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【三十二話】潜入
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イバンから連絡を受けた律はアナスタシアにも事情を話して二人で戻ることになった。
「あーあ、せっかく鬼の父さんたちから離れて自由になれたと思ったのに!」
「アナはそうかもしれないけど」
「リツはファザコンね!」
「ファザコン……」
律の歳くらいになると、親が鬱陶しいと思うことが多いようだが、律は父たちを尊敬していたし、鬱陶しいと思ったこともない。
まぁ、かなり過保護な部分もあるような気がするが、それでも特訓のときは情け容赦なかったし、このくそ! と思うこともあった。だがそれは、単に律が弱いからであり、練習を重ねて、強くなればそんな思いを感じることも少なくなってきた。
「大異変の封印は中央棟にあるって」
「それ、本当なの?」
「まー、あり得ない話ではないよね」
昔から、中央棟の下になんだか変な感じはあったのだ。
すごく嫌なものの中に、妙な懐かしさを感じていた。
もしも中央棟の下に封印があるのだとしたら。
そこには律の母である蘭もいるということで。懐かしさが蘭の気配なのならば、そこが正解なのだろう。
「しっかし」
「なに?」
「……いや、なんでもない」
まさか旅立って数時間で戻ってこいなんて言われるとは思っておらず、かなり不満だ。というのも、律はちょっと今日の夜を期待していたのだ。
律はサフラ聖国から出るのはもちろん初めてで、不安半分、期待半分といったところ。
不安は、初めての外の国なので、問題なくやっていけるのか、大異変の封印を見つけることが出来るのか、といったもの。
期待とは……。
大好きなアナスタシアと二人っきりなのだ。絶対になにかある、という期待だ。
それがどちらも空振りに終わってしまった。
「でもさ、本当に中央棟にあるのなら、あたしたち、かなり間抜けじゃない?」
「……そうだね。でもあそこ、なんか変な感じはあるよね?」
「え?」
「下から押し上げてくる不快感というか、違和感というか」
「そんなの、感じたことない!」
「ふーん、そうなんだ」
それから二人は無言でサフラ聖国に戻ってきた。
まさか数時間で戻るとは思わなかったので、失敗でもなんでもないのだが、なんだか恥ずかしい。
「お帰りなさい」
そう言って迎えてくれたけど、やっぱり恥ずかしい。
「……ただいま」
「もー、なんなのよ! 勇んで出掛けたのにすぐに呼び戻すなんて! 拍子抜けよ!」
さすが、アナスタシア。あの三人相手に真っ直ぐと不満をぶつけている。律には出来ない芸当だ。
「申し訳ございません」
トマスがあの笑みを浮かべて、アナスタシアに対応している。でもその笑み、アナスタシアには通じないから! と思っていると、やはり通じていなくて、アナスタシアはさらに突っかかっていた。すごすぎる。
「そうだよな、せっかくリツと念願の二人っきりになれたのにな。邪魔して悪かった」
というアーロンの言葉には動揺していた。
え、脈絡ありなの? と驚いたのは律だ。
「なっ、そんなこと、ないわよ! ようやく父さんたちから解放されたと思っただけで!」
あれ、脈なし? どっちなんだ?
アナスタシアは本当に難しい、と律は思った。
「ほー? そんなにオレたちのこと、嫌なんだ?」
「そっ、そういうところよ!」
後からアナスタシアの両親たちがやってきて、そんなやり取りがされていた。
「リツ、悪かったな」
「なにが?」
「今日の夜、アナスタシアを襲う予定だったんだろう?」
「なっ!」
「この国にいる限り、そんな機会なんてないもんな」
「アーロン……。あのさ、そうだったとしてもだ!」
「否定はしないのか」
「しない! いや、正直に言うと、かなり悔しい! せっかくの機会だったのにって」
「……馬鹿正直だ」
「だけど! 母さんのことも大切だし、今はそっちが重要だから」
「まぁ、そう、だな」
「……今まで、そんな機会が皆無だったわけじゃないけど」
「うん?」
「なんかさ、あの中央棟、すっごく嫌でさ」
「あぁ、会えるのはあそこでだけか。だけどまぁ、確かに本気でヤろうと思えば、いくらでも場所はあるよな」
「そうなんだよ……って! ……アーロン相手だと、調子が狂う」
「ははっ!」
いつものように笑われたけど、律は苦笑した。
それからトマスとイバンに視線を向けると、なんだか良く分からないけれど、慈悲の笑みを返された。今の話、思いっきり聞かれていたらしい。
「とりあえず、中央棟なんだよな?」
「えぇ。中央棟から人は全員、退避させてますから、思いっきりやってもらって問題ありませんよ」
律は両親たちとギャイギャイと言い合っているアナスタシアの首根っこをつかむと、歩き出した。
「ちょ、ちょっと! な、なにっ?」
「行くぞ」
「え、あ、うん」
急に真面目な顔になった律にアナスタシアは飲み込まれるかのように大人しくなって素直に付き従った。
それを見ていたアーロン、トマス、イバンは苦笑しながら見送っていた。
「普段のちょっと情けなさそうなリツと、今のリツ、どちらが本当なんですかね」
「どっちもだろ。というかだ、常にあれだったらこっちも気詰まりする。だから分かって使い分けてるんだろ」
「器用だね」
「まったくだ」
*
二人は中央棟に到着した。
いつもならうっすらと人の気配があるのに、今はまったくない。全員を退避させたというのは間違いないのだろう。
というかだ、あの人たちはどれだけ律たちが暴れると思っているのだろうか。それともこれは、手を抜かずに全力でいけということなのだろうか。
「ねぇ、リツ」
「なんだ?」
「魔王と大異変に勝てたら、あたしをあげるから」
「ぶっ」
なにをいきなり言うのだろうか。緊張感が台無しだ。
「なによ、あたしじゃ不満なの?」
「いや、そうじゃなくて。……あのさ、アナ」
律は足を止めると、アナスタシアの目の前に立った。
アナスタシアも背は高いが、それより律は高い。アナスタシアは律を少し見上げる形になる。
律は真面目な顔でアナスタシアを見た。
「なんか今、言うことじゃないかもしれないけど。ぼくはアナスタシアのことが好きだ」
「……え?」
「えっ、て今言った? ねぇ、ぼくがアナのこと好きなの、驚くことなのっ?」
「いや……だって、いっつも意地悪ばっかりだし。今回の討伐は単によく一緒に訓練してて気心知れてるだけだって思ってたから」
「気心知れてるのは確かだけど! 後はアナにしか……いや、アナに背中を預けたいって思ったのもあるし、その、下心がなかったわけじゃない」
「……相変わらず、そういうところは馬鹿正直なんだ」
「すぐに呼び戻されてぼくがどれだけ落胆してるか、分かる?」
「分かりたくないわ」
「そっ、そういうアナはぼくのこと、どう思ってるんだよ?」
「ぇ? あー……。嫌いじゃないわ」
「そっ、そう。その程度で身体をあげるって言っちゃうんだ?」
「や、やだ! 誤解しないでよ。リツにしか言ってないわよ!」
「アナは好きでもない男に抱かれて、平気なんだ?」
「そっ、そうじゃ、なく……て」
律は真っ赤になったアナスタシアを見て、ふと冷静になった。
「……返事は後でいくらでも聞く」
「ぅ、うん」
「だから──さっ!」
律は腰に下げていた剣を素早く抜くと、アナスタシアの後ろに斬り込んだ。
「っ!」
「敵陣で呑気に告白してたこっちが悪いのは確かだけど! 空気を読めよっ! あと、アナも気がついて!」
「ぁ、ほんと、ごめん!」
それを合図に、一気に周りに敵が沸いた。
「これさ、父さんたち、想定してたと思う?」
律は襲ってくる敵を叩き斬りながら、アナスタシアに聞く。
「あの人たちならっ! そこまで、読んでて、もっ! おかしく、ない!」
気合の入った返事に律は思わず笑ってしまう。
「笑ってる、余裕なんてっ!」
「あるある。これくら、いっ!」
思わず力が入ってしまったが、それでも律はまだ、余裕があった。
律たちを囲っているのは、不定形ななにか。宙に浮き、黒くてモヤモヤとしていて、普通の剣では斬れない。だが、律とアナスタシアの持つ剣は、お下がりとは言われたけれど、そういったモノも斬れるようで、バッサバッサと斬り裂いていた。
「なんかさ、ぼくも黒いから、同族を斬ってるみたいでちょっと不愉快なんだよね」
「あ、見覚えがあると思ったのは、リツと色が一緒だからか!」
「ちょっと、酷いよ!」
確かにぼくは髪も服も黒いけど! と叫びながら律は斬っていく。
二人は斬りながら少しずつ前進していく。
「これ、ずっとこの調子で出てくるのかな?」
「……ちょっと、嫌なこと、言わないでよ」
イバンから連絡を受けた律はアナスタシアにも事情を話して二人で戻ることになった。
「あーあ、せっかく鬼の父さんたちから離れて自由になれたと思ったのに!」
「アナはそうかもしれないけど」
「リツはファザコンね!」
「ファザコン……」
律の歳くらいになると、親が鬱陶しいと思うことが多いようだが、律は父たちを尊敬していたし、鬱陶しいと思ったこともない。
まぁ、かなり過保護な部分もあるような気がするが、それでも特訓のときは情け容赦なかったし、このくそ! と思うこともあった。だがそれは、単に律が弱いからであり、練習を重ねて、強くなればそんな思いを感じることも少なくなってきた。
「大異変の封印は中央棟にあるって」
「それ、本当なの?」
「まー、あり得ない話ではないよね」
昔から、中央棟の下になんだか変な感じはあったのだ。
すごく嫌なものの中に、妙な懐かしさを感じていた。
もしも中央棟の下に封印があるのだとしたら。
そこには律の母である蘭もいるということで。懐かしさが蘭の気配なのならば、そこが正解なのだろう。
「しっかし」
「なに?」
「……いや、なんでもない」
まさか旅立って数時間で戻ってこいなんて言われるとは思っておらず、かなり不満だ。というのも、律はちょっと今日の夜を期待していたのだ。
律はサフラ聖国から出るのはもちろん初めてで、不安半分、期待半分といったところ。
不安は、初めての外の国なので、問題なくやっていけるのか、大異変の封印を見つけることが出来るのか、といったもの。
期待とは……。
大好きなアナスタシアと二人っきりなのだ。絶対になにかある、という期待だ。
それがどちらも空振りに終わってしまった。
「でもさ、本当に中央棟にあるのなら、あたしたち、かなり間抜けじゃない?」
「……そうだね。でもあそこ、なんか変な感じはあるよね?」
「え?」
「下から押し上げてくる不快感というか、違和感というか」
「そんなの、感じたことない!」
「ふーん、そうなんだ」
それから二人は無言でサフラ聖国に戻ってきた。
まさか数時間で戻るとは思わなかったので、失敗でもなんでもないのだが、なんだか恥ずかしい。
「お帰りなさい」
そう言って迎えてくれたけど、やっぱり恥ずかしい。
「……ただいま」
「もー、なんなのよ! 勇んで出掛けたのにすぐに呼び戻すなんて! 拍子抜けよ!」
さすが、アナスタシア。あの三人相手に真っ直ぐと不満をぶつけている。律には出来ない芸当だ。
「申し訳ございません」
トマスがあの笑みを浮かべて、アナスタシアに対応している。でもその笑み、アナスタシアには通じないから! と思っていると、やはり通じていなくて、アナスタシアはさらに突っかかっていた。すごすぎる。
「そうだよな、せっかくリツと念願の二人っきりになれたのにな。邪魔して悪かった」
というアーロンの言葉には動揺していた。
え、脈絡ありなの? と驚いたのは律だ。
「なっ、そんなこと、ないわよ! ようやく父さんたちから解放されたと思っただけで!」
あれ、脈なし? どっちなんだ?
アナスタシアは本当に難しい、と律は思った。
「ほー? そんなにオレたちのこと、嫌なんだ?」
「そっ、そういうところよ!」
後からアナスタシアの両親たちがやってきて、そんなやり取りがされていた。
「リツ、悪かったな」
「なにが?」
「今日の夜、アナスタシアを襲う予定だったんだろう?」
「なっ!」
「この国にいる限り、そんな機会なんてないもんな」
「アーロン……。あのさ、そうだったとしてもだ!」
「否定はしないのか」
「しない! いや、正直に言うと、かなり悔しい! せっかくの機会だったのにって」
「……馬鹿正直だ」
「だけど! 母さんのことも大切だし、今はそっちが重要だから」
「まぁ、そう、だな」
「……今まで、そんな機会が皆無だったわけじゃないけど」
「うん?」
「なんかさ、あの中央棟、すっごく嫌でさ」
「あぁ、会えるのはあそこでだけか。だけどまぁ、確かに本気でヤろうと思えば、いくらでも場所はあるよな」
「そうなんだよ……って! ……アーロン相手だと、調子が狂う」
「ははっ!」
いつものように笑われたけど、律は苦笑した。
それからトマスとイバンに視線を向けると、なんだか良く分からないけれど、慈悲の笑みを返された。今の話、思いっきり聞かれていたらしい。
「とりあえず、中央棟なんだよな?」
「えぇ。中央棟から人は全員、退避させてますから、思いっきりやってもらって問題ありませんよ」
律は両親たちとギャイギャイと言い合っているアナスタシアの首根っこをつかむと、歩き出した。
「ちょ、ちょっと! な、なにっ?」
「行くぞ」
「え、あ、うん」
急に真面目な顔になった律にアナスタシアは飲み込まれるかのように大人しくなって素直に付き従った。
それを見ていたアーロン、トマス、イバンは苦笑しながら見送っていた。
「普段のちょっと情けなさそうなリツと、今のリツ、どちらが本当なんですかね」
「どっちもだろ。というかだ、常にあれだったらこっちも気詰まりする。だから分かって使い分けてるんだろ」
「器用だね」
「まったくだ」
*
二人は中央棟に到着した。
いつもならうっすらと人の気配があるのに、今はまったくない。全員を退避させたというのは間違いないのだろう。
というかだ、あの人たちはどれだけ律たちが暴れると思っているのだろうか。それともこれは、手を抜かずに全力でいけということなのだろうか。
「ねぇ、リツ」
「なんだ?」
「魔王と大異変に勝てたら、あたしをあげるから」
「ぶっ」
なにをいきなり言うのだろうか。緊張感が台無しだ。
「なによ、あたしじゃ不満なの?」
「いや、そうじゃなくて。……あのさ、アナ」
律は足を止めると、アナスタシアの目の前に立った。
アナスタシアも背は高いが、それより律は高い。アナスタシアは律を少し見上げる形になる。
律は真面目な顔でアナスタシアを見た。
「なんか今、言うことじゃないかもしれないけど。ぼくはアナスタシアのことが好きだ」
「……え?」
「えっ、て今言った? ねぇ、ぼくがアナのこと好きなの、驚くことなのっ?」
「いや……だって、いっつも意地悪ばっかりだし。今回の討伐は単によく一緒に訓練してて気心知れてるだけだって思ってたから」
「気心知れてるのは確かだけど! 後はアナにしか……いや、アナに背中を預けたいって思ったのもあるし、その、下心がなかったわけじゃない」
「……相変わらず、そういうところは馬鹿正直なんだ」
「すぐに呼び戻されてぼくがどれだけ落胆してるか、分かる?」
「分かりたくないわ」
「そっ、そういうアナはぼくのこと、どう思ってるんだよ?」
「ぇ? あー……。嫌いじゃないわ」
「そっ、そう。その程度で身体をあげるって言っちゃうんだ?」
「や、やだ! 誤解しないでよ。リツにしか言ってないわよ!」
「アナは好きでもない男に抱かれて、平気なんだ?」
「そっ、そうじゃ、なく……て」
律は真っ赤になったアナスタシアを見て、ふと冷静になった。
「……返事は後でいくらでも聞く」
「ぅ、うん」
「だから──さっ!」
律は腰に下げていた剣を素早く抜くと、アナスタシアの後ろに斬り込んだ。
「っ!」
「敵陣で呑気に告白してたこっちが悪いのは確かだけど! 空気を読めよっ! あと、アナも気がついて!」
「ぁ、ほんと、ごめん!」
それを合図に、一気に周りに敵が沸いた。
「これさ、父さんたち、想定してたと思う?」
律は襲ってくる敵を叩き斬りながら、アナスタシアに聞く。
「あの人たちならっ! そこまで、読んでて、もっ! おかしく、ない!」
気合の入った返事に律は思わず笑ってしまう。
「笑ってる、余裕なんてっ!」
「あるある。これくら、いっ!」
思わず力が入ってしまったが、それでも律はまだ、余裕があった。
律たちを囲っているのは、不定形ななにか。宙に浮き、黒くてモヤモヤとしていて、普通の剣では斬れない。だが、律とアナスタシアの持つ剣は、お下がりとは言われたけれど、そういったモノも斬れるようで、バッサバッサと斬り裂いていた。
「なんかさ、ぼくも黒いから、同族を斬ってるみたいでちょっと不愉快なんだよね」
「あ、見覚えがあると思ったのは、リツと色が一緒だからか!」
「ちょっと、酷いよ!」
確かにぼくは髪も服も黒いけど! と叫びながら律は斬っていく。
二人は斬りながら少しずつ前進していく。
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「……ちょっと、嫌なこと、言わないでよ」
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