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《十六話》勇馬との決別
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そうして、土曜日になった。
その間、一度も勇馬はみやびの前に現れていない。さすがにいけないと分かったのだろう。
みやびは、麦との約束を果たすため、会社の最寄り駅へと来ていた。
今日、着ている服は、みやびが自分で買った黒色のワンピースだ。丸襟で、そこだけ白い。実店舗で買い物すると、勇馬が勝手に支払っていたため、ネットで購入したものだ。これに裾にレースがついた黒のペチコートを着れば、とてもかわいかった。
先週はまさか麦と会うとは思わなくて、適当な服を着て出掛けてしまったが、今日は気合いを入れた。
待ち合わせ場所に着いて、それから周りを見て、自分が妙に浮いているような気がして、急に恥ずかしくなった。
麦は同僚として誘ってくれたのかもしれない。浮かれているのは、みやびだけだとしたら?
こんな気合いを入れた、いかにもデートな服装で着てしまったのは失敗だったかもしれない。
そんなことを思っていると、遠くに勇馬が見えた。
ヒュッと思わず息を吸い込んだ。勇馬はみやびが気がついたことに気がついたようで、にこりと笑って近寄ってくる。
あれだけ言われたのに、まだ近づいてこられるなんて、信じられない! と思っていると、横から手が伸ばされた。
「秋尾」
「水無瀬さん」
「こんなことになるだろうと思ってさ、援護を呼んだ」
麦の横を見ると、見知らぬ男性が立っていた。上等そうなスーツを着た男性は、ジャケットの内ポケットから警察手帳を取り出して、みやびに見せた。
「江里口日向(えりぐち ひゅうが)と申します。麦とは腐れ縁で」
「説明は後だ。確か、秋尾の半径二キロメートルは近寄ってならなかったんだよな?」
「そう取り決めしたと聞いている」
「じゃ、それを破ったから現行犯逮捕だな」
麦の言葉に江里口日向と名乗った男性は、周りに目配せをすると、勇馬へと近寄っていった。
遠くから見ていると、制服を着た警察官に取り囲まれ、周りがざわめき始めた。
「ったく、懲りないな、あいつ」
思いもよらない出来事に、みやびは身体がブルブルと震え始めていた。
もう勇馬はみやびの前に現れないと思っていた、信じていた。それなのに、また現れた。信じられない。
なにを信じていいのか分からず、みやびは身体の震えを止めることができなかった。
「秋尾、顔色が悪いが、大丈夫か?」
「大丈夫です! それより、沖谷さんと話はできますか?」
「え……あ、どうだろうか」
麦は戸惑いつつも、日向に目配せをすると、こちらにやってきた。
「秋尾が沖谷と話がしたいと言っているんだが、可能か?」
「できればこちらからの接触は避けたいんだが……本人の希望ならば」
「ありがとうございます」
みやびは日向と麦に礼を言うと、勇馬の近くまで寄っていった。
勇馬はすぐにみやびがこちらに来ていることに気がつき、嬉しそうな笑みを浮かべた。
「みやびちゃん!」
「沖谷さんの嘘つき。わたし、約束が守れない人、嫌いです。嘘をつく人も嫌いだし、あなたみたいな強引な人は大っ嫌いです! もうわたしの前に現れないで!」
みやびのきつい言葉に、しかし、勇馬はさらに笑った。
「みやびちゃんがぼくに話し掛けてくれている! すごい、奇跡だよ!」
なにを言ってもダメだと悟ったみやびは、勇馬に背を向けた。
「さよなら、沖谷さん。あなたにわたしの言葉は通じないみたいだから、全部、返しますね」
それだけ告げると、麦と日向が待つ場所へと向かった。
「……お疲れ」
「はい……」
「じゃ、行くな」
「あぁ、ありがとう。今度、三人で飯を食いに行こう」
「もちろん、麦のおごりだろうな」
「……分かった」
日向は麦の言葉ににやりと笑い、それから手を振って、勇馬の元へと戻っていった。
「後はあいつに任せよう」
「……はい」
「それにしても秋尾、頑張ったな」
「えっ」
「あんなきついこと言うの、しんどいだろう? ちょっと甘い物でも飲んで、休憩してからにしよう」
「はい、ありがとうございます」
麦の気遣いに、みやびはどきりと鼓動が跳ねた。
麦はみやびを気遣いながら、近くのカフェへと入ってくれた。
みやびを席に着かせると、麦は注文に行ってくれた。
みやびは一人になり、不安とともに安堵した。思わず深いため息を吐いていた。
少しして、麦がトレイにコーヒーとココアを乗せて、やってきた。紙コップではない、陶器の器に入ったココア。このカップはどこのブランドだろう。
そんなことを考えるくらいの余裕がみやびにはあった。いや、あったというより、現実逃避をしただけだったのかもしれない。
「このカップ、どこのでしょうね」
「……そうだな」
麦はそう言うと、カップを持ち上げて、底を見た。
「アン・ジュール、だな」
「初めて聞くブランドです」
そうして、二人の間に沈黙が落ちた。
みやびは、じっとカップの縁を見つめた。なにか口にしようと思ったが、言葉が出てこない。
麦は、みやびが口を開くのを待ってくれているらしく、同じようにじっとカップを見つめているようだった。
みやびは深呼吸をした後、目を閉じた。
目を閉じると、薄ら笑いをした勇馬が浮かんできた。
勇馬との付き合いは、不本意ながら、長い。彼はいつも人の話を聞かないことは知っていたけれど、今回はさすがに警察から言われたのだから、きちんと話を聞くだろうと思っていたのが甘かった。
しかも今日、まさか勇馬がいるとは思わず、恐ろしくて、怖くて……。
そう、怖かったのだ。
みやびはようやく、自分の中の気持ちに気がついた。
ずっと側にいて、当たり前と思わないと辛い存在に対して、みやびはようやく、感情を抱くことができた。
側にあって、常に怖いと思っていた。だけど、怖いと思うと、側にあることに対して恐怖しか抱けないことが分かっていたので、感情に気がつかないフリをしていた。
だけど一度、気がついてしまうと、恐ろしくて、怖くて、震えてくる。
みやびはぶるりと震え、膝の上で拳を握りしめた。ギュッと唇を噛みしめ、俯く。
麦は、すぐにみやびの様子が変わったことに気がついたけれど、どう声を掛ければよいのか悩み、視線を窓の外へと向けた。
そこは、気持ちがよいくらいの青空が広がっていて、麦は思わず目を細めた。
「秋尾」
言葉を決めていた訳ではないけれど、麦の口から自然と言葉がこぼれていた。
「俯いてると、もったいないぞ。今日はいい天気だ」
「…………」
「オレの家、水無瀬水産っていう小さな会社やってて」
「……えっ」
「あ……ごめん、いきなりオレの話始めて」
「いえ、続けてください」
みやびはいきなりの麦の話に驚いたけれど、顔を上げて、麦の横顔を見た。
そういえば、前に資料室で見た麦の写真と比べると、色が白くなっている。釣りに行くと日に焼けるとは聞いていたけれど、今は部が異動になって釣りに行っていないからなのか、あの頃の写真の肌の色とは違っていた。
こうやって改めて麦を見ると、二重まぶただし、まつげは長いし、目は大きいし、だけど鼻はちょうどよい大きさだし、唇は厚くも薄くもなく、ちょうどよい。別の部の女性社員が麦のことを格好いいと言っていたのを聞いたことがあるが、確かにそうかもしれない。
整った顔が、自嘲気味な笑みを浮かべた。
「水無瀬家って、水の無い瀬って書くくせに、水産業してて、なんか、笑えるよな」
言われてみれば、面白いと思い、みやびは小さく笑った。
「元々は農家だったらしいんだけど、なにがどうなったんだか、海に出て、漁を始めたばかりか、水産物の加工も始めたらしい」
それが水無瀬水産の始まりだと麦は言う。
「それで、水無瀬家には変な風習があってさ、長子は海に出てもいいけど、それ以外は出たら駄目だって言うんだぜ、水産業を営んでおいて、おかしいだろ」
「そうなんですか……?」
「あぁ。それが嫌でさ、だって、オレだって釣りやってみたくても、陸釣りでも駄目だって言うしさ、なんか、腹立って、釣りのつの字も知らないのに、エダス受けたら受かった上に、エダス編集部に配属になって、家族は大慌て。でも、オレも意地があったから、家を出て、一人暮らしをしながら、楽しくエダス作ってきたんだけど、いきなり異動になって……」
「希望しての異動ではなかったんですか?」
「違う。どうも家族が圧力を掛けたらしいと後から知って、今、大げんか中」
「え……」
みやびの反応に、麦は満足したのか、ようやく視線を戻し、笑った。
みやびはその笑顔を見て、どきりと心臓が跳ねた。
その間、一度も勇馬はみやびの前に現れていない。さすがにいけないと分かったのだろう。
みやびは、麦との約束を果たすため、会社の最寄り駅へと来ていた。
今日、着ている服は、みやびが自分で買った黒色のワンピースだ。丸襟で、そこだけ白い。実店舗で買い物すると、勇馬が勝手に支払っていたため、ネットで購入したものだ。これに裾にレースがついた黒のペチコートを着れば、とてもかわいかった。
先週はまさか麦と会うとは思わなくて、適当な服を着て出掛けてしまったが、今日は気合いを入れた。
待ち合わせ場所に着いて、それから周りを見て、自分が妙に浮いているような気がして、急に恥ずかしくなった。
麦は同僚として誘ってくれたのかもしれない。浮かれているのは、みやびだけだとしたら?
こんな気合いを入れた、いかにもデートな服装で着てしまったのは失敗だったかもしれない。
そんなことを思っていると、遠くに勇馬が見えた。
ヒュッと思わず息を吸い込んだ。勇馬はみやびが気がついたことに気がついたようで、にこりと笑って近寄ってくる。
あれだけ言われたのに、まだ近づいてこられるなんて、信じられない! と思っていると、横から手が伸ばされた。
「秋尾」
「水無瀬さん」
「こんなことになるだろうと思ってさ、援護を呼んだ」
麦の横を見ると、見知らぬ男性が立っていた。上等そうなスーツを着た男性は、ジャケットの内ポケットから警察手帳を取り出して、みやびに見せた。
「江里口日向(えりぐち ひゅうが)と申します。麦とは腐れ縁で」
「説明は後だ。確か、秋尾の半径二キロメートルは近寄ってならなかったんだよな?」
「そう取り決めしたと聞いている」
「じゃ、それを破ったから現行犯逮捕だな」
麦の言葉に江里口日向と名乗った男性は、周りに目配せをすると、勇馬へと近寄っていった。
遠くから見ていると、制服を着た警察官に取り囲まれ、周りがざわめき始めた。
「ったく、懲りないな、あいつ」
思いもよらない出来事に、みやびは身体がブルブルと震え始めていた。
もう勇馬はみやびの前に現れないと思っていた、信じていた。それなのに、また現れた。信じられない。
なにを信じていいのか分からず、みやびは身体の震えを止めることができなかった。
「秋尾、顔色が悪いが、大丈夫か?」
「大丈夫です! それより、沖谷さんと話はできますか?」
「え……あ、どうだろうか」
麦は戸惑いつつも、日向に目配せをすると、こちらにやってきた。
「秋尾が沖谷と話がしたいと言っているんだが、可能か?」
「できればこちらからの接触は避けたいんだが……本人の希望ならば」
「ありがとうございます」
みやびは日向と麦に礼を言うと、勇馬の近くまで寄っていった。
勇馬はすぐにみやびがこちらに来ていることに気がつき、嬉しそうな笑みを浮かべた。
「みやびちゃん!」
「沖谷さんの嘘つき。わたし、約束が守れない人、嫌いです。嘘をつく人も嫌いだし、あなたみたいな強引な人は大っ嫌いです! もうわたしの前に現れないで!」
みやびのきつい言葉に、しかし、勇馬はさらに笑った。
「みやびちゃんがぼくに話し掛けてくれている! すごい、奇跡だよ!」
なにを言ってもダメだと悟ったみやびは、勇馬に背を向けた。
「さよなら、沖谷さん。あなたにわたしの言葉は通じないみたいだから、全部、返しますね」
それだけ告げると、麦と日向が待つ場所へと向かった。
「……お疲れ」
「はい……」
「じゃ、行くな」
「あぁ、ありがとう。今度、三人で飯を食いに行こう」
「もちろん、麦のおごりだろうな」
「……分かった」
日向は麦の言葉ににやりと笑い、それから手を振って、勇馬の元へと戻っていった。
「後はあいつに任せよう」
「……はい」
「それにしても秋尾、頑張ったな」
「えっ」
「あんなきついこと言うの、しんどいだろう? ちょっと甘い物でも飲んで、休憩してからにしよう」
「はい、ありがとうございます」
麦の気遣いに、みやびはどきりと鼓動が跳ねた。
麦はみやびを気遣いながら、近くのカフェへと入ってくれた。
みやびを席に着かせると、麦は注文に行ってくれた。
みやびは一人になり、不安とともに安堵した。思わず深いため息を吐いていた。
少しして、麦がトレイにコーヒーとココアを乗せて、やってきた。紙コップではない、陶器の器に入ったココア。このカップはどこのブランドだろう。
そんなことを考えるくらいの余裕がみやびにはあった。いや、あったというより、現実逃避をしただけだったのかもしれない。
「このカップ、どこのでしょうね」
「……そうだな」
麦はそう言うと、カップを持ち上げて、底を見た。
「アン・ジュール、だな」
「初めて聞くブランドです」
そうして、二人の間に沈黙が落ちた。
みやびは、じっとカップの縁を見つめた。なにか口にしようと思ったが、言葉が出てこない。
麦は、みやびが口を開くのを待ってくれているらしく、同じようにじっとカップを見つめているようだった。
みやびは深呼吸をした後、目を閉じた。
目を閉じると、薄ら笑いをした勇馬が浮かんできた。
勇馬との付き合いは、不本意ながら、長い。彼はいつも人の話を聞かないことは知っていたけれど、今回はさすがに警察から言われたのだから、きちんと話を聞くだろうと思っていたのが甘かった。
しかも今日、まさか勇馬がいるとは思わず、恐ろしくて、怖くて……。
そう、怖かったのだ。
みやびはようやく、自分の中の気持ちに気がついた。
ずっと側にいて、当たり前と思わないと辛い存在に対して、みやびはようやく、感情を抱くことができた。
側にあって、常に怖いと思っていた。だけど、怖いと思うと、側にあることに対して恐怖しか抱けないことが分かっていたので、感情に気がつかないフリをしていた。
だけど一度、気がついてしまうと、恐ろしくて、怖くて、震えてくる。
みやびはぶるりと震え、膝の上で拳を握りしめた。ギュッと唇を噛みしめ、俯く。
麦は、すぐにみやびの様子が変わったことに気がついたけれど、どう声を掛ければよいのか悩み、視線を窓の外へと向けた。
そこは、気持ちがよいくらいの青空が広がっていて、麦は思わず目を細めた。
「秋尾」
言葉を決めていた訳ではないけれど、麦の口から自然と言葉がこぼれていた。
「俯いてると、もったいないぞ。今日はいい天気だ」
「…………」
「オレの家、水無瀬水産っていう小さな会社やってて」
「……えっ」
「あ……ごめん、いきなりオレの話始めて」
「いえ、続けてください」
みやびはいきなりの麦の話に驚いたけれど、顔を上げて、麦の横顔を見た。
そういえば、前に資料室で見た麦の写真と比べると、色が白くなっている。釣りに行くと日に焼けるとは聞いていたけれど、今は部が異動になって釣りに行っていないからなのか、あの頃の写真の肌の色とは違っていた。
こうやって改めて麦を見ると、二重まぶただし、まつげは長いし、目は大きいし、だけど鼻はちょうどよい大きさだし、唇は厚くも薄くもなく、ちょうどよい。別の部の女性社員が麦のことを格好いいと言っていたのを聞いたことがあるが、確かにそうかもしれない。
整った顔が、自嘲気味な笑みを浮かべた。
「水無瀬家って、水の無い瀬って書くくせに、水産業してて、なんか、笑えるよな」
言われてみれば、面白いと思い、みやびは小さく笑った。
「元々は農家だったらしいんだけど、なにがどうなったんだか、海に出て、漁を始めたばかりか、水産物の加工も始めたらしい」
それが水無瀬水産の始まりだと麦は言う。
「それで、水無瀬家には変な風習があってさ、長子は海に出てもいいけど、それ以外は出たら駄目だって言うんだぜ、水産業を営んでおいて、おかしいだろ」
「そうなんですか……?」
「あぁ。それが嫌でさ、だって、オレだって釣りやってみたくても、陸釣りでも駄目だって言うしさ、なんか、腹立って、釣りのつの字も知らないのに、エダス受けたら受かった上に、エダス編集部に配属になって、家族は大慌て。でも、オレも意地があったから、家を出て、一人暮らしをしながら、楽しくエダス作ってきたんだけど、いきなり異動になって……」
「希望しての異動ではなかったんですか?」
「違う。どうも家族が圧力を掛けたらしいと後から知って、今、大げんか中」
「え……」
みやびの反応に、麦は満足したのか、ようやく視線を戻し、笑った。
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