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小学生編
白薔薇の祝福 2
「芽生、パパはもう仕事に行くよ」
「ん……もう? まだねむいよぅ」
「……後で瑞樹におばあちゃんの家に連れて行ってもらうように頼んであるから、ちゃんと起きるんだぞ。いい子でな」
パパがまだベッドで眠るボクの頭をなでてくれた。
あっ、そういえば……小さい頃、よくこんな風になでてもらったね。
……
「芽生、ごめんな。パパ……出張にいかないといけないんだ」
「芽生、ごめんな。パパ……仕事が忙しいんだ」
そんな時はいつもおばあちゃんがお迎えに来てくれて、おばあちゃんの家におとまりしたよ。
そんな時はいつもパパの目が赤かったのをおぼえているよ。
パパ、あの時、くやしかったの?
さみしかったの?
パパ、大変そうだったね。
……
ボクは眠い目を擦りながら目をがんばって開けた。
よかった。
今日はパパの目、赤くないね。
「パパ、だいじょうぶだよ。だってボクもう3年生だもん。それにけんごおじさんとあーちゃんとあそぶお約束もしているから楽しみなんだ」
「……そうか」
「パパ、お仕事がんばってね」
「あぁ、ありがとう!」
「お兄ちゃんのスーパーマンでいてね」
「良いこと言うんだな。パパに任せとけ!」
よかった。
眠い目をこすりながら、もう一度お布団にもぐったよ。もう起きないといけないんだけど、眠いよぅ。
「芽生くん、そろそろ起きようか」
「……むにゃむにゃ」
最初はパジャマ姿のお兄ちゃんが来てくれたよ。
「芽生くーん」
「今、起きるよぅ」
次はネクタイを締めながら,お部屋をのぞいたよ。
「芽生くん、大変だ! あと15分しかないよ」
「え!」
わーん、ボクのバカバカ!
今日にかぎってねぼうしちゃうなんて。
今日はとっても大切な日なのに。
大急ぎで顔をあらって、歯みがきをして、お洋服を着たよ。
「芽生くん、朝ご飯食べていてね」
「ごめんね、ねぼうしちゃって」
ぺこってあやまると、お兄ちゃんが優しくほほえんでくれたよ。
「芽生くん位の時ってすごく眠たいんだよね。ボクもよく寝坊していたよ」
「お兄ちゃんがねぼう?」
「お兄ちゃん、甘えん坊だったのかな? 朝、お父さんやお母さんに起こしてもらうのが好きだったんだ」
お兄ちゃんがベランダの植木にお水をやりながら、お空をじっと見つめている。
きっとお空のパパとママと話しているんだね。
「お兄ちゃん、ご飯たべたよ!」
「よし、行こう‼」
今日から連休のおわりまで、ボクたちはおばあちゃんの家にお泊まりするんだよ。
「すごいニモツだね」
「事前に運んだけど、おかしいね」
「旅行にいくみたいでワクワクする! ボクも持つよ」
「大丈夫だよ」
「でもぉ」
お兄ちゃんの荷物を持とうとしたら、すごく重たくてよろけちゃった。
「め、芽生くん、大丈夫?」
「ボク、まだまだだなぁ」
「そんなことないよ、気持ちが嬉しかった」
お兄ちゃん、両手に重たそうな荷物かかえて、額にうっすら汗をかいている。
まだだね。
今じゃないよね。
いつ言おうかな?
おばあちゃんの家に着くと、お兄ちゃんは時計を見てあわててる。
待って、待って!
まだ言ってないよ!
ボクは背中を向けて歩き出したお兄ちゃんの足に抱きついて、ひきとめたよ!
「お兄ちゃん、待って!」
「芽生くん? どうしたの?」
「あ、あのね……お兄ちゃん、おたんじょうびおめでとう!」
あー やっと言えたよ。
お祝いの言葉、朝起きたらすぐに言おうと思っていたのに、バタバタして言えなかったんだ。
今日は、とびっきりのおたんじょうび会にするね。
だからがんばってね。
お兄ちゃんみたいに心をこめて
「お兄ちゃん、フレー、フレー」
エールを送ったよ。
****
俺は早朝から会場入りして、設営に積極的に協力していた。
力仕事は好きだし、身体を動かしていた方が調子が上がるのさ!
大荷物を抱えた同僚の女史がやってきて、呆れ顔をする。
「やだ! 滝沢さんはそんなことしなくてもいいんですよ! 私達クラスは指示のみでいいんですから。えっとぉ、私はイベントの制服を配布してきますね。滝沢さんもこれに着替えてくださいね。はい、どーぞ!」
私達クラス?
はぁ? 何様だよ!
同じチームだからなんとか輪を保とうと努力を試みたが、この考えにはついていけない。
ドサッと無造作に渡された制服にその場でパパッと着替え仕事に戻ると、例の青薔薇騒動を起こした部下がやってきた。
何か言いたげだ。
「どうした? 何か報告があるんじゃないか」
「あの……滝沢さん、女史の行動が怪しすぎます」
「ん? どうかしたか」
「ほら、外部から手伝いに来てくれたどこかのアイドルみたいに可愛い男の人を、あからさまに狙っていますよ」
「ん?」
どこかのアイドルみたいに可愛い人って、瑞樹しかいないよな。
「またアイツか! アイツは今度は何を狙っているんだ? この前はペンを拾わせていたよな」
「たぶん、あの調子だと生ポロシャツかと。あわよくば着替えを覗いてセミヌード拝む勢いでしたよ」
はぁ? 作業していた手を慌てて止めた。
「お、おい! 今、仕事中だって分かってんのか! しかも、それは犯罪だぞ!」
「え……女性が男性に対してでもですか」
「当たり前だ! どんな場合でも相手が嫌がることはやってはダメだ」
「あ、はい、肝に銘じます」
薔薇のことがあるので、部下は顔を青くした。
「ここ、ちょっと代わってくれるか」
「任せて下さい」
更衣室はどこだ?
庭を走り抜け近道をしようと茂みを突っ切った時、突然ホースの水を浴びてしまった。
「うわっ!」
着ていたグリーンのポロシャツがびしょ濡れだ。
すぐに冬郷家の庭師が飛び出してきた。確かテツさんと言ったな。
「すまない。人が横切るとは思ってなくて」
「気にしないで下さい。むしろ、ちょうどよかった!」
騒ぎになるのは、瑞樹も望んでいない。
女史をやんわりと制する方法はこれだ!
俺は更衣室前にワクワク顔で立つ女史を制して、勢いよく男子更衣室に飛び込んだ。
そこで反省した。
突然入ってきた男(俺)に震える瑞樹を見てしまったから。
白い背中を向けてか細く震える様子に、胸が切なくなった。
もうあの事件のことは口には出さない。
あのような事をした人を恨んでいる様子もない。
だから本当に後遺症のようなものなのだろうが、怯える君の姿に心が痛くなる。
「驚かせて悪い。俺だ! 安心しろ」
すぐに女史から受け取ったMサイズの制服を瑞樹に渡して、瑞樹が着ていたのは俺が着た。
女史を理由をつけ遠ざけてから、瑞樹にそっと口づけをした。
俺を見上げる瑞樹。
君を空高い所へ引き上げてやりたい。
甘く甘く熱のこもった視線を送り、君を奮い立たせる。
「瑞樹、もう大丈夫か」
「はい! 宗吾さんがいてくれて良かったです」
「俺はいつだって君の元に駆けつける。だから安心して仕事をしてくれ」
「はい……あの……」
「ん?」
「もう少しだけいいですか」
コトンと額を俺の胸に押しつけてきた。
だから俺はその背中を優しく撫でてやった。
「僕、こんなことでビクビクしたくないのに……身体が勝手に……」
「それは仕方がないことだ。瑞樹が悪いんじゃない。そんなに自分を責めるな」
「……はい」
「少し落ち着いたか」
「はい、あの、今晩、芽生くんが僕の誕生日お祝いをしてくれるそうです。それを楽しみに頑張ります」
「夜が待ち遠しいな」
「はい。今も幸せです。宗吾さんと同じ場所で働けるなんて」
心が落ち着いたようで、瑞樹はグリーンのポロシャツを整え、乱れたくせ毛をささっと直して、微笑んでくれた。
淡い淡いほのかな色合いの、野の花のように頬を染めて。
「よし! 行こう!」」
「はい!」
俺たちはハイタッチをして、庭に出た。
空は抜けるような青空。
白い雲がぷかぷか浮かんでいる。
「今日は君の誕生日だから、雲の上の皆からも地上がよく見えるように、スッキリ晴れているんだな」
「あ、はい、僕もそうだと思います」
あの雲の上には、瑞樹の大切な人たちが眠っている。
そして俺の父さん、あなたも――
今の俺を見ていて下さい。
愛する人がいます。
真剣に生きています。
朗らかに生きています!
「ん……もう? まだねむいよぅ」
「……後で瑞樹におばあちゃんの家に連れて行ってもらうように頼んであるから、ちゃんと起きるんだぞ。いい子でな」
パパがまだベッドで眠るボクの頭をなでてくれた。
あっ、そういえば……小さい頃、よくこんな風になでてもらったね。
……
「芽生、ごめんな。パパ……出張にいかないといけないんだ」
「芽生、ごめんな。パパ……仕事が忙しいんだ」
そんな時はいつもおばあちゃんがお迎えに来てくれて、おばあちゃんの家におとまりしたよ。
そんな時はいつもパパの目が赤かったのをおぼえているよ。
パパ、あの時、くやしかったの?
さみしかったの?
パパ、大変そうだったね。
……
ボクは眠い目を擦りながら目をがんばって開けた。
よかった。
今日はパパの目、赤くないね。
「パパ、だいじょうぶだよ。だってボクもう3年生だもん。それにけんごおじさんとあーちゃんとあそぶお約束もしているから楽しみなんだ」
「……そうか」
「パパ、お仕事がんばってね」
「あぁ、ありがとう!」
「お兄ちゃんのスーパーマンでいてね」
「良いこと言うんだな。パパに任せとけ!」
よかった。
眠い目をこすりながら、もう一度お布団にもぐったよ。もう起きないといけないんだけど、眠いよぅ。
「芽生くん、そろそろ起きようか」
「……むにゃむにゃ」
最初はパジャマ姿のお兄ちゃんが来てくれたよ。
「芽生くーん」
「今、起きるよぅ」
次はネクタイを締めながら,お部屋をのぞいたよ。
「芽生くん、大変だ! あと15分しかないよ」
「え!」
わーん、ボクのバカバカ!
今日にかぎってねぼうしちゃうなんて。
今日はとっても大切な日なのに。
大急ぎで顔をあらって、歯みがきをして、お洋服を着たよ。
「芽生くん、朝ご飯食べていてね」
「ごめんね、ねぼうしちゃって」
ぺこってあやまると、お兄ちゃんが優しくほほえんでくれたよ。
「芽生くん位の時ってすごく眠たいんだよね。ボクもよく寝坊していたよ」
「お兄ちゃんがねぼう?」
「お兄ちゃん、甘えん坊だったのかな? 朝、お父さんやお母さんに起こしてもらうのが好きだったんだ」
お兄ちゃんがベランダの植木にお水をやりながら、お空をじっと見つめている。
きっとお空のパパとママと話しているんだね。
「お兄ちゃん、ご飯たべたよ!」
「よし、行こう‼」
今日から連休のおわりまで、ボクたちはおばあちゃんの家にお泊まりするんだよ。
「すごいニモツだね」
「事前に運んだけど、おかしいね」
「旅行にいくみたいでワクワクする! ボクも持つよ」
「大丈夫だよ」
「でもぉ」
お兄ちゃんの荷物を持とうとしたら、すごく重たくてよろけちゃった。
「め、芽生くん、大丈夫?」
「ボク、まだまだだなぁ」
「そんなことないよ、気持ちが嬉しかった」
お兄ちゃん、両手に重たそうな荷物かかえて、額にうっすら汗をかいている。
まだだね。
今じゃないよね。
いつ言おうかな?
おばあちゃんの家に着くと、お兄ちゃんは時計を見てあわててる。
待って、待って!
まだ言ってないよ!
ボクは背中を向けて歩き出したお兄ちゃんの足に抱きついて、ひきとめたよ!
「お兄ちゃん、待って!」
「芽生くん? どうしたの?」
「あ、あのね……お兄ちゃん、おたんじょうびおめでとう!」
あー やっと言えたよ。
お祝いの言葉、朝起きたらすぐに言おうと思っていたのに、バタバタして言えなかったんだ。
今日は、とびっきりのおたんじょうび会にするね。
だからがんばってね。
お兄ちゃんみたいに心をこめて
「お兄ちゃん、フレー、フレー」
エールを送ったよ。
****
俺は早朝から会場入りして、設営に積極的に協力していた。
力仕事は好きだし、身体を動かしていた方が調子が上がるのさ!
大荷物を抱えた同僚の女史がやってきて、呆れ顔をする。
「やだ! 滝沢さんはそんなことしなくてもいいんですよ! 私達クラスは指示のみでいいんですから。えっとぉ、私はイベントの制服を配布してきますね。滝沢さんもこれに着替えてくださいね。はい、どーぞ!」
私達クラス?
はぁ? 何様だよ!
同じチームだからなんとか輪を保とうと努力を試みたが、この考えにはついていけない。
ドサッと無造作に渡された制服にその場でパパッと着替え仕事に戻ると、例の青薔薇騒動を起こした部下がやってきた。
何か言いたげだ。
「どうした? 何か報告があるんじゃないか」
「あの……滝沢さん、女史の行動が怪しすぎます」
「ん? どうかしたか」
「ほら、外部から手伝いに来てくれたどこかのアイドルみたいに可愛い男の人を、あからさまに狙っていますよ」
「ん?」
どこかのアイドルみたいに可愛い人って、瑞樹しかいないよな。
「またアイツか! アイツは今度は何を狙っているんだ? この前はペンを拾わせていたよな」
「たぶん、あの調子だと生ポロシャツかと。あわよくば着替えを覗いてセミヌード拝む勢いでしたよ」
はぁ? 作業していた手を慌てて止めた。
「お、おい! 今、仕事中だって分かってんのか! しかも、それは犯罪だぞ!」
「え……女性が男性に対してでもですか」
「当たり前だ! どんな場合でも相手が嫌がることはやってはダメだ」
「あ、はい、肝に銘じます」
薔薇のことがあるので、部下は顔を青くした。
「ここ、ちょっと代わってくれるか」
「任せて下さい」
更衣室はどこだ?
庭を走り抜け近道をしようと茂みを突っ切った時、突然ホースの水を浴びてしまった。
「うわっ!」
着ていたグリーンのポロシャツがびしょ濡れだ。
すぐに冬郷家の庭師が飛び出してきた。確かテツさんと言ったな。
「すまない。人が横切るとは思ってなくて」
「気にしないで下さい。むしろ、ちょうどよかった!」
騒ぎになるのは、瑞樹も望んでいない。
女史をやんわりと制する方法はこれだ!
俺は更衣室前にワクワク顔で立つ女史を制して、勢いよく男子更衣室に飛び込んだ。
そこで反省した。
突然入ってきた男(俺)に震える瑞樹を見てしまったから。
白い背中を向けてか細く震える様子に、胸が切なくなった。
もうあの事件のことは口には出さない。
あのような事をした人を恨んでいる様子もない。
だから本当に後遺症のようなものなのだろうが、怯える君の姿に心が痛くなる。
「驚かせて悪い。俺だ! 安心しろ」
すぐに女史から受け取ったMサイズの制服を瑞樹に渡して、瑞樹が着ていたのは俺が着た。
女史を理由をつけ遠ざけてから、瑞樹にそっと口づけをした。
俺を見上げる瑞樹。
君を空高い所へ引き上げてやりたい。
甘く甘く熱のこもった視線を送り、君を奮い立たせる。
「瑞樹、もう大丈夫か」
「はい! 宗吾さんがいてくれて良かったです」
「俺はいつだって君の元に駆けつける。だから安心して仕事をしてくれ」
「はい……あの……」
「ん?」
「もう少しだけいいですか」
コトンと額を俺の胸に押しつけてきた。
だから俺はその背中を優しく撫でてやった。
「僕、こんなことでビクビクしたくないのに……身体が勝手に……」
「それは仕方がないことだ。瑞樹が悪いんじゃない。そんなに自分を責めるな」
「……はい」
「少し落ち着いたか」
「はい、あの、今晩、芽生くんが僕の誕生日お祝いをしてくれるそうです。それを楽しみに頑張ります」
「夜が待ち遠しいな」
「はい。今も幸せです。宗吾さんと同じ場所で働けるなんて」
心が落ち着いたようで、瑞樹はグリーンのポロシャツを整え、乱れたくせ毛をささっと直して、微笑んでくれた。
淡い淡いほのかな色合いの、野の花のように頬を染めて。
「よし! 行こう!」」
「はい!」
俺たちはハイタッチをして、庭に出た。
空は抜けるような青空。
白い雲がぷかぷか浮かんでいる。
「今日は君の誕生日だから、雲の上の皆からも地上がよく見えるように、スッキリ晴れているんだな」
「あ、はい、僕もそうだと思います」
あの雲の上には、瑞樹の大切な人たちが眠っている。
そして俺の父さん、あなたも――
今の俺を見ていて下さい。
愛する人がいます。
真剣に生きています。
朗らかに生きています!
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