陰キャでオタクな修行僧とキャビンアテンダント

藤咲レン

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修行2日目

那覇ステイ(1)

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僕が降機するまで藤咲さんに見送られ、ボーディングブリッジに足を下ろした瞬間、僕の名前の書かれたA4用紙を持った地上スタッフが、僕をチケットカウンターに案内してくれる。

藤咲さんに感謝されたので、僕としては感無量だった。

チケットカウンターに着くと、折り返しの便は1時間後に出る、もしくは翌日の便への変更するか、どちらにするか尋ねられる。

今から羽田便に搭乗すると、どうしても帰宅が終電間際になってしまい、最悪の場合は間に合わない。そのリスクを考慮すると、明日の朝の便が良いと判断する。どうせ日曜日ではあるが、特にやることはないので帰宅が明日の日曜になっても問題ない。

「明日の午前便に変更していただけますか?」
「かしこまりました。それでは本日は弊社側にてホテルをご用意させていただきます。バスを出しますので、カウンター前のベンチでお待ちいただけますか?」
「分かりました」

そう言われ、僕の初めての那覇ステイが決まる。

ホテルは航空会社系で那覇市内の中心部にある。国際通りに近い立地だ。ただ、ひとりで飲みに行く性格ではないので、ホテルに入る飲食店、もしくはコンビニ飯を想定した。


ベンチに30分ほど座っていると、僕以外の乗客数名も同じホテルに宿泊するのか、僕と同じようにチケットカウンターで何やら話しをしている。皆、男性一人なので、おそらく修行僧で折り返しの羽田便に搭乗予定だったが、帰宅が間に合わないのでホテルステイに変更したのかと察する。

それ以外の乗客は皆、沖縄旅行を日帰りではなく宿泊で楽しむはずなので、航空会社が手配するホテルに泊まる必要はない。そのため、チケットカウンターを素通りしてゆく。




全員の手続きが終わったのか、地上スタッフが僕らを到着ロビーに案内してくれる。到着ロビーは大混雑で、今日の滑走路閉鎖の影響を各旅行会社や受け入れするホテル側も混乱している様子を感じた。しかし、航空会社の地上スタッフは慣れた様子で僕ら”修行僧”を到着ロビーから離れた出入口へと案内し、外に横付けされたバスへと案内した。

バスには既に何人か乗っている様子が外から分かったので、他の便の乗客もいたのかと思って乗り込む。

するとそこには、先ほどの遅延した便のキャビンアテンダントたちが乗っていたのだ。もちろん、そこには藤咲さんもいた。
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