10 / 37
9 試験の日
しおりを挟む
アイラは、毎日寝る間も惜しんで試験勉強をした。もちろん一年以上前からずっと勉強をしていたのだが、さらに自分を追い込んだ。
『試験頑張ってね。アイラならできるわ』
心が折れそうになった時は、リーゼから送られてきた激励の手紙を見て頑張った。
そして、四歳下の弟カミルが、両親より先に私の夢を応援してくれた。
「姉様が先生なんて天職だと思うよ。もし結婚できなくても、僕がずっと姉様と暮らすから安心して」
そんな嬉しいことを言ってくれたので、私はカミルを抱き締めた。
「姉様の良さは顔だけじゃないこと、僕はよく知ってるよ」
「ありがとう、カミル! 大好きよ」
そしてアイラの専属侍女であるリラも、応援をしてくれた。リラは幼い頃から一緒にいるため、私が先生になりたいことも知ってくれていた。
「私は何があってもお嬢様の味方ですから」
「……リラ、ありがとう」
「諦めないでくださいませ」
二人に勇気を貰ったアイラは、試験勉強を続けた。その姿を見て、両親もだんだんとアイラの夢を応援してくれるようになった。
「アイラ、今日までよく頑張ったな。力を出し切っておいで」
「緊張しないようにね」
「姉様、頑張ってね。行ってらっしゃい」
アイラは両親と弟……たくさんの使用人たちに見送られて、試験に向かった。あんなに反対していた母親も、最後は笑顔で送り出してくれたことが嬉しかった。
「大丈夫。出来ることは全てやったもの」
王宮に着いたので大きく深呼吸をして馬車から降りると、後ろから馬の嘶きが聞こえてきた。
「良かった。なんとか間に合ったな」
颯爽と馬から降りてきたのは、オスカーだった。
「オスカー様! どうされたのですか」
「アイラの試験が今日だったなと思って」
アイラはほとんど家から出ずに勉強ばかりしていたので、オスカーと会うのは約二ヶ月ぶりだ。
「これは御守りだ」
オスカーはアイラの手の上に、美しい石が付いたネックレスを乗せた。
「綺麗。これはターコイズですか」
「成功の石だ。良かったら持って行ってくれ」
アイラはすぐにネックレスを首に付けて、ニッコリと微笑んだ。
「嬉しいです。ありがとうございます」
「自分の力を出し切れることを祈ってる」
「はい、頑張って来ます」
勇気をもらったアイラは、緊張せず教員試験の会場に向かった。教員免許は国家資格で、年に一回だけ試験が受けられる。
「絶対に受かってみせるわ」
アイラはスラスラと問題を解いていった。ところどころ難しい問題もあったが、とても手応えを感じられる出来だった。
「これならきっと大丈夫だわ」
アイラは試験を終え、ホッと安心して家に戻ろうとした。しかし、何故か馬車が急に道端で止まってしまった。
ガタンっ
「お嬢様、すみません。大丈夫ですか」
「ええ、大丈夫よ。何かあったの?」
「ロッシュ領で火事があったらしいです。危ないからこれ以上は進まないようにと、通行止めをされているようです。旦那様たちはご無事でしょうか?」
「え……ロッシュ領で火事? まさかそんな」
真っ青な顔で報告する御者の報告を聞いて、アイラは狼狽えた。馬車の外を見ると、騎士団で見たことのある顔の隊員たちが数名交通整備をしているようだった。
「顔見知りの騎士がいらっしゃるわ。話を聞いてきます」
アイラは馬車からおりて、オスカーの部下たちのところへ走った。
「あの! すみませんが、ロッシュ領で火事があったというのは本当ですか」
「アイラ嬢! それが本当です。今、別の騎士たちが向かっています。オスカー隊長も別の任務についていたのですが、もうすぐここに到着するはずです」
「家族や領民たちが心配なのです。ここを通してもらうことはできませんか?」
「お気持ちはわかりますが、駄目です。どうなっているかわからないので危険すぎます」
騎士たちに制止され、身動きを取ることができなかった。アイラは不安で胸が押しつぶされそうになった。
「アイラ! 君はまだ王都にいたんだな。とりあえず良かった」
その時、後ろからオスカーの声が聞こえてきた。
「オスカー様、火事が……火事が起きたと。私はどうしたら」
アイラは動揺と心配で、顔が真っ青になって身体の震えが止まらなくなった。
「ああ、大変なことになったな。だが、大丈夫だ。俺が今から向かう」
「オスカー様、私も連れて行ってください」
「駄目だ。危険だからここで待っていろ。俺が必ずみんなを助ける。信じてくれ」
オスカーに両肩を掴まれ、まっすぐ目を見つめられた。すると不思議と気持ちが落ち着いてきた。
「わかり……ました」
冷静になると、今現地に向かってもアイラは足手纏いになることが理解できた。
「いい子だ」
オスカーは優しい目でアイラを見つめ頭をひと撫ですると、すぐにキリッと引き締まった表情に変わった。
「今から俺はロッシュ領に入る。隊の半分は俺とエイベルの指示に従い、救出と火消しを。もう半分はここで交通整理と怪我人の手当てに当たってくれ。よろしく頼むぞ!」
大きく響く声で一帯の騎士たちに指示をすると、一斉に「了解」と返事が返ってきた。
「では、行ってくる」
「オスカー様、これは煙避けに使ってください」
アイラはポケットから自分のハンカチを取り出し、オスカーに差し出した。
「ありがとう」
「よろしくお願いします。気をつけてくださいませ」
「任せておけ」
オスカーは馬に乗ってロッシュ領へ駆けて行った。アイラは自分にも喝を入れ、自分にできることをしようと思い直した。
それからはアイラは危険のない場所まで移動して、簡易の救護室で怪我人の手当てを手伝った。次々と運ばれてくる人たちの多さに、火事の被害の大きさを知り胸が苦しくなったが懸命にサポートをした。
数時間経過した後、全部の火が消えたと報告があった。その後すぐに救護室にエイベルが駆け込んできた。
「アイラ嬢、こいつの手当てをしてやってください」
担ぎ上げられているのは、ボロボロになったオスカーだった。
「オスカー様っ!」
アイラは悲鳴をあげて、意識のないオスカーに駆け寄った。
『試験頑張ってね。アイラならできるわ』
心が折れそうになった時は、リーゼから送られてきた激励の手紙を見て頑張った。
そして、四歳下の弟カミルが、両親より先に私の夢を応援してくれた。
「姉様が先生なんて天職だと思うよ。もし結婚できなくても、僕がずっと姉様と暮らすから安心して」
そんな嬉しいことを言ってくれたので、私はカミルを抱き締めた。
「姉様の良さは顔だけじゃないこと、僕はよく知ってるよ」
「ありがとう、カミル! 大好きよ」
そしてアイラの専属侍女であるリラも、応援をしてくれた。リラは幼い頃から一緒にいるため、私が先生になりたいことも知ってくれていた。
「私は何があってもお嬢様の味方ですから」
「……リラ、ありがとう」
「諦めないでくださいませ」
二人に勇気を貰ったアイラは、試験勉強を続けた。その姿を見て、両親もだんだんとアイラの夢を応援してくれるようになった。
「アイラ、今日までよく頑張ったな。力を出し切っておいで」
「緊張しないようにね」
「姉様、頑張ってね。行ってらっしゃい」
アイラは両親と弟……たくさんの使用人たちに見送られて、試験に向かった。あんなに反対していた母親も、最後は笑顔で送り出してくれたことが嬉しかった。
「大丈夫。出来ることは全てやったもの」
王宮に着いたので大きく深呼吸をして馬車から降りると、後ろから馬の嘶きが聞こえてきた。
「良かった。なんとか間に合ったな」
颯爽と馬から降りてきたのは、オスカーだった。
「オスカー様! どうされたのですか」
「アイラの試験が今日だったなと思って」
アイラはほとんど家から出ずに勉強ばかりしていたので、オスカーと会うのは約二ヶ月ぶりだ。
「これは御守りだ」
オスカーはアイラの手の上に、美しい石が付いたネックレスを乗せた。
「綺麗。これはターコイズですか」
「成功の石だ。良かったら持って行ってくれ」
アイラはすぐにネックレスを首に付けて、ニッコリと微笑んだ。
「嬉しいです。ありがとうございます」
「自分の力を出し切れることを祈ってる」
「はい、頑張って来ます」
勇気をもらったアイラは、緊張せず教員試験の会場に向かった。教員免許は国家資格で、年に一回だけ試験が受けられる。
「絶対に受かってみせるわ」
アイラはスラスラと問題を解いていった。ところどころ難しい問題もあったが、とても手応えを感じられる出来だった。
「これならきっと大丈夫だわ」
アイラは試験を終え、ホッと安心して家に戻ろうとした。しかし、何故か馬車が急に道端で止まってしまった。
ガタンっ
「お嬢様、すみません。大丈夫ですか」
「ええ、大丈夫よ。何かあったの?」
「ロッシュ領で火事があったらしいです。危ないからこれ以上は進まないようにと、通行止めをされているようです。旦那様たちはご無事でしょうか?」
「え……ロッシュ領で火事? まさかそんな」
真っ青な顔で報告する御者の報告を聞いて、アイラは狼狽えた。馬車の外を見ると、騎士団で見たことのある顔の隊員たちが数名交通整備をしているようだった。
「顔見知りの騎士がいらっしゃるわ。話を聞いてきます」
アイラは馬車からおりて、オスカーの部下たちのところへ走った。
「あの! すみませんが、ロッシュ領で火事があったというのは本当ですか」
「アイラ嬢! それが本当です。今、別の騎士たちが向かっています。オスカー隊長も別の任務についていたのですが、もうすぐここに到着するはずです」
「家族や領民たちが心配なのです。ここを通してもらうことはできませんか?」
「お気持ちはわかりますが、駄目です。どうなっているかわからないので危険すぎます」
騎士たちに制止され、身動きを取ることができなかった。アイラは不安で胸が押しつぶされそうになった。
「アイラ! 君はまだ王都にいたんだな。とりあえず良かった」
その時、後ろからオスカーの声が聞こえてきた。
「オスカー様、火事が……火事が起きたと。私はどうしたら」
アイラは動揺と心配で、顔が真っ青になって身体の震えが止まらなくなった。
「ああ、大変なことになったな。だが、大丈夫だ。俺が今から向かう」
「オスカー様、私も連れて行ってください」
「駄目だ。危険だからここで待っていろ。俺が必ずみんなを助ける。信じてくれ」
オスカーに両肩を掴まれ、まっすぐ目を見つめられた。すると不思議と気持ちが落ち着いてきた。
「わかり……ました」
冷静になると、今現地に向かってもアイラは足手纏いになることが理解できた。
「いい子だ」
オスカーは優しい目でアイラを見つめ頭をひと撫ですると、すぐにキリッと引き締まった表情に変わった。
「今から俺はロッシュ領に入る。隊の半分は俺とエイベルの指示に従い、救出と火消しを。もう半分はここで交通整理と怪我人の手当てに当たってくれ。よろしく頼むぞ!」
大きく響く声で一帯の騎士たちに指示をすると、一斉に「了解」と返事が返ってきた。
「では、行ってくる」
「オスカー様、これは煙避けに使ってください」
アイラはポケットから自分のハンカチを取り出し、オスカーに差し出した。
「ありがとう」
「よろしくお願いします。気をつけてくださいませ」
「任せておけ」
オスカーは馬に乗ってロッシュ領へ駆けて行った。アイラは自分にも喝を入れ、自分にできることをしようと思い直した。
それからはアイラは危険のない場所まで移動して、簡易の救護室で怪我人の手当てを手伝った。次々と運ばれてくる人たちの多さに、火事の被害の大きさを知り胸が苦しくなったが懸命にサポートをした。
数時間経過した後、全部の火が消えたと報告があった。その後すぐに救護室にエイベルが駆け込んできた。
「アイラ嬢、こいつの手当てをしてやってください」
担ぎ上げられているのは、ボロボロになったオスカーだった。
「オスカー様っ!」
アイラは悲鳴をあげて、意識のないオスカーに駆け寄った。
41
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
勘違い令嬢の離縁大作戦!~旦那様、愛する人(♂)とどうかお幸せに~
藤 ゆみ子
恋愛
グラーツ公爵家に嫁いたティアは、夫のシオンとは白い結婚を貫いてきた。
それは、シオンには幼馴染で騎士団長であるクラウドという愛する人がいるから。
二人の尊い関係を眺めることが生きがいになっていたティアは、この結婚生活に満足していた。
けれど、シオンの父が亡くなり、公爵家を継いだことをきっかけに離縁することを決意する。
親に決められた好きでもない相手ではなく、愛する人と一緒になったほうがいいと。
だが、それはティアの大きな勘違いだった。
シオンは、ティアを溺愛していた。
溺愛するあまり、手を出すこともできず、距離があった。
そしてシオンもまた、勘違いをしていた。
ティアは、自分ではなくクラウドが好きなのだと。
絶対に振り向かせると決意しながらも、好きになってもらうまでは手を出さないと決めている。
紳士的に振舞おうとするあまり、ティアの勘違いを助長させていた。
そして、ティアの離縁大作戦によって、二人の関係は少しずつ変化していく。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
四葉美名
恋愛
「危険です! 突然現れたそんな女など処刑して下さい!」
ある日突然、そんな怒号が飛び交う異世界に迷い込んでしまった橘莉子(たちばなりこ)。
竜王が統べるその世界では「迷い人」という、国に恩恵を与える異世界人がいたというが、莉子には全くそんな能力はなく平凡そのもの。
そのうえ莉子が現れたのは、竜王が初めて開いた「婚約者候補」を集めた夜会。しかも口に怪我をした治療として竜王にキスをされてしまい、一気に莉子は竜人女性の目の敵にされてしまう。
それでもひっそりと真面目に生きていこうと気を取り直すが、今度は竜王の子供を産む「運命の花嫁」に選ばれていた。
その「運命の花嫁」とはお腹に「竜王の子供の魂が宿る」というもので、なんと朝起きたらお腹から勝手に子供が話しかけてきた!
『ママ! 早く僕を産んでよ!』
「私に竜王様のお妃様は無理だよ!」
お腹に入ってしまった子供の魂は私をせっつくけど、「運命の花嫁」だとバレないように必死に隠さなきゃ命がない!
それでも少しずつ「お腹にいる未来の息子」にほだされ、竜王とも心を通わせていくのだが、次々と嫌がらせや命の危険が襲ってきて――!
これはちょっと不遇な育ちの平凡ヒロインが、知らなかった能力を開花させ竜王様に溺愛されるお話。
設定はゆるゆるです。他サイトでも重複投稿しています。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる