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上弦の月
月姫 豊穣の海
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私はアルバイトを終えると、夜勤に連絡事項を伝えてタイムカードを切った。いつものようにバイト用の制服を脱いでロッカーに掛け、まとめておいた花火の精算をした。
店を出ると、店舗脇に停めておいた原付スクーターにキーをさしてセルを回す。ゴーグル付のヘルメットを被り、いつものようにアクセルを吹かして走り出した。これから麗奈の家に向かう。足下に置いた花火の袋がカサカサと風になびいていた。
麗奈の家は、コンビニのある場所からやや内陸の農村地帯にあった。私たちの地元は畑が多く、多くの家が農業(特にメロン栽培)を営んでいる。麗奈の家もメロン農家だった。私と茉奈美と麗奈は幼なじみで、幼稚園に入る前からの付き合いだ。あまりにも幼い頃から知りすぎていて、もう実の姉妹より近しい存在になっていた。もっとも、今は通っている高校が違うから、前ほど一緒にいるわけではないのだけれど。
原付で走りながら風を感じていると夏だというのに肌寒い。田舎の農道を走っていると顔に小さい虫が当たって微妙に痛かった。原付のライトは田園地帯と道路を煌煌と照らし続ける。
一〇分ほど走ると麗奈の家の近くに到着した。私は近所迷惑にならないように、原付のエンジンを止め、押しながら麗奈の家に向かった。家の一階はすっかり電気が消えていて、二階の彼女の部屋だけが明るかった。
スマホを取り出してLINEを送る。間もなくカーテンが開き、部屋の主が顔を覗かせる。私が手を振ると麗奈も手を振りかえした。
「玄関開いてるから上がってきてー」
麗奈は窓を少し開けて小声でそう言った。
私は玄関から静かに麗奈の家に入って、家族を起こさないように二階に上がった。彼女の部屋のドアを開けると茉奈美がクッションの上に座り、退屈そうにスマホをいじっていた。
「おつかれー」
茉奈美はスマホから顔を上げずにそう言った。私も「お疲れさま!」と軽く返して麗奈のベッドの上に腰掛けた。麗奈はジャニーズがやっているバラエティ番組を楽しそうに見ていた。夜この二人のところに来るとだいたいこんな感じだ。お互いに空気のような存在になっていると言ってもいいかもしれない。
「ルナちょっと待ってねー。一一時には関ジャニ終わるからさ」
麗奈は番組を見終わってから出かけたいらしい。
「んー、いーよー。私も今バイト上がってきたばっかだしちょっと休憩」
「そういえば、明日ウチは遅番だったよね?」
麗奈はテレビを見ながら私に聞いてきた。
「そうだよ。午後から通しだね! 明日はパートさんが休みだから夜までお願いねー」
「てかさ、パート休み過ぎじゃね? ウチら来週、週六勤なんだけど」
麗奈は不満げに私にそう言った。
「ごめんて! あとで穴埋めするよ。パートさんお盆で忙しいらしいんだよねー」
麗奈を宥めるように私は申し訳なさそうな言い方をした。我ながら営業マンのような宥め方ができてしまうのが嫌になる。茉奈美は相変わらずスマホでツイッターを見ているようだ。
私は茉奈美の横に座った。テレビ番組はジャニーズのタレントたちがジャージ姿で、何かバラエティの企画をやっているようだった。観客の笑いとも仕込みの音声ともとれる声がテレビから流れている。私は何となく番組を見ながら一息ついた。それにしても、麗奈の部屋は妙に落ち着く。
ダラダラとテレビを見ていたけど、エンドクレジットが流れ始め番組ももう終わるようだった。
「じゃあ、そろそろ行く?」
麗奈はベッドから立ち上がり近くにあるバッグに手を伸ばした。
「茉奈美いこ?」
「あい!」
茉奈美もスマホから顔を上げて、ダルそうに立ち上がった。私たち三人は、麗奈の家から物音を立てないように出た。
私たちは暗い田舎道をゆっくりと歩き始めた。外灯も少なく、個人商店の前にある自販機だけが妙に明るく闇を照らしている。いつも見慣れた私の地元の風景だ。
「茉奈美ぃー、どうせ花火するなら海行かない?」
「いいけど、どうやって海まで行くんだよ!」
茉奈美はあきれたように言った。
「んーとね。田村さんに送ってってもらうとか!」
「いや、さすがにこの時間に車乗せてけとか先輩に失礼すぎじゃね?」
「大丈夫だよ! 田村さんきっと暇してるって! ねぇルナ?」
「私にふられても……」
私は麗奈たちの会話に何となく相槌を打った。確かに田村さんに頼めば、海まで送っていってくれるかもしれない。でも、茉奈美の言う通り失礼過ぎるだろう。
「あ、田村さんですか? 河合です! ハイ! お疲れさまです!」
麗奈は既に田村さんに電話を掛けていた。
「マジでこいつかけやがった!」
茉奈美は悪態をつくような口調でそう言った。
「あの! 田村さんもし時間とかあったら、海までドライブしません? はい! 茉奈美とルナも一緒です!」
「麗奈……。さすがにこの時間からじゃ迷惑だよ」
私は電話で話している麗奈に小声で囁いた。それでも麗奈は気にしていないようで、話を続けている。
「わかりましたー。じゃあ、今から田村さんちの前まで行きますね! よろしくお願いしまーす!」
麗奈は先輩を足に使う気満々だ。
「まー、しゃーないね。田村さんがいいって言うなら乗せてってもらおう」
茉奈美も話が決まったらちゃっかりしている。
田村さんはこの前まで、私たちのバイト先で働いていた地元の大学生だ。就職活動で忙しくなり、今はバイトを辞めてしまったけど高校の頃からずっと働いていた人だ。私も彼から仕事を教わった部分が多かった。私にとって田村さんは先輩であり、信頼できる仕事仲間だった。いなくなって少し寂しいと思っていた……。
彼の家は、麗奈の家からさほど離れていなかったから三人で歩いて向かった。田村さんの家に着くと、彼は自宅の前に立って待っていてくれた。Tシャツにハーフパンツ、ビーチサンダルという、いかにも田舎の学生といった格好で出迎えてくれる。
「お疲れさまー、みんな久し振りだね」
田村さんは、明るい口調で私たちに挨拶してくれた。彼は同世代の大学生たちと比べて体格がいい方だった。太っているというより筋肉質だと言ったほうがいい。だけど、体格と比べて性格が大人しいためか、華奢に見られがちのようだ。
「お疲れさまです! 田村さんありがとうございます! 茉奈美がどうしても海行きたいって聞かないんですよ」
麗奈はサラッと茉奈美に責任転嫁をする。
「お前だろ?」
茉奈美は間髪いれずにツッコミを入れた。この二人は何時見ても漫才コンビだと思う。
「田村さん、いきなり夜中に呼び出してすいません。大丈夫でしたか?」
私は田村さんに申し訳ないという気持ちを込めて尋ねた。
「おお、ルナちゃんひさびさだね! 俺は大丈夫だよ。それにしても内田さんと河合さんは変わらないなー」
そういうと田村さんは、楽しそうに笑った。私もそれにつられて口元が緩んだ。一緒に働いていた頃の感覚が少しずつ身体に戻ってくるようだった。やはり田村さんは安心感がある。
「じゃあ、出かけようか? 今から車出すから乗りなよ!」
「おねがいしゃーす」
茉奈美と麗奈はハモって田村さんにお願いをした。
「ハイ! よろしくお願いします」
私も同じように応えた。
車庫に行くと、黒のワーゲンゴルフが停まっていた。田村さんが車のロックを解除すると、茉奈美と麗奈は後部座席に座った。自動的に私は助手席に座ることになった。
田村さんの車は良く手入れされていた。ダッシュボードにはホコリがなく、シート下も良く掃除されている。そして、車内は田村さんらしい匂いがしていた。表現としておかしいかもしれないけど、とにかく田村さんらしい香りだ。そんなことを考えていると、車はゆっくりと車庫を出た。
「よし! じゃー、水族館下の海岸まで行きましょー! 田村さんレッツゴー!」
麗奈はもうテンションがおかしくなっていた。元々かもしれないけど……。
「ははは! 河合さん楽しそうでいいね。内田さんはお疲れ気味かな?」
田村さんは茉奈美の方に話をふった。
「いやー、さっきまでバイトだったんでちょいダルいですねー。そういえば、田村さん就活、大変ですかぁ?」
茉奈美は眼を擦りながらそう言うと、口に手を当てて大きな欠伸をした。
「バイトお疲れさん! 俺はねー、内定もらったとこもあるからボチボチかなー。まだ何社か受ける予定だけどね。みんなも就職希望だっけか?」
「ウチらの学校は就職が多いと思いますよ。ウチと麗奈も就職する予定です! まぁ、就職できればですけど」
茉奈美は苦笑いしながらそういうと、麗奈に「ねっ!」と同意を求めた。
「マジ、ウチは就職できる気がしませんよ! これからどうしようか不安だらけです!」
「そうだよねー。俺も高校んときは将来不安だったなー。どうすっか決めらんなくてさ!」
田村さんは感慨深そうにそう言った。
そんな他愛のない話をしていると、車は大きな道路に出た。うちのコンビニが面している国道だ。国道の右手には海があるはずだけど、新月のためか真っ暗でよく見えなかった。
「ルナちゃん?」
「えっ?」
私は海を探していて、田村さんの話を良く聞いていなかった。
「すいません。ちょっとボーっとしてました」
「ルナちゃんもお疲れだね。ルナちゃんは就職? 進学?」
田村さんに聞かれて私は少し考えた。日常が忙しくて、将来の進路についてまだはっきりと決めていなかった。
「そうですね……。私はたぶん就職すると思います」
「え!! ルナ頭良いのに、もったいないじゃん! 大学行けば良いのに!」
麗奈は少し驚いたような言い方をした。
「あのね麗奈、私の家はあんまりお金ないんだ! 知ってるだろうけど、ウチの店だってそんなに儲かってないしね。早く就職して、お父さんの負担減らしてあげたいんだよ」
「へー! ルナちゃん偉いね! そんな風に考えられるなんてさ。俺なんか就職したくないとか思うけどなー。まー、奨学金もあるし、しないわけには行かないんだけどね」
田村さんは褒めるように私に言った。そう言われて私はなんて返したら良いのか分らなくなってしまった。褒められるのってなんか苦手だ。
「いや……。そんな」
私はそれしか言えず、少し顔が熱くなるのを感じて顔を下に向けた。
「ルナちゃんは真面目だからねー」
田村さんがそういうと、茉奈美と麗奈もそれに同意した。そう言われて私はますます身体が火照ってしまった。こういうシチュエーションはどうも苦手だ。
そんなことを話しながら和気あいあいとドライブをしていると、大洗町の水族館の駐車場までたどり着いた。深夜の駐車場はガラガラで施錠もされていないので誰でも入ることができる。田村さんは水族館から少し離れた場所に車を止めた。
「到着したよー」
田村さんはシートベルトを外しながらそう言うと、私たちに降りるように促した。車から降りると、駐車場の下の海岸から波の音が聞こえ、磯の香りが鼻をついた。空にはうっすらと星が見えたけど、曇っているのかあまりよくは見えなかった。
「海だー!」
麗奈ははしゃぎながら砂浜へと走っていった。茉奈美は少しダルそうにしながらもそれに続く。
私はさっき店で買った花火の袋を持って後ろからついていった。
「河合さんはいつもあんなだね」
田村さんは笑いながらそう言った。
「そうなんですよ。茉奈美はまだいいんですけど、麗奈は感情に任せて動くから。楽しいんですけど、疲れますね」
そう言って私も笑った。
「ルナぁー、早く来てー! 早く早くー」
麗奈に急かされて私は走った。
私は麗奈達がいる砂浜まで行くと、花火の準備を始めた。私と田村さんは近くにあった石を組んで、風除けができるようにロウソクを立てた。茉奈美はスマホのライトで照らしながら、花火をばらした。
「じゃあ! ウチからいかせていただきます!」
麗奈はそういうと、手持ち花火を両手に持ちロウソクで花火に火をつけた。
花火は青色の炎で燃え上がった。麗奈は火のついた花火からもう一方の手の花火に火を移した。今度は、赤い炎が燃え上がる。両方の花火に火がつくと麗奈は楽しそうにくるくると回った。それを見て私は『この娘は青春してるな』と思った。
「ウチらもやろう!」
茉奈美はそう言って、同じように花火に火をつけると、笑いながら燃え上がった花火をぐるぐると回した。『茉奈美。お前もか』と私は思った。
私と田村さんも花火に火をつけて、炎の色が変化するのを見つめる。一気に火をつけたせいか、火薬の匂いで鼻がおかしくなってきた。『私もこの娘らと一緒で青春してるな』とやっぱり思う。
茉奈美と麗奈は、休む間もなく花火を消化していった。手持ち花火・打ち上げ花火・ロケット花火と続け様に火を点け続けた。麗奈は純粋に楽しんでいるようだったけど、茉奈美はリョウと喧嘩したことに対する憂さ晴らしもあるのだろう。
私と田村さんは一通り花火を楽しんだ後、線香花火を端っこの方でひっそりとやった。
「地味にこれが好きなんだよねー」
田村さんは線香花火が細々と火花を散らすのを眺めながらそう言った。
「ええ、なんか良いですよね。できる限り長く、火が落ちないようにやるのが楽しいです」
私の手元でも小さな花が散っていく。それを見つめながら頷いた。田村さんと一緒にこういう地味なことをするのは一緒にバイトをしていた頃のようでやはり心地良かった。
「この間、お姉さん見かけたよ」
田村さんは線香花火を見つめながら、私にそう言った。
「あの人を?」
私は反射的に、嫌な口調になってしまった。どうしても姉の話を聞くとこうなってしまう。
「うん、大学の帰りに駅前歩いてたら、ギターを持ってる男子と歩いてるのを見かけたんだ。バンドのメンバーか彼氏かな?」
「さあ、私はあの人のことはわかりません。知りたくもないし……」
私はそう言ってすぐに後悔した。田村さんは何も悪くないのに感じの悪い自分がどんどん出てくる。私の反応を見て田村さんも『しまった』という顔をしていた。
「あぁ、すいません! 私、あの人の話するとどうしてもこんな感じになっちゃうんです。いけないのは分ってるんですけど」
私はシドロモドロに言い訳をした。変な汗が手に滲んでいる。気がつくと線香花火の火花は下に落ちている。
「こっちこそごめんね。お姉さんとあんまりうまくいってないんだったね」
そう言って田村さんは自分の頭を掻いた。
「わかってはいるんですけどね。あの人を責めてもしょうがないってどこかでそう思っています。でもどうしても、あの人のことを想像するとイライラしちゃうんですよね」
私がそういうと、田村さんは只々優しく頷いてくれた。それから一〇数秒ほど気まずい雰囲気が続いた。茉奈美と麗奈はロケット花火を打ち上げるのに忙しいようだ。こんなときに限ってあの娘たちは私に絡んできてくれない。
「聞いても良いかな?」
最初に口を開いたのは田村さんの方だった。
「いいですよ」
私はできる限り落ち着いた声で応えた。
「ウラちゃんとはいつから、そんな風になったの?」
田村さんがあまりにドストレートに聞いてきたので、私は固まった。そう、田村さんは大人しそうに見えて容赦がない人だった。一見優男だけど、本当は強い人……。
「それは……」
私が言葉に詰まっていると、田村さんは穏やかな口調で続けた。
「別に無理に聞こうってわけじゃないんだけどさ。ルナちゃんこの話になると、いつも話したがらないからさ。何か一人で抱え込んでるんじゃないかなって思ってね」
田村さんはやっぱり穏やかだ。
「……。うまく言葉にできないんです。あの人、『ヘカテー』に対して私がどう思っているか」
そこまで話して、私はまた言葉に詰まった。
「いいよ、無理に話さない方が良い」
田村さんはそう言って、私の頭を軽く撫でた。
すっかり花火も使い果たし、茉奈美と麗奈は遊び疲れているようだ。私たちは遊んだ花火をゴミ袋にまとめ、帰る準備を始めた。
「あー、楽しかった!! ルナももっとロケ花すれば良かったのに」
麗奈は満足げな顔でそう言った。麗奈は遊びを楽しむのがうまい。
「そうだよー。せっかく海まで来たんだからもっとはっちゃければよかったのに」
茉奈美も満足したようだ。この調子なら、リョウとも明日には仲直りしているだろう。
田村さんも楽しそうに話している。私も笑ったけど、どことなく居心地の悪さを感じていた。日付も切り替わり、深夜の海はますます暗くなっているように見えた。
「茉奈美~」
麗奈が笑いながら茉奈美を追いかけ始めた。酒が入っていないとは思えないテンション。茉奈美も笑いながら逃げ回っている。幸せそうな二人だ。
「あの二人はいつも楽しそうだね」
田村さんは保護者のような口調でそう言った。
「いつもあんなですよ?」
私も保護者のような口調で返した。
「あの、田村さん?」
私は意を決して田村さんに話した。
「ん? 何、ルナちゃん」
「今日は難しいですけど、夏休み中に一度ご飯行きませんか? 姉のこと聞いてもらいたいんです……」
私は姉を口実に田村さんを食事に誘った。ズルい女だと自分でも思った。自分の心臓の音が早くなるのを感じ、身体が火照っていく。少し間を置いて、田村さんは口を開いた。
「いいよ」
短い返事だったけど、そこには私の気持ちに応えてくれる響きがあると感じることができた。
そして、あの人『ヘカテー』の知らないところで、彼女に借りを作ってしまったような気分になった。最悪だ。
店を出ると、店舗脇に停めておいた原付スクーターにキーをさしてセルを回す。ゴーグル付のヘルメットを被り、いつものようにアクセルを吹かして走り出した。これから麗奈の家に向かう。足下に置いた花火の袋がカサカサと風になびいていた。
麗奈の家は、コンビニのある場所からやや内陸の農村地帯にあった。私たちの地元は畑が多く、多くの家が農業(特にメロン栽培)を営んでいる。麗奈の家もメロン農家だった。私と茉奈美と麗奈は幼なじみで、幼稚園に入る前からの付き合いだ。あまりにも幼い頃から知りすぎていて、もう実の姉妹より近しい存在になっていた。もっとも、今は通っている高校が違うから、前ほど一緒にいるわけではないのだけれど。
原付で走りながら風を感じていると夏だというのに肌寒い。田舎の農道を走っていると顔に小さい虫が当たって微妙に痛かった。原付のライトは田園地帯と道路を煌煌と照らし続ける。
一〇分ほど走ると麗奈の家の近くに到着した。私は近所迷惑にならないように、原付のエンジンを止め、押しながら麗奈の家に向かった。家の一階はすっかり電気が消えていて、二階の彼女の部屋だけが明るかった。
スマホを取り出してLINEを送る。間もなくカーテンが開き、部屋の主が顔を覗かせる。私が手を振ると麗奈も手を振りかえした。
「玄関開いてるから上がってきてー」
麗奈は窓を少し開けて小声でそう言った。
私は玄関から静かに麗奈の家に入って、家族を起こさないように二階に上がった。彼女の部屋のドアを開けると茉奈美がクッションの上に座り、退屈そうにスマホをいじっていた。
「おつかれー」
茉奈美はスマホから顔を上げずにそう言った。私も「お疲れさま!」と軽く返して麗奈のベッドの上に腰掛けた。麗奈はジャニーズがやっているバラエティ番組を楽しそうに見ていた。夜この二人のところに来るとだいたいこんな感じだ。お互いに空気のような存在になっていると言ってもいいかもしれない。
「ルナちょっと待ってねー。一一時には関ジャニ終わるからさ」
麗奈は番組を見終わってから出かけたいらしい。
「んー、いーよー。私も今バイト上がってきたばっかだしちょっと休憩」
「そういえば、明日ウチは遅番だったよね?」
麗奈はテレビを見ながら私に聞いてきた。
「そうだよ。午後から通しだね! 明日はパートさんが休みだから夜までお願いねー」
「てかさ、パート休み過ぎじゃね? ウチら来週、週六勤なんだけど」
麗奈は不満げに私にそう言った。
「ごめんて! あとで穴埋めするよ。パートさんお盆で忙しいらしいんだよねー」
麗奈を宥めるように私は申し訳なさそうな言い方をした。我ながら営業マンのような宥め方ができてしまうのが嫌になる。茉奈美は相変わらずスマホでツイッターを見ているようだ。
私は茉奈美の横に座った。テレビ番組はジャニーズのタレントたちがジャージ姿で、何かバラエティの企画をやっているようだった。観客の笑いとも仕込みの音声ともとれる声がテレビから流れている。私は何となく番組を見ながら一息ついた。それにしても、麗奈の部屋は妙に落ち着く。
ダラダラとテレビを見ていたけど、エンドクレジットが流れ始め番組ももう終わるようだった。
「じゃあ、そろそろ行く?」
麗奈はベッドから立ち上がり近くにあるバッグに手を伸ばした。
「茉奈美いこ?」
「あい!」
茉奈美もスマホから顔を上げて、ダルそうに立ち上がった。私たち三人は、麗奈の家から物音を立てないように出た。
私たちは暗い田舎道をゆっくりと歩き始めた。外灯も少なく、個人商店の前にある自販機だけが妙に明るく闇を照らしている。いつも見慣れた私の地元の風景だ。
「茉奈美ぃー、どうせ花火するなら海行かない?」
「いいけど、どうやって海まで行くんだよ!」
茉奈美はあきれたように言った。
「んーとね。田村さんに送ってってもらうとか!」
「いや、さすがにこの時間に車乗せてけとか先輩に失礼すぎじゃね?」
「大丈夫だよ! 田村さんきっと暇してるって! ねぇルナ?」
「私にふられても……」
私は麗奈たちの会話に何となく相槌を打った。確かに田村さんに頼めば、海まで送っていってくれるかもしれない。でも、茉奈美の言う通り失礼過ぎるだろう。
「あ、田村さんですか? 河合です! ハイ! お疲れさまです!」
麗奈は既に田村さんに電話を掛けていた。
「マジでこいつかけやがった!」
茉奈美は悪態をつくような口調でそう言った。
「あの! 田村さんもし時間とかあったら、海までドライブしません? はい! 茉奈美とルナも一緒です!」
「麗奈……。さすがにこの時間からじゃ迷惑だよ」
私は電話で話している麗奈に小声で囁いた。それでも麗奈は気にしていないようで、話を続けている。
「わかりましたー。じゃあ、今から田村さんちの前まで行きますね! よろしくお願いしまーす!」
麗奈は先輩を足に使う気満々だ。
「まー、しゃーないね。田村さんがいいって言うなら乗せてってもらおう」
茉奈美も話が決まったらちゃっかりしている。
田村さんはこの前まで、私たちのバイト先で働いていた地元の大学生だ。就職活動で忙しくなり、今はバイトを辞めてしまったけど高校の頃からずっと働いていた人だ。私も彼から仕事を教わった部分が多かった。私にとって田村さんは先輩であり、信頼できる仕事仲間だった。いなくなって少し寂しいと思っていた……。
彼の家は、麗奈の家からさほど離れていなかったから三人で歩いて向かった。田村さんの家に着くと、彼は自宅の前に立って待っていてくれた。Tシャツにハーフパンツ、ビーチサンダルという、いかにも田舎の学生といった格好で出迎えてくれる。
「お疲れさまー、みんな久し振りだね」
田村さんは、明るい口調で私たちに挨拶してくれた。彼は同世代の大学生たちと比べて体格がいい方だった。太っているというより筋肉質だと言ったほうがいい。だけど、体格と比べて性格が大人しいためか、華奢に見られがちのようだ。
「お疲れさまです! 田村さんありがとうございます! 茉奈美がどうしても海行きたいって聞かないんですよ」
麗奈はサラッと茉奈美に責任転嫁をする。
「お前だろ?」
茉奈美は間髪いれずにツッコミを入れた。この二人は何時見ても漫才コンビだと思う。
「田村さん、いきなり夜中に呼び出してすいません。大丈夫でしたか?」
私は田村さんに申し訳ないという気持ちを込めて尋ねた。
「おお、ルナちゃんひさびさだね! 俺は大丈夫だよ。それにしても内田さんと河合さんは変わらないなー」
そういうと田村さんは、楽しそうに笑った。私もそれにつられて口元が緩んだ。一緒に働いていた頃の感覚が少しずつ身体に戻ってくるようだった。やはり田村さんは安心感がある。
「じゃあ、出かけようか? 今から車出すから乗りなよ!」
「おねがいしゃーす」
茉奈美と麗奈はハモって田村さんにお願いをした。
「ハイ! よろしくお願いします」
私も同じように応えた。
車庫に行くと、黒のワーゲンゴルフが停まっていた。田村さんが車のロックを解除すると、茉奈美と麗奈は後部座席に座った。自動的に私は助手席に座ることになった。
田村さんの車は良く手入れされていた。ダッシュボードにはホコリがなく、シート下も良く掃除されている。そして、車内は田村さんらしい匂いがしていた。表現としておかしいかもしれないけど、とにかく田村さんらしい香りだ。そんなことを考えていると、車はゆっくりと車庫を出た。
「よし! じゃー、水族館下の海岸まで行きましょー! 田村さんレッツゴー!」
麗奈はもうテンションがおかしくなっていた。元々かもしれないけど……。
「ははは! 河合さん楽しそうでいいね。内田さんはお疲れ気味かな?」
田村さんは茉奈美の方に話をふった。
「いやー、さっきまでバイトだったんでちょいダルいですねー。そういえば、田村さん就活、大変ですかぁ?」
茉奈美は眼を擦りながらそう言うと、口に手を当てて大きな欠伸をした。
「バイトお疲れさん! 俺はねー、内定もらったとこもあるからボチボチかなー。まだ何社か受ける予定だけどね。みんなも就職希望だっけか?」
「ウチらの学校は就職が多いと思いますよ。ウチと麗奈も就職する予定です! まぁ、就職できればですけど」
茉奈美は苦笑いしながらそういうと、麗奈に「ねっ!」と同意を求めた。
「マジ、ウチは就職できる気がしませんよ! これからどうしようか不安だらけです!」
「そうだよねー。俺も高校んときは将来不安だったなー。どうすっか決めらんなくてさ!」
田村さんは感慨深そうにそう言った。
そんな他愛のない話をしていると、車は大きな道路に出た。うちのコンビニが面している国道だ。国道の右手には海があるはずだけど、新月のためか真っ暗でよく見えなかった。
「ルナちゃん?」
「えっ?」
私は海を探していて、田村さんの話を良く聞いていなかった。
「すいません。ちょっとボーっとしてました」
「ルナちゃんもお疲れだね。ルナちゃんは就職? 進学?」
田村さんに聞かれて私は少し考えた。日常が忙しくて、将来の進路についてまだはっきりと決めていなかった。
「そうですね……。私はたぶん就職すると思います」
「え!! ルナ頭良いのに、もったいないじゃん! 大学行けば良いのに!」
麗奈は少し驚いたような言い方をした。
「あのね麗奈、私の家はあんまりお金ないんだ! 知ってるだろうけど、ウチの店だってそんなに儲かってないしね。早く就職して、お父さんの負担減らしてあげたいんだよ」
「へー! ルナちゃん偉いね! そんな風に考えられるなんてさ。俺なんか就職したくないとか思うけどなー。まー、奨学金もあるし、しないわけには行かないんだけどね」
田村さんは褒めるように私に言った。そう言われて私はなんて返したら良いのか分らなくなってしまった。褒められるのってなんか苦手だ。
「いや……。そんな」
私はそれしか言えず、少し顔が熱くなるのを感じて顔を下に向けた。
「ルナちゃんは真面目だからねー」
田村さんがそういうと、茉奈美と麗奈もそれに同意した。そう言われて私はますます身体が火照ってしまった。こういうシチュエーションはどうも苦手だ。
そんなことを話しながら和気あいあいとドライブをしていると、大洗町の水族館の駐車場までたどり着いた。深夜の駐車場はガラガラで施錠もされていないので誰でも入ることができる。田村さんは水族館から少し離れた場所に車を止めた。
「到着したよー」
田村さんはシートベルトを外しながらそう言うと、私たちに降りるように促した。車から降りると、駐車場の下の海岸から波の音が聞こえ、磯の香りが鼻をついた。空にはうっすらと星が見えたけど、曇っているのかあまりよくは見えなかった。
「海だー!」
麗奈ははしゃぎながら砂浜へと走っていった。茉奈美は少しダルそうにしながらもそれに続く。
私はさっき店で買った花火の袋を持って後ろからついていった。
「河合さんはいつもあんなだね」
田村さんは笑いながらそう言った。
「そうなんですよ。茉奈美はまだいいんですけど、麗奈は感情に任せて動くから。楽しいんですけど、疲れますね」
そう言って私も笑った。
「ルナぁー、早く来てー! 早く早くー」
麗奈に急かされて私は走った。
私は麗奈達がいる砂浜まで行くと、花火の準備を始めた。私と田村さんは近くにあった石を組んで、風除けができるようにロウソクを立てた。茉奈美はスマホのライトで照らしながら、花火をばらした。
「じゃあ! ウチからいかせていただきます!」
麗奈はそういうと、手持ち花火を両手に持ちロウソクで花火に火をつけた。
花火は青色の炎で燃え上がった。麗奈は火のついた花火からもう一方の手の花火に火を移した。今度は、赤い炎が燃え上がる。両方の花火に火がつくと麗奈は楽しそうにくるくると回った。それを見て私は『この娘は青春してるな』と思った。
「ウチらもやろう!」
茉奈美はそう言って、同じように花火に火をつけると、笑いながら燃え上がった花火をぐるぐると回した。『茉奈美。お前もか』と私は思った。
私と田村さんも花火に火をつけて、炎の色が変化するのを見つめる。一気に火をつけたせいか、火薬の匂いで鼻がおかしくなってきた。『私もこの娘らと一緒で青春してるな』とやっぱり思う。
茉奈美と麗奈は、休む間もなく花火を消化していった。手持ち花火・打ち上げ花火・ロケット花火と続け様に火を点け続けた。麗奈は純粋に楽しんでいるようだったけど、茉奈美はリョウと喧嘩したことに対する憂さ晴らしもあるのだろう。
私と田村さんは一通り花火を楽しんだ後、線香花火を端っこの方でひっそりとやった。
「地味にこれが好きなんだよねー」
田村さんは線香花火が細々と火花を散らすのを眺めながらそう言った。
「ええ、なんか良いですよね。できる限り長く、火が落ちないようにやるのが楽しいです」
私の手元でも小さな花が散っていく。それを見つめながら頷いた。田村さんと一緒にこういう地味なことをするのは一緒にバイトをしていた頃のようでやはり心地良かった。
「この間、お姉さん見かけたよ」
田村さんは線香花火を見つめながら、私にそう言った。
「あの人を?」
私は反射的に、嫌な口調になってしまった。どうしても姉の話を聞くとこうなってしまう。
「うん、大学の帰りに駅前歩いてたら、ギターを持ってる男子と歩いてるのを見かけたんだ。バンドのメンバーか彼氏かな?」
「さあ、私はあの人のことはわかりません。知りたくもないし……」
私はそう言ってすぐに後悔した。田村さんは何も悪くないのに感じの悪い自分がどんどん出てくる。私の反応を見て田村さんも『しまった』という顔をしていた。
「あぁ、すいません! 私、あの人の話するとどうしてもこんな感じになっちゃうんです。いけないのは分ってるんですけど」
私はシドロモドロに言い訳をした。変な汗が手に滲んでいる。気がつくと線香花火の火花は下に落ちている。
「こっちこそごめんね。お姉さんとあんまりうまくいってないんだったね」
そう言って田村さんは自分の頭を掻いた。
「わかってはいるんですけどね。あの人を責めてもしょうがないってどこかでそう思っています。でもどうしても、あの人のことを想像するとイライラしちゃうんですよね」
私がそういうと、田村さんは只々優しく頷いてくれた。それから一〇数秒ほど気まずい雰囲気が続いた。茉奈美と麗奈はロケット花火を打ち上げるのに忙しいようだ。こんなときに限ってあの娘たちは私に絡んできてくれない。
「聞いても良いかな?」
最初に口を開いたのは田村さんの方だった。
「いいですよ」
私はできる限り落ち着いた声で応えた。
「ウラちゃんとはいつから、そんな風になったの?」
田村さんがあまりにドストレートに聞いてきたので、私は固まった。そう、田村さんは大人しそうに見えて容赦がない人だった。一見優男だけど、本当は強い人……。
「それは……」
私が言葉に詰まっていると、田村さんは穏やかな口調で続けた。
「別に無理に聞こうってわけじゃないんだけどさ。ルナちゃんこの話になると、いつも話したがらないからさ。何か一人で抱え込んでるんじゃないかなって思ってね」
田村さんはやっぱり穏やかだ。
「……。うまく言葉にできないんです。あの人、『ヘカテー』に対して私がどう思っているか」
そこまで話して、私はまた言葉に詰まった。
「いいよ、無理に話さない方が良い」
田村さんはそう言って、私の頭を軽く撫でた。
すっかり花火も使い果たし、茉奈美と麗奈は遊び疲れているようだ。私たちは遊んだ花火をゴミ袋にまとめ、帰る準備を始めた。
「あー、楽しかった!! ルナももっとロケ花すれば良かったのに」
麗奈は満足げな顔でそう言った。麗奈は遊びを楽しむのがうまい。
「そうだよー。せっかく海まで来たんだからもっとはっちゃければよかったのに」
茉奈美も満足したようだ。この調子なら、リョウとも明日には仲直りしているだろう。
田村さんも楽しそうに話している。私も笑ったけど、どことなく居心地の悪さを感じていた。日付も切り替わり、深夜の海はますます暗くなっているように見えた。
「茉奈美~」
麗奈が笑いながら茉奈美を追いかけ始めた。酒が入っていないとは思えないテンション。茉奈美も笑いながら逃げ回っている。幸せそうな二人だ。
「あの二人はいつも楽しそうだね」
田村さんは保護者のような口調でそう言った。
「いつもあんなですよ?」
私も保護者のような口調で返した。
「あの、田村さん?」
私は意を決して田村さんに話した。
「ん? 何、ルナちゃん」
「今日は難しいですけど、夏休み中に一度ご飯行きませんか? 姉のこと聞いてもらいたいんです……」
私は姉を口実に田村さんを食事に誘った。ズルい女だと自分でも思った。自分の心臓の音が早くなるのを感じ、身体が火照っていく。少し間を置いて、田村さんは口を開いた。
「いいよ」
短い返事だったけど、そこには私の気持ちに応えてくれる響きがあると感じることができた。
そして、あの人『ヘカテー』の知らないところで、彼女に借りを作ってしまったような気分になった。最悪だ。
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