌になっちゃう」
通話口から、明日夏の憂いを含んだ声が二賀斗の耳に入る。
「ははっ。受験生が相手じゃなぁ。……でもすごいよ、俺が小学生の時なんか中学受験するやつなんていなかったからな。まあ、田舎町だからそもそも私立の中学なんか無かったからだけど」
「この辺りじゃ私立と公立に進路が分かれるのよね」
「ふぅん。そうなんだ。……聞いても分かんないだろうけどさ、ちなみにどこ行くの?」
「赤心女子学園らしいわ」
「せきしん。……聞いたことないな」
二賀斗は、背もたれをギシギシ言わせながら明日夏の話を聞いていた。
「そう? ……私の母校なの」
「え? なに、明日夏も中学から私立だったの?」
「ふふっ。いいとこのお嬢さまって感じがする?」
「うん、するする。……なーるほどね。だから普段から物腰が上品なんだなぁ」
二賀斗は、斜に構えた様な声を出した。
「なーに? 何か、嫌みな言い方ね」
「ああ、いや。貧乏人のひがみですから。葉奈ちゃんに頑張ってって言っといて」
「うん。言っておくね」
明日夏との軽い会話を終えて電話を切ると、二賀斗はスマホを作業机に静かに置いた。首を左右に傾け、ため息を付く。
「ふぅ。……俺ももう四十三だし、葉奈も大きくなるわけだ。……これから先、どうなっていくんかなぁ」
ハンガーに掛けられた、在りし日の思い出を眺めながら二賀斗はそっと呟いた。
「あしたーもー、あそぼーおーねー。やあっ!」
葉奈は、ベンチに座って足をバタつかせながら自作の歌を歌っている。
「あ、もしもし。陽生さん? 私です」
容子はケータイで二賀斗に連絡を取った。
「あ、どうも。こんにちは」
「葉奈ね、今退院したのよ。それでね、陽生さんにご連絡と思って」
「あっ、そうですか! よかったー。元気にしてますか? 葉奈ちゃんは」
「ええ、今も元気に歌なんか歌ってるわ」
容子は葉奈に目を向けると、笑顔で答えた。
「それでね、今夜辺り葉奈の退院を祝ってウチで夕食会しません?」
「えっ? ええ。はあ。……あの、あーちゃんは何か、言ってますか?」
「あははは。そんなに明日夏が怖い? 大丈夫よ、私から言っておくから」
「あー、ははは。いやあ、別にそう言う訳じゃないんですが、……はい。じゃあ、寄らせて頂きます」
「はい。お待ちしてますね」
容子は電話を切った。
「ママー。だーれー?」
葉奈は、足をバタつかせながら容子に尋ねた。
「んんー? 陽生お兄さんよ。葉奈ちゃんが退院したから今日葉奈ちゃんに会いに来るってぇ」
容子は葉奈の頭を優しく撫でながら笑顔で答えた。
「ほんとー? やったあー! いつ来るの?」
「晩御飯になったら来るって」
その時、容子と葉奈ののんびりとした会話を遮るように黒いセダンのタクシーが二人を迎えにやってきた。
「はい、じゃあ葉奈ちゃん乗っちゃおっか」
「うん! 一番に乗る!」
そう言うと、葉奈は自動で開いた後部席に元気よく飛び乗った。続いて容子が乗り、ドアが閉まる。そしてタクシーは、ゆっくりと葉奈の自宅に向かって走り出した。
夕飯時の午後八時。明日夏の自宅のテレビドアホンが鳴る。
容子は流し台からダイニングに設置されているモニター親機を覗き込んだ。
「はーい、いらっしゃーい。いま開けますね」
「あっ、お母さん! あの……、私が出るわ」
明日夏は、動き出そうとする母を手で制止すると、すました顔をして玄関に向かった。
トントントンッと、少し緊張した足取りが玄関に響く。明日夏はドアの取っ手を握り、玄関を開ける。ゆっくりと開くドアから、明日夏は遠慮がちに顔を現した。
「……こん・ばん・は」
「ぉわッ! あ、あーちゃん。……あぁ、こんばんはー」
おどろいた表情で二賀斗は明日夏に挨拶をした。
下を向いて、照れくさそうに明日夏は声を出す。
「えっーと、……あのォ、……ご、ごめんねっ」
首をかしげて、愛らしい顔で明日夏は二賀斗にお詫びを入れた。
「……あ、ああ。……は、はは。あーちゃんのそんなポーズ、初めて見たよ。はははっ」
呆気にとられながらも、二賀斗の口からは笑い声が漏れていた。
「えへへ。この前はちょっと、角ありすぎだったかなって。だから……ごめんね。ニーさんの気持ち、考えなさすぎだったよね」
「いや、まあ。……うん。なんだ、ちょっとドキッとしちゃったよ。そんなポーズで謝られると」
「にーちゃんだー!」
二賀斗の声を聞きつけた葉奈がダイニングから走って玄関に飛び出してきた。
「おおー。元気になったねー、葉奈ちゃん」
二賀斗は、飛び掛かる葉奈を抱きしめると、そのまま高く持ち上げた。
「わっはぁー!」
葉奈は奇声を上げて大喜びをする。
「ニーさん、どうぞ。上がって」
「あ、うん。行くぞー、葉奈ちゃん」
二賀斗は、葉奈を抱っこしたまま明日夏の後についてダイニングに入っていった。
「おお、ヒロ。よく来た。座れ座れ」
ダイニングテ―ブルの椅子に座っている鐡哉は、二賀斗に向けて席を指さした。
「こんばんは。大変でしたね」
二賀斗は葉奈を彼女専用の椅子に座らせると、指定された椅子に一礼して座った。
明日夏は、手際よくテーブルに皿を置き始めた。
「いやいや、びっくりしたよ。実際、俺も知らんかったよ。ムカデの毒とハチの毒に親和性があるなんてなあ」
鐡哉は、眉を八の字にして語った。
「でも何ともなくてよかったわ」
容子が料理をテーブルに置きながら話に加わる。
「葉奈ちゃんには、サクランボよ」
容子は、黄色地に赤く染まったサクランボがてんこ盛りに盛られた器を葉奈の席の前に置いた。
「ぅわぁおー。ぜーんぶ食べる!」
葉奈は器を両手で抱えた。
「葉奈ァー。ごはんもたべなよねー」
明日夏は箸を配りながら葉奈に話しかける。
「じゃあ、食べましょ」
容子がテーブルにやってきた。明日夏も席に座り、にぎやかな団欒が始まる。
「明日夏もよーくハチに刺されたんだよ。……何回くらいだった?」
鐡哉はグラスの中の飲み物を喉の奥に流し込みながら、明日夏に尋ねた。
「んん、4回かな」
口をモゴモゴさせながら明日夏は答える。
「葉奈もハチに刺されて、我が家はほんとにハチに好かれているなあ、はははっ」
鐡哉はグラスの中の飲み物を一気に飲み干した。
「そんな。冗談にならないですよ、お父さんっ」
隣に座っている容子が鐡哉をたしなめる。
「ん、ああ。そうだな、ははっ」
鐡哉は、照れ笑いをした。
「ははは……。ねえ、葉奈ちゃん。病院は退屈だったでしょ」
二賀斗は、サクランボの柄で遊んでいる葉奈に話しかけた。
「パパのお友だちがいたよ」
「はあ? 誰がいた?」
鐡哉は、隣にいる容子に尋ねた。
「ああ、そうそう。紫藤先生がいましたよ。お父さん、後でお礼を言っといてくださいね」
「おおーっ。なんだぁ、あいつまだいたのか。……そうかぁ」
「お知り合いですか」
二賀斗が尋ねた。
「ああ。大学の後輩だ。あいつに嫁さん紹介してやったんだ」
「ねー、パパぁ。パパっておいしゃさんなの?」
遊んでいる手を止めて、葉奈が父に話しかけた。
「んー。そうだよ」
満面の笑顔で鐡哉は答えた。
「葉奈もおいしゃさんになりたーい」
「ほおー。そうかー。そりゃすごいぞ」
鐡哉はご満悦な顔で喉を唸らせた。
「その先生によーく遊んでもらったんで、ご機嫌なのよ」
容子は二賀斗に話しかけた。
「言わなくていいの! もうー!」
葉奈は、母と二賀斗の話に割って入った。
「葉奈、葉奈のお姉ちゃんもお医者さんなんだぞ。犬さんとか猫さんのお医者さんだ」
鐡哉が笑顔で葉奈に言う。
「あーっ! 葉奈もなる! おいしゃさんになるー!」
「じゃあ、いっぱいごはん食べて大きくならないとね」
明日夏は、ほおづえを付いて柔らかな表情で葉奈に話しかけた。
「食べる!」
そう言うと、葉奈は小さい茶碗に盛られた白いご飯を忙しなく口の中に掻き込み出した。
「おいおい、そんなガッツくな!」
「はははっ」
その様子を見て、全員が口を開けて笑い出した。……葉奈の、未来に向かう扉が開かれた。
そして月日は重なり、葉奈は小学六年生になっていた。
「ふーん。中学受験するんだ、葉奈ちゃんは」
「うん、土日も塾に行ってて、すごいわよ」
椅子にもたれ掛かりながら二賀斗は、明日夏から葉奈の近況を聞かされていた。
「でもね、ほーんと最近生意気でさぁ。嫌になっちゃう」
通話口から、明日夏の憂いを含んだ声が二賀斗の耳に入る。
「ははっ。受験生が相手じゃなぁ。……でもすごいよ、俺が小学生の時なんか中学受験するやつなんていなかったからな。まあ、田舎町だからそもそも私立の中学なんか無かったからだけど」
「この辺りじゃ私立と公立に進路が分かれるのよね」
「ふぅん。そうなんだ。……聞いても分かんないだろうけどさ、ちなみにどこ行くの?」
「赤心女子学園らしいわ」
「せきしん。……聞いたことないな」
二賀斗は、背もたれをギシギシ言わせながら明日夏の話を聞いていた。
「そう? ……私の母校なの」
「え? なに、明日夏も中学から私立だったの?」
「ふふっ。いいとこのお嬢さまって感じがする?」
「うん、するする。……なーるほどね。だから普段から物腰が上品なんだなぁ」
二賀斗は、斜に構えた様な声を出した。
「なーに? 何か、嫌みな言い方ね」
「ああ、いや。貧乏人のひがみですから。葉奈ちゃんに頑張ってって言っといて」
「うん。言っておくね」
明日夏との軽い会話を終えて電話を切ると、二賀斗はスマホを作業机に静かに置いた。首を左右に傾け、ため息を付く。
「ふぅ。……俺ももう四十三だし、葉奈も大きくなるわけだ。……これから先、どうなっていくんかなぁ」
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