1,304 / 1,871
小学生編
心をこめて 35
普段使っていない押し入れを整理していると、奥の方から懐かしいボードゲームが出てきた。
「これ……まだあったのか。いや、絶対に捨てられないと奥にしまったんだ」
これを母がくれたのは、瑞樹がやってきた最初のクリスマスだった。
俺が10歳の時に父が亡くなり、母がひとりで花屋を切り盛りするようになった。それからはクリスマスを家族で祝うような雰囲気ではなくなったが、その年は違った。
母なりに、夏前に我が家にやってきた瑞樹を気にかけたいたのだろう。
着の身着のままで我が家に連れてきた瑞樹。
荷物はランドセルだけだった。
ランドセルの中に入るだけの必要最低限の服しか、持って来られなかったのだ。
一度瑞樹の家に母が荷物整理に行ったが、狭い我が家に瑞樹のおもちゃを持ってくることは出来なかった。
そんな罪滅ぼしも込めてだったのか。
ケーキもご馳走もない食卓だったが、母が「広樹、瑞樹、潤、みんなで遊べるかなと思って選んだのよ」と言って、笑顔で渡してくれた。
潤は「こんなのいらない! オレがほしかったのはへんしんベルトだよー」とむくれて、ふて寝してしまった。俺も本当は友達が持っているゲーム機に憧れていたが、そんなの最初から無理だと思っていた。
瑞樹の反応だけは、違った。
いつになく頬を紅潮させ、嬉しそうな様子だった。
その笑顔に、俺はワクワクした。
この子、笑うとえらく可愛いんだな。
もっともっと笑わせてやりたい。
「瑞樹、もしかして……持っていたのか」
「ううん……初めて見たよ」
過去を思い出すものではなく、初めてだったから、反応が良かったのか。
「一緒にやってみようぜ。ルールを教えてやるよ」
「兄さんは分かるの?」
「昔、友達の家にあったから、早速やってみようぜ」
「うん!」
控えめで大人しい瑞樹の笑顔が、何よりのクリスマスプレゼントだった。
そんな瑞樹が溺愛する芽生坊が、病気で入院したと聞いて驚いた。
同時にどんなに瑞樹が心を痛めているかと思うと、苦しくなった。
母達が手伝いに行くと聞いて、瑞樹の大好きな花で癒やしてやりたいと思いつき、アレンジメントとハーバリウムを用意した。
「みっちゃん、空港までお見舞いを届けてくるよ」
「あ、待って! ヒロくん。これも持って行くつもりだったんじゃないの?
「あ……」
押し入れから出したままになっていた、古いボードゲーム。
「……これはいつか優美が遊ぶかも」
「優美にはまだ早いわ。今、必要な人に届けるべきよ」
「……みっちゃん」
「そう言えば、瑞樹くんとヒロくん、これでよく遊んでいたわよね」
「覚えているのか」
「うん、お店の奥で遊んでいるのが見えたのよ。仲良し兄弟だなって思ってた。これ届けたら、瑞樹くんも喜ぶわ」
「そうか、じゃあそうしてもいいか」
「ヒロくんの自由にして欲しいのよ」
「ありがとう」
あの頃の俺にはなかった自由がいまここにある。
「優美が大きくなったら今度は俺が買ってやるよ。可愛い色のを」
「一緒に選びましょ!」
「あぁ」
芽生坊が早く元気になって、このボードゲームで遊べる日が来ますように。
遠い函館から祈っているよ。
店があるから見舞いには飛んでいけないが、俺の気持ちよ、届け!
入院は大人でも大変だ。
俺は父の入院生活を見守ってきたので、分かる。
芽生は俺の大切な甥っ子だ。
全力で応援している。
****
「兄さん……ありがとう」
「瑞樹、疲れてないか」
「実はね、今はお父さんとお母さんに甘えているから、そうでもないんだ。もちろん最初はヘトヘトだったけど。本当に何もかもやってくれるので、僕は仕事と芽生くんのことだけを考えていられるんだ、有り難いよ」
瑞樹からの電話。
疲れよりも、満たされているように感じた。
「兄さんがくれた四つ葉のハーバリウム、とても素敵だね。僕の机に飾ったよ」
「そうか、気に入ってくれたか。俺のセンスで悪いが」
「大草原を知っている兄さんだから作れる世界だよ、大らかな雰囲気がいいね」
瑞樹は褒め上手で、可愛い弟だ。
瑞樹と話していると、いつも優しい気持ちになれる。
「瑞樹を癒やしてやりたくて、実は大沼の原っぱで見つけた四つ葉なんだよ」
「え?」
「押し花にしておいたのを、加工してみたのさ」
「すごい! 兄さん、僕……今の話を聞いて感動したよ」
「そうか。喜んでもらえて嬉しいよ」
「ありがとう。兄さん、大好きだよ」
「瑞樹……」
この言葉だけで、天にも昇る心地。
デレ顔になっていると、みっちゃんに笑われた。
「ヒロくん、うれしそう。また瑞樹くんに持ち上げてもらったのね」
「あぁ、そうなんだ」
「ふふふ。あなたたち兄弟のその感じ、やっぱりいいわ! 高校の頃から何もかわってないわね。待って! 変わったわ。瑞樹くんがぐっと明るくなったわね」
「さすがみっちゃんだな」
ずっと傍で、俺たち家族を見守ってくれた、みっちゃんだから言える台詞。
「みっちゃん、大好きだー」
「ふふっ」
****
病室に入る前に主治医の先生の呼び止められた。
熱は下がったが炎症を起した血管は完全に鎮静化してわけではないので1週間ほど経過観察をすると言われ、気が引き締まった。
まだ浮かれている場合ではないということか。
瘤が出来ていないか引き続きエコーなどで検査を続け、可哀想だが血液検査も定期的にするそうだ。
もう見た目はかなり元気そうに見えるのに。
少し凹みながら病室に入ると、芽生が楽しそうにボードゲームをしていたのでホッとした。
昨日までの病室とは雰囲気もガラリと変わり、明るい雰囲気だ。
こうやって1日、1日元気になって欲しい。
ぶり返さないように、焦らずコツコツでいい。
「あ、パパ!」
「芽生、具合はどうだ?」
「今日はね、ちょうしもよくて、いっぱい遊べたよ」
「そうか、よかったな」
芽生の頭を撫でてやる。
もうすっかりいつもの利発そうな顔つきになっていた。
「勝負はどうだった?」
「おじいちゃんのかち!」
「いやいや、芽生も強かったぞ」
「おじいちゃん、またやろうね」
「あぁ、おもしろかったな」
「うん! ボク、いつもおうちだとテレビばっかり見ちゃうけど、こういうのも楽しいね」
そうだな、家だとついDVDばかり見せてしまっていたよな。
「でも、そろそろ退屈だろ? DVDが観られる機械を買ってやろうか」
「うーん、テレビはおうちでみるのが、いいなぁ」
「じゃあ今流行のゲーム機はどうだ? みんな持っているんじゃないのか」
「うーん、それも、いいけど……ボク……今、とても欲しいものがあって」
芽生の欲しい物は、一体なんだ?
「何でも買ってやるぞ」
「それがね、買えないものなんだ」
「ん?」
話を聞いていたくまさんが、鞄から何かゴソゴソ取り出した。
「芽生くんが今欲しいものって、もしかしたら、これか」
「あっ! どうしてわかったの?」
「俺も寂しい時に見ていると、元気が出るものだからさ」
それは、俺たちと芽生の家族のアルバムだった。
くまさんが撮ったものに加えて俺たちから送ったものまで、綺麗にまとめられていた。
「わぁ……パパもお兄ちゃんもいっぱいいる! ボク、今よりちょっとちいさいね」
「芽生くん、素敵なアルバムだね」
「うん! これ、これがほしかったんだ」
芽生が両手でアルバムを愛おしそうに抱きしめた。
なんだ、そうか……あぁ、そうなのか。
どんなおもしろい映画やゲームよりも、まず目の前の人なんだな。
芽生が俺たちを大切にしてくれているのが伝わってきて、嬉しかった。
「明日は、これを見て、思い出をお絵かきしようかな」
「そうだね、色えんぴつとかなら持って来ているから、夜に見せてね」
「うん!」
くまさんと芽生が何か話している。
「パパ、お兄ちゃんにはこれをプレゼントするよ」
「何かな?」
「ボクだよ、全部ボクなんだって!」
くまさんがまとめてくれたアルバムには、芽生が一杯だった。
芽生、芽生、芽生が輝いていた!
「パパもお兄ちゃんもさみしくなったら、これ見てね」
「これ……まだあったのか。いや、絶対に捨てられないと奥にしまったんだ」
これを母がくれたのは、瑞樹がやってきた最初のクリスマスだった。
俺が10歳の時に父が亡くなり、母がひとりで花屋を切り盛りするようになった。それからはクリスマスを家族で祝うような雰囲気ではなくなったが、その年は違った。
母なりに、夏前に我が家にやってきた瑞樹を気にかけたいたのだろう。
着の身着のままで我が家に連れてきた瑞樹。
荷物はランドセルだけだった。
ランドセルの中に入るだけの必要最低限の服しか、持って来られなかったのだ。
一度瑞樹の家に母が荷物整理に行ったが、狭い我が家に瑞樹のおもちゃを持ってくることは出来なかった。
そんな罪滅ぼしも込めてだったのか。
ケーキもご馳走もない食卓だったが、母が「広樹、瑞樹、潤、みんなで遊べるかなと思って選んだのよ」と言って、笑顔で渡してくれた。
潤は「こんなのいらない! オレがほしかったのはへんしんベルトだよー」とむくれて、ふて寝してしまった。俺も本当は友達が持っているゲーム機に憧れていたが、そんなの最初から無理だと思っていた。
瑞樹の反応だけは、違った。
いつになく頬を紅潮させ、嬉しそうな様子だった。
その笑顔に、俺はワクワクした。
この子、笑うとえらく可愛いんだな。
もっともっと笑わせてやりたい。
「瑞樹、もしかして……持っていたのか」
「ううん……初めて見たよ」
過去を思い出すものではなく、初めてだったから、反応が良かったのか。
「一緒にやってみようぜ。ルールを教えてやるよ」
「兄さんは分かるの?」
「昔、友達の家にあったから、早速やってみようぜ」
「うん!」
控えめで大人しい瑞樹の笑顔が、何よりのクリスマスプレゼントだった。
そんな瑞樹が溺愛する芽生坊が、病気で入院したと聞いて驚いた。
同時にどんなに瑞樹が心を痛めているかと思うと、苦しくなった。
母達が手伝いに行くと聞いて、瑞樹の大好きな花で癒やしてやりたいと思いつき、アレンジメントとハーバリウムを用意した。
「みっちゃん、空港までお見舞いを届けてくるよ」
「あ、待って! ヒロくん。これも持って行くつもりだったんじゃないの?
「あ……」
押し入れから出したままになっていた、古いボードゲーム。
「……これはいつか優美が遊ぶかも」
「優美にはまだ早いわ。今、必要な人に届けるべきよ」
「……みっちゃん」
「そう言えば、瑞樹くんとヒロくん、これでよく遊んでいたわよね」
「覚えているのか」
「うん、お店の奥で遊んでいるのが見えたのよ。仲良し兄弟だなって思ってた。これ届けたら、瑞樹くんも喜ぶわ」
「そうか、じゃあそうしてもいいか」
「ヒロくんの自由にして欲しいのよ」
「ありがとう」
あの頃の俺にはなかった自由がいまここにある。
「優美が大きくなったら今度は俺が買ってやるよ。可愛い色のを」
「一緒に選びましょ!」
「あぁ」
芽生坊が早く元気になって、このボードゲームで遊べる日が来ますように。
遠い函館から祈っているよ。
店があるから見舞いには飛んでいけないが、俺の気持ちよ、届け!
入院は大人でも大変だ。
俺は父の入院生活を見守ってきたので、分かる。
芽生は俺の大切な甥っ子だ。
全力で応援している。
****
「兄さん……ありがとう」
「瑞樹、疲れてないか」
「実はね、今はお父さんとお母さんに甘えているから、そうでもないんだ。もちろん最初はヘトヘトだったけど。本当に何もかもやってくれるので、僕は仕事と芽生くんのことだけを考えていられるんだ、有り難いよ」
瑞樹からの電話。
疲れよりも、満たされているように感じた。
「兄さんがくれた四つ葉のハーバリウム、とても素敵だね。僕の机に飾ったよ」
「そうか、気に入ってくれたか。俺のセンスで悪いが」
「大草原を知っている兄さんだから作れる世界だよ、大らかな雰囲気がいいね」
瑞樹は褒め上手で、可愛い弟だ。
瑞樹と話していると、いつも優しい気持ちになれる。
「瑞樹を癒やしてやりたくて、実は大沼の原っぱで見つけた四つ葉なんだよ」
「え?」
「押し花にしておいたのを、加工してみたのさ」
「すごい! 兄さん、僕……今の話を聞いて感動したよ」
「そうか。喜んでもらえて嬉しいよ」
「ありがとう。兄さん、大好きだよ」
「瑞樹……」
この言葉だけで、天にも昇る心地。
デレ顔になっていると、みっちゃんに笑われた。
「ヒロくん、うれしそう。また瑞樹くんに持ち上げてもらったのね」
「あぁ、そうなんだ」
「ふふふ。あなたたち兄弟のその感じ、やっぱりいいわ! 高校の頃から何もかわってないわね。待って! 変わったわ。瑞樹くんがぐっと明るくなったわね」
「さすがみっちゃんだな」
ずっと傍で、俺たち家族を見守ってくれた、みっちゃんだから言える台詞。
「みっちゃん、大好きだー」
「ふふっ」
****
病室に入る前に主治医の先生の呼び止められた。
熱は下がったが炎症を起した血管は完全に鎮静化してわけではないので1週間ほど経過観察をすると言われ、気が引き締まった。
まだ浮かれている場合ではないということか。
瘤が出来ていないか引き続きエコーなどで検査を続け、可哀想だが血液検査も定期的にするそうだ。
もう見た目はかなり元気そうに見えるのに。
少し凹みながら病室に入ると、芽生が楽しそうにボードゲームをしていたのでホッとした。
昨日までの病室とは雰囲気もガラリと変わり、明るい雰囲気だ。
こうやって1日、1日元気になって欲しい。
ぶり返さないように、焦らずコツコツでいい。
「あ、パパ!」
「芽生、具合はどうだ?」
「今日はね、ちょうしもよくて、いっぱい遊べたよ」
「そうか、よかったな」
芽生の頭を撫でてやる。
もうすっかりいつもの利発そうな顔つきになっていた。
「勝負はどうだった?」
「おじいちゃんのかち!」
「いやいや、芽生も強かったぞ」
「おじいちゃん、またやろうね」
「あぁ、おもしろかったな」
「うん! ボク、いつもおうちだとテレビばっかり見ちゃうけど、こういうのも楽しいね」
そうだな、家だとついDVDばかり見せてしまっていたよな。
「でも、そろそろ退屈だろ? DVDが観られる機械を買ってやろうか」
「うーん、テレビはおうちでみるのが、いいなぁ」
「じゃあ今流行のゲーム機はどうだ? みんな持っているんじゃないのか」
「うーん、それも、いいけど……ボク……今、とても欲しいものがあって」
芽生の欲しい物は、一体なんだ?
「何でも買ってやるぞ」
「それがね、買えないものなんだ」
「ん?」
話を聞いていたくまさんが、鞄から何かゴソゴソ取り出した。
「芽生くんが今欲しいものって、もしかしたら、これか」
「あっ! どうしてわかったの?」
「俺も寂しい時に見ていると、元気が出るものだからさ」
それは、俺たちと芽生の家族のアルバムだった。
くまさんが撮ったものに加えて俺たちから送ったものまで、綺麗にまとめられていた。
「わぁ……パパもお兄ちゃんもいっぱいいる! ボク、今よりちょっとちいさいね」
「芽生くん、素敵なアルバムだね」
「うん! これ、これがほしかったんだ」
芽生が両手でアルバムを愛おしそうに抱きしめた。
なんだ、そうか……あぁ、そうなのか。
どんなおもしろい映画やゲームよりも、まず目の前の人なんだな。
芽生が俺たちを大切にしてくれているのが伝わってきて、嬉しかった。
「明日は、これを見て、思い出をお絵かきしようかな」
「そうだね、色えんぴつとかなら持って来ているから、夜に見せてね」
「うん!」
くまさんと芽生が何か話している。
「パパ、お兄ちゃんにはこれをプレゼントするよ」
「何かな?」
「ボクだよ、全部ボクなんだって!」
くまさんがまとめてくれたアルバムには、芽生が一杯だった。
芽生、芽生、芽生が輝いていた!
「パパもお兄ちゃんもさみしくなったら、これ見てね」
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。