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小学生編
憩いのダブルデート 3
俺は久しぶりに、瑞樹と恋人同士の時間を満喫していた。芽生と過ごす家族のレジャーも愛おしいが、また別物の楽しみがあるもんだな。
「ん……っ、宗吾さん、もうっ……」
「もっとだ。今日は下に着くまで、キスをし続けよう」
「そ、そんな……あっ」
口では抵抗しながら、俺とのキスに酔ってくれるのが可愛くて溜まらないよ。
柔らかい栗色の髪を指で梳き、口づけを深めていく。
「観覧車の中でキスをしたのは、あの日以来だな」
「……は、はい……んっ、んっ……」
まだ出会って間もない君とくちびるを重ねた日を思い出すと、甘い疼きがやってくる。
あの時から俺……ずっと胸の奥に、甘酸っぱいものを抱えているよ。
本当にどうしてこんなにキスだけで、ドキドキするのか。
以前も思ったが、きっとお互いを愛おしいと感じる想いの丈がぴったり重なっているからなのだろう。
俺と瑞樹が撒いた愛情の種は、もう芽吹き花も咲いている。
俺はこの美しい花を枯らさないようにしてやりたい。
観覧車から降りると、小森くんがベンチに体育座りで涙目になっていた。
あの日の君も同じように、ベンチで困った様子だったよな。あの頃の瑞樹は別れた彼を完全に忘れられなくて、自分の感情にいつも戸惑っていた。
だが、もう今は身も心も、俺色に満ちている。
そのことが、どんなに有り難いことか改めて感謝した。
しかしなぁ、ソフトクリームを外で舐めるのはそろそろ禁止すべきか。
何しろ、アレは色っぽすぎる! 清楚な顔と、エロい舌遣いのギャップに萌えてしまうのだよなぁ。
「滝沢さん、スプーンにしてみては? っと、今日はありがとうございます」
「ははっ、菅野くん、君も苦労人だよな」
「でも葉山のお陰で、観覧車の中では積極的で、ついやりすぎました」
言っていることは際どいが、彼の爽やかさがカバーしているというのか。
初々しい二人が眩しかった。
「いや、俺たちも初心に戻って楽しんでいるよ」
「あ、そうか。葉山と二人きりのデートは久しぶりですか」
「まぁな」
「じゃ、まだまだ楽しみましょう」
ジェットコースター、お化け屋敷、メリーゴーランド。
笑顔や歓声、時に悲鳴をあげながら、夕方まで四人で楽しんだ。
色気というよりは童心に戻ってしまったが。
帰り際に小森くんの爆弾発言が出るまでは、高校生のように爽やかな雰囲気だった。
「もうこんな時間か。そろそろ帰る?」
「え! あの……僕……その……」
小森くんがパーカーの裾を握りしめて、唇を噛みしめている。まるで駄々をこねる子供みたいだな。すると、すかさず菅野くんが心配そうに、小森くんの顔を覗き込んだ。
「ん? こもりん、どうした?」
「僕……まだ……帰りたくないです!」
「え? まだ乗り足りない?」
「あ……はい! そうなんです‼」
小森くんがキラキラと目を輝かせると、天使スマイルの瑞樹が近づいて、芽生に接するように優しく尋ねた。
「小森くんは一体何に乗りたいのかな? 僕も付き合うよ。バイキング? それともコーヒーカップ?」
「それはですね……ズバリっ、菅野くんに乗りたいです‼」
「へっ?」
瑞樹は真っ赤になって、首をふるふると震わせた。
「僕……僕……そんなこと教えていないから」
「葉山~! 感謝」
菅野くんは瑞樹に向かって合掌していた。
「そ、宗吾さん~」
瑞樹が恥ずかしさで埋もれそうになりながら、俺の胸によろよろと飛び込んできた。
「おお、よしよし、しかしなぁ、小森くんは飛躍し過ぎだよな」
「うううぅ……僕、そんなつもりでは、信じて下さいね」
「あぁ……」
「どうして……あんなこと……」
それはだなぁ……うーん、メリーゴーランドに乗る時、俺が小森くんに囁いたとは言い出せない雰囲気だ。
……
「滝沢さん、あのあの、さっき葉山さんに聞いたのですが、菅野くんと深く繋がるって、ズバリどうしたらいいんですか。ソフトクリームの後は、やっぱり最中になるんですか。僕、菅野くんに包まれるのかなって」
ほぅ、瑞樹にしては頑張ったな。ちゃんと話せたのか。
「そうだな~ 君は軽そうだから(瑞樹もだが)騎乗位もいいぞ。ちょうどメリーゴーランドに乗るから練習してこいよ」
「えっと……」
「メリーゴーランドの馬を、菅野くんだと思うんだ」
「なるほど! 了解です。流石、色気師匠の師匠さまぁ~ 実地訓練ですねぇ」
……
「くくくっ」
「あの? 何で笑っているんですか」
「まぁいいんじゃないか。あの二人、もう一線を越えても」
「で、ですが」
そこに母さんからの電話が入る。
「宗吾、映画終わって一旦家に戻ってきた所よ。芽生に夕食を食べさせてもいいかしら?」
「もちろん、いいよ」
「芽生が彩芽ちゃんと沢山遊びたいって言っているのよ。だから迎えはゆっくりでいいわよ」
「おぅ、サンキュ」
「今日は瑞樹くんとゆっくりしていらっしゃい。あの子は頑張り屋さんだから、たまには恋人同士の時間も大切にしてあげてね」
「あぁ、母さん、感謝しているよ」
朗報だ! 朗報だ!
「みーずきっ、俺も乗り物に乗りたくなってきた」
「え? いやですよ。上になるのは僕の方では? えっ……あっ、僕……な、何を言って……」
はい、墓穴!
本当に可愛い恋人を持ったと、ニヤニヤしてしまうよ。
「まぁ、まずは腹ごしらえからだ。小森君は空腹だと非常にまずい気がする。渋谷に出て夕食にしないか」
「し……渋谷ですか」
思い当たることがあるようで、顔を赤らめて俺をじどっと見つめてくる。
どんなに抱いても、いつも初心な反応を見せてくれる君が好きだよ。
「そうだ。渋谷は君も詳しいだろう」
「わぁ~ 僕もお腹空いてきました♡」
先ほどの爆弾発言をした人物とは思えない無邪気さで、お腹を擦る小森くん。
「渋谷と言えば……ごっくん!」
空腹小坊主と妙にハイテンションな菅野くんと、オロオロしている瑞樹を連れて、渋谷に移動した。
さてと、酒でも飲んで景気づけるか。
「よーし、今から君たちの壮行会だ」
「滝沢さんにも感謝!」
菅野くんに合掌されて、こそばゆい。
いや、その……俺も下心があっての、あれだからなぁ。
「ん……っ、宗吾さん、もうっ……」
「もっとだ。今日は下に着くまで、キスをし続けよう」
「そ、そんな……あっ」
口では抵抗しながら、俺とのキスに酔ってくれるのが可愛くて溜まらないよ。
柔らかい栗色の髪を指で梳き、口づけを深めていく。
「観覧車の中でキスをしたのは、あの日以来だな」
「……は、はい……んっ、んっ……」
まだ出会って間もない君とくちびるを重ねた日を思い出すと、甘い疼きがやってくる。
あの時から俺……ずっと胸の奥に、甘酸っぱいものを抱えているよ。
本当にどうしてこんなにキスだけで、ドキドキするのか。
以前も思ったが、きっとお互いを愛おしいと感じる想いの丈がぴったり重なっているからなのだろう。
俺と瑞樹が撒いた愛情の種は、もう芽吹き花も咲いている。
俺はこの美しい花を枯らさないようにしてやりたい。
観覧車から降りると、小森くんがベンチに体育座りで涙目になっていた。
あの日の君も同じように、ベンチで困った様子だったよな。あの頃の瑞樹は別れた彼を完全に忘れられなくて、自分の感情にいつも戸惑っていた。
だが、もう今は身も心も、俺色に満ちている。
そのことが、どんなに有り難いことか改めて感謝した。
しかしなぁ、ソフトクリームを外で舐めるのはそろそろ禁止すべきか。
何しろ、アレは色っぽすぎる! 清楚な顔と、エロい舌遣いのギャップに萌えてしまうのだよなぁ。
「滝沢さん、スプーンにしてみては? っと、今日はありがとうございます」
「ははっ、菅野くん、君も苦労人だよな」
「でも葉山のお陰で、観覧車の中では積極的で、ついやりすぎました」
言っていることは際どいが、彼の爽やかさがカバーしているというのか。
初々しい二人が眩しかった。
「いや、俺たちも初心に戻って楽しんでいるよ」
「あ、そうか。葉山と二人きりのデートは久しぶりですか」
「まぁな」
「じゃ、まだまだ楽しみましょう」
ジェットコースター、お化け屋敷、メリーゴーランド。
笑顔や歓声、時に悲鳴をあげながら、夕方まで四人で楽しんだ。
色気というよりは童心に戻ってしまったが。
帰り際に小森くんの爆弾発言が出るまでは、高校生のように爽やかな雰囲気だった。
「もうこんな時間か。そろそろ帰る?」
「え! あの……僕……その……」
小森くんがパーカーの裾を握りしめて、唇を噛みしめている。まるで駄々をこねる子供みたいだな。すると、すかさず菅野くんが心配そうに、小森くんの顔を覗き込んだ。
「ん? こもりん、どうした?」
「僕……まだ……帰りたくないです!」
「え? まだ乗り足りない?」
「あ……はい! そうなんです‼」
小森くんがキラキラと目を輝かせると、天使スマイルの瑞樹が近づいて、芽生に接するように優しく尋ねた。
「小森くんは一体何に乗りたいのかな? 僕も付き合うよ。バイキング? それともコーヒーカップ?」
「それはですね……ズバリっ、菅野くんに乗りたいです‼」
「へっ?」
瑞樹は真っ赤になって、首をふるふると震わせた。
「僕……僕……そんなこと教えていないから」
「葉山~! 感謝」
菅野くんは瑞樹に向かって合掌していた。
「そ、宗吾さん~」
瑞樹が恥ずかしさで埋もれそうになりながら、俺の胸によろよろと飛び込んできた。
「おお、よしよし、しかしなぁ、小森くんは飛躍し過ぎだよな」
「うううぅ……僕、そんなつもりでは、信じて下さいね」
「あぁ……」
「どうして……あんなこと……」
それはだなぁ……うーん、メリーゴーランドに乗る時、俺が小森くんに囁いたとは言い出せない雰囲気だ。
……
「滝沢さん、あのあの、さっき葉山さんに聞いたのですが、菅野くんと深く繋がるって、ズバリどうしたらいいんですか。ソフトクリームの後は、やっぱり最中になるんですか。僕、菅野くんに包まれるのかなって」
ほぅ、瑞樹にしては頑張ったな。ちゃんと話せたのか。
「そうだな~ 君は軽そうだから(瑞樹もだが)騎乗位もいいぞ。ちょうどメリーゴーランドに乗るから練習してこいよ」
「えっと……」
「メリーゴーランドの馬を、菅野くんだと思うんだ」
「なるほど! 了解です。流石、色気師匠の師匠さまぁ~ 実地訓練ですねぇ」
……
「くくくっ」
「あの? 何で笑っているんですか」
「まぁいいんじゃないか。あの二人、もう一線を越えても」
「で、ですが」
そこに母さんからの電話が入る。
「宗吾、映画終わって一旦家に戻ってきた所よ。芽生に夕食を食べさせてもいいかしら?」
「もちろん、いいよ」
「芽生が彩芽ちゃんと沢山遊びたいって言っているのよ。だから迎えはゆっくりでいいわよ」
「おぅ、サンキュ」
「今日は瑞樹くんとゆっくりしていらっしゃい。あの子は頑張り屋さんだから、たまには恋人同士の時間も大切にしてあげてね」
「あぁ、母さん、感謝しているよ」
朗報だ! 朗報だ!
「みーずきっ、俺も乗り物に乗りたくなってきた」
「え? いやですよ。上になるのは僕の方では? えっ……あっ、僕……な、何を言って……」
はい、墓穴!
本当に可愛い恋人を持ったと、ニヤニヤしてしまうよ。
「まぁ、まずは腹ごしらえからだ。小森君は空腹だと非常にまずい気がする。渋谷に出て夕食にしないか」
「し……渋谷ですか」
思い当たることがあるようで、顔を赤らめて俺をじどっと見つめてくる。
どんなに抱いても、いつも初心な反応を見せてくれる君が好きだよ。
「そうだ。渋谷は君も詳しいだろう」
「わぁ~ 僕もお腹空いてきました♡」
先ほどの爆弾発言をした人物とは思えない無邪気さで、お腹を擦る小森くん。
「渋谷と言えば……ごっくん!」
空腹小坊主と妙にハイテンションな菅野くんと、オロオロしている瑞樹を連れて、渋谷に移動した。
さてと、酒でも飲んで景気づけるか。
「よーし、今から君たちの壮行会だ」
「滝沢さんにも感謝!」
菅野くんに合掌されて、こそばゆい。
いや、その……俺も下心があっての、あれだからなぁ。
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