Face of the Surface

悟飯粒

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魔王との邂逅編

俺は夢を見る

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 「ミフィー君って子供の扱いに慣れてるんだね。そんな見た目なのに」

 グレンが紹介してくれたすばるさんとの待ち合わせ場所に俺達は歩いて向かっていた。走ったとしても俺とイリナの速度じゃ天と地ほどの差があるから歩くのが無難なのだ。

 「おいおい、どっからどう見ても子供が大好きそうな見た目してるだろ。夢は保育士になって低賃金で子供にいじめられることだ。お金もらいながらいじめて貰えるなんて凄い職業だよな」
 「保育士をよくもまぁそんな最低な視点で見れるね。虐めるじゃなくて遊んであげるって言い換えなよ」
 「お金を貰って遊んであげる?それはそれでヤバい気がする」
 「頭大丈夫?」
 「大丈夫だったらこんな世界にいないんだよなぁ。俺の性格のことはいいから、今向かってる昴さんって人のこと教えてよ」

 さっきグレンさんを見て思ったけれど、この世界の強い人はクセも強い。ある程度彼らのことを知らなければ変なことに巻き込まれる可能性が高そうだ。

 「私もよく分からないんだよねー。友達少ないから私」
 「本当にお前と言う奴はだな……みんなからの信頼が厚いんだからそれを利用してもっと人脈広げろよ。宝の持ち腐れだぞ」
 「期待を過剰にかけられると、人間って簡単に他人を信じれなくなるよね。[期待]しかその人から見えてこないからさ…………性格がわからないんだよ。」
 「[期待]が見えるだけマシだろ。普通、会話を重ねたって人の内側は何もわからないんだから。俺が子供好きだってことも最初っからわからなかったろ?」
 「私は認めてないけどね。でも君の言いたいことはよくわかるよ。誰も彼も、人の内側はよくわからない。…………わからないでしょ?私が何を考えているのか」

 夜の暗さによく溶け込む黒色のドレスを着たイリナが月の光に照らされる。それを見ると、イリナはとても夜が似合うなと思った。元気で明るい、勇者の希望そのものの彼女は昼ではなく夜がよく似合っている。その光が闇の全てを照らすからなのか、それとも…………

 「わかるよ。[さっさと走ってこんな用事済ませてー。あーこのクソ男がもっと速く走れたらなー。てかワープできたらなー。]とか思ってんだろ」
 「クソ男じゃなくてクソ雑魚男だよ。そこ以外は概ね合ってる」
 「間違ってるって言ってくれないかなぁ」

 かれこれ20分は歩いてる。そろそろ到着してもいいんじゃないかな。

 「わからないというのもね、昴さんとは同じ任務をしたことがないんだ。私と同じぐらい重要な戦力だから一緒にさせてもらえないの」
 「……グレンさんといい昴さんといい、凄い人間ばかりを勧誘しようとしてるな。もっと誘いやすそうな人いないのかよ」
 「友達少ないからね」

 お前レベルなら声かけただけで絶対に人が群がってくるだろ。選り好みしすぎなんだよなぁ。

 「それに昴さんが魔力を使っているところは誰も見たことがないの。勇者領も彼の魔力の情報が漏洩することは全力で阻止しているし………謎なんだよね、本当に」
 「そんな謎な人とグレンさんは関係があるのか。イリナと違って社交的だな」
 「私だって仲良くする気はあるんだけどねぇ。相手が畏まっちゃってなかなか会話が弾まないんだよ」

 そりゃあ勇者最強が相手じゃなぁ。しかも人外レベルで美人だし。

 「私にばっかり言うけどさぁ。君だってどうせ友達少ないでしょ」
 「…………多いよ?めちゃくちゃ」

 俺は指を3本折り、そこから進まないことを隠すために指折りをやめた。

 「今数えただけでも優に500人はいたね。いやー申し訳ないね本当、人気者で」
 「…………どうせ5人でしょ。それを100倍しただけでしょ。なんなら5人もいないでしょ。」
 「15年生きてきて友達5人は流石に少なすぎるんよ。親友ならともかく友達5人はヤバすぎる。別に仲良くなくたって[変に嫌われるぐらいなら仲良いフリしとくか]ってヘラヘラ笑いながら付き合うだろ?」
 「うわっ………絶対友達いないじゃん。その思考はまずいよマジで、ねじ曲がりすぎ。人間を信用できてないじゃん」
 「目に見えないものを信用できるほど俺の心は強くないのさ」
 「わかるわかる、僕も概ね同じ意見だ」

 黒色の短髪をした男性が目の前からノンビリ歩いてきた。彼が昴さんか?…………なんていうか、グレンさんと違ってほんわかした雰囲気だ。

 「いやーー君達が全然来ないから、痺れを切らして迎えにきてしまったよ。どんだけノンビリ歩いているんだい。話にも花が咲いてしまっているし…………お花畑の中を優雅に歩くお姫様じゃあないんだから、人を待たせているときぐらい急ぎたまえよ」

 大人の余裕溢れる笑みを浮かべながら昴さんは言ってくる。厳しく言ってる気配はない………彼なりの冗談なのだろう。

 「本当は走りたかったんだけど、この男が走れないーって駄々こねて………」
 「いや言ってないけどね!?なんの会話もなく徒歩になってたよね!?責任押し付けるのやめてくれません?」
 「ふーん、ふむふむ、君がイリナの新しい相棒か………」

 両手をポケットに突っ込みながら、俺のことを凝視してくる昴さん。黒色の瞳孔が思慮深く輝いている。

 「イリナちゃんから聞いていると思うが僕は基本、魔力を使わない。それでも重要戦力だと目されているのには理由がある。たとえば洞察力。たとえば嗅覚。視力、聴力、剣術、諜報術………人間が本来持つ力を鍛錬によって最大限にまで高めることができれば、下手な魔力よりも使い勝手はよくなる。僕はそういうのを鍛えた特別な人間なんだ」
 「は、はぁ…………凄いですね」
 「何を突然言い出すんだと思っただろう?………僕の洞察力はね、君達の内側を覗くことができる。イリナちゃんの新たな相棒である君の名前は…………飯田狩虎だろう?」

 ……………なるほど?

 「驚かせようとしてるんでしょう?俺の名前ぐらいグレンさんから聞けばなんとでもなるでしょう」
 「うんうん、君の言う通りだ。君達が来る前に僕とグレンは連絡を取り合っているのだから、事前にある程度の情報を得ていると想定するのは間違っていない。………君はあれだね、人の言葉を鵜呑みにしないね。[情報]というものの不確定さをよく理解している。とてもいいことだ、そういう部分はカイとよく似ている。[そういう部分では]ね」

 昴さんは右手をポケットから取り出すと自分の眉毛を軽く撫でた。

 「しかし物事を合理的に判断するなんてことは、ある程度物事を理解できる頭脳があればだれでも出来ることだ。性格ではなくてただのスキル。ダラダラ説明しても周りくどくなるだけだ端的に説明してあげよう。僕の言いたいことは彼はカイの代わりにならないということだよイリナちゃん」
 「………そんなのわかってるもん」
 「本当かな?本当だろうか?口と心があまりにも乖離しすぎていて、人の言葉とは信用ができない」

 言い終わった後、昴さんはジーっとイリナを見ていた。いや、イリナの瞳を見ていた。

 「しかし、君のその曇りのない瞳を見ていると信じてみようと思えてしまうのだから人間というのは不思議なものだ。………本題に入ろう勧誘しにきたんだろう僕を。色々と説明して欲しい」

 昴さん………この人も癖が強いな。彼は再度ポケットに手を突っ込んでイリナに説明を求めた。

 「説明も何も、不足の事態に備えて戦力を強化しておきたいんだ」
 「君がいるのにかい?君さえいればあとはどうにでもなるじゃないか」
 「私だけならね。でも………ほら」

 イリナが俺のことを見てきて、その後を追うように昴さんも見てくる。悪かったですね弱くて………

 「ある程度のことなら自分で守れるけれど、不足の事態…………たとえば魔王の出現だろうか…………去年のように、また相棒を失いかねないと思っているというわけか。なるほどなるほど、よく分かったよ」

 昴さんは右目だけを閉じて頭を2度縦に振った。

 「別に僕は運命というものは信じないが、しかし環境による選別というのには納得している。もし狩虎ちゃんがイリナちゃんの相棒として戦い、力及ばずに死んでしまったのならば、それはイリナちゃんの相棒に相応しくなかったのだという結果だ。何も君が悔やむことじゃあないはずだ」
 「でもまた誰かを失うなんてやだよ」
 「強い人間が生き残り続けてしまうのは世の定め。そして君は誰よりも強いのだから、誰よりも生き残り他者の死を見届けることは必然。君の運命なんだよ。カイの死を目の当たりにしたのは始まりに過ぎず、これから君に相応しい人間が見つかるまで人は死んでいく。君の強さはそういうものなのだよ。納得するしかない。」

 …………たしかに昴さんの言いたいことはよくわかる。イリナは最強の勇者だから彼女が死ぬなんてことはきっとないだろう。それに彼女が死んでしまえば勇者が滅亡するきっかけになるのだから、誰もそんなことは望まない。そうしてイリナを守る為に人々は………1年前のカイのように死んでいく。彼女は誰よりも強いから、消してはいけない希望の光だから、全ての人に守られているのだ。

 「強さしか存在できない世界なんて何も面白くない」

 俺は静かに言った。

 「たとえ正義が悪を絶やしたとしても、そんなつまらない世界じゃあまた同じことを繰り返すだけだ。意味がない。命を張って守るほどのものじゃあない」
 「……………それは僕も同じことを思っているよ。この世界は守るに値しない。誰かが変えなきゃいけないんだ」
 「じゃあ俺達でやればいい。こんな下らない世界を、強さしかないこの地獄を俺達が変えてやればいい。[誰かが]じゃなくて[俺達が]やればいい。違いますか?」
 「ほぉおう?」

 昴さんはポケットから両手を取り出すと、両目で俺を凝視してきた。

 「君は……その、変だな。とても変だ。まるで根拠のない自信………いや、根拠があるんだな?今言ったことをやり遂げられる自信があるんだな君には?」
 「俺じゃない。」

 俺はイリナを見て、すぐに昴さんに視線を戻した。

 「イリナならやり遂げられる、絶対に。魔王を退け、炎帝を倒し魔族を束ねることができるはずだ!」
 「イリナだけじゃあ無理だ。一年前、彼女は炎帝に完全敗北している。イリナじゃあ無………」「俺は夢を見る」

 イリナとカイが人を助け悪を挫く夢を。どれほど強大な敵だろうと打ち倒す夢を。人が人を助ける姿というのはどうしてあんなにもカッコよく見えるのだろう。

 「正義のために悪を倒す希望の物語を。たとえ業火に焼き払われたとしても、再度立ち上がり悪を滅ぼす物語を夢見ている。イリナは主人公なんだ、俺と違って」
 「…………本気で言ってる?それ」
 「ああ、イリナじゃなきゃダメなんだ」

 俺の目をずっと見つめてくる昴さんに、俺もまた昴さんの目を見つめる。キュッとしまった瞳孔が俺の目から脳へと侵入し、思考を絡め取ってくるような錯覚に陥る。

 「夢見がちな人間の目じゃあない、とても打算的な思考方法。論理型で理性的。そんな君がそう言うんだ何か確証があるのだろうね。はははっ、君は本当に変わっているなぁ。」

 俺から離れ、再度右目だけを閉じると昴さんは口角を持ち上げた。

 「仕方がない、いいよ、イリナちゃん。君の部隊に参加してあげよう。」
 「えっ、いいの!?」
 「ああ、いいよ。本当は休暇をもらって旅でもしていろんなものを見る予定だったんだけれど、気が変わった。そんなものよりも優先して見なきゃいけないものが今、目の前にあることが分かったからね。」

 俺とイリナを交互に見た後に昴さんは空を見上げた。

 「はぁ…………夢を見るか。いいじゃないか、狂っていて」
 「ええ、俺もそう思います」

 こうして昴さんがイリナの部隊に加入することになった。

 そして1週間後、魔族掃討戦が始まる。
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