蠱毒の贄は夢を見る

庭坂なお

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32話

鏡花が宙を舞う。踊る黒髪に小玖哉の投擲とうてきした槍が掠めた。槍に髪が散るのも気にせず、鏡花は影から巨大な棘の数々を生み出して小玖哉に襲いかかる。小玖哉は地面から盛り上がった土を大斧に変え、それを横に薙いで棘を砕いた。大斧を構え、影から引き抜いた漆黒の槍を持って突進してくる鏡花を迎え撃つ。土の大斧と影の槍が激しい音と火花を散らして交差し、周囲に衝撃波が広がった。ギリギリと鍔迫つばぜいで互いの力量を測り合う。

「貴女も夏生なつおを愛しているの?」
「僕が愛しているのは左京君だけだよ」
「そう。なら同情しなくてもよさそうね」

笑う鏡花の背後で影が揺らめき、触手のように影が浮き出る。影は先端を尖らせて小玖哉を追撃する。小玖哉は槍を弾いて後ろへ退き影を回避した。しかし影は小玖哉を追尾してうねる。バックステップで躱す小玖哉が足をぐっと踏み込むと、地面が隆起して影を防いだ。土の壁から武具が突出し、鏡花の方へ射出された。それを槍で軽々と払うと、鏡花は槍を投擲とうてきする。土の壁に刺さったそれは貫通し、小玖哉の眼前でその勢いが止められた。

「僕、身重みおもの身体なんだけどな」
「関係ないわ。だって、夏生が『殺したい』って言ったんだもの」

槍が霧散し、鏡花は新たに影から刀を抜き取る。壁がぼろぼろと崩れて姿を垣間見せた小玖哉に、鏡花は冷たい視線を向ける。小玖哉もまた土の槍を手に温度の低い視線を向けた。

妖力と神力を色濃く纏う2人の応酬に、七緒は目眩がした。神力とは神の力。人間がそれを長時間当てられ続ければ、肉体的にも精神的にも負担となり影響を受けやすくなる。七緒が倒れれば鏡花を制御出来なくなり、彼女は狂気のまま殺戮を繰り返すだろう。それはなんとしても阻止しなければならなかった。
式神や祓術を使って鏡花を援護したいが、神力を前にすればそれらは焼け石に水だろう。もしくは神力に掻き消されてしまうかもしれない。そう考えると貴重な珠玉の祓札を無駄に使うわけにはいかない。
七緒は常に霊力で鏡花の衝動を抑えなければならず、集中力や精神的負担を強いられた。衝動を抑えてもあの調子なのだから、解き放たれた鏡花を考えることはなるべくしたくない。おそらく、七緒が止めてもこの家の人間や妖を皆殺しにするだろう。

「まあ、君は愛する人間と子供を作れないようだけどね?ご愁傷さま。可哀想だね。でも、嫉妬は程々にね?」

小玖哉のその言葉に、七緒の心臓が一瞬止まった。鏡花の纏う殺気が更に膨らみ、質量を持ったかのようにその場を支配したからだ。挑発にいとも容易く乗った鏡花の気配に、霊力がごっそり持っていかれるのを感じた。霊力が、満たされた水瓶の底を割り砕いたかのようにみるみるうちに消費されていく。比例して鏡花の妖力と神力が増幅していき、七緒は立っていられなくなってしまう。並みの使役屋なら気絶していたことだろう。そこで意識を保っていられたのは、ひとえに七緒の才能と精神力によるものだった。使役屋の霊力はいわば手綱。それを死んでも離すものかと、蹲る七緒は奥歯を噛み締めた。

「……ええ、私は夏生と子供を成せないわ」

鏡花の声は底冷えするような怒気をはらんでいた。地面に膝をついた七緒は目眩で前後不覚になりながらも鏡花を見る。目を離してはいけない。目を離した瞬間に鏡花が暴走してしまう予感がした。

「それをあわれまれるのが許せない」

ぶわっと影が立体的に広がる。影は無数の武具となり、それを影の手腕が携えて構える。まるで千手観音のような出で立ちだが、武具を構えるそれは阿修羅にも見えた。

「死になさい」

鏡花が刀を手に小玖哉へ突進する。振るわれた刀を小玖哉が躱すと、鏡花の背後の武具がそれを追撃する。土の壁や槍でそれをいなし、受け流すが、影の切っ先は的確に小玖哉の身体を掠め、裂いていく。そのうちの1本が腹部に向かって一直線に向かい来るのを視認し、小玖哉はそれを素手で掴み留めた。そこに意識を向けた小玖哉に、次々と影の刃が突き刺さっていく。

「ぐ、あ……っ」

腹部には刺さらなかったものの、胸部や四肢、頬に刺さる影に、小玖哉は痛みで喘ぐ。影に刺され縫い止められた小玖哉は動けぬまま鏡花を睨む。ぼたぼたと小玖哉の足元に血が流れ落ち、赤黒い海が広がっていく。

「赤子だけは守ろうって気概は良いと思うわ。だけど、貴女は死ぬの。だから守ったって意味無いわよ」
「この子は、左京君との、愛の……結晶なんだ……っ、だから、絶対に、守る……!」
「そう。遺言はそれでいい?」

鏡花は小玖哉の首にひたりと刃を添える。刃と同じ冷たく非人道的な光を灯す鏡花の瞳。それをまっすぐと見据えて小玖哉は答える。

「こんなところで、死ねないよ」

瞬間、何かを察知した鏡花が後ろに飛び退く。が、それよりも早くうごめいたのは小玖哉の足元に広がった血だった。鏡花の方へ血で出来た棘を無数に射出し、彼女の肢体に突き刺さる。刺さった棘は液体に戻ってじわりと鏡花の体内に滲み入る。

「……っ」

鏡花はその危険性に本能的な勘で気づくも、身体に染み込んだ小玖哉の血液をどうすることも出来ず、次の手に迷う。その一瞬の躊躇いを縫うように、小玖哉は血を纏わせた拳で鏡花の頬を殴り抜いた。

「ぐ……っ」

鏡花は七緒のところまで吹き飛ばされ、ふわりと宙返りして体勢を整えると、ぺッと血の混じった唾液を吐き出した。その目は憎悪と怒りが混じって燃えていた。

「痛いじゃないの」

鏡花が目を見開いて笑みを浮かべる。標的ターゲットを確実に殺すことだけを考えている瞳だ。ずる、ずるる、と音を立てて影から再び武具を手にした手腕が無数に生えていく。殺気が増し増しているが、それが全てではないという気配がある。まるで細身の鏡花の中の更なる殺気が、質量を持って膨らんで解き放たれるのを待っているかのようだ。
そんな彼女の身体が突然強ばった。

「が……っ!?」

彼女の身体中が内から焦がされるような激痛に襲われた。指先、爪先、心臓に至るまで、全身が焼かれているようだ。じゅぅ、と殴られた頬が焼けただれ、皮膚が赤黒くなっていく。

「なによ、これ……!?」
「僕の血は毒なんだよ。憎たらしいけど父親譲りでね。神だろうが妖だろうがその毒に侵されれば苦痛に悶え苦しむことになる。いずれは死ぬけど……まだ量は足りないかな」

地面に広がる血をぴちゃぴちゃと爪先で弄びながら、小玖哉が笑う。血が集結し、一太刀の刀となって小玖哉はそれを手に取る。
鏡花は全身に毒と呼ばれた小玖哉の血が巡るのを苦痛とともに感じながら、唇を噛む。血管に硫酸を流し込まれたような酷い痛み……毛細血管に至るまで注ぎ込まれたような痛みだ。激痛で影のコントロールがままならない。鏡花の影から伸びた複数の武具が、どろりと溶けていく。

「腹が立つわ……!」
「それは自分の無力さ故にかな?惚れた相手の望みも叶えられない力量しかないなら、いっそ舌を噛みちぎって死ねばいいのに」
「そういうところよ!」

影が再び輪郭を取り戻し、小玖哉に襲いかかる。前後左右、そして上からの影の襲来に、小玖哉は涼し気な笑みのまま刀を振るった。振るった軌跡が血の皮膜となって小玖哉を覆い隠し、そこに影が次々と刺さっていく。ガキン、と硬い音がした。影は血に阻まれた。血が液体に戻っていき、影の先端から赤黒く染めていく。影を侵食しているのだと気づいた鏡花が影を引っ込めようとするが───

「君の武器、使い物にならなくなったね」

影ほぼろぼろと脆く崩れ落ちていき、地面に浸透して消えた。その瞬間、ドクン、と鏡花の心臓が一際大きく脈打ち、今までの痛みが前座だったかのように更に激しい痛みが彼女を襲う。

「あ、あ゙ぁ、あああ……!!」

鏡花が膝をついて喘ぐ。身体を掻きむしって毒を絞り出したいほどに強く己の身体を抱きしめながら、彼女は痛みに思考が塗りつぶされる。
小玖哉は言った───『いずれは死ぬ』と。
その気配は確かにある。鬼神である自分の核が、毒に侵され、腐り落ちる気配が。だが、それは今ではない。今ではいけないのだ。
鏡花は苦痛に耐えて立ち上がる。一歩一歩、ゆっくりと重々しく七緒に近づいていく。足が地面を踏みしめる度に、剣山に足をつけたかのような激痛が走る。それでも鏡花は歩みを止めない。
その先には愛する人がいるから。
その人に問わねばならないから。
七緒は汗でぐっしょりと濡れた蒼白い顔で鏡花をまっすぐ見ていた。呼吸すら自身を苦しめるような状態で、彼もまた戦っている。鏡花の預かり知らぬ、何かとせめぎ合っている。彼と共に戦っているのだと思うと、鏡花はそれだけで心震えた。
七緒の傍で膝をつき、そっとその濡れた頬に片手で触れる。触れた手すら毒されていて、頬に触れた瞬間に雷に打たれたような痛みが襲うが、七緒に触れて得た痛みなら本望だ。

「ねぇ……夏生。私、死んじゃうかもしれないの。この毒、本当に私にも効くみたい」
「それは、嫌だなぁ……鏡花に死んでほしくないなぁ」
「ふふ、嬉しい。ねぇ、夏生は私を愛してる?」
「愛しているよ」
「一番に愛してくれてる?」
「…………一番ではないかな」
「…………そう」

鏡花は困ったように笑った。子供のワガママを聞くような母親のような面持ちで。恋人のイタズラを困惑しつつも受け入れる少女のような表情で。
そして、鏡花はそっと七緒の唇に自分の唇を重ねた。触れるだけのキス。どれくらいそうしていただろうか。数秒だったかもしれないし、何分もしていたかもしれない。お互い、そんな曖昧な脳の状態でキスを交わし、離すと顔を見合せて笑った。

「ねぇ、どうせ死ぬなら、私、夏生の大事なものが欲しい。もしそれをくれるのなら、私は死んでもアイツを殺すわ」
「ダメだよ。鏡花はまだ死んじゃいけない。オレを看取ってくれるんでしょ?」
「ふふ……そんな昔の約束、まだ覚えていたのね?」
「当然さ。おじさんになっちゃったけど、約束だけは忘れないよ」
「嬉しいわ」

鏡花は両手で七緒の両頬を包み込み、こつん、と額を合わせた。近い呼吸は浅くて苦しげで……でもそれさえも愛しい。
七緒は満足そうな鏡花に呆れたように笑う。
こんな自分を愛してくれるなんて、と思う反面、それが愛しく思える。

「鏡花。オレの大事なものをあげる。世界でたったふたつしかない、大切なものだよ。それをオレと鏡花、2人だけで持とう」
「そんな素敵なものをくれるの?ふふ、どんなものかしら?」

嬉々とした子供のような鏡花に、七緒が笑って答える。

「オレの、片目をあげる」

鏡花の目が瞬く。一瞬全ての苦痛が引いたかのような感覚におちいった。それほどまでにその提案は鏡花をときめかせた。この世にたったふたつしかない、七緒の眼球。それをひとつ、鏡花に差し出すと言うのだから、鏡花の胸の高鳴りは計り知れない。

「……本当?」
「本当だよ。オレの片目をあげる。だから、鏡花は死んじゃいけないよ、約束だ」
「…………嗚呼ああ、ダメ。そんなこと言われたら、私、本当に死ねなくなっちゃう。ねぇ、夏生、今ならまだ引き返せるわ。撤回して。私、本当にもらってしまうわ」
「いいよ。あげる。2人だけの宝物だよ。だから、死なないで」

一使役妖いちしえきあやかしにここまでするとは何事だ、と父が生きていたら罵られたことだろう。使役妖とは道具であり、使い捨てである、と教わってきた。だが、七緒は非凡なる才能と霊力を持っていながら、ついぞその教えを受け入れることはなかった。妖と共に生きてきた。それは主従であり絆であって、消費者と消耗品ではないのだ。

「ふ、ふ……ふふふ…………」

鏡花が俯いて笑みをこぼす。その笑みは次第に大きくなっていき、彼女の感情の奔流を表すようだった。

「あはははは!私と、夏生の……2人だけの宝物だなんて……私、私……嗚呼、ダメ、私、幸せすぎてどうにかなってしまいそう!鈴雪とやらも持っていない、夏生の眼球が私のものになるなんて……!」

笑って、笑って、涙を流して歓喜する。もう毒の苦しみは彼女には無い。実際はあるのだが、彼女はもうそれを知覚しないでいた。
彼女は狂ったように笑いながら七緒の右目に指を突っ込む。ぐぢゅ、と嫌な音がして、七緒の眼窩がんかから眼球を抜き出した。ピンポン球より少し小ぶりな球体を陽にかざして透かすように見る。
どんな金銀財宝より輝かしく見えた。
どんな絹織物よりも美しく見えた。
どんな神々よりも尊く見えた。
そんな宝物を、鏡花は優しく両手で包み込み、振り向いた。そこには刀を持ったまま様子を見守っていた小玖哉の姿。鏡花は笑う。愛する人との子を身ごもった彼女より、自分の方が幸せ者だと誇るように、にっこりと。

「嗚呼……嗚呼、嗚呼、嗚呼!私は生きるわ!夏生との約束だもの!こんな素敵な宝物をもらえて、死ねるはずないじゃない!」

再びゆらりと影が起き上がる。影が寄せ集まり、1箇所に妖力とあるだけ全部の・・・・・・・神力をそこに収束させる。収束、圧縮された妖力と神力は黒い光となり、徐々に濃縮されていく。熱量、存在感を増し増していくそれを目の当たりにし、小玖哉は冷や汗を流す。
あれはレーザービームのようなものだ、と。
妖力と神力をそこに集約し、圧縮されたそれを解き放てば、神々と言えどもその存在の証明が難しくなるだろう。

「鬼火!」

小玖哉は鬼火を喚ぶと、そこに神力を注ぎ込み、超硬質化するよう性質を変化させる。巨大化した超硬質な鬼火が小玖哉と鏡花の間に立ち塞がった。そして小玖哉自身、土壁と血液を凝固させた障壁の二重防壁を張る。それでも足りないと、土壁と血壁に神力を与え、その性質、質量をダイヤモンド並みに変化させる。

ドッ、と収束していた妖力と神力が解き放たれる。地面を抉り、木々を倒し、周囲の何もかもを破壊して一直線に小玖哉へと放たれた。鬼火はその熱量に一瞬にして消し飛んだ。土壁も血壁も光の中に消えていき───小玖哉の背後の森が直線上に消え去った。濃い土煙が晴れたときには、地面を抉り取った直線上の跡以外、何も残ってはいなかった───





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