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俺だけの手 2
ホテルの客室に入るなり、思わず航の右手を握りしめてしまった。
ボールを掴むために生まれて来たような分厚くて大きな手を持つ航。
使い込みマメの痕が残る手を撫でていく。
ああ、血が通って温かい航の手だ……俺の航の手だ。
「湊?」
「……航の手は、俺だけのものだ」
「どうした?」
「……今日は他の奴に沢山触れさせたな」
「しょうがないだろう。握手も仕事のうちなんだから」
( 嫌だ…)
心の中で叫んでしまった。
「ふっ……湊、言わなくても分かっている。抱くぞ」
航はその大きな手でいともたやすく俺の腰を引き寄せ、そのままベッドへともつれるように雪崩れ込んだ。
「航っ、待ってくれ。せっかくのスーツが皺になってしまう!」
「湊を抱く方が大事だ。スーツなんてどうでもいい!」
首元のネクタイをクイッと緩めた航が、俺の上で微笑んだ。
それならばと、俺も航のネクタイに手をかけ誘う。
「じゃあ……来て」
「ふっ、湊も大胆になったな。可愛い奴だ」
航の太い指先が俺の着ていたシャツのボタンを、じれったそうに外していく。
お前の相手、本当に俺なんかでいいのか。
そんな不安も航が激しく求めてくれれば、すぐに飛んでいく。
あっという間に裸に剥かれ、シーツの上に体をポンっと置かれる。
航のごつい指先で中を弄られほぐされれば、飛び上がるように感じてしまう。
航の大きな手が、野球の球ではなく俺の震える腰を掴むと、腰がふわりと浮いた。
その浮いた腰は、航の昂る体と密に合わさって、そのまま擦るように揺さぶられていく。
「あっ……いい……」
大柄の航の獰猛なまでの動きに翻弄されていく。
「あ……あ」
ぐっぐっと揺さぶられ繋がるために浮かぶ腰。
「航……航っ」
「なんだ?」
「しっかり支えていてくれ!」
「あぁ分かった。湊は何も心配するな」
そのまま航が、俺の全てを支配していく。
体が宙に浮いたようで不安定で怖いのに、お前が大きな手の平でぐっと背中を支えてくれるから、いつだって俺はこの身を投げ出せる。
「あぁっ」
やがて俺の蜜も白濁もぐしゃぐしゃになったシーツへ滴り、共に果てた後、整わない呼吸に胸を喘がせていると、視界を遮る大きな手を感じた。
「な……に?」
汗で濡れた俺の額に、航が優しく手を当ててくれている。
「湊……大丈夫か、酷くしたか」
「いや……やっぱりいいな、お前の……」
「何がだ?」
「航の逞しい手は、俺だけのものがいい」
ふっと航が微笑み、俺の頬を包み優しいキスをくれる。
さっきまで獰猛な航はもういなくて、ひたすら俺を甘やかす時間が来たようだ。
「なぁ俺のスーツ姿もたまにはいいだろう?」
「うーん、どうかな。やっぱりユニホームでマウンドに立っている航がいい。あそこは誰も気安く触れられない神聖な場所だから」
「なんだ欲張りだな、湊に見て欲しくてそのまま来たのに」
「俺は欲張りかな」
あんな美男子なスーツ姿。誰にも見せたくない。
航のことが好きすぎてたまらないんだ。
あぁ、参ったな。
俺って、独占欲の塊だ!
「分かってるよ……全部、可愛いヤツ」
航の手が再びなだめるように優しく額に触れてくれる。
「湊……今日は泊っていくぞ。……まだ出し切れてない」
「いいよ。お前の体力に……俺も限界まで付き合う」
逞しい手、優しい手。どちらも俺だけのもの。
俺の恋人は野球選手。
そして、俺だけの手の持ち主だ。
了
ボールを掴むために生まれて来たような分厚くて大きな手を持つ航。
使い込みマメの痕が残る手を撫でていく。
ああ、血が通って温かい航の手だ……俺の航の手だ。
「湊?」
「……航の手は、俺だけのものだ」
「どうした?」
「……今日は他の奴に沢山触れさせたな」
「しょうがないだろう。握手も仕事のうちなんだから」
( 嫌だ…)
心の中で叫んでしまった。
「ふっ……湊、言わなくても分かっている。抱くぞ」
航はその大きな手でいともたやすく俺の腰を引き寄せ、そのままベッドへともつれるように雪崩れ込んだ。
「航っ、待ってくれ。せっかくのスーツが皺になってしまう!」
「湊を抱く方が大事だ。スーツなんてどうでもいい!」
首元のネクタイをクイッと緩めた航が、俺の上で微笑んだ。
それならばと、俺も航のネクタイに手をかけ誘う。
「じゃあ……来て」
「ふっ、湊も大胆になったな。可愛い奴だ」
航の太い指先が俺の着ていたシャツのボタンを、じれったそうに外していく。
お前の相手、本当に俺なんかでいいのか。
そんな不安も航が激しく求めてくれれば、すぐに飛んでいく。
あっという間に裸に剥かれ、シーツの上に体をポンっと置かれる。
航のごつい指先で中を弄られほぐされれば、飛び上がるように感じてしまう。
航の大きな手が、野球の球ではなく俺の震える腰を掴むと、腰がふわりと浮いた。
その浮いた腰は、航の昂る体と密に合わさって、そのまま擦るように揺さぶられていく。
「あっ……いい……」
大柄の航の獰猛なまでの動きに翻弄されていく。
「あ……あ」
ぐっぐっと揺さぶられ繋がるために浮かぶ腰。
「航……航っ」
「なんだ?」
「しっかり支えていてくれ!」
「あぁ分かった。湊は何も心配するな」
そのまま航が、俺の全てを支配していく。
体が宙に浮いたようで不安定で怖いのに、お前が大きな手の平でぐっと背中を支えてくれるから、いつだって俺はこの身を投げ出せる。
「あぁっ」
やがて俺の蜜も白濁もぐしゃぐしゃになったシーツへ滴り、共に果てた後、整わない呼吸に胸を喘がせていると、視界を遮る大きな手を感じた。
「な……に?」
汗で濡れた俺の額に、航が優しく手を当ててくれている。
「湊……大丈夫か、酷くしたか」
「いや……やっぱりいいな、お前の……」
「何がだ?」
「航の逞しい手は、俺だけのものがいい」
ふっと航が微笑み、俺の頬を包み優しいキスをくれる。
さっきまで獰猛な航はもういなくて、ひたすら俺を甘やかす時間が来たようだ。
「なぁ俺のスーツ姿もたまにはいいだろう?」
「うーん、どうかな。やっぱりユニホームでマウンドに立っている航がいい。あそこは誰も気安く触れられない神聖な場所だから」
「なんだ欲張りだな、湊に見て欲しくてそのまま来たのに」
「俺は欲張りかな」
あんな美男子なスーツ姿。誰にも見せたくない。
航のことが好きすぎてたまらないんだ。
あぁ、参ったな。
俺って、独占欲の塊だ!
「分かってるよ……全部、可愛いヤツ」
航の手が再びなだめるように優しく額に触れてくれる。
「湊……今日は泊っていくぞ。……まだ出し切れてない」
「いいよ。お前の体力に……俺も限界まで付き合う」
逞しい手、優しい手。どちらも俺だけのもの。
俺の恋人は野球選手。
そして、俺だけの手の持ち主だ。
了
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お互いへの独占欲最高!
こういうの好きです(^^)
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二人の名前も私のタイプすぎるー(名前にタイプって)
これからアルファにも力を入れていくの、楽しみに作品見守らせてもらいます(๑˃̵ᴗ˂̵)
素敵な短編ありがとうございました✨
riikoさん、早速読んで下さってありがとうございます!
感想嬉しいです。
お互いへの独占欲大好物なので、私の好きをぎゅっと詰め込んでみました。
受けちゃんも嫉妬しているの可愛いですよね~
名前、私も好みなんです。この二人またどこかで書けたらいいな。
アルファさんでも頑張りたいので、どうぞよろしくお願いします(〃▽〃)ポッ