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~かりそめ夫婦の嫉妬(一)~
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「同窓会?」
「はい。といっても大学のときのサークルメンバー数人での小さな会なんですけど。まだ結婚したこと伝えてなくて……色々聞かれると思うので。もちろん余計なことは言わないですけど、まったく話さないのも変に勘ぐられる……というか」
いちいちお伺いを立てる必要もないが、一応“夫婦”なので報告ついでに了承を貰らおうと思ったのだ。
「少しくらいなら構わない……それより、あの男も来るのか?」
「……!」
あの男………。
「……多分」
「そうか……俺がとやかく言えることではないが“妻”であることは忘れないでくれ……」
「もちろん……です」
ーー先日、久しぶりに大学時代の友人から連絡があった。
『……同窓会?』
『まあ同窓会っていうほど大袈裟なものじゃないけどね!』
『う~ん……皆には会いたいけど。……あいつは?』
『……まだ返事は貰ってないけど、多分……参加するんじゃないかな?』
『そっか……』
『そう簡単には割り切れることじゃないと思うけど、理名もあいつを鼻であしらうくらいしないと……』
『う……ん』
『とりあえず日時と場所はラインしとくから、気が向いたら来て!』
『わかった……ありがとう』
あの男ーー思い出すだけで腸が煮えくり返る。なんの躊躇もなく、自分を“捨てた”男。
そして、京介と“契約結婚”するキッカケになった男。
運悪くゴミ屑然で捨てられた所を京介に見られてしまった。その時はさすがに恥ずかしくて逃げて帰ってしまったが、後日“契約結婚”の話を持ち掛けられ、驚きつつもショックが残っていた理名は冷静な判断が出来ないまま勢いとヤケで婚姻届に判を押してしまった。
その時に“元彼”のことを話していたこともあって「あの男も来るのか」と京介は聞いたのだろう。
悩みに悩んで同窓会への参加を決めた理名は指定された店に赴いた。
店の扉には貸し切りのプレートが掛けられている。中ではすでに盛り上がっている楽しげな声が響いていた。
(や、やっぱり帰ろうかな……どうしよう……)
理名が店の前で右往左往していると、遅れて来た男が声を掛けて来た。
「よぉ、理名!お前も来たのか?」
「……正貴!?」
「何してんだよ。早く中に入れよ!」
「……」
正貴と呼ばれた男はどこか調子の良い軽い感じの男で、理名の背中をグイグイと押しながら店の中に入って行く。
「よっ!皆、久しぶり~元気でやってるか?」
「おお!正貴?なんだ理名も一緒か?お前らまだ続いてたんか?」
先に来ていたメンバーの一人が冗談混じりに言った。
「いやいや、理名とは少し前に別れたんだ。ちょうど店の前で会ってさ~」
冷やかしのつもりで言った男は、まさか別れてるとは思わず……しかも別れた相手を前に悪びれもなく無神経な発言を当人がしたものだから、その場にいたメンバー全員が凍りついてしまった。
「……」
「正貴!あんた理名の気持ちも考えなさいよ!」
理名と正貴が別れたことを知っていた女子は、正貴のあまりの態度に怒りを隠しきれない様子だった。
「正貴……お前、マジでそれはないわ……」
「え……?」
男子からも責められた正貴は自分の何が悪いのか……わかっていないようだった。
そう正貴は理名をゴミ屑然で捨てた男なのだ。
捨てた女を前に何もなかったかのような態度を取り、かつ皆の前で平然と“別れた”と口にする男に理名は怒りを通り越してほとほと呆れてしまった。
(なんで私……こんな男と何年も付き合ってたんだろ……)
こんな男に固執していた自分が情けない……やっぱり“男は馬鹿で学習しない”生き物だ!と、理名は改めて思った。別に未練があったわけじゃない、ただ長く付き合った“彼女”に少しは罪悪感を持っているのでは……と少しでも期待した自分が本当に滑稽に思えた。
「理名、ごめん!俺のせいで……」
申し訳ないと謝るのは、最初に冷やかした男だった。
「ううん、気にしないで!」
けれど自分がいることでせっかくの同窓会が台無しになる……そう思った理名は早々に引き上げることにした。
「皆、今日は……帰るね」
「理名……」
「もう、そんな顔しないでよ。マキ、会費いくらだっけ?」
「なに言ってんの……会費なんていいよ!」
「そんなわけにはいかないでしょ!」
理名と幹事のマキが会費のことで押し問答している横で、ドアベルがカランと鳴り店内にざわめきが起こった。
皆が入口に視線を向けると、高級スーツに身を包んだ芸能人よりも端正な顔立ちをした男性が立っていた。
店にいた女子が小さな悲鳴を上げ頬を染めている。
「うわぁ、凄いねモデルかな!」と、マキが興奮気味に口にする。理名は小走りに京介に駆け寄った。
「京介さん!どうしたんですか?」
「打ち合わせが早く終ったから、ご挨拶でもと思ってね。いけなかったかな?」
さっきまで沈んでいた気持ちが京介の顔を見たら不思議と元気になっていた。
「ううん。全然!」
「どうして来たの!?」と前なら言っていたかもしれないが、今は素直に嬉しい。
「「理名!この方はどなた!?」」
そこにいたメンバー全員が突然現れた超イケメンの男に釘付けになり、理名と親しげに話してる様子が気になって仕方がないというようだった。
「えっと……夫の森園京介さんです。私、少し前に結婚してて、報告が遅くなってごめ……」
言い終わる前に、女子の悲鳴が店内に轟いた。
「「ええ!いつの間に!」」
「森園京介です。突然すみません。今日が同窓会と聞き一度ご挨拶にと思いまして、失礼とは知りながら押し掛けてしまいました。今後とも妻のこと宜しくお願いしますね」
「「もう理名ったら、こんな素敵な旦那様がいるなら、なんでもっと早く言わないのよ!」」
「その……ちょっとバタバタと……してて」
「「だから正貴を気にも止めなかったんだ!」」
「正貴?」
京介の眉尻がピクッと動く。
「「理名の元彼です」」
「ちょ……ちょっと今そんなこと言わなくても……」
「そうですか、あなたが……妻が色々とお世話になったようで」と、京介が冷やかな笑みを正貴に向けた。整い過ぎる顔はときに凶器になる。
「あ……いや、その……」
蛇に睨まれた蛙とはまさにこのこと。京介の静かな怒りに飲み込まれた正貴はいつもの調子の良さを忘れて、カチンコチンに固まっていた。
「俺はそろそろ失礼するけど、理名さんはどうする」
「私も一緒に帰ります。じゃあ皆、今日はありがとう」
「「今度、色々話聞かせなさいよ!」」
「う……うん、またね」
理名と京介の後ろで皆からのエールが飛び交っていた。
「京介さん……わざと来たでしょう?」
わかってるんですよ!的な眼差しで見つめられた京介は抗うことなく頷いた。
「理名さんの“夫”として、一度挨拶をと思っていたから、ちょうど良かったよ」
「京介さんに色んな意味で圧倒されて、あいつタジタジで、ちょっといい気味でした。ありがとうございます!」
「“夫”として当然のことをしただけだ。あれでも足りないくらいだ」
「お礼に美味しい珈琲を淹れますね」
最近やたらと懐きだした子犬は、今日は頼りになるゴールデンレトリーバーだった。
店に現れた京介をカッコいいと思ってしまった……でも、それは内緒!と、ちょっと意地悪な顔をする理名だった。
後日、サークルメンバー(女子)から、ひっきりなしにラインが送られて来たのは言うまでもないーー
「はい。といっても大学のときのサークルメンバー数人での小さな会なんですけど。まだ結婚したこと伝えてなくて……色々聞かれると思うので。もちろん余計なことは言わないですけど、まったく話さないのも変に勘ぐられる……というか」
いちいちお伺いを立てる必要もないが、一応“夫婦”なので報告ついでに了承を貰らおうと思ったのだ。
「少しくらいなら構わない……それより、あの男も来るのか?」
「……!」
あの男………。
「……多分」
「そうか……俺がとやかく言えることではないが“妻”であることは忘れないでくれ……」
「もちろん……です」
ーー先日、久しぶりに大学時代の友人から連絡があった。
『……同窓会?』
『まあ同窓会っていうほど大袈裟なものじゃないけどね!』
『う~ん……皆には会いたいけど。……あいつは?』
『……まだ返事は貰ってないけど、多分……参加するんじゃないかな?』
『そっか……』
『そう簡単には割り切れることじゃないと思うけど、理名もあいつを鼻であしらうくらいしないと……』
『う……ん』
『とりあえず日時と場所はラインしとくから、気が向いたら来て!』
『わかった……ありがとう』
あの男ーー思い出すだけで腸が煮えくり返る。なんの躊躇もなく、自分を“捨てた”男。
そして、京介と“契約結婚”するキッカケになった男。
運悪くゴミ屑然で捨てられた所を京介に見られてしまった。その時はさすがに恥ずかしくて逃げて帰ってしまったが、後日“契約結婚”の話を持ち掛けられ、驚きつつもショックが残っていた理名は冷静な判断が出来ないまま勢いとヤケで婚姻届に判を押してしまった。
その時に“元彼”のことを話していたこともあって「あの男も来るのか」と京介は聞いたのだろう。
悩みに悩んで同窓会への参加を決めた理名は指定された店に赴いた。
店の扉には貸し切りのプレートが掛けられている。中ではすでに盛り上がっている楽しげな声が響いていた。
(や、やっぱり帰ろうかな……どうしよう……)
理名が店の前で右往左往していると、遅れて来た男が声を掛けて来た。
「よぉ、理名!お前も来たのか?」
「……正貴!?」
「何してんだよ。早く中に入れよ!」
「……」
正貴と呼ばれた男はどこか調子の良い軽い感じの男で、理名の背中をグイグイと押しながら店の中に入って行く。
「よっ!皆、久しぶり~元気でやってるか?」
「おお!正貴?なんだ理名も一緒か?お前らまだ続いてたんか?」
先に来ていたメンバーの一人が冗談混じりに言った。
「いやいや、理名とは少し前に別れたんだ。ちょうど店の前で会ってさ~」
冷やかしのつもりで言った男は、まさか別れてるとは思わず……しかも別れた相手を前に悪びれもなく無神経な発言を当人がしたものだから、その場にいたメンバー全員が凍りついてしまった。
「……」
「正貴!あんた理名の気持ちも考えなさいよ!」
理名と正貴が別れたことを知っていた女子は、正貴のあまりの態度に怒りを隠しきれない様子だった。
「正貴……お前、マジでそれはないわ……」
「え……?」
男子からも責められた正貴は自分の何が悪いのか……わかっていないようだった。
そう正貴は理名をゴミ屑然で捨てた男なのだ。
捨てた女を前に何もなかったかのような態度を取り、かつ皆の前で平然と“別れた”と口にする男に理名は怒りを通り越してほとほと呆れてしまった。
(なんで私……こんな男と何年も付き合ってたんだろ……)
こんな男に固執していた自分が情けない……やっぱり“男は馬鹿で学習しない”生き物だ!と、理名は改めて思った。別に未練があったわけじゃない、ただ長く付き合った“彼女”に少しは罪悪感を持っているのでは……と少しでも期待した自分が本当に滑稽に思えた。
「理名、ごめん!俺のせいで……」
申し訳ないと謝るのは、最初に冷やかした男だった。
「ううん、気にしないで!」
けれど自分がいることでせっかくの同窓会が台無しになる……そう思った理名は早々に引き上げることにした。
「皆、今日は……帰るね」
「理名……」
「もう、そんな顔しないでよ。マキ、会費いくらだっけ?」
「なに言ってんの……会費なんていいよ!」
「そんなわけにはいかないでしょ!」
理名と幹事のマキが会費のことで押し問答している横で、ドアベルがカランと鳴り店内にざわめきが起こった。
皆が入口に視線を向けると、高級スーツに身を包んだ芸能人よりも端正な顔立ちをした男性が立っていた。
店にいた女子が小さな悲鳴を上げ頬を染めている。
「うわぁ、凄いねモデルかな!」と、マキが興奮気味に口にする。理名は小走りに京介に駆け寄った。
「京介さん!どうしたんですか?」
「打ち合わせが早く終ったから、ご挨拶でもと思ってね。いけなかったかな?」
さっきまで沈んでいた気持ちが京介の顔を見たら不思議と元気になっていた。
「ううん。全然!」
「どうして来たの!?」と前なら言っていたかもしれないが、今は素直に嬉しい。
「「理名!この方はどなた!?」」
そこにいたメンバー全員が突然現れた超イケメンの男に釘付けになり、理名と親しげに話してる様子が気になって仕方がないというようだった。
「えっと……夫の森園京介さんです。私、少し前に結婚してて、報告が遅くなってごめ……」
言い終わる前に、女子の悲鳴が店内に轟いた。
「「ええ!いつの間に!」」
「森園京介です。突然すみません。今日が同窓会と聞き一度ご挨拶にと思いまして、失礼とは知りながら押し掛けてしまいました。今後とも妻のこと宜しくお願いしますね」
「「もう理名ったら、こんな素敵な旦那様がいるなら、なんでもっと早く言わないのよ!」」
「その……ちょっとバタバタと……してて」
「「だから正貴を気にも止めなかったんだ!」」
「正貴?」
京介の眉尻がピクッと動く。
「「理名の元彼です」」
「ちょ……ちょっと今そんなこと言わなくても……」
「そうですか、あなたが……妻が色々とお世話になったようで」と、京介が冷やかな笑みを正貴に向けた。整い過ぎる顔はときに凶器になる。
「あ……いや、その……」
蛇に睨まれた蛙とはまさにこのこと。京介の静かな怒りに飲み込まれた正貴はいつもの調子の良さを忘れて、カチンコチンに固まっていた。
「俺はそろそろ失礼するけど、理名さんはどうする」
「私も一緒に帰ります。じゃあ皆、今日はありがとう」
「「今度、色々話聞かせなさいよ!」」
「う……うん、またね」
理名と京介の後ろで皆からのエールが飛び交っていた。
「京介さん……わざと来たでしょう?」
わかってるんですよ!的な眼差しで見つめられた京介は抗うことなく頷いた。
「理名さんの“夫”として、一度挨拶をと思っていたから、ちょうど良かったよ」
「京介さんに色んな意味で圧倒されて、あいつタジタジで、ちょっといい気味でした。ありがとうございます!」
「“夫”として当然のことをしただけだ。あれでも足りないくらいだ」
「お礼に美味しい珈琲を淹れますね」
最近やたらと懐きだした子犬は、今日は頼りになるゴールデンレトリーバーだった。
店に現れた京介をカッコいいと思ってしまった……でも、それは内緒!と、ちょっと意地悪な顔をする理名だった。
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