ゲイのキャビンアテンダントはイケメンリーマンがお好き?

藤咲レン

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Chapter① 出会い 〜タカシside〜

福岡空港発・東京羽田行の最終便(1)

俺は2日間大阪での仕事を済ませ、伊丹空港から福岡空港へと移動した。移動の道中で再びシュンに再会できないかと思ったが今回は会うことはなく福岡空港に到着した。

福岡でも2日間、取引先を回って商談を進めた。それらの取引先から新たな受注も獲得できて俺は意気揚々とした気持ちで帰路に着くために福岡空港へと向かった。帰る前に取引先と中洲の居酒屋街で接待を兼ねて酒を飲んでいたので、時間は福岡空港を出発する東京羽田空港行き最終便の定刻である夜9時の40分前に福岡空港に到着し、足早に手荷物検査場へと向かう。

ラウンジに立ち寄る時間は多少あったものの、俺は搭乗口近くのビジネスコーナーでパソコンの電源を入れ、本日のお礼メールや出張報告書の作成を進める。こういった時間ではあるが、仕事をできるかできないかが成果や人事評価を左右すると思っている俺は、いくら酔っているとはいえ手を抜くことはない。まずは無線LANを使用するメール関連を整理し急ぎの用件を手早く済ませて、俺は次のタスクである報告書の作成に入った。

その時、搭乗口から搭乗開始のアナウンスが入る。俺はPCをスタンバイモードに切り替えて、頻繁に飛行機を使う乗客のための優先搭乗で機内へと入った。




機内へと入ると女性CAにお出迎えされ、俺は機内後方へと向かう。最終便は搭乗率は高くないため、前方は混んでいるが、後方はおそらく隣に誰も来ないと思った。そのため、俺は今夜も機内最後尾を座席指定していた。

キャリーバッグを頭上の荷物棚に収納し、ビジネスバッグからパソコンを取り出した後は、同じくビジネスバッグも荷物棚に収納し、俺は座席に腰を下ろした。




今日は取引先と少し飲み過ぎたな。鹿児島の焼酎を数杯飲んだが、日本酒と違って俺はあまり得意なお酒の種類ではないため、少し悪酔いしてしまったかもしれない。そのため、目を閉じてドアクローズを待っていた。



「本日もご搭乗ありがとうございます」




どこかで聞き覚えがある声だ。




「タカシ様、本日もご搭乗ありがとうございます」
タカシ・・・俺を下の名前で呼ぶCAなんて初めてだ。しかもこの声は男。まさか・・・!と思い、俺は目を開けて、人の気配を感じた通路に視線を移すと、そこには制服姿のシュンが立っていた。

俺の視線がシュンと会うと、シュンは会釈をして薄い笑顔を浮かべてこちらを見ていた。

「まさか再会するとはな」
「そうですね」

一言会話をした時、客室内にピンポンという音がしてシュンはすぐに機体最後部へと早歩きで移動し、ドアクローズの出発準備に取り掛かったようだった。

まさかシュンに会えるとは・・・。ただ、俺から再びLINE交換を申し出る勇気はない。機内で会ったらというのはピロートークに近いものがあるかもしれない。そのため、今日はあくまでもCAと乗客の関係で接しようと心に決めたのだった。
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