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小学生編
秋色日和 6
家族の用事で多忙だったため、短い内容で申し訳ないです。でも、まるメイド社さんの衣装がとにかく可愛いので見て頂きたいです。(アトリエブログに画像掲載しています)
また2023/10/22締め切りでハロウィン投票アンケートを実施しています。
よろしければエブリスタのつぶやきからどうぞ。
https://estar.jp/comments/64855767
****
「そうだ! お洋服はハンガーにつるさないとね。よいしょっと」
クローゼットを開けると、いろんな色が並んでいたよ。
「えへへ、まぶしい」
これは全部お兄ちゃんと出会ってからの色なんだよ。
ボクは知らなかったよ。
こんなに色んな色があることを、知らなかった。
小さい頃、ここはいつも暗かった。
開けると真っ暗で、こわかったよ。
だからここには『夜がいる』って思っていたんだ。
でもママが好きな色だから、ちょっとだけ、ちょっとだけ、いやだったけど、ママがよろこぶから、がまんしたんだ。
だからパパとふたりで暮らすようになって、はじめてお洋服を買いに行った時はびっくりしちゃった。
お店のたなには上から下まで、カラフルなお洋服がぎっしり。
リンゴの赤
オレンジのだいだい
森の緑
レモンの黄
空の青
夜空みたいな濃い青
ぶどうみたいな紫
なんだか、まるで虹みたい。
あ、もしかして! もしかしたら……
ボクはお洋服を床に1列に並べてみたよ。
赤、黄、緑、青、青よりこい色、むらさき。
ここに今日買ってもらったオレンジのトレーナーを置くとどうなるかな?
わぁ! これって、これって、もしかして……
これって、虹だ!
すごいすごい!
ボクのお洋服で、虹がかかったよ。
うれしくて、パパとお兄ちゃんにすぐに話したくなったよ。
ボクがうれしいことは一番に話したいよ。
それが家族。
大好きな家族なんだよね。
「パパー お兄ちゃん、こっち来てー」
お兄ちゃんもパパも一緒にすごいって驚いて、よろこんでくれた。
あっ、お兄ちゃん少し泣いてる。
励ましてあげたいな。
あのね、ボクは、もうふたりの子だよ。
そう思っていること、どうしたら上手く伝えられるかな?
急に図工の時間の発見を思い出したよ。
パパの好きな色は赤。お兄ちゃんの好きな色は黄。二つの色を混ぜたら、色が変わってオレンジ色になったんだ!
あ……そうか! ボクがうまれたんだ!
ふたりの前で、絵の具でオレンジ色をつくってあげたよ。
あぁ、よかった。
ボクはこうやって生まれたんだ。
とても明るい色から生まれたんだ。
そのことを上手に伝えられそうだよ。
「僕は……こんなに見事な虹は見たことがないです。大沼の母と広樹兄さんにも見せたいな。僕は昔、鮮やかな色を拒絶していた時期があったので、今はこんなにカラフルな世界にいると伝えたい」
「そうか、じゃあ写真を撮ろう」
「ボク、おしゃれしないと」
「そうだな、パパもだ」
ボクたちの記念写真。
おじいちゃんとヒロくんに届けようね。
ボクは今とってもしあわせで、お兄ちゃんもパパも同じくらいしあわせだから。
「北の国で僕を守って育ててくれた人たちに伝わりますように」
「そうだな。さぁ俺たちの気持ちをのせて、君の大事な故郷へ届けよう」
パパとお兄ちゃんのお祈りはきっと届くよ!
****
手元に届いた1枚の写真に涙腺が緩んだ。
「参ったな、瑞樹は……兄ちゃんをまた泣かす気か」
暗闇に蹲って涙を堪えていた子。
夜中に魘されて震えていた子。
黒い洋服を着続けることが弔いだと頑なだった子。
全部、全部、もう流れていった。
もう瑞樹の悲しみは流れ去った。
残ったのは希望
感じるのは幸せ
願うのは未来。
思わず目頭を押さえて俯いていると、みっちゃんが心配そうに背中を撫でてくれた。
「どうしたの?」
「……これのせいだ」
「まぁ、可愛い笑顔。いい写真ね。あのね……ヒロくんがいたから瑞樹くんは何度も救われたと思うの。あなたがいなかったら今頃、こんなに明るい笑顔は浮かべられなかったでしょう。だからヒロくんも本当に頑張ったのね」
「うっ……」
「そんなあなたが誇らしいわ。大好き」
みっちゃんの優しさが、どこまでも心地良い。
全てを受け入れてくれ、優しさに惚れている。
「ありがとう……みっちゃん、俺は君をいつもずっと愛していくよ」
「ヒロくんのそういう所が大好きよ。弟思いで頑張り屋のお兄ちゃんな面も愛しているわ」
愛――
愛が積もっていく。
積もって積もって、更に深まっていく。
それが俺の愛だ。
「兄さん、僕は今、どこまでも幸せです」
短い言葉に宿るのも深い愛。
可愛い弟の未来に幸あれ!
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これは全部お兄ちゃんと出会ってからの色なんだよ。
ボクは知らなかったよ。
こんなに色んな色があることを、知らなかった。
小さい頃、ここはいつも暗かった。
開けると真っ暗で、こわかったよ。
だからここには『夜がいる』って思っていたんだ。
でもママが好きな色だから、ちょっとだけ、ちょっとだけ、いやだったけど、ママがよろこぶから、がまんしたんだ。
だからパパとふたりで暮らすようになって、はじめてお洋服を買いに行った時はびっくりしちゃった。
お店のたなには上から下まで、カラフルなお洋服がぎっしり。
リンゴの赤
オレンジのだいだい
森の緑
レモンの黄
空の青
夜空みたいな濃い青
ぶどうみたいな紫
なんだか、まるで虹みたい。
あ、もしかして! もしかしたら……
ボクはお洋服を床に1列に並べてみたよ。
赤、黄、緑、青、青よりこい色、むらさき。
ここに今日買ってもらったオレンジのトレーナーを置くとどうなるかな?
わぁ! これって、これって、もしかして……
これって、虹だ!
すごいすごい!
ボクのお洋服で、虹がかかったよ。
うれしくて、パパとお兄ちゃんにすぐに話したくなったよ。
ボクがうれしいことは一番に話したいよ。
それが家族。
大好きな家族なんだよね。
「パパー お兄ちゃん、こっち来てー」
お兄ちゃんもパパも一緒にすごいって驚いて、よろこんでくれた。
あっ、お兄ちゃん少し泣いてる。
励ましてあげたいな。
あのね、ボクは、もうふたりの子だよ。
そう思っていること、どうしたら上手く伝えられるかな?
急に図工の時間の発見を思い出したよ。
パパの好きな色は赤。お兄ちゃんの好きな色は黄。二つの色を混ぜたら、色が変わってオレンジ色になったんだ!
あ……そうか! ボクがうまれたんだ!
ふたりの前で、絵の具でオレンジ色をつくってあげたよ。
あぁ、よかった。
ボクはこうやって生まれたんだ。
とても明るい色から生まれたんだ。
そのことを上手に伝えられそうだよ。
「僕は……こんなに見事な虹は見たことがないです。大沼の母と広樹兄さんにも見せたいな。僕は昔、鮮やかな色を拒絶していた時期があったので、今はこんなにカラフルな世界にいると伝えたい」
「そうか、じゃあ写真を撮ろう」
「ボク、おしゃれしないと」
「そうだな、パパもだ」
ボクたちの記念写真。
おじいちゃんとヒロくんに届けようね。
ボクは今とってもしあわせで、お兄ちゃんもパパも同じくらいしあわせだから。
「北の国で僕を守って育ててくれた人たちに伝わりますように」
「そうだな。さぁ俺たちの気持ちをのせて、君の大事な故郷へ届けよう」
パパとお兄ちゃんのお祈りはきっと届くよ!
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手元に届いた1枚の写真に涙腺が緩んだ。
「参ったな、瑞樹は……兄ちゃんをまた泣かす気か」
暗闇に蹲って涙を堪えていた子。
夜中に魘されて震えていた子。
黒い洋服を着続けることが弔いだと頑なだった子。
全部、全部、もう流れていった。
もう瑞樹の悲しみは流れ去った。
残ったのは希望
感じるのは幸せ
願うのは未来。
思わず目頭を押さえて俯いていると、みっちゃんが心配そうに背中を撫でてくれた。
「どうしたの?」
「……これのせいだ」
「まぁ、可愛い笑顔。いい写真ね。あのね……ヒロくんがいたから瑞樹くんは何度も救われたと思うの。あなたがいなかったら今頃、こんなに明るい笑顔は浮かべられなかったでしょう。だからヒロくんも本当に頑張ったのね」
「うっ……」
「そんなあなたが誇らしいわ。大好き」
みっちゃんの優しさが、どこまでも心地良い。
全てを受け入れてくれ、優しさに惚れている。
「ありがとう……みっちゃん、俺は君をいつもずっと愛していくよ」
「ヒロくんのそういう所が大好きよ。弟思いで頑張り屋のお兄ちゃんな面も愛しているわ」
愛――
愛が積もっていく。
積もって積もって、更に深まっていく。
それが俺の愛だ。
「兄さん、僕は今、どこまでも幸せです」
短い言葉に宿るのも深い愛。
可愛い弟の未来に幸あれ!
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