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小学生編
白薔薇の祝福 35
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「芽生くん、行ってくるね」
「お兄ちゃん、いってらっしゃーい! 後でおばあちゃんと行くからね」
「お兄ちゃんも、すごく楽しみにしているよ」
「うん!」
ボクね……朝出かける前に、優しくてきれいなお兄ちゃんにギュッとだっこしてもらって頭をなでなでしてもらうのが大好き。
あのね……クラスのお友だちは最近「ママがいちいちうるさい」とか「もう9さいなんだから、いつまでも甘えてたらかっこわるいよな」って言うんだ。
ボクには、もうママはいないから分からないけど……
そういうものなのかな?
えっとね、ボクはお兄ちゃんがうるさいって思ったことはないよ?
いつもボクの話をやさしく、うんうんってうなずきながら聞いてくれて、ボクが失敗しちゃった時もガミガミ怒るんじゃなくて、まず応援してくれるの。少しでもいいところをさがしてくれるの。だから今度からは気をつけないとって素直に思えるの。
……ボク、今日で9さいになったけど、もう少し甘えてもいいのかな。
お兄ちゃんに甘えたいなぁ……
「芽生、どうしたの?」
玄関でお兄ちゃんの姿が見えなくなっても立っていると、おばあちゃんが声をかけてくれたよ。
「あのね、おばあちゃん、子供って何さいまで甘えていいの?」
「まぁ芽生ってば、どうしたの? いつまでなんて決まりはないのよ。その子の気持ち次第よ。人はひとりひとり違うのだから」
「そうなの? でも……あのね……学校でね……」
おばあちゃんにこっそり学校でのことを相談しちゃった。
「そうだったのね。芽生、悩んでいたのね」
「うん……でもね、ボク……毎朝、お兄ちゃんにギュッとしてもらうと、すごく落ち着くんだ。さみしくなくなるの」
「それは瑞樹も同じ気持ちよ」
「そうなの?」
「そうよ、だからまだまだ大丈夫よ。自然に任せて」
「うん!」
よかった。
本当によかったよ。
9歳になったら、もうギュッとしてもらえないかもって、今日の朝はちょっとドキドキしたんだ。
でもね、お兄ちゃんはいつもと同じように笑顔でしゃがんで、手を広げてくれた。
うれしくて、飛び込んじゃった!
お兄ちゃんがいてくれるから、ボクはさみしくないよ。
パパとふたりの時は、がんばらないとってガマンいっぱいしたけど、今はね、ここがとってもゆったりしているの。
ボクは自分の胸を押さえてみたよ。
小さな時、いつもドキドキしていた。
ワクワクドキドキじゃなくて、不安でドキドキしていたんだよ。
今はね、ワクワクドキドキすることもいっぱいあるけど、お兄ちゃんにだっこしてもらったあとは、とってもゆったりした気持ちになれるんだ。
****
「芽生、そろそろ行くわよ。憲吾が車で送ってくれるそうよ」
「おじさん、ありがとう」
「芽生坊、誕生日おめでとう!」
「わぁ、ありがとう」
「9歳になったからといって、いきなり大人になるわけじゃない。だから焦って背伸びしなくてもいいんだぞ。自然になるようになる」
わぁ、おじさんも、おばあちゃんと同じことを言ってくれるんだね。
ボクの心配は、どんどん小さくなっていくよ。
「うん、おじさん、ありがとう。おじさんも一緒に行けるの?」
「今日は美智の実家に彩芽をつれて行くので、夜にまた会おう。芽生の誕生日会を楽しみにしているよ。さぁ母さんと楽しんでおいで」
「はーい!」
お兄ちゃんとパパがお仕事をしている場所に行くのは、初めてなのでワクワクするよ。
おばあちゃんと門をくぐって中にはいると、バラのいい香りがしたよ。
お花の匂いって大好き。
「お兄ちゃん、どこかな?」
「待ってね。あら? ここじゃないみたい」
「母さん! 芽生!」
おばあちゃんと手をつないで地図とにらめっこしていると、パパがきてくれたよ。
「宗吾、丁度よかったわ」
「来てくれてありがとう。俺が案内するよ」
パパ、今日はお花屋さんみたい。
緑色のポロシャツかっこいい~
もしかしてお兄ちゃんも同じお洋服なのかな?
ワクワクしちゃう!
「芽生、驚くなよ。瑞樹、すごくカッコいいぞ」
「ほんと?」
「ちょうど、今、ワークショップ中だから後ろで見てみよう」
「うん!」
会場に着くと、お兄ちゃんの姿が見えた。
緑色のポロシャツの銀色のエプロンをしていて、王子様みたいだ!
おひさまを浴びて、キラキラ輝いている。
みんな、お兄ちゃんのことを、ニコニコ見ているよ。
お兄ちゃんがちょっと教えてあげると、お花さんがイキイキするの。
すごい! すごい!
「芽生、どうだ? ワークショップの様子、見えるか」
「うん! あのね、パパ、お兄ちゃんってすごいんだね」
「あぁ、瑞樹の優しさを皆心地良く思っているようだ。それに瑞樹は魔法の手を持っているしな」
「うん! パパ、ボクたち、お兄ちゃんと会えてよかったね」
「おぅ! 芽生もそう思うか」
「もちろんだよ」
「パパも毎日そう思っているよ。瑞樹と巡り会えたことを感謝しているんだ」
「パパもお兄ちゃんも大好きだよ」
本当によかった。
9歳になったボクは、いつもと変わらないのが、よかった。
パパがいてお兄ちゃんがいてくれる。
それがうれしいな。
「お兄ちゃん、いってらっしゃーい! 後でおばあちゃんと行くからね」
「お兄ちゃんも、すごく楽しみにしているよ」
「うん!」
ボクね……朝出かける前に、優しくてきれいなお兄ちゃんにギュッとだっこしてもらって頭をなでなでしてもらうのが大好き。
あのね……クラスのお友だちは最近「ママがいちいちうるさい」とか「もう9さいなんだから、いつまでも甘えてたらかっこわるいよな」って言うんだ。
ボクには、もうママはいないから分からないけど……
そういうものなのかな?
えっとね、ボクはお兄ちゃんがうるさいって思ったことはないよ?
いつもボクの話をやさしく、うんうんってうなずきながら聞いてくれて、ボクが失敗しちゃった時もガミガミ怒るんじゃなくて、まず応援してくれるの。少しでもいいところをさがしてくれるの。だから今度からは気をつけないとって素直に思えるの。
……ボク、今日で9さいになったけど、もう少し甘えてもいいのかな。
お兄ちゃんに甘えたいなぁ……
「芽生、どうしたの?」
玄関でお兄ちゃんの姿が見えなくなっても立っていると、おばあちゃんが声をかけてくれたよ。
「あのね、おばあちゃん、子供って何さいまで甘えていいの?」
「まぁ芽生ってば、どうしたの? いつまでなんて決まりはないのよ。その子の気持ち次第よ。人はひとりひとり違うのだから」
「そうなの? でも……あのね……学校でね……」
おばあちゃんにこっそり学校でのことを相談しちゃった。
「そうだったのね。芽生、悩んでいたのね」
「うん……でもね、ボク……毎朝、お兄ちゃんにギュッとしてもらうと、すごく落ち着くんだ。さみしくなくなるの」
「それは瑞樹も同じ気持ちよ」
「そうなの?」
「そうよ、だからまだまだ大丈夫よ。自然に任せて」
「うん!」
よかった。
本当によかったよ。
9歳になったら、もうギュッとしてもらえないかもって、今日の朝はちょっとドキドキしたんだ。
でもね、お兄ちゃんはいつもと同じように笑顔でしゃがんで、手を広げてくれた。
うれしくて、飛び込んじゃった!
お兄ちゃんがいてくれるから、ボクはさみしくないよ。
パパとふたりの時は、がんばらないとってガマンいっぱいしたけど、今はね、ここがとってもゆったりしているの。
ボクは自分の胸を押さえてみたよ。
小さな時、いつもドキドキしていた。
ワクワクドキドキじゃなくて、不安でドキドキしていたんだよ。
今はね、ワクワクドキドキすることもいっぱいあるけど、お兄ちゃんにだっこしてもらったあとは、とってもゆったりした気持ちになれるんだ。
****
「芽生、そろそろ行くわよ。憲吾が車で送ってくれるそうよ」
「おじさん、ありがとう」
「芽生坊、誕生日おめでとう!」
「わぁ、ありがとう」
「9歳になったからといって、いきなり大人になるわけじゃない。だから焦って背伸びしなくてもいいんだぞ。自然になるようになる」
わぁ、おじさんも、おばあちゃんと同じことを言ってくれるんだね。
ボクの心配は、どんどん小さくなっていくよ。
「うん、おじさん、ありがとう。おじさんも一緒に行けるの?」
「今日は美智の実家に彩芽をつれて行くので、夜にまた会おう。芽生の誕生日会を楽しみにしているよ。さぁ母さんと楽しんでおいで」
「はーい!」
お兄ちゃんとパパがお仕事をしている場所に行くのは、初めてなのでワクワクするよ。
おばあちゃんと門をくぐって中にはいると、バラのいい香りがしたよ。
お花の匂いって大好き。
「お兄ちゃん、どこかな?」
「待ってね。あら? ここじゃないみたい」
「母さん! 芽生!」
おばあちゃんと手をつないで地図とにらめっこしていると、パパがきてくれたよ。
「宗吾、丁度よかったわ」
「来てくれてありがとう。俺が案内するよ」
パパ、今日はお花屋さんみたい。
緑色のポロシャツかっこいい~
もしかしてお兄ちゃんも同じお洋服なのかな?
ワクワクしちゃう!
「芽生、驚くなよ。瑞樹、すごくカッコいいぞ」
「ほんと?」
「ちょうど、今、ワークショップ中だから後ろで見てみよう」
「うん!」
会場に着くと、お兄ちゃんの姿が見えた。
緑色のポロシャツの銀色のエプロンをしていて、王子様みたいだ!
おひさまを浴びて、キラキラ輝いている。
みんな、お兄ちゃんのことを、ニコニコ見ているよ。
お兄ちゃんがちょっと教えてあげると、お花さんがイキイキするの。
すごい! すごい!
「芽生、どうだ? ワークショップの様子、見えるか」
「うん! あのね、パパ、お兄ちゃんってすごいんだね」
「あぁ、瑞樹の優しさを皆心地良く思っているようだ。それに瑞樹は魔法の手を持っているしな」
「うん! パパ、ボクたち、お兄ちゃんと会えてよかったね」
「おぅ! 芽生もそう思うか」
「もちろんだよ」
「パパも毎日そう思っているよ。瑞樹と巡り会えたことを感謝しているんだ」
「パパもお兄ちゃんも大好きだよ」
本当によかった。
9歳になったボクは、いつもと変わらないのが、よかった。
パパがいてお兄ちゃんがいてくれる。
それがうれしいな。
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