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小学生編
誓いの言葉 42
イングリッシュガーデンは、まさに花盛り。
5月28日、今日は僕の大切な弟、潤の結婚式だ。
広樹兄さんの結婚式では、宗吾さんと芽生くんは参列しなかったし、まだ……くまさんに出逢ってもいなかった。
だから、今、僕の横に宗吾さんが立っていて、芽生くんと手を繋いでいられるのが、嬉しい。
前方に立つお母さんの横には、逞しいくまさんの姿が見える。
先程のくまさんの言葉には、感動した。
あんなに潔く『葉山勇大』になると宣言出来るなんて、くまさんはカッコイイ! 僕の両親をよく知るくまさんが、お父さん代わりになってくれると言ってくれた時、どんなに心強かったことか。それが今度はお母さんと再婚して……本当に僕のお父さんになってくれた。
何度考えても、夢のような奇跡。
「夢みたいですね……この光景」
「ん?」
「宗吾さんがいて芽生くんがいて……僕の……両親がいます」
あぁ視界が滲んでいくよ、水彩画のように。
「瑞樹は泣いてばかりだな」
「……は、花婿の兄ですから」
「そうだな」
宗吾さんは白いタオルハンカチを取り出して、僕の目元をそっと拭ってくれた。
「泣いてもいいよ。幸せな涙は世界を浄化するって言うだろ。でも頬を伝う涙は拭かないとな。瑞樹のすべすべの頬が荒れるのは俺が嫌だし、間もなく始まる結婚式がよく見えないだろう」
「あ……はい」
宗吾さんの言う通りだ。
今から始まるウェディングをしっかり見届けたい。
朱色、深紅、ローズピンク、白。
正面のアーチには、色取り取りの薔薇が咲き誇っており、ハートを象った植木も置かれ、晴れの舞台が出来ていた。
「お、ついに主役の登場だぞ」
潤と菫さんといっくんが手をつないで現れた。
「わぁ、いっくん、かわいいー」
「菫さんのドレス、綺麗だな」
「はい……三人とも最高です!」
菫さんのオーガンジー素材のドレスが太陽の光に透けると、控え室で見た時よりも何倍も何倍もキラキラと繊細に輝いて見えた。
「まるで……菫の妖精のようですね」
「あぁ、そして、いっくんは天使だな」
「あ……いっくんの衣装、僕が着付けてあげたんですよ」
つい宗吾さんに自慢したくなるほど、可愛らしい姿だった。背中から映えた白い羽が純白のキッズスーツと同化して、本物の天使の羽のようだ。
生まれた時には……既にお父さんがいなかった、いっくん。
母子家庭で苦労したことも多いだろうに、それでもまっすぐに成長して……
いっくん……君の天使スマイルに、誰もが目尻が下がりっぱなしだよ。
こちらに向かって三人が歩き出すと、途中でいっくんが潤に手を伸ばした。
「パパ、みんながみえないよぅ」
「おー いっくん、今だっこしてやるからな」
「うん!」
「わぁ~」
潤は純白のタキシード姿だ。ベストとチーフは菫色で統一感があるし、凜々しい立ち姿は本当に南国の王子様みたいだよ。
服が汚れるのも構わず、潤がいっくんを軽々と抱き上げる。
ふわりとした浮遊感に、僕たちの足下まで、ふわふわになったような気分だ。現実世界は厳しいことも多いが、今、この瞬間は……誰もが幸せの国の住人なんだ。
天上の雲の上にいるような高揚感!
いっくんを優しく逞しく抱きしめる潤に、涙が滲み出す。
「潤……立派だよ。もうお父さんの顔をして……あんなに小さかったのに」
今思い出すのは、悲しい思い出ではない。僕と出会った頃の小さな潤の、太陽のような笑顔ばかり浮かぶよ! 活発でやんちゃで……大変なことも多かったけれども、お世話し甲斐もあったよ。
すれ違った日々も確かにあったが、今の潤の晴れやかな顔を見れば、全部水に流せるよ。
だって、僕の心がこんなに喜んでいる!
「じゅーん、潤……じゅん……おめでとう」
三人が薔薇のアーチの下に立った。
「本日、オレたちは……大切な人たちの前で、お互いに結婚の誓いを立てたいと思います」
潤の飾らない言葉が、胸を打つ。
「オレにとって家族とは……宝ものです。だからお願いがあります」
何だろう?
「集まってくれた方に牧師役をしてもらい、オレたちが答える形をとりたいです」
そんな結婚式初めてだ。でも潤らしいよ。
もちろん皆、賛同してくれる。
「じゃあ、まず菫さんのご両親からお願いします」
「あぁ……じゃあ、潤くんに一言だな。 今日から家族の一員になってくれる潤君、菫はひとりで頑張りすぎてしまう所があって親として心配だ。どうかこれからは……二人で分け合ってもらえるか」
「はい、お約束します。オレは……菫さんの傘となります。幸せも悲しみも……全部半分にしていきたいです」
じーんとする。
「じゃあ、お父さん、お母さんも、いいですか」
「あぁ……潤は……本当に優しい心を持った自慢の息子なんです。菫さん……これから一緒に明るい家庭を築いてくれますか?」
「はい、お約束します。私も潤くんの優しいところが好きです」
うんうん、潤はね、とっても優しいんだよ。
思わず頷いてしまう。
「広樹兄さんもいいですか」
「おぅ……えっと今日から大切な義妹になってくれる菫さん。潤は日焼けするとますます真っ黒になるが、大丈夫ですか」
「ふふ。私は南国の王子様のような潤くんが大好きです」
わぁ、菫さんは愛情表現がストレートなんだね。
「瑞樹兄さんもお願い」
「え……えっと……何を言おう……」
あっという間に僕の番で、頭が真っ白になる。
そこに芽生くんが囁いてくれる。
「おにいちゃん、ボクのことお願いしてほしいなぁ」
「あ、そうだね……えっと菫さん、これから沢山僕たちとも交流してもらえますか。いっくんと芽生くんが一緒に遊べる機会が持てたら嬉しいです」
「はい! もちろんです。芽生くんは、もういっくんのお兄ちゃんですよね」
「めーくん! いっくんだよー おにいちゃーん!」
いっくんの無邪気な呼び声に、笑みが漏れ、同時に泣けてしまうよ。
「最後に二人で『誓いの言葉』をします」
いっくんと菫さんと潤が向かいあって、声を揃える。
……
今日、皆様に見守られ結婚できることがとても幸せです。
ふたりは、ここに結婚の誓いをいたします
互いに嘘や偽りなく、常に誠実であります。
互いの親、兄弟、友人を生涯大切にします。
今日の日を迎えられた感謝を、一生忘れません!
オレたちは、私たちは……この約束を生涯守り、いっくんと一緒に笑顔溢れる家庭を築いていくことを、ここに誓います。
2022年5月28日 新郎 葉山潤、新婦 菫
またもや拍手喝采だ。
いつの間にか集まってきていたイングリッシュガーデンのお客様も手を叩いて祝福してくれていた。
心はどこまでも澄み渡った、晴れ模様。
これからも僕たちは……心のお天気を整えて、前へ前へ、明日へ明日へ。
今を踏みしめて、今に感謝して生きていこう。
僕も気持ち新たに生きていくよ。
潤……素晴らしい式を見せてくれてありがとう。
やっぱり潤は自慢の、最高の弟だよ!
ありがとう。
僕の弟でいてくれて、ありがとう。
感謝の言葉は、何度でもリフレイン。
5月28日、今日は僕の大切な弟、潤の結婚式だ。
広樹兄さんの結婚式では、宗吾さんと芽生くんは参列しなかったし、まだ……くまさんに出逢ってもいなかった。
だから、今、僕の横に宗吾さんが立っていて、芽生くんと手を繋いでいられるのが、嬉しい。
前方に立つお母さんの横には、逞しいくまさんの姿が見える。
先程のくまさんの言葉には、感動した。
あんなに潔く『葉山勇大』になると宣言出来るなんて、くまさんはカッコイイ! 僕の両親をよく知るくまさんが、お父さん代わりになってくれると言ってくれた時、どんなに心強かったことか。それが今度はお母さんと再婚して……本当に僕のお父さんになってくれた。
何度考えても、夢のような奇跡。
「夢みたいですね……この光景」
「ん?」
「宗吾さんがいて芽生くんがいて……僕の……両親がいます」
あぁ視界が滲んでいくよ、水彩画のように。
「瑞樹は泣いてばかりだな」
「……は、花婿の兄ですから」
「そうだな」
宗吾さんは白いタオルハンカチを取り出して、僕の目元をそっと拭ってくれた。
「泣いてもいいよ。幸せな涙は世界を浄化するって言うだろ。でも頬を伝う涙は拭かないとな。瑞樹のすべすべの頬が荒れるのは俺が嫌だし、間もなく始まる結婚式がよく見えないだろう」
「あ……はい」
宗吾さんの言う通りだ。
今から始まるウェディングをしっかり見届けたい。
朱色、深紅、ローズピンク、白。
正面のアーチには、色取り取りの薔薇が咲き誇っており、ハートを象った植木も置かれ、晴れの舞台が出来ていた。
「お、ついに主役の登場だぞ」
潤と菫さんといっくんが手をつないで現れた。
「わぁ、いっくん、かわいいー」
「菫さんのドレス、綺麗だな」
「はい……三人とも最高です!」
菫さんのオーガンジー素材のドレスが太陽の光に透けると、控え室で見た時よりも何倍も何倍もキラキラと繊細に輝いて見えた。
「まるで……菫の妖精のようですね」
「あぁ、そして、いっくんは天使だな」
「あ……いっくんの衣装、僕が着付けてあげたんですよ」
つい宗吾さんに自慢したくなるほど、可愛らしい姿だった。背中から映えた白い羽が純白のキッズスーツと同化して、本物の天使の羽のようだ。
生まれた時には……既にお父さんがいなかった、いっくん。
母子家庭で苦労したことも多いだろうに、それでもまっすぐに成長して……
いっくん……君の天使スマイルに、誰もが目尻が下がりっぱなしだよ。
こちらに向かって三人が歩き出すと、途中でいっくんが潤に手を伸ばした。
「パパ、みんながみえないよぅ」
「おー いっくん、今だっこしてやるからな」
「うん!」
「わぁ~」
潤は純白のタキシード姿だ。ベストとチーフは菫色で統一感があるし、凜々しい立ち姿は本当に南国の王子様みたいだよ。
服が汚れるのも構わず、潤がいっくんを軽々と抱き上げる。
ふわりとした浮遊感に、僕たちの足下まで、ふわふわになったような気分だ。現実世界は厳しいことも多いが、今、この瞬間は……誰もが幸せの国の住人なんだ。
天上の雲の上にいるような高揚感!
いっくんを優しく逞しく抱きしめる潤に、涙が滲み出す。
「潤……立派だよ。もうお父さんの顔をして……あんなに小さかったのに」
今思い出すのは、悲しい思い出ではない。僕と出会った頃の小さな潤の、太陽のような笑顔ばかり浮かぶよ! 活発でやんちゃで……大変なことも多かったけれども、お世話し甲斐もあったよ。
すれ違った日々も確かにあったが、今の潤の晴れやかな顔を見れば、全部水に流せるよ。
だって、僕の心がこんなに喜んでいる!
「じゅーん、潤……じゅん……おめでとう」
三人が薔薇のアーチの下に立った。
「本日、オレたちは……大切な人たちの前で、お互いに結婚の誓いを立てたいと思います」
潤の飾らない言葉が、胸を打つ。
「オレにとって家族とは……宝ものです。だからお願いがあります」
何だろう?
「集まってくれた方に牧師役をしてもらい、オレたちが答える形をとりたいです」
そんな結婚式初めてだ。でも潤らしいよ。
もちろん皆、賛同してくれる。
「じゃあ、まず菫さんのご両親からお願いします」
「あぁ……じゃあ、潤くんに一言だな。 今日から家族の一員になってくれる潤君、菫はひとりで頑張りすぎてしまう所があって親として心配だ。どうかこれからは……二人で分け合ってもらえるか」
「はい、お約束します。オレは……菫さんの傘となります。幸せも悲しみも……全部半分にしていきたいです」
じーんとする。
「じゃあ、お父さん、お母さんも、いいですか」
「あぁ……潤は……本当に優しい心を持った自慢の息子なんです。菫さん……これから一緒に明るい家庭を築いてくれますか?」
「はい、お約束します。私も潤くんの優しいところが好きです」
うんうん、潤はね、とっても優しいんだよ。
思わず頷いてしまう。
「広樹兄さんもいいですか」
「おぅ……えっと今日から大切な義妹になってくれる菫さん。潤は日焼けするとますます真っ黒になるが、大丈夫ですか」
「ふふ。私は南国の王子様のような潤くんが大好きです」
わぁ、菫さんは愛情表現がストレートなんだね。
「瑞樹兄さんもお願い」
「え……えっと……何を言おう……」
あっという間に僕の番で、頭が真っ白になる。
そこに芽生くんが囁いてくれる。
「おにいちゃん、ボクのことお願いしてほしいなぁ」
「あ、そうだね……えっと菫さん、これから沢山僕たちとも交流してもらえますか。いっくんと芽生くんが一緒に遊べる機会が持てたら嬉しいです」
「はい! もちろんです。芽生くんは、もういっくんのお兄ちゃんですよね」
「めーくん! いっくんだよー おにいちゃーん!」
いっくんの無邪気な呼び声に、笑みが漏れ、同時に泣けてしまうよ。
「最後に二人で『誓いの言葉』をします」
いっくんと菫さんと潤が向かいあって、声を揃える。
……
今日、皆様に見守られ結婚できることがとても幸せです。
ふたりは、ここに結婚の誓いをいたします
互いに嘘や偽りなく、常に誠実であります。
互いの親、兄弟、友人を生涯大切にします。
今日の日を迎えられた感謝を、一生忘れません!
オレたちは、私たちは……この約束を生涯守り、いっくんと一緒に笑顔溢れる家庭を築いていくことを、ここに誓います。
2022年5月28日 新郎 葉山潤、新婦 菫
またもや拍手喝采だ。
いつの間にか集まってきていたイングリッシュガーデンのお客様も手を叩いて祝福してくれていた。
心はどこまでも澄み渡った、晴れ模様。
これからも僕たちは……心のお天気を整えて、前へ前へ、明日へ明日へ。
今を踏みしめて、今に感謝して生きていこう。
僕も気持ち新たに生きていくよ。
潤……素晴らしい式を見せてくれてありがとう。
やっぱり潤は自慢の、最高の弟だよ!
ありがとう。
僕の弟でいてくれて、ありがとう。
感謝の言葉は、何度でもリフレイン。
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