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成就編
聖なる夜に 28
包みの中を覗いて、俺はニヤッと笑ってしまった。
中身はモコモコの部屋着で、確かにウサギではなかった。
「いやぁ、これは……兄さん最高ですよ」
俺の隣でソワソワしていた瑞樹が、チラッとラッピング袋の中を覗き込んで、合点がいったような驚いた声を出した。
「えぇっ! 宗吾さんのは、やっぱり『狼』だったのですか‼」
兄さんと美智さんが顔を見合わせて、キョトンしている。芽生も不思議そうな顔をしている。
「パパのはオオカミさんなの? えー、お兄ちゃんいいの? オオカミさんはうさぎちゃんをたべちゃうんだよぉ~。おにいちゃん、たべられちゃうよ」
「へっ『狼』って? これは違うぞ。ははっ、みーずき。またやっちまってるぞ!」
そこで、瑞樹も自分が失言したことに気づいたらしい。
「あ! え? あぁぁ……ぼ、僕……またっ」
瑞樹は真っ赤な顔で、うさぎの部屋着を抱えて、部屋から飛び出してしまった。
「おい、瑞樹くん、待てよ」
「おにーちゃん?」
「おーい!」
本当に近頃の瑞樹は、『むっつりスケベ』だよなぁと苦笑していると、母さんに頭をパカッと叩かれた。
「こらっ! 宗吾は笑っている場合ではないわ。元々はあなたの日頃の行いが悪いせいでしょう。ほら、行って謝って、励まして来なさい。こんな調子では、可愛い瑞樹くんに、いつか嫌われてしまうわよ」
「えぇ? 俺のせいなのかよ」
「そうよ。私は瑞樹くんの味方よ。可愛いうさぎくんが好きよ。あ、そういえば、宗吾は結局、何だったの?」
皆の前で包みを広げて見せた。グレーのモコモコの部屋着には、クマの耳がちょこんとついていた。まぁ……色的には狼みたいだが。
「俺は『狼』じゃなくて『熊』だよ。ほら、この耳は丸くて可愛いだろう。しかし、兄さんと姉さんもよく男物を見つけたな」
「ははは、その『狼風の熊』が、お前に似合っていると思ってな」
「ん?」
「くすくす、さぁ瑞樹くんを呼んできて。可哀想なことしちゃった」
「了解」
「パパ。これをきて『おれはクマですよーこわくないですよー。うさぎさんをたべたりしませんよ~』って、お兄ちゃんに言ってあげるといいよ」
「おう! それも了解!」
いそいそと部屋着を着込んで、瑞樹を探しに行った。
****
「みーずき」
洗面所の扉をトントンっとノックするが、返事はない。だが、君が隠れるとしたら、恐らくここだろう。
中からコトッと物音がする。
「おーい、皆が心配しているぞ」
「うっ……恥ずかしいんですよ」
「そうか。だが、誰も気にしていないぞ。なぁ入っていいか」
「だっ、駄目です」
「……そっか。なぁ……ごめんよ。母さんにも叱られたんだ。俺のせいで瑞樹が変になっているって。いつか嫌われるってさ」
しょんぼりと呟くように言うと、中にいる瑞樹が焦った声を出した。
「え……? 違いますよ。宗吾さんのせいではありません。宗吾さんは変じゃないです! それに嫌いになんて……絶対になりません!」
あぁ、可愛いなぁ……思わず扉の向こうにいる瑞樹の必死な様子を想像して、目を細めてしまう。
「じゃあ、ここ、開けてくれよ」
「……はい」
扉が静かに開くと、うさぎみたいに目を充血させた瑞樹が、ポスッと俺に抱きついてきた。
泣き顔を隠すために、上だけうさぎの部屋着のもこもこになっているのが、最高にキュートだ!
やばいな……やっぱり狼にもなりたくなる。この状況は。
「あ、宗吾さんは、クマだったんですね」
「そうだ。耳が丸くて、すごく『大人しいクマ』だぞ」
「大人しい?」
「そうさ! だが……」
皆は居間にいるので、脱衣場に瑞樹を抱きしめたまま押し込めた。
「あ、あの? 居間に戻らないと……」
「少しだけ」
うさ耳のフードを目深く被せると、彼のシュッとした美形な顔が白いモフモフに縁取られて、雪の国の王子さまみたいだ。垂れた耳も可憐で、ヤバい。
あぁ、なんともいえないな。君が可愛くて可愛くて……とうとう我慢出来なくなった。
「あっ、駄目です……」
「我慢できない。今朝は、まだ『おはようのキス』をしていなかっただろう」
「ん……っ」
彼の顎を掴んで、チュッとキスをした。昨夜触れていない分、どんどん求めてしまう。
夜まで待てなくなるよ。君の唇が美味し過ぎて――チュッ、チュッと激しくキスを落としていると、頬を赤らめた瑞樹が、擽ったそうに微笑んだ。
「どうした?」
「くすっ……やっぱり……大人しくなんてないですよ。まるで……狼みたいな獰猛なクマさんです」
中身はモコモコの部屋着で、確かにウサギではなかった。
「いやぁ、これは……兄さん最高ですよ」
俺の隣でソワソワしていた瑞樹が、チラッとラッピング袋の中を覗き込んで、合点がいったような驚いた声を出した。
「えぇっ! 宗吾さんのは、やっぱり『狼』だったのですか‼」
兄さんと美智さんが顔を見合わせて、キョトンしている。芽生も不思議そうな顔をしている。
「パパのはオオカミさんなの? えー、お兄ちゃんいいの? オオカミさんはうさぎちゃんをたべちゃうんだよぉ~。おにいちゃん、たべられちゃうよ」
「へっ『狼』って? これは違うぞ。ははっ、みーずき。またやっちまってるぞ!」
そこで、瑞樹も自分が失言したことに気づいたらしい。
「あ! え? あぁぁ……ぼ、僕……またっ」
瑞樹は真っ赤な顔で、うさぎの部屋着を抱えて、部屋から飛び出してしまった。
「おい、瑞樹くん、待てよ」
「おにーちゃん?」
「おーい!」
本当に近頃の瑞樹は、『むっつりスケベ』だよなぁと苦笑していると、母さんに頭をパカッと叩かれた。
「こらっ! 宗吾は笑っている場合ではないわ。元々はあなたの日頃の行いが悪いせいでしょう。ほら、行って謝って、励まして来なさい。こんな調子では、可愛い瑞樹くんに、いつか嫌われてしまうわよ」
「えぇ? 俺のせいなのかよ」
「そうよ。私は瑞樹くんの味方よ。可愛いうさぎくんが好きよ。あ、そういえば、宗吾は結局、何だったの?」
皆の前で包みを広げて見せた。グレーのモコモコの部屋着には、クマの耳がちょこんとついていた。まぁ……色的には狼みたいだが。
「俺は『狼』じゃなくて『熊』だよ。ほら、この耳は丸くて可愛いだろう。しかし、兄さんと姉さんもよく男物を見つけたな」
「ははは、その『狼風の熊』が、お前に似合っていると思ってな」
「ん?」
「くすくす、さぁ瑞樹くんを呼んできて。可哀想なことしちゃった」
「了解」
「パパ。これをきて『おれはクマですよーこわくないですよー。うさぎさんをたべたりしませんよ~』って、お兄ちゃんに言ってあげるといいよ」
「おう! それも了解!」
いそいそと部屋着を着込んで、瑞樹を探しに行った。
****
「みーずき」
洗面所の扉をトントンっとノックするが、返事はない。だが、君が隠れるとしたら、恐らくここだろう。
中からコトッと物音がする。
「おーい、皆が心配しているぞ」
「うっ……恥ずかしいんですよ」
「そうか。だが、誰も気にしていないぞ。なぁ入っていいか」
「だっ、駄目です」
「……そっか。なぁ……ごめんよ。母さんにも叱られたんだ。俺のせいで瑞樹が変になっているって。いつか嫌われるってさ」
しょんぼりと呟くように言うと、中にいる瑞樹が焦った声を出した。
「え……? 違いますよ。宗吾さんのせいではありません。宗吾さんは変じゃないです! それに嫌いになんて……絶対になりません!」
あぁ、可愛いなぁ……思わず扉の向こうにいる瑞樹の必死な様子を想像して、目を細めてしまう。
「じゃあ、ここ、開けてくれよ」
「……はい」
扉が静かに開くと、うさぎみたいに目を充血させた瑞樹が、ポスッと俺に抱きついてきた。
泣き顔を隠すために、上だけうさぎの部屋着のもこもこになっているのが、最高にキュートだ!
やばいな……やっぱり狼にもなりたくなる。この状況は。
「あ、宗吾さんは、クマだったんですね」
「そうだ。耳が丸くて、すごく『大人しいクマ』だぞ」
「大人しい?」
「そうさ! だが……」
皆は居間にいるので、脱衣場に瑞樹を抱きしめたまま押し込めた。
「あ、あの? 居間に戻らないと……」
「少しだけ」
うさ耳のフードを目深く被せると、彼のシュッとした美形な顔が白いモフモフに縁取られて、雪の国の王子さまみたいだ。垂れた耳も可憐で、ヤバい。
あぁ、なんともいえないな。君が可愛くて可愛くて……とうとう我慢出来なくなった。
「あっ、駄目です……」
「我慢できない。今朝は、まだ『おはようのキス』をしていなかっただろう」
「ん……っ」
彼の顎を掴んで、チュッとキスをした。昨夜触れていない分、どんどん求めてしまう。
夜まで待てなくなるよ。君の唇が美味し過ぎて――チュッ、チュッと激しくキスを落としていると、頬を赤らめた瑞樹が、擽ったそうに微笑んだ。
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