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彼らは新人類編
今殺せ!やっぱ保留で。
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勇者領では[飯田狩虎を今すぐに殺せ派]と[別にすぐに殺さなくて良い派]に別れているらしい。遅かれ早かれ、俺を殺すのはもう確定しているわけだ。[すぐに殺さなくて良い派]のトップである慶次さんと、[すぐに殺せ派]のトップの第二類勇者…………実質勇者領を支配している2人がぶつかると言うことは、勇者領は今、政治的危機に陥っている。カースクルセイドもいるのに、内側からガタガタじゃあどうしようもない。みんなで結束しないとやってらんないよな。と、分裂の危機に導いた張本人である俺が言うのだからお笑い草だなと思ったり思わなかったり。
「…………みたいな話をさっきまでしてたはずなんだけどなぁ。」
俺は霧の中で1人、腕を組んでいた。分断されたわけだよな………問題は俺だけが分断されたのか、みんなが散り散りになったのか。前者なら俺を殺す意図だから[飯田狩虎すぐに殺せ派]の可能性が高いし、後者なら俺たち全員を狙った[カースクルセイド]の仕業となる。まぁその2つとも関係ない可能性もあるけれど…………例えば、勇者失踪事件に関連する何かとか?
「魔王の力も使えないし、どうしたもんかなぁ。」
つけている魔力制御装置によって俺の魔力は6段階で制御されている。第5~第3までは自分で解除できるが、第2、第1はイリナの許可を貰わなきゃいけない。勘に優れたイリナが気づかないほどの魔力だ、第3まで解除したところでこれを打ち消すことはできないだろう。切実にどうしたもんかなぁ。
「…………相手が何かしてくるまで待つか。」
俺は地面に座って気長に待つことにした。
「…………やっばいなぁ。」
気がついたら私1人だけになっていた。背中の光剣を引き抜いた私は周りを警戒する。私だけが孤立したのならばともかく、全員がバラけさせられていたらキツいものがある。力を制限されているミフィー君じゃあ私ほどの戦力にはならないし…………この霧を打ち壊すか?
「たとえば………だ。」
男の声が後ろから聞こえてきた!私は振り返るがそこには誰もいなくて、緊張感が最高潮に昇っていく。
「勇者ってのは正義感が強いわけだろ?更にあんたみたいに祭り上げられている最強の勇者ってのは、そりゃあもう正義の塊なんだろう。」
ボサボサ髪の男が霧の中から出てきた。タバコを吸いながらゆっくりと近づいてくる。敵意は今のところは感じない。
「………だったらなんなのさ。」
「いや、ちょっとした疑問だ。人間、好奇心を無くしたらしまいだからな。こういうちっぽけな興味ってのを俺は放っておきたくないんだ。案外大切だろ?そういうの。」
私は男を切り裂いた。あまりにも不用意に近づいてくるから…………しかし切られた男は霧散して、また1人、男が霧の中から出てきてこちらへと歩いてくる。
「俺の興味はあんただ。昔のパートナーを殺した長本人と旅するあんたの気持ち、考えを知りたい。なぜ殺さない?」
「何で私がそんなこと答えなきゃいけないのさ。」
「答えなきゃ出られない………とでも言えばいいか。」
なるほど……条件を達成しない限り出ることの出来ない空間を作り出す魔力か。厄介だな…………
「…………私はね、初めて敵に殺して欲しいって言われたんだ。いつもは襲ってくるだけなのに、私のことを守って、そう言った。」
理由は分からないけれど、彼は私に殺されたがっている。カイを殺した罪悪感に苛まれているからなのか、はたまた別の理由なのか…………でもそこにはきっと理由がある。私に隠している、知られたくない理由が。
「それを知ることもなく、感情のままに彼を殺すのは間違っていると思うの。殺してしまったら…………今度は私が間違えてしまいそうだから。」
それに彼を悪い人間だとは思えないのだ。敵を殺すことを躊躇った彼が、悪だと私は考えたくない。
「殺すか、殺さないか。判断を下すのを、私は理由を知ってからでいいと思っている。それだけだよ。」
「天下のイリナさんも丸くなったもんだな。」
近づいてきた男をまた切り裂くも、それは霧となってまた闇の中に溶け込む。
「いつものあんたなら敵だったら全て皆殺しにしていたってのに、丸くなったもんだ。カイが死んでから弱々しくなっちまったんだな。昔のあんたはもっとギラギラしていたぜ。目に見える全てを、敵を、嫌悪を抱く全てに牙をむける。…………そんなんじゃあカースクルセイドには勝てないぜ。」
今度は男の姿が出てくることはない。ただ声だけが響いている。
「…………あんた、誰なの。」
「俺か?内緒さ。ただただ強いだけの、世界に無関係な男。…………気をつけなよ、もう敵は動き始めてるんだぜ。ダラダラしていたら殺されちまう。」
そして男の声は遠ざかっていった。
「あっ。」「あ…………。」
いつの間にか霧が晴れ、私とミフィー君、ウンモが呆然と立ち尽くしていた。
「…………なんかあった?」
「なにも?ただ座ってただけだ。」
私とミフィー君は互いに確認をする。じゃああの男の狙いは私と会話することだったのか。…………よく分からないなぁ。敵ではない気がするけれど、味方な気もしない。言葉を全て信じる気にはなれないな。でも彼が言った、私の現状は当たっていると思う。昔みたいに敵を倒したいと思えないのだ。カイが死んだからあの日から、私は失うことを恐れている。本当は今回の戦いに参加することなくノンビリしていたかったのだ。ミフィー君が力をつければ、ダラダラとこの世界を旅できると思ってたのに…………
「…………あのさ。」
「…………どうした?」
私は拳を硬く握り締めた。
「やっぱりさ、強くならなきゃいけないよね。君を倒せるぐらいに。」
私よりもずっと強い仇が仲間になってしまったから緩んでいるんだ。私は強くならなきゃいけない。彼を超える為に…………
「そりゃあそうさ。安心して俺が死ねるようにな。」
あのよくわからない男との会話で、私の何かが吹っ切れた気がする。私は強くなる。そしてミフィー君の心を、何を企んでいるのか知らなくてはいけない。超えてやる…………過去を超えて未来へと向かう為に。
「…………みたいな話をさっきまでしてたはずなんだけどなぁ。」
俺は霧の中で1人、腕を組んでいた。分断されたわけだよな………問題は俺だけが分断されたのか、みんなが散り散りになったのか。前者なら俺を殺す意図だから[飯田狩虎すぐに殺せ派]の可能性が高いし、後者なら俺たち全員を狙った[カースクルセイド]の仕業となる。まぁその2つとも関係ない可能性もあるけれど…………例えば、勇者失踪事件に関連する何かとか?
「魔王の力も使えないし、どうしたもんかなぁ。」
つけている魔力制御装置によって俺の魔力は6段階で制御されている。第5~第3までは自分で解除できるが、第2、第1はイリナの許可を貰わなきゃいけない。勘に優れたイリナが気づかないほどの魔力だ、第3まで解除したところでこれを打ち消すことはできないだろう。切実にどうしたもんかなぁ。
「…………相手が何かしてくるまで待つか。」
俺は地面に座って気長に待つことにした。
「…………やっばいなぁ。」
気がついたら私1人だけになっていた。背中の光剣を引き抜いた私は周りを警戒する。私だけが孤立したのならばともかく、全員がバラけさせられていたらキツいものがある。力を制限されているミフィー君じゃあ私ほどの戦力にはならないし…………この霧を打ち壊すか?
「たとえば………だ。」
男の声が後ろから聞こえてきた!私は振り返るがそこには誰もいなくて、緊張感が最高潮に昇っていく。
「勇者ってのは正義感が強いわけだろ?更にあんたみたいに祭り上げられている最強の勇者ってのは、そりゃあもう正義の塊なんだろう。」
ボサボサ髪の男が霧の中から出てきた。タバコを吸いながらゆっくりと近づいてくる。敵意は今のところは感じない。
「………だったらなんなのさ。」
「いや、ちょっとした疑問だ。人間、好奇心を無くしたらしまいだからな。こういうちっぽけな興味ってのを俺は放っておきたくないんだ。案外大切だろ?そういうの。」
私は男を切り裂いた。あまりにも不用意に近づいてくるから…………しかし切られた男は霧散して、また1人、男が霧の中から出てきてこちらへと歩いてくる。
「俺の興味はあんただ。昔のパートナーを殺した長本人と旅するあんたの気持ち、考えを知りたい。なぜ殺さない?」
「何で私がそんなこと答えなきゃいけないのさ。」
「答えなきゃ出られない………とでも言えばいいか。」
なるほど……条件を達成しない限り出ることの出来ない空間を作り出す魔力か。厄介だな…………
「…………私はね、初めて敵に殺して欲しいって言われたんだ。いつもは襲ってくるだけなのに、私のことを守って、そう言った。」
理由は分からないけれど、彼は私に殺されたがっている。カイを殺した罪悪感に苛まれているからなのか、はたまた別の理由なのか…………でもそこにはきっと理由がある。私に隠している、知られたくない理由が。
「それを知ることもなく、感情のままに彼を殺すのは間違っていると思うの。殺してしまったら…………今度は私が間違えてしまいそうだから。」
それに彼を悪い人間だとは思えないのだ。敵を殺すことを躊躇った彼が、悪だと私は考えたくない。
「殺すか、殺さないか。判断を下すのを、私は理由を知ってからでいいと思っている。それだけだよ。」
「天下のイリナさんも丸くなったもんだな。」
近づいてきた男をまた切り裂くも、それは霧となってまた闇の中に溶け込む。
「いつものあんたなら敵だったら全て皆殺しにしていたってのに、丸くなったもんだ。カイが死んでから弱々しくなっちまったんだな。昔のあんたはもっとギラギラしていたぜ。目に見える全てを、敵を、嫌悪を抱く全てに牙をむける。…………そんなんじゃあカースクルセイドには勝てないぜ。」
今度は男の姿が出てくることはない。ただ声だけが響いている。
「…………あんた、誰なの。」
「俺か?内緒さ。ただただ強いだけの、世界に無関係な男。…………気をつけなよ、もう敵は動き始めてるんだぜ。ダラダラしていたら殺されちまう。」
そして男の声は遠ざかっていった。
「あっ。」「あ…………。」
いつの間にか霧が晴れ、私とミフィー君、ウンモが呆然と立ち尽くしていた。
「…………なんかあった?」
「なにも?ただ座ってただけだ。」
私とミフィー君は互いに確認をする。じゃああの男の狙いは私と会話することだったのか。…………よく分からないなぁ。敵ではない気がするけれど、味方な気もしない。言葉を全て信じる気にはなれないな。でも彼が言った、私の現状は当たっていると思う。昔みたいに敵を倒したいと思えないのだ。カイが死んだからあの日から、私は失うことを恐れている。本当は今回の戦いに参加することなくノンビリしていたかったのだ。ミフィー君が力をつければ、ダラダラとこの世界を旅できると思ってたのに…………
「…………あのさ。」
「…………どうした?」
私は拳を硬く握り締めた。
「やっぱりさ、強くならなきゃいけないよね。君を倒せるぐらいに。」
私よりもずっと強い仇が仲間になってしまったから緩んでいるんだ。私は強くならなきゃいけない。彼を超える為に…………
「そりゃあそうさ。安心して俺が死ねるようにな。」
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