陰キャでオタクな修行僧とキャビンアテンダント

藤咲レン

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修行2日目

那覇ステイ(2)

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「あら、山田様。先程はありがとうございました」
藤咲さんが立ち上がり丁寧なお辞儀をする。私も突然のことに目を丸くしつつも、藤咲さんの対応に反応し、会釈をして座る。マイクロバスなので、藤咲さんなどのキャビンアテンダントの方々やパイロットの方々とも席が近い。

おそらく藤咲さんが乗務する予定だった折り返しの羽田行きの便が欠航となったので、僕と同じく那覇ステイになったのかと思った。



バスの車内では藤咲さんが僕の話を他のキャビンアテンダントにしていた。
「山田様は酔って暴力を振るおうとしたお客様の前に立ちはだかってくださって、私は殴られずに済んだのです。本当に勇気のある行動だったと思います」
そう藤咲さんが言うと、同じような被害経験があるのか、他のキャビンアテンダントも口をそろえて僕を褒めてくれる。

「なかなか出来る人はいないですよね」

更に機長からは、「当便の乗務員を守ってくださりありがとうございました。もしそのお客様が暴力を振るわれた場合、他の空港に緊急着陸せざるを得ず、大事になっていたかもしれません」と言われ、機長は被っていた帽子を取り会釈をしてきた。

僕としてはそこまで感謝されても、良い返しができないので、「いえいえ、とんでもないです。当たり前のことをしたまでです」と言うのが精一杯だった。


バスの車内でそのような会話をしていると、あっという間にホテルへと到着した。

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