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残り後4日
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朝、ツカサが目を覚ますと、すでにタケルは隣にはいなかった。
ぼんやりとした目をこすりながら、上半身を起こし、タケルを探す。
タケルは大人たちの映った映像を見ていた。
「タケルくん、おはよう!」
ツカサは声をかける。
その声に振り返ったつもりが、タケルは勢いよく首が回りすぎてしまったようで、首が90度回ってそこで動きを止めた。
「――あぁ、またやってしまった。ツカサくん、お願いがあります。私の首、直してください」
タケルが困惑した様子で言う。
――プッ。あははは。
ツカサのその大きな笑い声で、眠っていた子供たちが目を覚ます。
「どうしたの?どうしたの?」
子供たちが集まってくる。
「だってーこれみてよ。可笑しくなっちゃってさー」
ツカサが指差した方を、子供たちが見ると、そこにはクビの位置がおかしいタケルがいた。
僕らには到底マネ出来ないが、タケルのクビは真後ろで止まっている。
「面白がってないで、私のクビ、元に戻してくださいーー」
震える声でタケルが言う。
「あぁ、ゴメンゴメン。どうやって治せばいいの?」
「私のクビをゆっくりと右に回してください」
――わかった。僕、やってみる!
ツカサは覚悟を決めたように、小さな手をタケルのクビに乗せる。
ゆっくりとそのクビを回そうとした時、タケルが言った。
「――ちょっと待ってください。ツカサくん、そっちは……左です。そっちに回したら私のクビが取れてしまいます」
「取れちゃうって、タケルくんのクビ、ネジみたい」
そう言ったのは、村田俊哉だ。
「ほんとほんと」
子供たちが大爆笑している。
タケルが不機嫌そうに、子供たちを睨んだ。
「わかったよ!タケルくん、クビ治そうね」
ツカサがタケルのクビに手を乗せる。
そしてゆっくりと……今度は右側に回していく。
カタカタというような音を立てながら、タケルのクビが元に戻っていく。
「ツカサくん、治してくれてありがとう」
ようやくタケルのクビが治り、この実験は残すところ後4日になった。
そんな朝だ。
液晶の向こう側で、新たに一人。家から出てきた人物がいる。
「ーーあ、、お母さん」
そうぼやいたのは、俊哉だった。
「俊哉くんのお母さんも出てきたね。。」
液晶の向こう側で、俊哉くんのお母さんがぼやいている。
「......俊哉......トシヤ......どこに行ったの?」
相当やつれている。
俊哉くんのお母さんは、未だに戻らない俊哉を心配して、眠れていないのかも知れなかった。
「ーーお母さん、、僕、ここにいるよ」
液晶の画面に向かって、俊哉が言う。
届くはずのない声であると分かっているはずなのに――。
「お母さん、、僕は大丈夫だよ」
俊哉の目から頬にかけて、生温かい滴が滴り落ちた。
恐らくこれは涙だろう。
俊哉は両目から、頬にかけて流れる涙を手で拭った。
「ーー俊哉くん、お母さんに相当愛されてるんだね。。こんな状況なのに。」
司が言った。
ーーそう言えば、僕のお母さんはどうしてるんだろう?あれから姿も見かけない。
※倒れた母
俊哉の母親らしき女は、今にも倒れてしまいそうなほど、細身の体で、フラフラと歩いている。
彼女の歩いていく先には、クマの群れがあった。クマは座り込んでいる。
ーークマは...肉食動物...だったかな?
不意にそんな事を思った。
肉食動物だったら、間違いなく彼女の存在はエサでしかないだろう。だが、クマはまだエサの存在に気づいていないようだ。
そんな時、もう一人の女性が家から出てくるのを、液晶画面が捉えた。
ーーこれってもしかして、、??
今出てきたばかりの女性がその場に倒れ込んだ。
「ーーお、、お母さん?」
司が言った。
突然、母親が目の前で倒れたそのショックで司の体が小刻みに震え始める。
「ーータケル君、これは幻覚なの??僕、お母さんが心配だよ!!」
今にもタケルの胸を掴みかかりそうな勢いで司が言った。
「ーーこれは、、」
次の言葉を待ちながら、生唾を飲み込む。
ツカサには、とても長い時間に感じられた。実際にはそんなに長くない時間だったのかも知れない。
僕はタケルの返事を待つ。
ーーこれは、現実です。
※大人の世界に
ーーえ??
――現実?
戸惑いを隠せないまま、ツカサはタケルの腕をつかんで言った。
「僕をお母さんのところに連れていってよ!僕、お母さんが心配だよ!!お願い」
「――ふぅ。しょうがないですね!行きましょう!!」
「ーーちょっと僕、行ってくるね」
子供たちにそう告げると、勢い良く司とタケルは走り出す。
島のようになっているが子供たちを集めたこの場所からツカサの家までは、徒歩でも五分くらいらしい。
ーーまだお母さんを助けられる。
タケルの手をとって、家まで全速力で走っていく。
ぜぇ。。はぁ。。ぜぇ。。はぁ。。
家に着いた時、司は息を切らしていた。久しぶりに全速力で走った気がした。
そんな中、タケルは平然としている。
あの時の映像を思い出す。
母は玄関を出てすぐ倒れたはずだ。
あたりを見渡すと、目の前で母が横たわっていた。緊急時の対処法はいつも、耳にタコが出来るほど、教えられていた。
ーー慌てるな。
ーー救急車の呼び方は……110番?
110番に電話すると、相手は警察だと言う。
ーーどうしよう?
「ーーすいません。救急車呼ぼうと思ったんですけど、間違えて電話しちゃいました。ちなみに救急車は何番ですか?」
「ーー間違えたって……?あはははっ。。」
対応した警察官が大声で笑っている。
ーー失礼な!!
そんなとこで、憤慨してる場合じゃないのは分かっているが、どうにも腹ただしい。。
「救急車は119番です。そちらにおかけください」
真面目な口調ではあるが、まだ電話が繋がっている状況で、まだ大笑いをしている。
対応した人が、大笑いさえしなければ……。
司は親切な対応だと思ったはずなのに。
ーーやっぱりムカツク。
その悔しさでツカサは涙を浮かべた。
※命がかかってるのに
何とか119番に電話をして、状況を説明すると、受話器の向こう側の人(救急車の手配をしている人だろう)も「女性が倒れたらしいよ?」と言って大笑いしている。
人の命がかかってるのに、一体何がおかしいのか。
そう思った。
だが、あろうことか、僕もまた両方(警察と救急)の対応の悪さがおかしくなってきた。
あっはははははは。
「こんな世の中はおかしいよ」
そんな言葉をぼやきながら、司は腹を抱えて笑っている。
彼の言葉と行動が、まったく噛み合っていない。とても矛盾しているのはわかっていた。
お父さんが、笑ってたのはーーこれでだ。
何でかわからないが、とんでもなく面白い。
お腹を抱えて笑ってしまう。
ーーはっ。
司は不意に我に帰った。
ーーお母さん。。お母さんは??
「ーー司、帰ってきたのね。お帰りなさい」
母は苦しそうな顔で、僕の頬を優しく撫でた。何もなければ、ずっとそうしていて欲しいが、今はそんな事をしてる場合じゃない。
ーー僕がお母さんを助けなくちゃ。
救急車を呼んでいたおかげで、程なくして救急車が到着した。
※一つの顔の中に二つの表情
救急車から担架を担ぎ出した救急隊員が聞く。
「ーー患者さんは??」
彼らは今にも笑いそうに口元を歪めながら、
真面目な顔をしている。
腹の中では笑っているだろう事が、見て取れるようだった。
一つの顔の中に「真面目さ」と「笑い」が混同している。。
それが僕には、とてもおかしく思えた。
「ーーここです」
横たわっている母の方に指を指す。
「真面目さ」と「笑い」を混同したまま
ーーバイタルは?
救急隊員は最初から、だいぶイビツな表情をしている。が、ちゃんとバイタル?を計ってくれているのだろうか?
少し心配になる。
真面目な事を言ってても、真面目と笑いが混同したようなこの顔でやっているからだろうが、、手抜きをしていそうで怖かった。
ぼんやりとした目をこすりながら、上半身を起こし、タケルを探す。
タケルは大人たちの映った映像を見ていた。
「タケルくん、おはよう!」
ツカサは声をかける。
その声に振り返ったつもりが、タケルは勢いよく首が回りすぎてしまったようで、首が90度回ってそこで動きを止めた。
「――あぁ、またやってしまった。ツカサくん、お願いがあります。私の首、直してください」
タケルが困惑した様子で言う。
――プッ。あははは。
ツカサのその大きな笑い声で、眠っていた子供たちが目を覚ます。
「どうしたの?どうしたの?」
子供たちが集まってくる。
「だってーこれみてよ。可笑しくなっちゃってさー」
ツカサが指差した方を、子供たちが見ると、そこにはクビの位置がおかしいタケルがいた。
僕らには到底マネ出来ないが、タケルのクビは真後ろで止まっている。
「面白がってないで、私のクビ、元に戻してくださいーー」
震える声でタケルが言う。
「あぁ、ゴメンゴメン。どうやって治せばいいの?」
「私のクビをゆっくりと右に回してください」
――わかった。僕、やってみる!
ツカサは覚悟を決めたように、小さな手をタケルのクビに乗せる。
ゆっくりとそのクビを回そうとした時、タケルが言った。
「――ちょっと待ってください。ツカサくん、そっちは……左です。そっちに回したら私のクビが取れてしまいます」
「取れちゃうって、タケルくんのクビ、ネジみたい」
そう言ったのは、村田俊哉だ。
「ほんとほんと」
子供たちが大爆笑している。
タケルが不機嫌そうに、子供たちを睨んだ。
「わかったよ!タケルくん、クビ治そうね」
ツカサがタケルのクビに手を乗せる。
そしてゆっくりと……今度は右側に回していく。
カタカタというような音を立てながら、タケルのクビが元に戻っていく。
「ツカサくん、治してくれてありがとう」
ようやくタケルのクビが治り、この実験は残すところ後4日になった。
そんな朝だ。
液晶の向こう側で、新たに一人。家から出てきた人物がいる。
「ーーあ、、お母さん」
そうぼやいたのは、俊哉だった。
「俊哉くんのお母さんも出てきたね。。」
液晶の向こう側で、俊哉くんのお母さんがぼやいている。
「......俊哉......トシヤ......どこに行ったの?」
相当やつれている。
俊哉くんのお母さんは、未だに戻らない俊哉を心配して、眠れていないのかも知れなかった。
「ーーお母さん、、僕、ここにいるよ」
液晶の画面に向かって、俊哉が言う。
届くはずのない声であると分かっているはずなのに――。
「お母さん、、僕は大丈夫だよ」
俊哉の目から頬にかけて、生温かい滴が滴り落ちた。
恐らくこれは涙だろう。
俊哉は両目から、頬にかけて流れる涙を手で拭った。
「ーー俊哉くん、お母さんに相当愛されてるんだね。。こんな状況なのに。」
司が言った。
ーーそう言えば、僕のお母さんはどうしてるんだろう?あれから姿も見かけない。
※倒れた母
俊哉の母親らしき女は、今にも倒れてしまいそうなほど、細身の体で、フラフラと歩いている。
彼女の歩いていく先には、クマの群れがあった。クマは座り込んでいる。
ーークマは...肉食動物...だったかな?
不意にそんな事を思った。
肉食動物だったら、間違いなく彼女の存在はエサでしかないだろう。だが、クマはまだエサの存在に気づいていないようだ。
そんな時、もう一人の女性が家から出てくるのを、液晶画面が捉えた。
ーーこれってもしかして、、??
今出てきたばかりの女性がその場に倒れ込んだ。
「ーーお、、お母さん?」
司が言った。
突然、母親が目の前で倒れたそのショックで司の体が小刻みに震え始める。
「ーータケル君、これは幻覚なの??僕、お母さんが心配だよ!!」
今にもタケルの胸を掴みかかりそうな勢いで司が言った。
「ーーこれは、、」
次の言葉を待ちながら、生唾を飲み込む。
ツカサには、とても長い時間に感じられた。実際にはそんなに長くない時間だったのかも知れない。
僕はタケルの返事を待つ。
ーーこれは、現実です。
※大人の世界に
ーーえ??
――現実?
戸惑いを隠せないまま、ツカサはタケルの腕をつかんで言った。
「僕をお母さんのところに連れていってよ!僕、お母さんが心配だよ!!お願い」
「――ふぅ。しょうがないですね!行きましょう!!」
「ーーちょっと僕、行ってくるね」
子供たちにそう告げると、勢い良く司とタケルは走り出す。
島のようになっているが子供たちを集めたこの場所からツカサの家までは、徒歩でも五分くらいらしい。
ーーまだお母さんを助けられる。
タケルの手をとって、家まで全速力で走っていく。
ぜぇ。。はぁ。。ぜぇ。。はぁ。。
家に着いた時、司は息を切らしていた。久しぶりに全速力で走った気がした。
そんな中、タケルは平然としている。
あの時の映像を思い出す。
母は玄関を出てすぐ倒れたはずだ。
あたりを見渡すと、目の前で母が横たわっていた。緊急時の対処法はいつも、耳にタコが出来るほど、教えられていた。
ーー慌てるな。
ーー救急車の呼び方は……110番?
110番に電話すると、相手は警察だと言う。
ーーどうしよう?
「ーーすいません。救急車呼ぼうと思ったんですけど、間違えて電話しちゃいました。ちなみに救急車は何番ですか?」
「ーー間違えたって……?あはははっ。。」
対応した警察官が大声で笑っている。
ーー失礼な!!
そんなとこで、憤慨してる場合じゃないのは分かっているが、どうにも腹ただしい。。
「救急車は119番です。そちらにおかけください」
真面目な口調ではあるが、まだ電話が繋がっている状況で、まだ大笑いをしている。
対応した人が、大笑いさえしなければ……。
司は親切な対応だと思ったはずなのに。
ーーやっぱりムカツク。
その悔しさでツカサは涙を浮かべた。
※命がかかってるのに
何とか119番に電話をして、状況を説明すると、受話器の向こう側の人(救急車の手配をしている人だろう)も「女性が倒れたらしいよ?」と言って大笑いしている。
人の命がかかってるのに、一体何がおかしいのか。
そう思った。
だが、あろうことか、僕もまた両方(警察と救急)の対応の悪さがおかしくなってきた。
あっはははははは。
「こんな世の中はおかしいよ」
そんな言葉をぼやきながら、司は腹を抱えて笑っている。
彼の言葉と行動が、まったく噛み合っていない。とても矛盾しているのはわかっていた。
お父さんが、笑ってたのはーーこれでだ。
何でかわからないが、とんでもなく面白い。
お腹を抱えて笑ってしまう。
ーーはっ。
司は不意に我に帰った。
ーーお母さん。。お母さんは??
「ーー司、帰ってきたのね。お帰りなさい」
母は苦しそうな顔で、僕の頬を優しく撫でた。何もなければ、ずっとそうしていて欲しいが、今はそんな事をしてる場合じゃない。
ーー僕がお母さんを助けなくちゃ。
救急車を呼んでいたおかげで、程なくして救急車が到着した。
※一つの顔の中に二つの表情
救急車から担架を担ぎ出した救急隊員が聞く。
「ーー患者さんは??」
彼らは今にも笑いそうに口元を歪めながら、
真面目な顔をしている。
腹の中では笑っているだろう事が、見て取れるようだった。
一つの顔の中に「真面目さ」と「笑い」が混同している。。
それが僕には、とてもおかしく思えた。
「ーーここです」
横たわっている母の方に指を指す。
「真面目さ」と「笑い」を混同したまま
ーーバイタルは?
救急隊員は最初から、だいぶイビツな表情をしている。が、ちゃんとバイタル?を計ってくれているのだろうか?
少し心配になる。
真面目な事を言ってても、真面目と笑いが混同したようなこの顔でやっているからだろうが、、手抜きをしていそうで怖かった。
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