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第47話 だから、違うんだって。
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『絶対に言ってはいけない言葉がある』
どんなに親しかろうが言ってはいけない。親しさを過信してはいけない。それは一度、口から出れば、相手の心臓を食い破り、決してなかったことにはできないからだ。
(激しい雨の音)
「んっ……ん、あっ……」
部屋にハミングのような、くぐもった声が響く。浴衣を着たままのまひるが、俺の上で腰を動かしている。
「……はぁはぁ。今日のなぎくん、凄い……。ね? 中にいっぱい頂戴……」
俺は微睡みながら、右手で、まひるを抱き寄せる。腕枕されていたまひるは、背中をのけ反らせ、俺にピタッと寄り添ってきた。
まひるが甘えた声で聞いてくる。
「わたしのこと好き?」
俺は「あぁ」と答える。
すると、まひるは、目を瞑って俺の腕に顔を押し付ける。
「……よかった」
まひるの寝息が聞こえてくる。
寝てしまったようなので、まひるを起こさないような静かに腕をどかし、俺はシャワールームに行った。
シャワーを浴びながら、考える。
最近、まひるがやたら気持ちを確かめてくるのだ。さっきのように、直接に聞かれることも多い。
なんでだろう。
そんな心配させるような事もないと思うんだが……。
……もしかして、あおいか?
ふと、スマホをテーブルに出しっぱなしな事に気づいた。俺のスマホは画面を開いたまま放置すると、時間が経ってもロックされない。
……嫌な予感がする。
脱衣所から出る。
すると、まひるが目を擦りながら泣いていた。
その傍らには、画面が光ったままの俺のスマホ。
そこにはメッセージが表示されていた。
「ナギさん。お誕生日だよね? プレゼントに、わたしの処女あげようか? ほしい? 蒼依」
それを見て、俺は頭から血の気が引くのを感じた。どうしていいか分からなくて、吐き気がする。
そして、直後にすごく後悔した。
最近、あおいのメッセージの雰囲気が変わってきて、こういう内容が増えていたのだ。
俺にその気はなかったので、どこかのタイミングで牽制しないと、とは思っていたのだが、なんだか可哀想で、対応を後回しにしてしまった。
どういう流れでこのメッセージなのかは分からないが、せめて、花火大会の間にスマホを確認していれば、今の最悪な事態は防げたかも知れない。
俺は無駄だと思いながら、弁解をする。
「これは、その。違うんだよ」
すると、まひるは、今まで俺に見せたことがない顔をした。目を吊り上げ、すさまじい怒りが滲み出ていた。シーツをバンバンと叩く。
「なぎくん、ひどい! 信じてたのに」
「いや、だから。これ質問されてるだけだし。まだ何もしてな……」
まひるは、俺の言い終わりを待たずに、ヒステリックに言葉を被せてくる。
「『まだ』?、じゃあ、いつかはする気だったんだ。妹みたいっていうから信じてたのに。貴方は、妹から処女もらうんですか?」
それからは売り言葉に買い言葉。
俺も声を荒げヒートアップする、
だけれど、言いながら思っていた。
『さっきまで楽しく花火をみていたのに、なんで喧嘩なんてしなきゃならないんだ』
いつしか、自分が喧嘩のキッカケを作ったことなど忘れてしまい、自分のことを、まひるに喧嘩をふっかけられた被害者のように感じていた。
そして、つい。
言ってしまったのだ。
「ってか、俺らセフレだろ? なんでお前にそんな事言われなきゃならないわけ?」
口から出た瞬間に激しく後悔した。
そして、もうなかったことにはできないことを、本能的に感じた。
まひると過ごした時間を、全否定するようなことを言ってしまった。
その言葉を聞いた時、まひるは口を開き、俺に失望するような顔をしていた。
そして、それからは俺が何を言っても全く聞いてくれず、荷物をまとめると、1人でホテルから出て行ってしまった。出ていくとき、顔はよく見えなかったが、もう涙は流していないようだった。
俺は1人で部屋に取り残される。
まだ、まひるの温もりが残っている部屋。
まひるが悪いわけでも、あおいが悪いわけでもない。
全部、俺が悪い。
(ザー……)
雨の音が部屋まで響いている。
目の前では、さっきまでまひるに抱えられていたパンダのぬいぐるみが、静かにこちらを見ている。
「なんでこんなことになっちゃったんだろうな……」
俺は孤独を紛らわせるように話しかけるのだった。
どんなに親しかろうが言ってはいけない。親しさを過信してはいけない。それは一度、口から出れば、相手の心臓を食い破り、決してなかったことにはできないからだ。
(激しい雨の音)
「んっ……ん、あっ……」
部屋にハミングのような、くぐもった声が響く。浴衣を着たままのまひるが、俺の上で腰を動かしている。
「……はぁはぁ。今日のなぎくん、凄い……。ね? 中にいっぱい頂戴……」
俺は微睡みながら、右手で、まひるを抱き寄せる。腕枕されていたまひるは、背中をのけ反らせ、俺にピタッと寄り添ってきた。
まひるが甘えた声で聞いてくる。
「わたしのこと好き?」
俺は「あぁ」と答える。
すると、まひるは、目を瞑って俺の腕に顔を押し付ける。
「……よかった」
まひるの寝息が聞こえてくる。
寝てしまったようなので、まひるを起こさないような静かに腕をどかし、俺はシャワールームに行った。
シャワーを浴びながら、考える。
最近、まひるがやたら気持ちを確かめてくるのだ。さっきのように、直接に聞かれることも多い。
なんでだろう。
そんな心配させるような事もないと思うんだが……。
……もしかして、あおいか?
ふと、スマホをテーブルに出しっぱなしな事に気づいた。俺のスマホは画面を開いたまま放置すると、時間が経ってもロックされない。
……嫌な予感がする。
脱衣所から出る。
すると、まひるが目を擦りながら泣いていた。
その傍らには、画面が光ったままの俺のスマホ。
そこにはメッセージが表示されていた。
「ナギさん。お誕生日だよね? プレゼントに、わたしの処女あげようか? ほしい? 蒼依」
それを見て、俺は頭から血の気が引くのを感じた。どうしていいか分からなくて、吐き気がする。
そして、直後にすごく後悔した。
最近、あおいのメッセージの雰囲気が変わってきて、こういう内容が増えていたのだ。
俺にその気はなかったので、どこかのタイミングで牽制しないと、とは思っていたのだが、なんだか可哀想で、対応を後回しにしてしまった。
どういう流れでこのメッセージなのかは分からないが、せめて、花火大会の間にスマホを確認していれば、今の最悪な事態は防げたかも知れない。
俺は無駄だと思いながら、弁解をする。
「これは、その。違うんだよ」
すると、まひるは、今まで俺に見せたことがない顔をした。目を吊り上げ、すさまじい怒りが滲み出ていた。シーツをバンバンと叩く。
「なぎくん、ひどい! 信じてたのに」
「いや、だから。これ質問されてるだけだし。まだ何もしてな……」
まひるは、俺の言い終わりを待たずに、ヒステリックに言葉を被せてくる。
「『まだ』?、じゃあ、いつかはする気だったんだ。妹みたいっていうから信じてたのに。貴方は、妹から処女もらうんですか?」
それからは売り言葉に買い言葉。
俺も声を荒げヒートアップする、
だけれど、言いながら思っていた。
『さっきまで楽しく花火をみていたのに、なんで喧嘩なんてしなきゃならないんだ』
いつしか、自分が喧嘩のキッカケを作ったことなど忘れてしまい、自分のことを、まひるに喧嘩をふっかけられた被害者のように感じていた。
そして、つい。
言ってしまったのだ。
「ってか、俺らセフレだろ? なんでお前にそんな事言われなきゃならないわけ?」
口から出た瞬間に激しく後悔した。
そして、もうなかったことにはできないことを、本能的に感じた。
まひると過ごした時間を、全否定するようなことを言ってしまった。
その言葉を聞いた時、まひるは口を開き、俺に失望するような顔をしていた。
そして、それからは俺が何を言っても全く聞いてくれず、荷物をまとめると、1人でホテルから出て行ってしまった。出ていくとき、顔はよく見えなかったが、もう涙は流していないようだった。
俺は1人で部屋に取り残される。
まだ、まひるの温もりが残っている部屋。
まひるが悪いわけでも、あおいが悪いわけでもない。
全部、俺が悪い。
(ザー……)
雨の音が部屋まで響いている。
目の前では、さっきまでまひるに抱えられていたパンダのぬいぐるみが、静かにこちらを見ている。
「なんでこんなことになっちゃったんだろうな……」
俺は孤独を紛らわせるように話しかけるのだった。
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