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王城に着くまでにはまだ距離がありそうなのに、そこへ向かっていた馬車がゆるやかに速度を落として止まった。
窓から外を見れば納得した。
王城の前には、あふれかえるほどの馬車と、そこから降車する華やかなドレスが目立って見えた。
空を見上げると、太陽が沈んだ空に、わずかに膨らみを見せた三日月が浮かんでいた。
その空の色は、目を輝かせた愛おしい彼を思い出させ、急に恋しい気持ちになった。
「ねえ、オリヴァーとはいつ合流するの?」
「……待ち遠しいんだ?」
訊ねれば、マルクは意地悪そうな笑みを浮かべていた。
浮かれた質問をしてしまったと恥ずかしくなり、ミレーは身体を縮こませてうつむいた。
「オリヴァーは幸せ者だよ、ってことさ。ミレーが恥じることはなにもないよ」
マルクは、己を恥じて黙ってしまったミレーを慰めてくれるが、恥ずかしさは消えない。
「爵位の低い順に入城していくから、ボクたちの少し後に入ってくると思うよ」
ミレーの質問に答えた時、城の衛兵から入城の身分の確認をされ、それが認証されると馬車は王城の前まで移動した。
前をゆくディザクライン夫妻の乗った馬車から二人が降りると、ミレーもマルクに手を引かれながら馬車から降りる。
降りるとき無様な姿を見せずに済んだのは、グランディア邸で泣きながら苦労した甲斐があるというものだ。
王城の入場門は開放されており、ディザクライン侯爵家は堂々とした佇まいでパーティー会場へ向かった。
向かう途中、ディザクライン侯爵……もとい、養父であるアンドロと、養母であるフェリシーがミレーに声をかけた。
「久しぶりだね、ミレー。元気にしていたかい?」
「は、はい。おとう様とおかあ様も、お変わりなきようで安心しました」
緊張したが、やはり養父と養母は柔和な態度で受け入れてくれた。
「かわいい娘が出来たというのに、寂しかったわ。もっと侯爵家にも帰ってきて良いんですからね?」
養母のフェリシーはとにかくミレーを気にいってくれていた。
侯爵家へ帰った際は、いつもドレスの着せ替えをさせられ、夜遅くまでファッションショーのようなものをさせられることもあった。
「ミレーはスタイルが良いから、セクシーなドレス似合って良いわぁ~!」
そう言ったフェリシーは、ミレーより頭一つ分背が低く小柄で、美人というより可愛いという表現が似合う女性だった。
自分より二倍生きているとは思えない若々しさと体力だと、ファッションショーをさせられるたび思わされる。
今日のフェリシーのドレスは、上品な紺とグリーンのフィットフレアタイプだ。
ミレーは、ロイヤルパープルカラーのフィッシュテールドレスに、チェリーブロッサムカラーのレースショールを身に付けている。
「ミレーちゃんかわいい!」
このスタイルを薦めたフェリシーは、ミレーのドレス姿を大変気に入ったようだが、ミレーは素直に胸を張れずにいる。
「あら、ダメよ。このドレスは堂々と胸を張っていなくちゃ」
「で、ですが、足をこんなに出したことはないので……」
「そうよ。前にも言ったでしょう。このドレスは女性に人気だけれど、身長が低いと着こなせないの。その点、ミレーちゃんは背丈もあってスタイルも良いから、胸を張って姿勢を正していれば、群を抜いて目を惹くわ」
「め、目は惹かなくていいかと……」
グイグイと押され、ミレーは完全に威圧されていた。
そんな弱気なミレーの背中を押す一言を、フェリシーが口にした。
「今日はクローバー男爵家の方々も来るのよね? 自分が幸せになったっていう証明をしてやりたいと思わない?」
「……証明、したいです。私は幸せだって!」
「よろしい」
ミレーの決心に、フェリシーは満足そうに微笑んだ口元を隠すように扇を広げた。
会場のパーティーホールの広さと豪華さに、ミレーは眩暈を起こしそうになった。
「おっと」
ふらりと倒れそうになったのを予想していたように、マルクがミレーの身体を支える。
「こんな煌びやかな会場は見たことがないだろう」
マルクの言うとおり、ミレーは王城に来るのも、パーティーに参加するのも初めてであった。
天井にはシャンデリアが無数に連なっており、立ち並ぶ柱も、宝石ではないが高そうで、入り口の床には赤いラグマットが敷かれていた。
「ま、マットって室内で使うものじゃないの……?」
「ここも室内だよ」
「そう、じゃなくて……プライベートな室内とか……」
うろたえながらマルクに話しかけていたが、質問は途中で途切れた。
マルクたちが会場に入ったのに気づいた女性たちが、色めいた歓声を上げたのだ。
「わ、すご……」
たしかにマルクは美形だ。肩まで伸びた綺麗な金の髪も、風になびくとサラサラと遊ぶように泳ぎ、目を惹いた。
オリヴァーと背丈も同じくらいで、その優しい物腰と深い緑色の瞳で見つめられれば、つい頬が緩んでしまう。
(アリサと同じ金色と緑でも、こんなに違うのね)
そうは言っても、アリサの姿をまじまじと見たことはない。見ていることに気づかれれば、どんな難癖をつけられるか分からず、目を合わせることはほとんどない。
それでもまったく見ないわけではない。
だがその時植え付けられた印象も、マルクと会ってからは消えてなくなった。
マルクを見たあと、また辺りを見渡した。
歓声があったのは先ほど一回だけで、声を発したと思われる綺麗な令嬢たちは、喉に何か詰まったような顔でマルクやミレーを見つめている。
(私、なにか変な動きしたかな……?)
オリヴァーの婚約者として、ディザクライン侯爵家の人間として、顔に泥を塗るような動作ではないかと内心冷汗をかいていた。
「ミレー」
マルクの声で我に返る。
(そうだ。周りからどう思われたって、それに動じることなく堂々と)
小さく呼吸を整え、ミレーは背筋を伸ばして、教わったとおりにゆっくり歩く。
マルクとミレーの前を歩く養父母の後を付いて行くと、王族の座る席で足を止めた。
ミレーはアンドロの後ろにいたが、アンドロが頭を下げた時、おだやかな風貌の白髪の男性と目が合った。
白髪の男性はミレーと目が合うとにこりと微笑んでくれたが、ミレーはその笑顔に慌ててドレスの裾をかるくつまみ、礼をする。
「アンドロ・ディザクライン侯爵、フェリシー・ディザクライン侯爵夫人、マルク・ディザクライン侯爵子息、そしてミレー・ディザクライン侯爵令嬢。みな今宵はよく参られた。ゆるりと楽しんでいってほしい」
「今宵はお招きいただき、ありがたき幸せでございます」
陛下に簡単な祝辞を述べると、アンドロは少し横にずれて、隣に座る王妃にも頭を下げ、同じように簡単な祝辞を述べる。
そして本日の主役であるサージラ殿下にも挨拶をすると、次はエドワード王子に頭を下げた。
次男であるルーベル王子は今回欠席している。
(この方がエドワード様。私とオリヴァーの結婚を認めてくれない御方……)
どんな気難しい人物だろうと気を張って見たが、意外にも優しげな表情で、ミレーより赤みが濃い髪色をしており、国王と同じ金色の目をしていた。
(サージラ様の時も金色だったけど、エドワード様はもっと深みがある……)
思わず魅入ってしまい、皆より少し頭を下げるのが遅くなってしまった。
それを見ていたエドワードが、薄く口元をゆがませた。
「なんだ。この程度か」
「……え?」
つい聞き返してしまい、慌てて口を閉ざす。
だがエドワードは、律義にミレーの問いに答え返した。
「グランディア公爵家の嫡男と結婚したいと言うから、どういう女かと思ったら、この程度かって言ったんだ」
何を言われたのかわからず唖然としてしまった。
だが挨拶はそこで終わり、唖然としたままミレーはマルクに手を引かれてその場を離れた。
窓から外を見れば納得した。
王城の前には、あふれかえるほどの馬車と、そこから降車する華やかなドレスが目立って見えた。
空を見上げると、太陽が沈んだ空に、わずかに膨らみを見せた三日月が浮かんでいた。
その空の色は、目を輝かせた愛おしい彼を思い出させ、急に恋しい気持ちになった。
「ねえ、オリヴァーとはいつ合流するの?」
「……待ち遠しいんだ?」
訊ねれば、マルクは意地悪そうな笑みを浮かべていた。
浮かれた質問をしてしまったと恥ずかしくなり、ミレーは身体を縮こませてうつむいた。
「オリヴァーは幸せ者だよ、ってことさ。ミレーが恥じることはなにもないよ」
マルクは、己を恥じて黙ってしまったミレーを慰めてくれるが、恥ずかしさは消えない。
「爵位の低い順に入城していくから、ボクたちの少し後に入ってくると思うよ」
ミレーの質問に答えた時、城の衛兵から入城の身分の確認をされ、それが認証されると馬車は王城の前まで移動した。
前をゆくディザクライン夫妻の乗った馬車から二人が降りると、ミレーもマルクに手を引かれながら馬車から降りる。
降りるとき無様な姿を見せずに済んだのは、グランディア邸で泣きながら苦労した甲斐があるというものだ。
王城の入場門は開放されており、ディザクライン侯爵家は堂々とした佇まいでパーティー会場へ向かった。
向かう途中、ディザクライン侯爵……もとい、養父であるアンドロと、養母であるフェリシーがミレーに声をかけた。
「久しぶりだね、ミレー。元気にしていたかい?」
「は、はい。おとう様とおかあ様も、お変わりなきようで安心しました」
緊張したが、やはり養父と養母は柔和な態度で受け入れてくれた。
「かわいい娘が出来たというのに、寂しかったわ。もっと侯爵家にも帰ってきて良いんですからね?」
養母のフェリシーはとにかくミレーを気にいってくれていた。
侯爵家へ帰った際は、いつもドレスの着せ替えをさせられ、夜遅くまでファッションショーのようなものをさせられることもあった。
「ミレーはスタイルが良いから、セクシーなドレス似合って良いわぁ~!」
そう言ったフェリシーは、ミレーより頭一つ分背が低く小柄で、美人というより可愛いという表現が似合う女性だった。
自分より二倍生きているとは思えない若々しさと体力だと、ファッションショーをさせられるたび思わされる。
今日のフェリシーのドレスは、上品な紺とグリーンのフィットフレアタイプだ。
ミレーは、ロイヤルパープルカラーのフィッシュテールドレスに、チェリーブロッサムカラーのレースショールを身に付けている。
「ミレーちゃんかわいい!」
このスタイルを薦めたフェリシーは、ミレーのドレス姿を大変気に入ったようだが、ミレーは素直に胸を張れずにいる。
「あら、ダメよ。このドレスは堂々と胸を張っていなくちゃ」
「で、ですが、足をこんなに出したことはないので……」
「そうよ。前にも言ったでしょう。このドレスは女性に人気だけれど、身長が低いと着こなせないの。その点、ミレーちゃんは背丈もあってスタイルも良いから、胸を張って姿勢を正していれば、群を抜いて目を惹くわ」
「め、目は惹かなくていいかと……」
グイグイと押され、ミレーは完全に威圧されていた。
そんな弱気なミレーの背中を押す一言を、フェリシーが口にした。
「今日はクローバー男爵家の方々も来るのよね? 自分が幸せになったっていう証明をしてやりたいと思わない?」
「……証明、したいです。私は幸せだって!」
「よろしい」
ミレーの決心に、フェリシーは満足そうに微笑んだ口元を隠すように扇を広げた。
会場のパーティーホールの広さと豪華さに、ミレーは眩暈を起こしそうになった。
「おっと」
ふらりと倒れそうになったのを予想していたように、マルクがミレーの身体を支える。
「こんな煌びやかな会場は見たことがないだろう」
マルクの言うとおり、ミレーは王城に来るのも、パーティーに参加するのも初めてであった。
天井にはシャンデリアが無数に連なっており、立ち並ぶ柱も、宝石ではないが高そうで、入り口の床には赤いラグマットが敷かれていた。
「ま、マットって室内で使うものじゃないの……?」
「ここも室内だよ」
「そう、じゃなくて……プライベートな室内とか……」
うろたえながらマルクに話しかけていたが、質問は途中で途切れた。
マルクたちが会場に入ったのに気づいた女性たちが、色めいた歓声を上げたのだ。
「わ、すご……」
たしかにマルクは美形だ。肩まで伸びた綺麗な金の髪も、風になびくとサラサラと遊ぶように泳ぎ、目を惹いた。
オリヴァーと背丈も同じくらいで、その優しい物腰と深い緑色の瞳で見つめられれば、つい頬が緩んでしまう。
(アリサと同じ金色と緑でも、こんなに違うのね)
そうは言っても、アリサの姿をまじまじと見たことはない。見ていることに気づかれれば、どんな難癖をつけられるか分からず、目を合わせることはほとんどない。
それでもまったく見ないわけではない。
だがその時植え付けられた印象も、マルクと会ってからは消えてなくなった。
マルクを見たあと、また辺りを見渡した。
歓声があったのは先ほど一回だけで、声を発したと思われる綺麗な令嬢たちは、喉に何か詰まったような顔でマルクやミレーを見つめている。
(私、なにか変な動きしたかな……?)
オリヴァーの婚約者として、ディザクライン侯爵家の人間として、顔に泥を塗るような動作ではないかと内心冷汗をかいていた。
「ミレー」
マルクの声で我に返る。
(そうだ。周りからどう思われたって、それに動じることなく堂々と)
小さく呼吸を整え、ミレーは背筋を伸ばして、教わったとおりにゆっくり歩く。
マルクとミレーの前を歩く養父母の後を付いて行くと、王族の座る席で足を止めた。
ミレーはアンドロの後ろにいたが、アンドロが頭を下げた時、おだやかな風貌の白髪の男性と目が合った。
白髪の男性はミレーと目が合うとにこりと微笑んでくれたが、ミレーはその笑顔に慌ててドレスの裾をかるくつまみ、礼をする。
「アンドロ・ディザクライン侯爵、フェリシー・ディザクライン侯爵夫人、マルク・ディザクライン侯爵子息、そしてミレー・ディザクライン侯爵令嬢。みな今宵はよく参られた。ゆるりと楽しんでいってほしい」
「今宵はお招きいただき、ありがたき幸せでございます」
陛下に簡単な祝辞を述べると、アンドロは少し横にずれて、隣に座る王妃にも頭を下げ、同じように簡単な祝辞を述べる。
そして本日の主役であるサージラ殿下にも挨拶をすると、次はエドワード王子に頭を下げた。
次男であるルーベル王子は今回欠席している。
(この方がエドワード様。私とオリヴァーの結婚を認めてくれない御方……)
どんな気難しい人物だろうと気を張って見たが、意外にも優しげな表情で、ミレーより赤みが濃い髪色をしており、国王と同じ金色の目をしていた。
(サージラ様の時も金色だったけど、エドワード様はもっと深みがある……)
思わず魅入ってしまい、皆より少し頭を下げるのが遅くなってしまった。
それを見ていたエドワードが、薄く口元をゆがませた。
「なんだ。この程度か」
「……え?」
つい聞き返してしまい、慌てて口を閉ざす。
だがエドワードは、律義にミレーの問いに答え返した。
「グランディア公爵家の嫡男と結婚したいと言うから、どういう女かと思ったら、この程度かって言ったんだ」
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