3 / 4
3
しおりを挟む
ショーケースにところ狭しと並べられたきらきらと輝く宝石みたいなケーキたち。
定番の苺のショートケーキに艶やかなチョコレートケーキ。ふわふわロールケーキにカスタードクリームたっぷりのシュークリーム。季節の果物をふんだんに使ったゼリーや卵が濃厚なプリンなど。一つ一つ挙げていたら両手では足りない。何十種類とあるスイーツを前に奈子の幸せと興奮はMAXを迎えていた。
お菓子が三度の飯より大好きで、寝ても覚めてもお菓子のことを考えている奈子にとって、この場所は天国そのもの。
お菓子といっても本当にいっぱいありすぎて、一言では語れないが。
今日は近所(自転車で15分の所)にオープンした話題の洋菓子店に足を運んでいた。
休みの日は家で過ごすがモットーの奈子だが、前々から気になっていた店ゆえに、頑張って自転車をこいで来たのだ。
ケーキたちが買って買ってと言っているように見える。
(ああ~どうしよう!決まらない~~)
ショーケースの前で苦悶していると、少し苦笑いした店員さんの顔が見える。心の中で待たせてごめんなさい!と謝るものの、簡単には一つに決められない……。
でも待てよ!と、ふとあることを思いついた。
この店にはカフェスペースがある。そこでケーキを食べて、あと一つはテイクアウトすればいいんだ。無理に一つに決めなくていいんだ!と、ナイスアイデアのように店員さんにドヤ顔を向ける奈子。
誰でも考え付きそうなことだが、本人が満足ならそれでいい。そっとしておいてあげよう。
そんな周囲の生温かい笑みに、気づかないのは本人ばかりなりである。
「おいしい!!」
カフェスペースで食べるのは定番の苺のショートケーキと飲み物はアイスコーヒー。いつもはストレートのアイスティを飲む奈子だが、今日は気分を変えてアイスコーヒーにした。
コーヒーの苦味と生クリームの甘さがとても合う。クリームは甘いといってもしつこくなくて上品な味だ。スポンジはふわふわで食感もよく、苺の酸味も程よく口の中に広がり、奈子はついついおいしいを連発してしまう。
こんなおいしいケーキが食べられるなんて、自転車で15分かけて来た甲斐があったというもの。ケーキを頬張りながら奈子はうんうんと何度も頷いた。
そして食べながら考えるのはテイクアウトするケーキのこと。本当は全種類買って帰りたいが、今のお財布事情では無理がある。財布事情がなくてもさすがに全種類は無理だが……。
今日は2つまでにしておくか……奈子はガックリ肩を落とした。
「シュークリーム2つください!持ち帰りで」
悩んだ末にシュークリームにしたのは母親が好きだから。あと一つはもちろん自分が食べる為。
ドライアイスを多めに入れて貰い帰りはこれで安心だ。と奈子は自転車を走らせた。
(今日の私は機嫌が良い、たまには甘いものでも買ってってあげよう~~むふ)
おいしいケーキに心も胃袋も満たされた奈子の帰り道は幸せなものになった。
自転車の籠の中でシュークリームの入った袋が静かに揺れていた。
定番の苺のショートケーキに艶やかなチョコレートケーキ。ふわふわロールケーキにカスタードクリームたっぷりのシュークリーム。季節の果物をふんだんに使ったゼリーや卵が濃厚なプリンなど。一つ一つ挙げていたら両手では足りない。何十種類とあるスイーツを前に奈子の幸せと興奮はMAXを迎えていた。
お菓子が三度の飯より大好きで、寝ても覚めてもお菓子のことを考えている奈子にとって、この場所は天国そのもの。
お菓子といっても本当にいっぱいありすぎて、一言では語れないが。
今日は近所(自転車で15分の所)にオープンした話題の洋菓子店に足を運んでいた。
休みの日は家で過ごすがモットーの奈子だが、前々から気になっていた店ゆえに、頑張って自転車をこいで来たのだ。
ケーキたちが買って買ってと言っているように見える。
(ああ~どうしよう!決まらない~~)
ショーケースの前で苦悶していると、少し苦笑いした店員さんの顔が見える。心の中で待たせてごめんなさい!と謝るものの、簡単には一つに決められない……。
でも待てよ!と、ふとあることを思いついた。
この店にはカフェスペースがある。そこでケーキを食べて、あと一つはテイクアウトすればいいんだ。無理に一つに決めなくていいんだ!と、ナイスアイデアのように店員さんにドヤ顔を向ける奈子。
誰でも考え付きそうなことだが、本人が満足ならそれでいい。そっとしておいてあげよう。
そんな周囲の生温かい笑みに、気づかないのは本人ばかりなりである。
「おいしい!!」
カフェスペースで食べるのは定番の苺のショートケーキと飲み物はアイスコーヒー。いつもはストレートのアイスティを飲む奈子だが、今日は気分を変えてアイスコーヒーにした。
コーヒーの苦味と生クリームの甘さがとても合う。クリームは甘いといってもしつこくなくて上品な味だ。スポンジはふわふわで食感もよく、苺の酸味も程よく口の中に広がり、奈子はついついおいしいを連発してしまう。
こんなおいしいケーキが食べられるなんて、自転車で15分かけて来た甲斐があったというもの。ケーキを頬張りながら奈子はうんうんと何度も頷いた。
そして食べながら考えるのはテイクアウトするケーキのこと。本当は全種類買って帰りたいが、今のお財布事情では無理がある。財布事情がなくてもさすがに全種類は無理だが……。
今日は2つまでにしておくか……奈子はガックリ肩を落とした。
「シュークリーム2つください!持ち帰りで」
悩んだ末にシュークリームにしたのは母親が好きだから。あと一つはもちろん自分が食べる為。
ドライアイスを多めに入れて貰い帰りはこれで安心だ。と奈子は自転車を走らせた。
(今日の私は機嫌が良い、たまには甘いものでも買ってってあげよう~~むふ)
おいしいケーキに心も胃袋も満たされた奈子の帰り道は幸せなものになった。
自転車の籠の中でシュークリームの入った袋が静かに揺れていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる