【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?

おもち

文字の大きさ
43 / 59

第43話 女子高生を助けた。

しおりを挟む
 
 目の前に安全靴のようなブーツが迫る。

 おれは衝撃に備えて、目を強く瞑り歯を食いしばる。運がよければ、歯が折れるくらいで死にはしないかもしれない。


 その時。


 「やめなさい!! 君たち!!」

 俺と男達の間に警官が割って入った。
 警官のすぐ後ろには、さっきの女の子がいる。
 

 あれ、あの子は……。

 …………。


 俺は、そのまま気を失ってしまったらしい。

 気がつくと目の前に、さっきの女の子の顔と胸が見えている。彼女は心配そうに俺のことを覗き込んでいた。

 少しウェーブのかかったロングの後ろ髪が、俺の頬の辺りにかかり、ふわっと良い香りがする。

 首の後ろが柔らかでじんわり温かい。
 どうやら俺は、膝枕をされているようだ。


 「目が覚めた。良かった」
 
 俺が目を開けたからか、女の子は口を綻ばせ、安堵の表情をした。

 俺は立ち上がる。
 まだ頭がグラングランする。

 痛っ……。
 口を拭うと、手の甲に血がついた。
 切れているようだ。痛い。

 俺が目覚めたことに気づき、警官も駆け寄ってきた。トラブルの事情を聞かれ、被害届を出すかの確認をされる。

 俺の方は、面倒だし事件にするつもりは毛頭なかったので、被害届はお断りして、ぼーっとしながら、今後の注意事項等の話を聞いていた。

 俺には、そんなことよりも気になる事があるのだ。

 『あの子、コンビニの子だよな?』

 そう。どう見ても、あの無愛想ツンツン娘に見える。

 女の子の方もヒアリングが終わったらしく、俺のところに駆け寄ってきた。
 
 俺の前までくると、お辞儀をして深々と頭を下げる。そして顔をあげると、その表情は、俺のイメージとは真逆の、満面の笑みであった。

 そして、これまたイメージとは掛け離れた明るく通る声でお礼を言ってくれた。

 「さっきは助けてくれてありがとうございました。って、あれ? ……お兄さん、コンビニにきてくれる人?」

 この子、こんな声をしていたのか。

 俺は頷いて顔を掻く。
 それを見て、少女は微笑んで続ける。

 「あぁ、やっぱり。あの、ウチの親が改めてお礼をしたいというので、連絡先教えてくれませんか?」

 俺はやんわり断ったが、親御さんが律儀な人で、どうしてもと言われたらしい。

 なので、電話番号を教えた。

 すると、女の子はその場で、俺をメッセンジャーに登録したようだ。すぐに俺にもリストの確認がくる。

 「承認お願いします。お兄さんのお名前は……ナギさんでいいですか?」

 「あぁ」

 「わたしは、みむら あおい っていいます。深いに市区町村の村でみむらです!! あおいって呼んでください」

 みむら?

 俺はその名字に、聞き覚えがあった。
 深いに村の『みむら』なんて名字、そうそういるはずがない。

 それにあのキーホルダー……。

 この子、もしかしたら、高校の恩人……、深村先輩の妹か何かなのだろうか。

 ……世の中は思った以上に狭いのかもしれない。


 警察官の検証が一通り終わり、その場は解散となった。俺を殴った男2人は、パトカーに乗せられてどこかに連れて行かれた。

 きっと、これから警察署でコッテリ絞られるのであろう。


 おれは、トボトボと家に向かう。
 すると、あおいちゃんが追いかけてきた。

 ほんとうに、コンビニからは想像がつかない人懐っこさだ。

 「ええと、あおいちゃん? 俺は大丈夫だからさ。もう遅いから、早く帰りな」

 あおいは、俺の目の前に回り込むと、下から覗き込むように、こちらを見上げる。
 
 「年下なんで、呼び捨てでいいです。あおいって呼んでください。それとコレ」

 そういってあおいは、何かのイラストがついた絆創膏を差し出した。

 あおいは、自分の口のあたりを指さすジェスチャーをすると、肩にカバンを掛け直し、手を振りながら去っていった。


 思いがけず、女子高生と知り合いになってしまった。
 
 それにしても、さっきの膝枕。 
 柔らかくて、良い匂いだったなぁ。

 ……いかんいかん、ニヤニヤしているぞ。
 
 俺には、まひるがいるのだ。
 浮気なんてしたら、あの呪いの石ころで、どんな祟りがあることやら。怖すぎる。

 
 すると、すぐに、あおいからメッセージが届いた。

 「さっきは、本当に有難うございました。それと、さっきのナギさん。ちょっとカッコよかったです」


  

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜

沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」 中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。 それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。  だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。  • 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。  • 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。  • 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。  • オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。  恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。 教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。  「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」  鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。 恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...