普通に生きることに憧れる青年の周りでは、非日常が溢れかえっているため、もはや非日常の中から普通を選び出します。

農民サイド

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第1章 日常を取り戻せ

第1話 襲撃者:東雲紫

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『普通を勝ち取れ、一郎!』

 僕の父の言葉だ。
 父は母を早くになくした僕を何時も心配していた。
 しかし、それは父のせいではない。
 母は、病死だった。
 くも膜下出血、誰しも聞いたことはあるだろう、あの病気だ。
 原因は分からないが、優しかった母の死を僕は上手く受け止めきれなかった。
 あの家には、母が居る、あそこの家にも母がいる。
 当たり前に母親のいる環境を持つものが許せなかった。
 だから僕は、一時荒れた。
 不登校にも成りかけたし、喧嘩も沢山した。
 でも、犯罪だけは父に迷惑を掛けると思ってしなかった。

 今でも、時々思い出す母の言葉。

―――

 普通って、当たり前ってなんだろう。
 父に聞いた。
 父は少し迷ったようだが、僕にこう言った。
 普通は、与えられるものじゃない勝ち取るものだ。

―――普通を勝ち取れ、一郎! 

 そんな父が仕事中に事故死したのはつい最近のことだ。
 普通は、どんどん僕から離れていく。



 僕は今、高校二年生になった。
 父の保険金と、祖父母からの支援でなんとか高校に通えている。
 そんな、僕が進路で悩んでいる時に、担任の先生は言った。

「田中は、進学じゃなくて、就職だろ?」

 僕は聞き返す。

「な、何故そう思うんですか?」

 担任の先生は、悪びれる様子もなく。

「だって、普通、お前のような生徒は皆そうするぞ」

 僕は、必死に歯を食いしばり、拳を力一杯握った。
 今怒りをぶつけるべきはこの人じゃない……普通を平等に与えない世界だ。
 
「今週中に提出しろよ」

 悔しさと怒りを噛み締めながら、僕は短く返事をした。


「さっきと何話してたんだ?」

 僕が席に戻ると、後ろの席の狡噛拓人こうがみたくととが話しかけてくる。
 オールバックで艶のある黒髪と、三白眼はさながら不良にしか見えないが、このナリでも成績優秀な男で、僕の親友だ。
 いや、悪友と言ったほうが正しいのかもしれない。
 拓人は、頭がいいくせにすぐカッとなる、特に友人のこととなるとだ。
 そんな人間だから大人からの評価は並、ただ僕はすごい信頼している。

「いや、なんでもないよ」

 僕がそう答えながら、席に座ると、後ろから耳打ちしてくる。

「隠すな、なんか言われたんだろ? 雰囲気で分かる」

 勝てないな……
 拓人は、よく見ている。

「いや、本当になんでもないよ。ただ進路に悩んで苛ついただけ」

 すると拓人は、前屈みの姿勢から勢いよく椅子の背もたれにもたれ掛かる。
 倒れるようなことはないが、ガタンと音がする。
 彼らなりのイラつきの解消方法だろう。
 多分、僕が何かを我慢していることを分かっているからこそ、先生に苛つき。
 また、それ以上踏み込めないことも分かって自分にも苛ついている。

「ねーねー、狡噛くぅん」

 僕から姿は見えないが、拓人が女子に話しかけられている。
 多分、話し方的に拓人にいつも言い寄る、姫島紀香ひめじまのりかだと言うことは分かった。
 彼女は、いつも甘えたような声で、拓人に話しかける。

「な、なんだよ、姫島……俺はバイトだから無理だぜ」
「えーいいじゃぁん」

 姫島さんは、校則ギリギリのちょっと暗めのブロンドに髪を染め、ばっちりメイクをしている。
 所謂、ギャルと言うやつだ、顔立ちも悪くないが少し……と言うか結構、馬鹿だ。
 だけど、男子の受けは悪くない、まあ、遊んでるように見えるからかもしれないけど、よく告白される。
 そんな、彼女の空の告白を、拓人はすでに数十回断っている。
 色々と理由は省くけど、姫島さんは拓人に一目惚れしたらしく、こうして空いた時間に拓人をデートに誘っている。
 まあ、拓人は見た目は怖いけど、文武両道の紳士で、すでに後輩にも慕われている男だ。
 僕とは違って。

「悪いけど、姫島の気持ちは嬉しいけど、俺はそういう浮いた話は、なしにしてんだ」
「まぁ、前も聞いたけどぉ」

 拓人も両親が居ない。
 小さい頃に、自殺している。
 頼る身内の無い拓人は家の生活費をバイトで稼いでいるのだが、拓人には一つ年下の妹と初学生の弟が二人いる。
 彼らの面倒を拓人は見ていてるので、時間がないのは本当だ。
 バイトもほぼ毎日休みなく入れて家のこともしている、いつ勉強してるのか教えてほしいぐらいだ。
 
「だからうちも手伝うって……」
 
 姫島さんは、急に小さくゴニョゴニョとなにかを言っていたが、よく聞こえなかった。

「つー訳だからよ悪いな姫島」
「う、うん……また来んね!」

 と言って、姫島さんは去っていったのだろう。
 後ろで、少しため息が聞こえた。
 僕が、話しかけようとすると始業のチャイムが鳴り響く。

「ほーら、授業を始めるぞ座れ―!」

 先生が入ってきて、授業が始まった。


 
 放課後、僕は教室で進路について悩んでいた。
 外では少し登場の早いセミが煩く鳴いている、まだ夏じゃないというのに……
 僕は理想とする未来について思いを馳せる、進学していい会社に入って、いい人と結婚して子供ができて、家族仲良く暮らしていくこと。
 その理想のために、最低限進学するだけの学力は付けてきたはずだった、それなのに僕の努力は教育者には伝わらなかった。
 それが悲しい。
 僕は、何処までいっても
 だから、僕の真相意識の中で、普通に激しく依存している。
 僕自信も分からないほどに。
 普通に固執している。
 普通のやつは、当たり前に友達が沢山いて、親友と呼べる友人が居て、教師にも信頼されてて、家族もちゃんといて、彼女とかもいて……

「ああ! くそっ!」

 誰も居ない教室で、力一杯机を叩く。
 バンっと乾いた音だけが響いて虚しさが帰ってくる。
 何してんだろう……
 僕は、進路希望の紙を鞄に押し込んで、教室から出る。
 まだ、今日は週の初めだ、もう少し悩もう……
 と思うのだが、、きっと自分が選んだ将来の理想を素直に書いて提出してるんだろうな……
 等と考えて、僕はまた自分のことが嫌いになる。
 普通のことができない自分が。

 ドンっ。

 教室の前で、誰かがぶつかって来る。
 僕は、突然のことでバタリと、床に寝転がった。
 結構な衝撃だったらしい。

「ごめんなさい」

 頭を少し上げると、女の子が屈んで座っていた。
 間近で見える、綺麗な足が僕の視線を釘付けにする。
 健康そうな太ももにそっと視線を移すと……

「……っ!」
 
 僕は慌てて立ち上がり、顔だけは女の子から反らす。

「だ、大丈夫だよ」

 誤魔化すように言葉を口に出す。
 女の子の下着を始めて見た……見てしまった……
 僕の心臓は激しく脈打ち、今にも飛び出しそうだった。
 顔も熱く、本当に火が出るかと思った。

「急いでいたの、ごめんなさい。田中くん」

 唐突に名前を呼ばれ、僕は女の子を見た。
 黒いポニテールがよく似合う、活発そうな女の子。
 大きな瞳に綺麗に手入れされた長いまつ毛、綺麗に通った鼻筋と、少し小さい鼻。
 唇はとても小さく、ピンク色が綺麗な艶をだしていた。
 真っ白い頬が、少し赤くなっているのは彼女が走っていたためだろう。
 少し、激しく上下する方と、呼吸音は何とも言えない心地よさを感じさせる。

「うっ!」

 僕は思わず、股を掴み、体を反らす。
 どうして名を?
 それを聞こうと思ったのに、強烈な女の子を見て、感じてしまったせいで僕の男性としての本能が理性を超えてしまう。
 僕の、傍から見れば情けない姿に、女の子は、変なの。と言い、続けて急いでるからごめんね、と言って立ち去ってしまった。
 駆け出す後ろ姿、ついついスカートに視線が移り、先程の光景を思い出してしまう。
 僕は、僕が嫌いだ。
 普通を求めるくせに、生理反応には嫌悪する。
 矛盾の塊だ。

「……帰ろう」

 僕は帰宅のために、歩を進める。



 自宅は、学校から近いアパートだ。
 アパートと言っても、最近流行りの家具付きのちょっと高めの部屋だが、学校から近いのと防音が気に入っている。
 基本は一人だから、周りの音がすごい気になってしまう。

「ただいま」

 誰も居ない、部屋に声をかけるが当然返事はない。
 少し寂しいなと思いつつ、返事あったらあったで怖いなと思う。
 僕は狭い六畳の机とパソコンしか置かれていない部屋の真ん中に鞄を置く。
 制服を脱ぎ、クローゼットにかけ部屋着に着替えると、台所の蛇口を捻り水を飲む。
 都会の水は。
 なんて言う人もいるが僕からすれば別に飲めない味じゃない。
 逆に、慣れてしまえばホッとする。

 父と住んでいた、一戸建ては、父が死んだ時に売りに出した。
 僕には、広すぎるし、手入れも大変だと思ったからだ。
 実際、僕はこの狭さですら、掃除をするのが億劫だ。
 しばらく、ボーっとしていたら、何時の間にか眠ってしまった。


 深夜、目が覚める。

「あれ?」

 開けたつもりの無い、窓が開いている。
 それどころか、差し込む日差しがキツイのでめったに開けない雨戸まで開いている。
 僕は、反射的に窓を閉める。

「誰かが開けたか……?」

 まさかな、ここは二階だ。
 しかも、男の部屋、金目のものなし。
 泥棒が入るにしても、選択肢にも上がらないような地雷だ。
 じゃあ、誰が?

「私ですよ。田中くん」

 僕は、突然の声にびっくりとする。
 だが、すぐに声の出どころを探して部屋を見回す。
 
「後ろです」

 また僕は驚いて尻もちを付く。
 目の前には、黒いカーディガンに折り込みの入った黒いミニスカートに、身の丈にあわないような大きさの鎌のようなものを肩に担ぐようにして持つ、ポニテールの女の子が居た。
 放課後、ぶつかった女の子だ。

「また、会いましたね。田中一郎くん」
「ど、どうして僕の名前を……?」

 僕は、他に聞くことがいくらでもあるのに、放課後聞けなかったことを聞いてしまう。
 すると、彼女は、ふふ、やっぱり面白いですね。と笑いながら答える。

「どうして?それに答えるとしたら、私が死神……だからですかね?」

 何を言ってるんだ?
 そういう設定の痛い人なのか?

「ああ! 絶対信じてない顔してる!」

 彼女はその風貌に似合わず、頬を膨らませて怒り出す。
 可愛いな。
 等と、考えている場合じゃなかった。
 今は、彼女が誰かじゃなくて、何故ここに居るかを問いたださなければならない。

「君は、何故ここに居るの?」
「死神が人の前に現れるときは……決まってますよね?」

 彼女は、ニヤリと歯を見せて笑う。
 
「死神って、人の魂を狩るんだっけ……?」
「正解でーす!」

 彼女は、拍手をしながら、ピンポンピンポーンと口に出す。
 意外と、ユーモアがあるんだな死神って。
 もっと堅いイメージだった。

「死神も時代のニーズに合わせないと、お役目御免しちゃうんですよ」
「え、今……」
 
 今、僕の心を読んだのか?

「ええ、そうです。死神は腐っても神様です! 人の心を読み取るなんて造作も無いのです!」

 彼女は、腰に手を当て、エッヘンと胸を張ってみせる。
 まあ、そこには壁しか無いのだが。

「ぶべっ」

 鎌の尻の部分で、頬を叩かれる。
 ぶ、ぶったね……

「ネタが古いですよ……さてお喋りが長くなってしまいました」

 彼女はゴホンとわざとらしく咳払いをする。

「田中一郎さん、あなたは本日を持って死にます。その魂は冥界へと運ばれ、正しい審判のもと、転生か贖罪か決まります」

 よろしいですか? と最後に可愛く聞いてきたが、なにもよろしくない。

「ま、待ってくれ、なんで僕なんだ」
「うーん、なんでと言われましても、決まってるんですよね。死ぬって。私の仕事は魂を運ぶだけなので……」

 納得ができない、そもそもまだ僕は生きている。

「いえ、死にます。原因は何であれそれは絶対です。だから先に殺します。次が控えてますので」

 彼女は、ニッコリと笑い。
 鎌を僕の首に添える。
 冷たい刃の温度が首元に感じられる。

「痛みはないです。一瞬なので」

 ああ、最後ぐらい普通に死にたかった。
 なんだよ死神って!
 訳分かんないよ……

「ごめんなさいね、でも、さよならー」

 僕は、死を覚悟した。
 でも死んでなかった。

「あれ、あれ?」
 
 僕の体を何度も鎌が行き来するが、僕は死なない。
 それどころか、鎌は僕をすり抜けている。

「こ、こんなことは初めてです……どうしよう、このままじゃ閻魔様に怒られるぅう!」

 彼女は、突然、床に伏せて泣き始めてしまった。
 こ、こんなときはどうすれば……
 あ、そうだ、前に拓人に見せてもらったモ・テ・本・に書かれていたことを思い出す。
 僕は、彼女に近づき、肩をポンっと叩く。
 彼女は、僕の顔を見上げてくる。

「どうしたん? 話しきこうか? ってかSNSやってる?」

 一瞬で空気が凍りつく。
 そして沈黙。
 脳が、失敗したと告げてくる。

「……やっぱり、面白いですね。田中くんは」

 彼女は泣くのをやめて、立ち上がると僕を真っ直ぐ見据える。

「私は、東雲紫しののめゆかり。死神です。不束か者ですがこれからもよろしくお願いします」

 と言って頭を下げ、腰を四十五度にしっかりと曲げている。
 え、どういうこと?

「私は、今日から田中くんの伴侶です」

 彼女は、あっけらかんに言う。
 それってもっと大事になことなんじゃ……
 
 こうして、僕の日常に、非日常が攻めてきた。
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