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【四十話】ふたりの初めて

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 律が気を使ってゆっくり挿入ってくれたおかげか、痛くはない。が、ナカがパツパツで苦しい感触はある。後は奥を突かれていて、圧迫感も強い。
 アナスタシアが動いてもいいと言ってくれたので、律はユルユルとナカを擦ることにした。

 律は男三人に育てられたので、たまに猥談を聞いていた。
 母親との閨でのことを子どもに話すなよ! と律は思うことがあったが、今思えば、それが今、役立っているからよいとした。……よし……とするしかなかった。
 その話の中では、ナカを擦ると膣壁が擦れて気持ちがいい、らしい。奥を突くのもいいと。
 ……うん、役に立ってる。

 律が動く度にアナスタシアから甘い声が上がるから、きっと感じている。その声を聞いていると、我慢が効かなくなる。
 前から分かっていたけど、律は自分が声フェチだと思う。
 それはたぶん、トマスの良い声を聞いて育ったからだと思っている。あの声は、本当にズルい、といつも思う。あの声で、柔らかい言葉で諭されると、わがままを言えなくなる。
 まぁ、もともと、あまりわがままを言う性格ではないけれど、それでもそう思うのだ。

 そして、アナスタシアの声もとても好きだ。
 透き通るような声に喜怒哀楽が乗ると、心をひどく揺さぶられる。
 そのアナスタシアが、律の与える刺激に対して甘く啼いているのだ。これで興奮しないわけがない。

「アナ、もっと啼いて? アナの声を聞いてると、すっごく気持ちいい」
「ぁ、ゃ、ゃぁっ」
「っはぁ。アナ、ぼくを受け止めて……!」

 律は大きく腰を引き、それから一気に埋め込んだ。

「ぁ、ぃ、ぃぃのぉ、リツッ、ぁ、だ、だめぇ」

 アナスタシアの声に合わせて、律は最奥に熱い白濁を吐き出した。それは勢いよくアナスタシアのナカを叩きつけた。

「ぁぁぁ」

 アナスタシアは律の白濁を受け、その熱に驚いた。こんなに熱いと、溶けてしまいそうだ。
 律はアナスタシアの奥を突いたまま、肩で息をしていた。
 訓練などで思い通りに動けたときや、初めて魔法が成功したときも気持ちいいと思うことがあったけど、それとはまた違う気持ちよさだ。
 特にアナスタシアのナカは熱くて気持ちよくて、しかも律を受け入れてくれた。そのうえ、子胤も受け止めてくれたのだ。

「アナ、好きだよ」

 後ろからギュッと抱きしめれば、アナスタシアのナカがキュウキュウと絞めてきた。

「ぁ、んっ」
「アナ、感じてる?」
「ぁ、ゃ、だめ。動かないでっ」
「んー。場所がここじゃなかったら、もう一度って言いたいところなんだけど」
「ぁっ、ぁんっ」
「アナがすごい勢いで誘ってきてるんだけど! このまま続けて出せって言われたら出せるけどっ!」
「リッ、リツ。んっ、ぁ、ゃぁ」

 律はまだ、満足はしていなかったけれど、これで終わりにして、また改めてと思ったのだが、アナスタシアが誘っている。

「アナ、ここがどこか、分かってる?」
「ぁ……、分かって……る」
「……明らかに分かってないよね? 後から文句、言わないでよ? もう、ここまで来たら、満足するまでヤルからね!」

 そう言って律は、アナスタシアの腰をつかむとガツガツと貪り始めた。

「ぁ、ゃんっ、リツッ、激し……い」
「最初だから、手加減してたけど。アナが誘うのが、悪いんだよ」

 律は背後からアナスタシアを激しく突き上げ、二度目の白濁を吐き出した。
 律は我ながらあっという間だと思ったけど、これで萎えるわけがなく、まだまだ元気だ。

「二回出したから、ちょっとだけ落ち着いたけど、まだまだだからね?」
「ん、リツ。奥、奥が気持ち、いい……」
「あー。アナがむちゃくちゃエロいんだけど」
「母さんが、父さんたちと……」
「……やっぱりのぞき見、してたんだ」
「すごく、気持ちよさそうで。……ん、でも、自分で触っても、んっ」
「アナが今、すごくエロい告白をっ!」
「リツに触られたら、……気持ち、良すぎ、て」

 律はアナスタシアの告白に、ゴクリと喉を鳴らした。
 律が暮らしている建物とアナスタシアのいる建物は、同じ間取りのはずだ。だから大体の想像は付く。
 律には悲しいことに母がいなかったが、いたら絶対にあの三人がやらないなんて思えないし、アナスタシアのところも仲がよいのだから、まぁ、自然の摂理だ。
 だけどそれを見て、アナスタシアが自分を慰めていたなんて思いもせず、これで興奮するなというのは無理な話だ。

「処女なのに、感じやすいって思ったけど……。ふーん、アナ。じゃあ、ここも自分で慰めてたんだ?」

 そう言って、律はアナスタシアの花芯をソッと撫でた。
 するとアナスタシアは甘い声で啼いただけではなく、ナカがキュウキュウと締め付けてきた。

「はぁ、アナ。そんなにぼくが欲しいの?」
「ぁ。リツ。それ、気持ち、いい」
「それってどれ? ココ、そんなにいいの?」

 律はアナスタシアの花芯をゆっくりと何度か撫でた。撫でる度にナカがキュウキュウと締め付ける。

「アナ、気持ちいいのはこれ?」
「ぁ、ん。それ、いい、のぉ。ぁっぁっぁっんっ」
「アナは自分でココを慰めて、達したこと、あるの?」
「んっ、ない……」
「でも、気持ち良かった?」
「ぅ……ん」

 それなら、と。
 律はアナスタシアの花芯を撫でながら、奥を突いた。すると、先ほどよりもさらに甘い声で啼き始めた。
 アナスタシアの声が好きな律は、たまらない。
 その声がもっと聞きたくて、奥を突くだけではなく、ナカを擦る。すると、アナスタシアは気持ちがいいようで、甘く啼く。

「あー、アナのナカ、気持ち良すぎなんだけど。アナ、また出していい?」
「ん……。リツ、奥に……欲しい」
「アナのお願いがむっちゃエロい」

 律はアナスタシアのナカを擦りながら花芯を撫でていると、アナスタシアが腰を振り始めた。

「ぁん、リツ。ぁ、そこっ」
「ここ?」
「ん。そこ、すごく、いい、のぉ」

 ナカにとても気持ちがいい場所があるってイバンが言ってたな、と律はぼんやりと思い出していた。アナスタシアの気持ちいいところを律は見つけたようだ。
 アナスタシアも気持ちがいいみたいで、あんあんと甘い声で啼いていた。その声がだんだんと大きくなり、

「ぁ、リツ、……ぁぁぁっ、も、だめぇ。ぁーっ!」

 絶叫して、アナスタシアの動きが止まった。
 今、達した? と思ったが、律は止まれない。

「ぁ、リツ。今、イッてるからぁ」

 アナスタシアの甘い声に、でも止められず、アナスタシアに少し遅れて律も達して──ナカにドッと吐き出した。

「ぁぁ、熱い……っ!」

 アナスタシアと律は荒い息を吐き、ようやく治まったところで、律はアナスタシアのナカから抜け出た。
 律が抜け出るとき、アナスタシアは気持ちが良かったようで、また軽くイッたようだ。
 アナスタシアの身体が、ずるずると落ちていくのを見て、律は慌てて抱えた。

「おっと、危ない」
「ぁっ……」
「触れただけでそんな声を出されたら、また挿入れたくなるんだけど」
「ぁ、もう、無理」
「……無理って言う割に、なんでそんな誘うような甘い声を出すかなっ?」
「んっ、リツの手がヤラシイから!」
「ぼく? ぼくのせいなのっ?」

 律は苦笑しながら自分とアナスタシアに水魔法の浄化をかけた。
 これ、ヤル前にも掛けた方がよかったかも、と思ったけど、もう遅い。

 律は急いで下着をつけて、下穿きを穿いた。それからアナスタシアを膝に抱えて……それから、気がついた。
 これ、律が壁により掛かって座って、アナスタシアを上にしてヤッた方が良かったのではないか。
 たぶんだけど、アナスタシアを壁に捕まらせて、後ろからって、最初からハードだったのではないか、と。
 もう今さら気がついても遅いけど、……今、ちょっと思いついて、試してみようか、なんて思っていると、気怠げなアナスタシアと目が合った。

「まだ、元気ある?」
「……ぇ? な、なんでまた、そんな、誘うような、なっ、ぇ?」
「アナ? 今のぼくの視線、気がつけたんだ?」
「ぁ、ぇ?」
「幸いなことに、アナはまだ、下半身、裸だし?」
「ぇ、ちょ、ちょ……っ! んんっ!」

 律はアナスタシアの言葉を遮るように、キスをした。
 すぐに舌を絡める濃厚なキスになり、アナスタシアも律の首に手を回して、受け入れた。
 唇を離すと、すでにアナスタシアは出来上がっていて、くたりと律に身体を預けてきた。

「感じやすすぎだよね、アナって。……ぼくはそんなアナも好きだから大歓迎だけど」

 律は器用に先ほど穿いたばかりの下穿きと下着をずらして、アナスタシアのナカに埋め込んだ。

「ぁぁぁっ、すご……い、の。奥、まで──感じる、の」
「あー、最初からこれだと、キツかっただろうから、良かったのか」
「ん。リツが、奥ぅ、ぁ、リツっ」
「アナ、気持ちいい?」
「良すぎ、なの」

 アナスタシアは狂ったように律の上で腰を振っていた。律も気持ちが良くて、アナスタシアを突き上げた。

「ぁぁ、イ……っちゃうからぁ」
「うん、いいよ。何度でもイって? ぼくもいっぱい、アナのナカに出すからっ」

 二人は今までの想いをぶつけるようにして、結局、夜が明けても続けていた。
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