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番外編 秘密のデート②
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「おやめください!」
「……なんだ、あんたは」
「私が代金をお支払いします。この子にはちゃんと言い聞かせますので」
マルティナは少年を背中に隠して、男にはっきりとそう伝えた。
「あんたは黙ってな! こういうガキは痛い目を見ない限り、どうせ何度もやるんだ。庇うんじゃねぇよ!」
男はマルティナにも危害を加えそうになったので、ハビエルはものすごい力で肩を掴んで止めた。
「うゔっ! 痛ってぇ」
「……これに免じて見逃して欲しい」
怒り狂った男に、ハビエルは多めの札を無理矢理握らせた。それは盗んだりんごとみかんの何十倍もの金額だった。
「チッ。ガキ、助かったな。次見つけたら、警備兵に突き出すからな!」
男がその場を去ると、少年は二人をギロリと睨みつけた。
「俺は助けてくれなんて言ってねぇ! 憐れみのつもりかよ。これだから、金持ちは嫌いなんだよ」
悪態をついた少年に、マルティナは優しい目で微笑んだ。
「そうね。私たちが勝手にやったことだから、あなたはなにも気にしなくていいわ」
マルティナはハンカチを取り出して、少年の汚れた頬を拭いた。
「や、やめろ」
恥ずかしかったのか、少年はマルティナの肩をドンと押して距離をとった。
「きゃっ」
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
後ろに倒れそうになったマルティナを、ハビエルがガッチリと支えた。
「おい、私の妻を傷付けたら例え子どもであっても許さないからな。覚えておけ」
ハビエルはギロリと少年を睨みつけた。その目がとても恐ろしくて、少年はガクガクと震え出した。
「もう、子どもを脅さないでください! 驚いてしまいますわ」
「……つい。すまない」
ハビエルはマルティナには眉を下げて優しい顔をしているが、少年には鋭い目を向けていた。この男には逆らってはいけないということが、少年は本能的にわかっていた。
「どうして盗みを?」
「……腹が減ったからだよ。孤児院では碌なもの食えねぇから」
少年のその発言を聞いて、二人は目を見合わせた。なぜなら孤児院へは、国が支援をしている。だから、食べることに困るなんてことは本来ならあり得ない。
「俺だってしたくねぇさ」
「……我が国では王家が食事と教育を保障しているはずだが?」
ハビエルがそう言うと、少年はふんっと馬鹿にしたように鼻で笑った。
「王族が、俺たちなんかにそんなことしてくれるわけないだろ。それにもしあったとしても、上の奴らがちょろまかしてるさ」
「……」
「大人も……貴族もみんな大嫌いだ!」
マルティナはその言葉を聞いて、哀しそうに俯いた。
「私たちは商人だ。貴族じゃない」
ハビエルがそう嘘をついたので、マルティナは驚いて顔を上げた。
「……」
「妹も腹が減ってるのだろう? 私たちを君の孤児院へ連れて行ってくれ。差し入れをしよう」
「嫌だ。大人は信用できねぇ」
プイッとそっぽを向いた少年の手を、マルティナはそっと包み込んだ。
「お願い、信じて。絶対にあなたを助けるから」
目に涙を溜めてそう言ったマルティナが、とても綺麗で……少年はぐっと息をのんだ。
「……な、なんか変なことしたら、すぐ追い出すからな」
「ありがとう!」
喜んだマルティナにぎゅっと抱き締められて、少年は真っ赤になった。
「そうと決まれば、早く行こうか」
すかさずハビエルが間に入り、作り笑顔で少年とマルティナを引き剥がした。
「ねえ、あなたの名前はなんていうの?」
「俺はネイサンだ」
「いい名前ね」
「あんたは?」
「私は……ティナよ」
マルティナはさすがに本名を言うわけにはいかないので、そう告げた。
「……ティナ」
少年は、歩きながら嬉しそうにポツリとそう呟いた。その様子をハビエルは、面白くない様子で眺めていた。
途中でパンやフルーツ、焼き菓子をたくさん買い孤児院へ向かった。
「すみません、支援をさせていただきたいのだが……話を聞かせてもらえるだろうか」
ハビエルがそう伝えると、孤児院を取りまとめている年配の男性が出てきた。でっぷりと太っていて、私腹を肥やしているのがわかる。
「あなた様は?」
「この国の商人だ。街でネイサンという少年が腹を空かせているのを見て、不憫に思ってな。金のある者はない者に分け与えるべきだというのが、私のポリシーなのだ」
そう提案すると、男はニタニタと笑いながら媚びたように話しはじめた。
「まあ、そうでございましたか。とてもありがたいことでございます。国の支援もあまりないもので、困っておるのです。もっと子どもたちに良い暮らしをさせてやりたいのですが……ねぇ?」
「そうか。微力ながら支援をしよう」
国の支援がないなどどの口が言うのかと、ハビエルもマルティナも腹が立ったが黙って堪えた。
「流石に今すぐ現金はない。後日ここへ持って来させよう」
「ありがとうございます」
「とりあえずは、食料だ。今すぐこの子たちに与えてやってくれ」
食料をテーブルに置くと、男はにっこりと笑った。
「実は子どもたちは食事をしたばかりでして。また夜に食べさせますね」
そう言って食料を下げようとしたが、後ろから様子を見に来たたくさんの子どもたちから『ぐーっ』というお腹の音が聞こえてきた。
「腹が減っているようだが……?」
「お、おかしいですね」
「すぐに食べさせよう。さあ、おいで」
子どもたちはハビエルとマルティナを取り囲み、見たこともないような美味しい果物やパンを嬉しそうに頬張っていた。
「ネイサンももっと食べて。さあ、妹さんにも」
「……ありがと」
「ええ。どうしたしまして」
ぶっきらぼうにお礼を言ったネイサンの頭を、マルティナはそっと撫でた。
「ねえ、ネイサン。あんなことはもう二度としないって約束して」
「……」
「でも私たちが、絶対にみんながお腹の空くことのないようにするから」
「……わかった。約束する」
ネイサンはこくんと頷き、マルティナと指切りをした。
「どうして、あんたたちはそんなに良くしてくれるんだ?」
不思議そうにそう質問をしたネイサンの肩を、ハビエルはぽんっと軽く掴んだ。
「それが私たちの使命だからだ」
「しめい?」
「ああ」
ハビエルはネイサンの頭をぐりぐりと撫で、フッと微笑んだ。
「そろそろ行こうか」
「はい」
孤児院の取りまとめの男には、また来ると伝えて二人は外に出た。もちろん、後日王宮の役人がこの男の不正を明らかにすることになるのだが……今はそんなことは言わないでおく。
子どもたちからは『もう帰っちゃうの』と寂しがられたが、ずっとここにいるわけにはいかない。
「ええ、みんな元気でね」
「残った菓子は仲良く分けなさい」
みんな「はーい」と素直に返事をして、手を振ってくれた。二人はそれを見て、ここに来て良かったと心が暖かくなった。
「おいっ! ティナ」
孤児院の前の道まで、ネイサンが駆け出してきた。
「ネイサン。どうしたの」
「あの……その……俺……俺……」
ネイサンは何かを言いたそうに、もじもじとしながらマルティナの前に立っていた。
「焦らず、ゆっくり話して」
しゃがんでニコリと微笑んだマルティナに、ネイサンは頬を染めた。
「俺、ちゃんとした大人の男になるから! 強くなるし、賢くなる」
大きな声でのその宣言に、マルティナは嬉しそうに目を細めた。
「ええ、きっとなれるわ」
「だから……ティナ、またここに来てくれ! あんたに相応しい男になるから」
「え? 相応しい……?」
マルティナがキョトンとしている隙に、ネイサンはマルティナの頬にちゅっとキスをした。
「……っ!?」
驚いて頬を手で押さえると、ネイサンはニカっと悪戯っぽく笑った。
「じゃあな!」
そのまま振り返らずに、ネイサンはずんずんと駆けて行ってあっという間に見えなくなった。
「……あのガキ、絶対に許さないっ!」
ハビエルの身体は、怒りでブルブルと震えていた。マルティナはネイサンを追いかけようとしたハビエルを、なんとか止めた。
「こ、子どものしたことですから」
「年齢は関係ない……あいつは男だ!」
そう言って、ハビエルはマルティナの頬をハンカチでゴシゴシと拭いた。
「い、痛いです」
肌を傷つけるわけにはいかないので、ハビエルはマルティナの頬に何度もキスをした。
「上書きさせて」
「こ、ここは外ですよ」
「……じゃあ、二人きりになりたい。ボートは明日だ」
マルティナはネイサンにやきもちを焼いたハビエルに手を引かれ、泊まる予定のホテルに連れて行かれた。
「……なんだ、あんたは」
「私が代金をお支払いします。この子にはちゃんと言い聞かせますので」
マルティナは少年を背中に隠して、男にはっきりとそう伝えた。
「あんたは黙ってな! こういうガキは痛い目を見ない限り、どうせ何度もやるんだ。庇うんじゃねぇよ!」
男はマルティナにも危害を加えそうになったので、ハビエルはものすごい力で肩を掴んで止めた。
「うゔっ! 痛ってぇ」
「……これに免じて見逃して欲しい」
怒り狂った男に、ハビエルは多めの札を無理矢理握らせた。それは盗んだりんごとみかんの何十倍もの金額だった。
「チッ。ガキ、助かったな。次見つけたら、警備兵に突き出すからな!」
男がその場を去ると、少年は二人をギロリと睨みつけた。
「俺は助けてくれなんて言ってねぇ! 憐れみのつもりかよ。これだから、金持ちは嫌いなんだよ」
悪態をついた少年に、マルティナは優しい目で微笑んだ。
「そうね。私たちが勝手にやったことだから、あなたはなにも気にしなくていいわ」
マルティナはハンカチを取り出して、少年の汚れた頬を拭いた。
「や、やめろ」
恥ずかしかったのか、少年はマルティナの肩をドンと押して距離をとった。
「きゃっ」
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
後ろに倒れそうになったマルティナを、ハビエルがガッチリと支えた。
「おい、私の妻を傷付けたら例え子どもであっても許さないからな。覚えておけ」
ハビエルはギロリと少年を睨みつけた。その目がとても恐ろしくて、少年はガクガクと震え出した。
「もう、子どもを脅さないでください! 驚いてしまいますわ」
「……つい。すまない」
ハビエルはマルティナには眉を下げて優しい顔をしているが、少年には鋭い目を向けていた。この男には逆らってはいけないということが、少年は本能的にわかっていた。
「どうして盗みを?」
「……腹が減ったからだよ。孤児院では碌なもの食えねぇから」
少年のその発言を聞いて、二人は目を見合わせた。なぜなら孤児院へは、国が支援をしている。だから、食べることに困るなんてことは本来ならあり得ない。
「俺だってしたくねぇさ」
「……我が国では王家が食事と教育を保障しているはずだが?」
ハビエルがそう言うと、少年はふんっと馬鹿にしたように鼻で笑った。
「王族が、俺たちなんかにそんなことしてくれるわけないだろ。それにもしあったとしても、上の奴らがちょろまかしてるさ」
「……」
「大人も……貴族もみんな大嫌いだ!」
マルティナはその言葉を聞いて、哀しそうに俯いた。
「私たちは商人だ。貴族じゃない」
ハビエルがそう嘘をついたので、マルティナは驚いて顔を上げた。
「……」
「妹も腹が減ってるのだろう? 私たちを君の孤児院へ連れて行ってくれ。差し入れをしよう」
「嫌だ。大人は信用できねぇ」
プイッとそっぽを向いた少年の手を、マルティナはそっと包み込んだ。
「お願い、信じて。絶対にあなたを助けるから」
目に涙を溜めてそう言ったマルティナが、とても綺麗で……少年はぐっと息をのんだ。
「……な、なんか変なことしたら、すぐ追い出すからな」
「ありがとう!」
喜んだマルティナにぎゅっと抱き締められて、少年は真っ赤になった。
「そうと決まれば、早く行こうか」
すかさずハビエルが間に入り、作り笑顔で少年とマルティナを引き剥がした。
「ねえ、あなたの名前はなんていうの?」
「俺はネイサンだ」
「いい名前ね」
「あんたは?」
「私は……ティナよ」
マルティナはさすがに本名を言うわけにはいかないので、そう告げた。
「……ティナ」
少年は、歩きながら嬉しそうにポツリとそう呟いた。その様子をハビエルは、面白くない様子で眺めていた。
途中でパンやフルーツ、焼き菓子をたくさん買い孤児院へ向かった。
「すみません、支援をさせていただきたいのだが……話を聞かせてもらえるだろうか」
ハビエルがそう伝えると、孤児院を取りまとめている年配の男性が出てきた。でっぷりと太っていて、私腹を肥やしているのがわかる。
「あなた様は?」
「この国の商人だ。街でネイサンという少年が腹を空かせているのを見て、不憫に思ってな。金のある者はない者に分け与えるべきだというのが、私のポリシーなのだ」
そう提案すると、男はニタニタと笑いながら媚びたように話しはじめた。
「まあ、そうでございましたか。とてもありがたいことでございます。国の支援もあまりないもので、困っておるのです。もっと子どもたちに良い暮らしをさせてやりたいのですが……ねぇ?」
「そうか。微力ながら支援をしよう」
国の支援がないなどどの口が言うのかと、ハビエルもマルティナも腹が立ったが黙って堪えた。
「流石に今すぐ現金はない。後日ここへ持って来させよう」
「ありがとうございます」
「とりあえずは、食料だ。今すぐこの子たちに与えてやってくれ」
食料をテーブルに置くと、男はにっこりと笑った。
「実は子どもたちは食事をしたばかりでして。また夜に食べさせますね」
そう言って食料を下げようとしたが、後ろから様子を見に来たたくさんの子どもたちから『ぐーっ』というお腹の音が聞こえてきた。
「腹が減っているようだが……?」
「お、おかしいですね」
「すぐに食べさせよう。さあ、おいで」
子どもたちはハビエルとマルティナを取り囲み、見たこともないような美味しい果物やパンを嬉しそうに頬張っていた。
「ネイサンももっと食べて。さあ、妹さんにも」
「……ありがと」
「ええ。どうしたしまして」
ぶっきらぼうにお礼を言ったネイサンの頭を、マルティナはそっと撫でた。
「ねえ、ネイサン。あんなことはもう二度としないって約束して」
「……」
「でも私たちが、絶対にみんながお腹の空くことのないようにするから」
「……わかった。約束する」
ネイサンはこくんと頷き、マルティナと指切りをした。
「どうして、あんたたちはそんなに良くしてくれるんだ?」
不思議そうにそう質問をしたネイサンの肩を、ハビエルはぽんっと軽く掴んだ。
「それが私たちの使命だからだ」
「しめい?」
「ああ」
ハビエルはネイサンの頭をぐりぐりと撫で、フッと微笑んだ。
「そろそろ行こうか」
「はい」
孤児院の取りまとめの男には、また来ると伝えて二人は外に出た。もちろん、後日王宮の役人がこの男の不正を明らかにすることになるのだが……今はそんなことは言わないでおく。
子どもたちからは『もう帰っちゃうの』と寂しがられたが、ずっとここにいるわけにはいかない。
「ええ、みんな元気でね」
「残った菓子は仲良く分けなさい」
みんな「はーい」と素直に返事をして、手を振ってくれた。二人はそれを見て、ここに来て良かったと心が暖かくなった。
「おいっ! ティナ」
孤児院の前の道まで、ネイサンが駆け出してきた。
「ネイサン。どうしたの」
「あの……その……俺……俺……」
ネイサンは何かを言いたそうに、もじもじとしながらマルティナの前に立っていた。
「焦らず、ゆっくり話して」
しゃがんでニコリと微笑んだマルティナに、ネイサンは頬を染めた。
「俺、ちゃんとした大人の男になるから! 強くなるし、賢くなる」
大きな声でのその宣言に、マルティナは嬉しそうに目を細めた。
「ええ、きっとなれるわ」
「だから……ティナ、またここに来てくれ! あんたに相応しい男になるから」
「え? 相応しい……?」
マルティナがキョトンとしている隙に、ネイサンはマルティナの頬にちゅっとキスをした。
「……っ!?」
驚いて頬を手で押さえると、ネイサンはニカっと悪戯っぽく笑った。
「じゃあな!」
そのまま振り返らずに、ネイサンはずんずんと駆けて行ってあっという間に見えなくなった。
「……あのガキ、絶対に許さないっ!」
ハビエルの身体は、怒りでブルブルと震えていた。マルティナはネイサンを追いかけようとしたハビエルを、なんとか止めた。
「こ、子どものしたことですから」
「年齢は関係ない……あいつは男だ!」
そう言って、ハビエルはマルティナの頬をハンカチでゴシゴシと拭いた。
「い、痛いです」
肌を傷つけるわけにはいかないので、ハビエルはマルティナの頬に何度もキスをした。
「上書きさせて」
「こ、ここは外ですよ」
「……じゃあ、二人きりになりたい。ボートは明日だ」
マルティナはネイサンにやきもちを焼いたハビエルに手を引かれ、泊まる予定のホテルに連れて行かれた。
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