42 / 64
第二章 ニコタマ文芸部
27
しおりを挟む
「お待たせしたね。じゃあ校長室に……」
どうやら話し合いの場は校長室らしい。
「はい!」
「まぁ君たちはあったことを正直に言ってくれればいいからね。嘘を吐かないことが御堂さんにとっては重要だから」
さっきまでとは打って変わって村田先生は穏やかで無関心な口調だ。普段の昼行灯。そんな感じ。
校長室へ向かう。横を見ると水貴の手は震えていた。まぁ、私も同じようなものだと思う。平静なのは楓子と村田先生だけだ。
「失礼します。連れてきました」
村田先生が校長室の扉を開ける。中には御堂さんと浩樹。あとは学年主任と担任、校長教頭が居た。
「先ほどお話した通り。彼らの意見を聞いてください。御堂さんの話と矛盾がなければ彼女は潔白だと思うので」
村田先生は淡々と話す。
「村田先生……。さっきも言いましたけどね! 今回は見た生徒が居るんですよ? だから……」
「まぁまぁ拓実先生。みんなの意見を聞いてからでもいいじゃあないですか。それとも何か不都合でも?」「……。いえ……。」
拓実先生(御堂さんたちの担任)は村田先生に突っかった。そこには子供の私から見ても分かるほどの嫌悪感がにじみ出ている。
「じゃあ……。君たち。御堂さんとどんな風に勉強したのか詳しく聞かせて」
「はい!」
それから私たちは勉強会でのことを出来うる限り詳しく話した。部室でやった小テストの結果だとか、どうやって苦手克服したかだとか。そんな話。
私たちが話している最中、拓実先生は面白くなさそうな顔をしていた。明らかにふて腐れている。
「……。つまり、君たちは一生懸命やった……。そう言いたいのかな?」
「はい! 御堂さんはすごく頑張ったんです」
「そうか……」
村田先生を除く教員たちは顔を見合わせた。
「しかしね……。君たちがなんて言おうと彼女の後ろの生徒が見てるんだ。君たちはその現場を見たわけじゃないだろ?」
「でも! 御堂さんはやってないと思います! だってカンニングする必要がないですよ!? 自己採点だって良かったです」
「はぁ……。あのね君。自己採点なんていくらでもごまかしが利くんだよ? そんなのは証拠にはならないよ」
どうやら拓実先生は私たちの意見をよほど黙殺したいらしい。彼の言い回しにはそんなニュアンスが……。いや、悪意が含まれていた。
正直に言おう。一五年生きてきてここまで怒りを覚えたことはない。なんでそこまでして御堂さんを悪者に仕立て上げたいのだろうか?
「じゃあそのカンニング見たって言うのだって証拠はないじゃないですか?」
今度は水貴が口を挟んだ。普段の彼からは考えられないほど強い口調だ。
「……。半井くん。言葉には気をつけた方がいい。それはつまり小南さんが嘘を吐いたってことだからね?」「ええ! そう言ってるんです! 小南さんは同じ陸上部で御堂さんとは仲悪かったし!」
そこから校長室の空気は明らかに変わった。水貴の言ったことはおそらく真実なのだろう。
「そんなこと……はない」
「どうしてですか!? どうしてそう言えるんです?」
完全に水貴はキレていた。よほど頭にきているのか、顔が真っ赤になっている。
「まぁまぁ半井くん。落ち着いて……。どうでしょう拓実先生? ここは小南さんを呼んでみては? あとは……。そうですね。カンニングされた生徒も呼んでみましょう。そうすればもっとはっきりすると思いますよ?」
村田先生はまるでこの状況を待っていたと言わんばかりに口を挟んだ。
「しかしねぇ……。それは……」
「それとも何か不都合でもあるんですか? 半井くんの言うとおりねつ造……。があるとか?」
「そ、そんなことは……」
「では呼びましょう。拓実先生も白黒はっきりさせないとすっきりしないでしょうしね」
村田先生はそう言うとヘラヘラ笑った。でも……。彼の目は欠片も笑っていなかった。
どうやら話し合いの場は校長室らしい。
「はい!」
「まぁ君たちはあったことを正直に言ってくれればいいからね。嘘を吐かないことが御堂さんにとっては重要だから」
さっきまでとは打って変わって村田先生は穏やかで無関心な口調だ。普段の昼行灯。そんな感じ。
校長室へ向かう。横を見ると水貴の手は震えていた。まぁ、私も同じようなものだと思う。平静なのは楓子と村田先生だけだ。
「失礼します。連れてきました」
村田先生が校長室の扉を開ける。中には御堂さんと浩樹。あとは学年主任と担任、校長教頭が居た。
「先ほどお話した通り。彼らの意見を聞いてください。御堂さんの話と矛盾がなければ彼女は潔白だと思うので」
村田先生は淡々と話す。
「村田先生……。さっきも言いましたけどね! 今回は見た生徒が居るんですよ? だから……」
「まぁまぁ拓実先生。みんなの意見を聞いてからでもいいじゃあないですか。それとも何か不都合でも?」「……。いえ……。」
拓実先生(御堂さんたちの担任)は村田先生に突っかった。そこには子供の私から見ても分かるほどの嫌悪感がにじみ出ている。
「じゃあ……。君たち。御堂さんとどんな風に勉強したのか詳しく聞かせて」
「はい!」
それから私たちは勉強会でのことを出来うる限り詳しく話した。部室でやった小テストの結果だとか、どうやって苦手克服したかだとか。そんな話。
私たちが話している最中、拓実先生は面白くなさそうな顔をしていた。明らかにふて腐れている。
「……。つまり、君たちは一生懸命やった……。そう言いたいのかな?」
「はい! 御堂さんはすごく頑張ったんです」
「そうか……」
村田先生を除く教員たちは顔を見合わせた。
「しかしね……。君たちがなんて言おうと彼女の後ろの生徒が見てるんだ。君たちはその現場を見たわけじゃないだろ?」
「でも! 御堂さんはやってないと思います! だってカンニングする必要がないですよ!? 自己採点だって良かったです」
「はぁ……。あのね君。自己採点なんていくらでもごまかしが利くんだよ? そんなのは証拠にはならないよ」
どうやら拓実先生は私たちの意見をよほど黙殺したいらしい。彼の言い回しにはそんなニュアンスが……。いや、悪意が含まれていた。
正直に言おう。一五年生きてきてここまで怒りを覚えたことはない。なんでそこまでして御堂さんを悪者に仕立て上げたいのだろうか?
「じゃあそのカンニング見たって言うのだって証拠はないじゃないですか?」
今度は水貴が口を挟んだ。普段の彼からは考えられないほど強い口調だ。
「……。半井くん。言葉には気をつけた方がいい。それはつまり小南さんが嘘を吐いたってことだからね?」「ええ! そう言ってるんです! 小南さんは同じ陸上部で御堂さんとは仲悪かったし!」
そこから校長室の空気は明らかに変わった。水貴の言ったことはおそらく真実なのだろう。
「そんなこと……はない」
「どうしてですか!? どうしてそう言えるんです?」
完全に水貴はキレていた。よほど頭にきているのか、顔が真っ赤になっている。
「まぁまぁ半井くん。落ち着いて……。どうでしょう拓実先生? ここは小南さんを呼んでみては? あとは……。そうですね。カンニングされた生徒も呼んでみましょう。そうすればもっとはっきりすると思いますよ?」
村田先生はまるでこの状況を待っていたと言わんばかりに口を挟んだ。
「しかしねぇ……。それは……」
「それとも何か不都合でもあるんですか? 半井くんの言うとおりねつ造……。があるとか?」
「そ、そんなことは……」
「では呼びましょう。拓実先生も白黒はっきりさせないとすっきりしないでしょうしね」
村田先生はそう言うとヘラヘラ笑った。でも……。彼の目は欠片も笑っていなかった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる