魔王と元女勇者の貞操防衛戦

冬兎

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ひどく、頭がぼんやりする。
妙に動かし辛い右腕を目にあて、ため息を―つけなかった。

もにゅりと右瞼にあたるやたらと柔らかい感触と、ギリギリ目元を覆い隠せない短い腕。
驚いてぱちりと目を開けると、ぼやける視界の中、可愛らしいむにむにの赤ちゃんのおててがあった。
赤ちゃんの場合、混乱は泣き声になるようだった。
混乱していた私は唐突に襲いかかってきた制御できない感情に呑まれ、そのまま泣き叫び始めた。

「ど、どうなさいましたか、殿下?」

あわてて駆け寄ってきた女性に気を留める余裕もなく、ひとしきり泣き叫ぶと疲れて眠りに落ちていた。






       
意識が覚醒して数日、とりあえず現状を整理してみることにした。
まず、私、勇者ルシアは独身で一生涯を過ごし(ただし弟子はあり)大往生を遂げていた。これは間違いない。
そして、おそらくは記憶を持ったまま転生?をしたらしい。それも魔力の全くない男に。
最大の問題は私が大往生してから約200年ほど過ぎており、現在魔王軍が人間の国に侵攻を始めていること。さらに今の私の立場がサンクォンツ王国の第3王子様であること。

とても詰んでいる気がする。
とりあえず、魔王にかけた呪いが何で解けてるのか。
それが一番の疑問だった。
  

    
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