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2章 不思議な男の子
8話 巨大ナマズ
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出来上がった料理が幾つも並ぶ中に、ドーンとナマズの姿焼きが出てきたのは美子達がとっくにお腹いっぱいになってからだった。
私は、まだ固めのパンや、ナッツと青バナナの炒め物や、挙げた幼虫や、青野菜の漬物くらいしか食べていない。
即ち、まだ食べられる。
大皿からの配膳は男性の仕事らしいのでずっと大人しく座っていたけど、ナマズのいい匂いに思わず腰を浮かせた。
薬味の香りが食欲をそそり、ヨダレが出そうだ。
「梨菜まだ食べるの?」
「だって巨大ナマズだよ?今食べないと一生食べれないかもなんだよ?」
果汁のジュースを飲みながら、何だかんだ言って隣にい続けてくれる美子。
お腹が膨れたら宿に戻った男性陣とは比べ物にならない優しさだ。
「サカナタベル?」
あ、男性だけどタナイさんも優しいか。
奥さんが2人いる男性は流石だなぁ。
「食べる食べる!ください!」
「Sore-o Noa Luan-a shi-luan.」
タナイさんのお陰で、初老の男性がナマズが乗ったお皿を持ってきてくれた。
表面はカリッと焼かれているのに、中はジューシーなのが見た目で分る。それに美味しい匂いにヨダレが出ちゃった。
「Muru-ni Sia Tani Rakia-o shi-ta Azuu Nia Noa Luan-de Warina. Sia Yuma Tana-a shi-te Rakia-ma.」
「タベル、スコシマツ」
「はい!」
大きかったナマズが、切り分けられてどんどん小さくなっていく。
食べにくいであろう骨も分割されて持って行かれて、あっという間に大皿の上のヌシは姿を消した。
でもお皿に残った汁も美味しくいただくらしく、パンを浸していた。
あれも食べたい。絶対おいしいもん。
「Wa Lun-ni Tani Noa-o shi-ta Azuu Muru-ni Sia Tani Rakia-o.」
先ほどの初老の男性が声高に言うと、他の村人も同じような言葉を口にした。
ナマズが捕れた事への感謝だろうか?
精霊信仰だから、するとしたら精霊への感謝だろうけど、あれについても詳しく聞きたいな。
聞くとしても、後で、になるけどね。
「タベテイイヨ」
「はい!」
周りの人たちが食べ始めたのを確認してから、ナマズに齧り付く。
食レポは得意じゃない。
けど、思わず解説したくなるほどに、とてつもなく美味しかった。
「んー!!」
表面はカリカリで香ばしくて、でも中はフワフワもちもちでジューシーで、塩味は強めだけど他の香辛料と出汁のような味のお陰で逆に丁度いいし、でも淡白なはずのナマズの味もしっかり感じられて最高。
泥臭さも魚臭さも全くなくて、ナマズってこんなにおいしく調理することができるんだって感動ものだった。
「そんなに美味しいの?」
興味が湧いて来た美子にひと口分けてあげたけど、彼女も「え、美味しい・・・」って驚愕してて。
この為だけにここに来ても良いってくらい美味しい料理に出会えたのは、人生で初めてだった。
さすがにお風呂の文化はないらしく、身を清めるのは朝、川で水浴びをするという方法らしい。
日が暮れたら「家族の時間」として家に戻るのだという事で、寝るのには少し早かったけど、私たちも宿に戻った。
「あー美味しかったねー!」
「・・・うん」
日中にとったメモを、ノートに清書していく作業はもう趣味みたいなものだ。
記憶を探りつつ、書き漏らしていた事柄を追加しつつ、イラスト付きで内容を濃くしていく。
以前教授に教わった通り主観も含めて書いて行くと、ちょっとした絵日記のようにもなる。
それも楽しい。物凄く。
内緒らしき儀式の壺については書かなかったけど、アズー君については書くことにした。
私より少しだけ背の低い、中性的な男の子。
そう、中性的と言えば、シャーマンも中性的だった。暗くて良く見えなかったけど、線が細くて・・・バストが小さかったのはそういう処置をしてたりして・・・。
背は私よりやや大きかったから、他の村の女性の中では一番高いんだろう。
彼女を思い出すと胸がざわつく。ざわざわしてギュっとなる。選ばれた人だからこその空気感がそうさせるのかも。
「それ見てもいい?」
「あ、ちょっと教授に写真送るから待ってて」
「はーい」
出来上がったノートを写真に撮って、今日撮った写真と共にメールに添付した。
返事が返ってくるか分からないけど、一応「現地の陶器と服を購入したいのですが、法律的に問題ないでしょうか?」と聞いてみることにして、送信する。
この村、WIFIまで完備されているのが快適過ぎる。
男性陣のように、こんなところに来てまで宿に籠ってゲームしているのは意味が分からないけど。
「美子もう見て良いよ」
「わーい、ありがとー」
幸いな事に、今回かかった旅費は国内旅行と大して変わりがない金額だった。
バイトに専念して貯めた貯金もそこまで減らなかったし、何よりお土産を条件に教授が一部負担してくれたから、時間さえ作れればまたここに来る事だってできる。
美子であればまた一緒に来てもいいけど、この子は「カツカツだ」って言ってから、次こそは一人で来ることになりそうだ。
タナイさんという信頼できる通訳兼ガイドもいるから、安心だしね。
「ねね、私も書き込んでいい?」
「うん」
サークルが同じだけで専攻だって違うのに、旅行という名目で着いて来てくれた美子。
いつも独りよがりになりがちな私と仲良くしてくれる、とても大切な友だちだ。
私は、まだ固めのパンや、ナッツと青バナナの炒め物や、挙げた幼虫や、青野菜の漬物くらいしか食べていない。
即ち、まだ食べられる。
大皿からの配膳は男性の仕事らしいのでずっと大人しく座っていたけど、ナマズのいい匂いに思わず腰を浮かせた。
薬味の香りが食欲をそそり、ヨダレが出そうだ。
「梨菜まだ食べるの?」
「だって巨大ナマズだよ?今食べないと一生食べれないかもなんだよ?」
果汁のジュースを飲みながら、何だかんだ言って隣にい続けてくれる美子。
お腹が膨れたら宿に戻った男性陣とは比べ物にならない優しさだ。
「サカナタベル?」
あ、男性だけどタナイさんも優しいか。
奥さんが2人いる男性は流石だなぁ。
「食べる食べる!ください!」
「Sore-o Noa Luan-a shi-luan.」
タナイさんのお陰で、初老の男性がナマズが乗ったお皿を持ってきてくれた。
表面はカリッと焼かれているのに、中はジューシーなのが見た目で分る。それに美味しい匂いにヨダレが出ちゃった。
「Muru-ni Sia Tani Rakia-o shi-ta Azuu Nia Noa Luan-de Warina. Sia Yuma Tana-a shi-te Rakia-ma.」
「タベル、スコシマツ」
「はい!」
大きかったナマズが、切り分けられてどんどん小さくなっていく。
食べにくいであろう骨も分割されて持って行かれて、あっという間に大皿の上のヌシは姿を消した。
でもお皿に残った汁も美味しくいただくらしく、パンを浸していた。
あれも食べたい。絶対おいしいもん。
「Wa Lun-ni Tani Noa-o shi-ta Azuu Muru-ni Sia Tani Rakia-o.」
先ほどの初老の男性が声高に言うと、他の村人も同じような言葉を口にした。
ナマズが捕れた事への感謝だろうか?
精霊信仰だから、するとしたら精霊への感謝だろうけど、あれについても詳しく聞きたいな。
聞くとしても、後で、になるけどね。
「タベテイイヨ」
「はい!」
周りの人たちが食べ始めたのを確認してから、ナマズに齧り付く。
食レポは得意じゃない。
けど、思わず解説したくなるほどに、とてつもなく美味しかった。
「んー!!」
表面はカリカリで香ばしくて、でも中はフワフワもちもちでジューシーで、塩味は強めだけど他の香辛料と出汁のような味のお陰で逆に丁度いいし、でも淡白なはずのナマズの味もしっかり感じられて最高。
泥臭さも魚臭さも全くなくて、ナマズってこんなにおいしく調理することができるんだって感動ものだった。
「そんなに美味しいの?」
興味が湧いて来た美子にひと口分けてあげたけど、彼女も「え、美味しい・・・」って驚愕してて。
この為だけにここに来ても良いってくらい美味しい料理に出会えたのは、人生で初めてだった。
さすがにお風呂の文化はないらしく、身を清めるのは朝、川で水浴びをするという方法らしい。
日が暮れたら「家族の時間」として家に戻るのだという事で、寝るのには少し早かったけど、私たちも宿に戻った。
「あー美味しかったねー!」
「・・・うん」
日中にとったメモを、ノートに清書していく作業はもう趣味みたいなものだ。
記憶を探りつつ、書き漏らしていた事柄を追加しつつ、イラスト付きで内容を濃くしていく。
以前教授に教わった通り主観も含めて書いて行くと、ちょっとした絵日記のようにもなる。
それも楽しい。物凄く。
内緒らしき儀式の壺については書かなかったけど、アズー君については書くことにした。
私より少しだけ背の低い、中性的な男の子。
そう、中性的と言えば、シャーマンも中性的だった。暗くて良く見えなかったけど、線が細くて・・・バストが小さかったのはそういう処置をしてたりして・・・。
背は私よりやや大きかったから、他の村の女性の中では一番高いんだろう。
彼女を思い出すと胸がざわつく。ざわざわしてギュっとなる。選ばれた人だからこその空気感がそうさせるのかも。
「それ見てもいい?」
「あ、ちょっと教授に写真送るから待ってて」
「はーい」
出来上がったノートを写真に撮って、今日撮った写真と共にメールに添付した。
返事が返ってくるか分からないけど、一応「現地の陶器と服を購入したいのですが、法律的に問題ないでしょうか?」と聞いてみることにして、送信する。
この村、WIFIまで完備されているのが快適過ぎる。
男性陣のように、こんなところに来てまで宿に籠ってゲームしているのは意味が分からないけど。
「美子もう見て良いよ」
「わーい、ありがとー」
幸いな事に、今回かかった旅費は国内旅行と大して変わりがない金額だった。
バイトに専念して貯めた貯金もそこまで減らなかったし、何よりお土産を条件に教授が一部負担してくれたから、時間さえ作れればまたここに来る事だってできる。
美子であればまた一緒に来てもいいけど、この子は「カツカツだ」って言ってから、次こそは一人で来ることになりそうだ。
タナイさんという信頼できる通訳兼ガイドもいるから、安心だしね。
「ねね、私も書き込んでいい?」
「うん」
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いつも独りよがりになりがちな私と仲良くしてくれる、とても大切な友だちだ。
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