終焉を迎えそうな世界で、君以外はなんにもいらないんだ

朱月野鈴加

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【三十九話】想いを遂げる

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 律はアナスタシアのあごを掴むと、噛みつくように唇を重ねた。

「んっ!」

 顔を少し傾けて、アナスタシアの柔らかな唇を堪能した後、唇を離して呆然としているのを確認して、律はアナスタシアの唇に舌を這わせた。柔らかくて、甘くて、いつまでも喰んでいたい、アナスタシアの唇。
 律は舌でアナスタシアの唇を割ると、口内に入れ込んだ。

「っ!」

 驚いて、身体が硬直したのが分かったけれど、律は止めなかった。
 それどころか腰を引き寄せて、身体を弄(まさぐ)る。
 アナスタシアの身体に触れるのは初めてではないけれど、それは訓練中なので、邪な気持ちで触れることはない。
 アナスタシアもよく訓練をしているので、決して柔らかいだけの身体ではなかったが、それでも今の律には興奮するには充分だった。
 もうここがどこだとか、そんなこと、頭の中からぶっ飛んでいて、律はひたすらにアナスタシアの身体を弄(まさぐ)り、口内を舌で舐めまくった。
 アナスタシアも徐々に律のキスと撫でられる身体に慣れてきて、そしてそれが気持ちがいいと思えるようになってきて、甘い吐息をたまに吐く。
 律は一度、アナスタシアの口内から舌を抜いた。
 二人の間に銀色の糸が引く。律は赤い舌を出して、その糸をぺろりと舐め取ると、プツリと切れた。
 律の色っぽい仕草に、アナスタシアは真っ赤になっていた。

「リツ……」
「アナ、かわいい」
「かわ……っ!」
「ぼくとのキスで気持ち良くなって、赤くなってるアナ、すっごくかわいいよ」
「っ!」

 律の手がいつの間にか鎧を脱がされたアナスタシアの胸を撫でていた。

「っ! ぇ? 鎧……?」
「脱がした」
「いっ、いつの間に」
「キスをしながら」
「なっ! むっ、無駄に器用ね!」
「無駄じゃないよ。いつでも脱がせられるように練習もしたし」
「なんの練習をしてるのよっ!」
「怪我して鎧を脱がせなくちゃいけない場面もあるだろう? それを想定して。……ってのは言い訳だけど」
「リッ、リツが、そんなっ、やらし……か、った、なん……てぇ。ぁ……っ」
「アナのおっぱい、先っぽが尖ってる。ぼくに触られて、感じた?」
「ぁ、も、な、なに、んっ、ぁっ、ぁっ」
「アナ、すっごくかわいい。食べちゃいたい」

 律はペロリと一度、唇を舐めると、アナスタシアの首筋に唇を落とした。

「……ぁっ!」

 律はアナスタシアの首筋を舐める。
 戦った後なので、汗をかいていて、塩辛い。
 本当は身体を清めてからこうしたかったのに、状況的に仕方がない。律は律で今の状況にすごく興奮していたから、問題ない。
 それに、アナスタシアに触れる前にこっそりと水魔法で手は洗ってある。だから清潔なはずだ。
 身体は汗臭いが、それは許して欲しい。
 律も身につけていた武骨な鎧を取り、それからアナスタシアを改めて壁に押さえつけた。
 ここの壁は残ったようだが、天井はアナスタシアの魔法のせいで壊されていて、空が見える。
 すっかり夜になっていて、星空がのぞいているのが確認できた。

「アナの肌、柔らかい」
「ゃ、ぁ、リツっ、汚い、からぁ」

 アナスタシアはイヤイヤと首を振っているが、本当に嫌なら実力行使に出るのに、それがない。
 ということは、許容しているということで。
 律はわざと音を立てて肌を吸い上げ、キスマークをつけた。

「っはぁ、アナの肌、柔らかいからいっぱい、ついちゃった」
「……ぇ?」
「アナはやらしいよな。嫌いじゃない、程度の男にこんなにもキスマーク、つけさせて」

 アナは慌てて顔を下げて首元を見るが、鏡で見ないとアナからは見えない場所につけたため、分からないようだ。

「アナは知ってた? ぼく、すっごく独占欲が強いって」
「……ぇ?」

 律は普段は淡々としているし、今までもそんな様子を見せたことがない。それなのに、独占欲が強い?

「嫌なら今、拒否して?」
「ゃ、な……に、を」
「アナにこんなにキスマークをたくさん付けて、ぼくのって主張するぐらいなんだよ? 監禁してアナを愛でたいって思ってるくらいなのに」
「ぇ、あ、あの、リツ?」
「なに?」
「あっ、あたしのこと、いっ、いつからその、好き、なの?」
「ん? 最初からだけど?」
「ぇ?」
「初めて挨拶したときから、好きだよ?」
「ぇ? 嘘、だぁ」
「嘘じゃないよ。アナを一目見て、なにこのかわいい子! って。嘘だと思うのなら、父さんたちに聞いてみなよ」
「……分かった、って! んっ、ぁ、リツっ」

 律は再び、アナスタシアの首筋に顔を埋めて、ぴちゃぴちゃと舐めては歯を立てたり、吸ったりした。

「アナもこうされて、気持ちいい?」
「ぁ、わから、ない。けど」
「けど?」
「ゃ、んっ。ぁぁっ」
「気持ちいいんだ?」

 アナスタシアの口から甘い声が出始めてきて、律は気持ち良いと感じてきていると知った。
 首筋に顔を埋めたまま、律はアナスタシアの胸に触れ、尖りを摘まむと、身体がビクリと跳ねた。摘まんだり、軽く捻ったり、押し込めたり。胸全体を撫でたり揉んだりしていると、アナスタシアから切なそうな細いため息が聞こえた。

「ぁ……ん、リツ……」
「なに?」
「ん……、な、なんだか、そのっ。リツにそうやってされる、とっ。む、ムズムズしてくる、というか」
「ムズムズする? どこが?」
「え……と」

 そう言って、アナスタシアは膝を擦り合わせていた。

「ふぅん。アナ、気持ちいいんだ?」
「ぁ、も、意地悪」

 律はアナスタシアの腰紐を解くと、下着ごと下穿きをずらした。

「ぁっ!」
「膝、閉じないで」
「ぇ、ゃ、ちょ、ちょっと、リツっ?」

 律はアナスタシアの蜜口に指を這わせた。そこはもうしとどに濡れていて、ヌルヌルしていた。

「アナ、ココ、すっごいぬるぬるだよ」
「ゃぁ、そんな報告、要らない、からぁ」

 アナスタシアの甘い声に、律は自分の股間のモノがさらに大きく張り詰めてきたのが分かった。

「はぁ、アナ。そんな甘い声を出されたら、ぼくのココ、こんなになって困るんだけど」

 律はわざとアナスタシアに股間を当てて、主張した。

「ぁ……。ん、な、なに、なんか……すごく熱くて……大っきいんだけど」
「アナのせいだから」
「あっ、あたしのっ?」
「そう。だから、責任持って収めてね?」

 律はアナスタシアの蜜口をヌルヌルと触りながら様子を見て、ゆっくりとナカに指一本を埋めていく。
 アナスタシアはまだだれも受け入れたことがなく、ナカは狭い。入口のあたりを指一本を出し入れしてみれば、それだけでもきついというのが分かった。

「ぁ、リツっ」

 アナスタシアは入口のあたりを擦られただけでも気持ちがいいのか、ゆらゆらと腰を揺らし出した。

「アナのココ、ぼくの指を三本、飲み込んでもキツイと思うんだよね」
「指を……三本?」
「そ。ぼくのってたぶん、それより太いから」
「ぇ……」
「父さんたちのより、太くて長いらしいから。覚悟、しておいて?」

 いやそこ、なんで知ってるのっ? という言葉は律のキスによって飲み込まれた。
 アナスタシアは律に蜜口を擦られ、指を入れられ、さらにキスまでされて、気持ちよさにだんだんと思考に霞が掛かってくる。律からもたらされる気持ちいい、しか分からなくなってきた。

「はぁ、アナ。指、三本、上手に飲み込めたよ」
「ぁ……んっ」
「早くアナのナカに埋まりたい」

 律の指から手のひら、手首までアナスタシアの蜜で濡れていた。
 律はアナスタシアのナカから指を抜くと、手にまとわりつく蜜を舐め取った。
 初めて舐めるアナスタシアの蜜は律には甘く感じられた。

「アナの蜜、美味しい……」
「ちょ、ちょっと、リツ! なっ、なにしてっ」
「アナスタシアの蜜を舐めてるの。はー、もう、なにもかもがアナは美味しいね」
「あ、あたしは食べ物じゃないわよ!」
「知ってる」

 律は蜜を舐め取ると、アナスタシアを抱きしめた。
 二人とも、中途半端に服を脱いだままだ。
 律は鎧を脱いだだけだが、アナスタシアは上はともかく、下は律が脱がしてはいるが、足元にまとわりついている。

「アナ、ブーツ、脱げる?」
「え? えぇ」
「ぼくも下、脱ぐから」

 アナスタシアがブーツを脱いで、下穿きも脱いでいるのを横目に、律も同じように脱いだ。
 下穿きを降ろした途端、律の剛直が勢いよく姿を現したのを自分で見て、思わず苦笑する。
 律も男なので、自分で自分を慰めることはそれなりにある。
 だが、あの建物内では、あまり一人でゆっくりとということが出来なくて、するときは手早く迅速に、だった。
 だからたぶん、アナスタシアのナカに挿入れたら、即出してしまいそうだ、と思った。

 二人とも初めてなのに、外でするしか出来なくて、アナスタシアは壁に手を突いてお尻を律に向けるという恥ずかしい格好を取ることしかできなかった。
 素面だったら絶対に出来ない格好だが、アナスタシアは律に蕩けさせられていて、恥ずかしさより、より気持ちが良くなりたいという思いが強かった。
 律はアナスタシアの腰を掴むと、ゆっくりと蜜口に切っ先を当てた。

「アナ、ゆっくり挿入れるから」
「ぅ、うん」

 律はユルユルとアナスタシアのナカに挿入れていく。
 アナスタシアは律の熱い剛直がゆっくりと挿入ってくるのが分かった。
 律はたまに腰を大きく上下に振り、ゆっくりと挿入れていく。ヌル、ヌル、と隘路を割って挿入っていく様はただ律を興奮させる材料にしかならず、一気に埋め込んで、がつがつと貪りたくなる。だけど我慢して、ゆっくりと埋めていく。
 律の額からは汗が流れ落ちていて、訓練の時でもこんなに汗が出たことはないのではと思わせるほどだ。
 それはアナスタシアの背中を濡らしていくけれど、服越しなので、まだ悟られていない。

「アナ……アナ。はっ、……あぁ。よ、ようやく、全部……挿入った。アナのナカ、すごいな。ぼくを全部、飲み込んで……くれ、た」

 そこでようやくアナスタシアは、律の息が切れていることに気がついた。

「リツ?」
「ん?」
「なんで、そんなに、息が?」
「あぁ。アナのナカ、すっごい、気持ち……良すぎて。いっ、痛くないのなら、動く、よ?」
「ぇ、ぁ、うん」
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