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第三章
三人の世界 4
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【R18】
律矢さんの所へ夕食の膳を運ぶ時には、もう既に自らの躰を差し出す決心をしていた。
二人の男に同時に抱かれる。そうなってもいいと思っていた。そのために信二郎にも、襖の向こう側で控えてもらうことにした。
「夕凪……君は一体何をするつもりだ? 」
「信二郎、黙ってここで今から俺と律矢さんが話すことを聞いてもらえないか。そして時期が来たら、君も中へ入って来てくれ」
「夕凪……その時期とは? 」
「聞いていれば、その時が分かるはず」
「おいっ待てよ」
「信二郎……待っているから。俺は君のことも待っているから」
****
汽車の中で軍人に目を付けられ、無理矢理、粗末な小屋で躰を奪われたあの日のこと。二度と思い出したくないこと。男なのに……ろくな抵抗も出来ず……見知らぬ男に、しかも二人がかりで犯されたという事実。
とうとう告白してしまった。
これでもう隠し事はない……すべて話せた。
何故かそのことに、俺は安心感すら覚えていた。
すると張り詰めていた糸がぷつりと切れたように、躰が一気に脱力していった。
「夕凪……本当に二人で抱いてもいいのか」
「……いい……そうして欲しい。すべて忘れたい。律矢さんと信二郎だけしか知らない躰に戻りたい。戻れないことは分かっているのに戻りたい。だから抱いて欲しい。俺のことを二人で」
その言葉に背中を押されるかのように、最初に信二郎が動いた。
俺はさっきまで律矢さんが横になっていた布団にそっと寝かされた。そして信二郎の手によって浴衣の帯を解かれ、袷をガバッと開かれた。
下着は付けていなかったので、一気に一糸まとわぬ躰を晒すことになった。
二人の熱い視線が躰に突き刺さるように感じ、俺の躰もカッと熱くなった。
大丈夫……この男達は、あの日俺を凌辱した者ではない。
これは自分で決めたことだ。
この先は本来ならば進んではいけない未知の世界。
男なのに同性に抱かれる。
それだけでも一般的ではない行為なのに……
俺は二人の男に同時に抱かれようと、我が身を開いている。
更にそのうちの一人とは半分血が繋がっている。
もうよそう。
何も考えるな。
何も恐れなるな。
たとえ禁忌を犯すとしても……
何も恐れない。
「来て……」
そう口ずさむと、律矢さんは唐突に俺の唇を奪った。あぁ……これは、ずっと求めていた温もりだ。口腔内へ深く潜り込んでくる激しい舌の動きに、俺もおずおずと舌を絡めていく。
くちゅくちゅと唾液が絡み合い、飲み込みきれなかったものが顎に伝い降りて来る。それを追うように律矢さんの唇も首筋に降りて来る。さらに露わになった胸の突起を唐突にじゅっと吸われ、腰がビクンと跳ねた。
背中に手をまわされぎゅっと抱きしめられると、胸を差し出すような姿勢になってしまった。
反り返った胸の小さな突起を、まるで赤子が乳を飲むように一定間隔でリズムよく強く吸われながら、もう片方の手で乳輪をざわりと撫でられると堪えきれずに腰が揺れてしまう。
「あっ……あ……ん」
この一年……いやあの事件以降、誰にも触れさせなかった躰に、再び熱が灯っていくのを感じた。胸だけでもジンジンと感じてしまい、酷く恥ずかしかった。その次の瞬間、下半身には信二郎の手が伸びて来た。
膝裏を掴まれ大きく開脚させられると恥ずかしくて閉じたくなったが、信二郎の頭が内股に入り込んで来た。そして信二郎が俺のものを握ったかと思うと、いきなり口に含んだ。
「あ……そんな! いや……駄目だ」
信二郎の口の中に、きゅうっと音を立て吸い込まれるように入っていく。そのまま舌で裏筋を辿られ、あらゆる場所に舌を這わされ、カリの部分を刺激されたりして、あっという間に俺のものが爆発寸前まで高まってしまう。
「んっ……くっ…ふっ…」
ぴくぴくと打ち上げられた魚のように震えるものを、強弱をつけて唇で扱かれると、あっという間に鈴口から蜜が溢れ出て来た。
律矢さんに胸を吸われ、信二郎に下半身を食べられ……二重の攻め苦に、息も絶え絶えになっていた。
「ううっ……駄目っ! もう出てしまう……離して」
「いいぞ。出せよ、ここに」
信二郎が口を離してそう告げたのもつかの間、また激しい攻めが延々と続けられてしまった。
「あ……あっもう……無理っ」
外に出した気持ちが一気に加速してしまい、このままじゃと焦って信二郎の肩を手で必死に押し返すが、びくともしない。
「あぁ……うっ…うっ…もう!」
律矢さんにそのタイミングで胸の突起をきつく摘ままれて、躰にビリっと電流が走った。俺は腰をブルブルと震わせて、信二郎の口に精を一気に吐き出してしまった。
一瞬の間を置いてゴクッと嚥下する音が聴こえ、消え入りたい気持ちになった。同時にあまりの気持ち良さと恥ずかしさに涙が零れ、視界が霞んだ。
「信二郎……まさか……呑んでしまったのか」
「あぁ久しぶりの夕凪の味だ」
すると乳首を吸い続けていた律矢さんが、羨ましそうにこう言った。
「ずるいぞ。信二郎だけに飲ませるなんて。夕凪、俺にもくれ」
「え……」
気が付くと今度は信二郎の唇が、俺の唇を塞いで来た。そして身を捩り下半身に目をやると、今度は律矢さんの頭が股のあたりで蠢いているのが見えて、羞恥に震えた。
「駄目だ!……今、達ったばかりだから……まだ無理だっ」
そんな叫び声もむなしく……信二郎には唇を塞がれ、律矢さんの口腔内へ俺の高まるものがジュッと音を立てながら吸い込まれていく。
これが三人の世界の幕開けだ。
二人に抱かれることの意味。
その激しさを思い知らされた。
だが俺はこのまま身を任せ、二人と共に墜ちていく。
三人の世界にずぶずぶと……堕ちていく。
律矢さんの所へ夕食の膳を運ぶ時には、もう既に自らの躰を差し出す決心をしていた。
二人の男に同時に抱かれる。そうなってもいいと思っていた。そのために信二郎にも、襖の向こう側で控えてもらうことにした。
「夕凪……君は一体何をするつもりだ? 」
「信二郎、黙ってここで今から俺と律矢さんが話すことを聞いてもらえないか。そして時期が来たら、君も中へ入って来てくれ」
「夕凪……その時期とは? 」
「聞いていれば、その時が分かるはず」
「おいっ待てよ」
「信二郎……待っているから。俺は君のことも待っているから」
****
汽車の中で軍人に目を付けられ、無理矢理、粗末な小屋で躰を奪われたあの日のこと。二度と思い出したくないこと。男なのに……ろくな抵抗も出来ず……見知らぬ男に、しかも二人がかりで犯されたという事実。
とうとう告白してしまった。
これでもう隠し事はない……すべて話せた。
何故かそのことに、俺は安心感すら覚えていた。
すると張り詰めていた糸がぷつりと切れたように、躰が一気に脱力していった。
「夕凪……本当に二人で抱いてもいいのか」
「……いい……そうして欲しい。すべて忘れたい。律矢さんと信二郎だけしか知らない躰に戻りたい。戻れないことは分かっているのに戻りたい。だから抱いて欲しい。俺のことを二人で」
その言葉に背中を押されるかのように、最初に信二郎が動いた。
俺はさっきまで律矢さんが横になっていた布団にそっと寝かされた。そして信二郎の手によって浴衣の帯を解かれ、袷をガバッと開かれた。
下着は付けていなかったので、一気に一糸まとわぬ躰を晒すことになった。
二人の熱い視線が躰に突き刺さるように感じ、俺の躰もカッと熱くなった。
大丈夫……この男達は、あの日俺を凌辱した者ではない。
これは自分で決めたことだ。
この先は本来ならば進んではいけない未知の世界。
男なのに同性に抱かれる。
それだけでも一般的ではない行為なのに……
俺は二人の男に同時に抱かれようと、我が身を開いている。
更にそのうちの一人とは半分血が繋がっている。
もうよそう。
何も考えるな。
何も恐れなるな。
たとえ禁忌を犯すとしても……
何も恐れない。
「来て……」
そう口ずさむと、律矢さんは唐突に俺の唇を奪った。あぁ……これは、ずっと求めていた温もりだ。口腔内へ深く潜り込んでくる激しい舌の動きに、俺もおずおずと舌を絡めていく。
くちゅくちゅと唾液が絡み合い、飲み込みきれなかったものが顎に伝い降りて来る。それを追うように律矢さんの唇も首筋に降りて来る。さらに露わになった胸の突起を唐突にじゅっと吸われ、腰がビクンと跳ねた。
背中に手をまわされぎゅっと抱きしめられると、胸を差し出すような姿勢になってしまった。
反り返った胸の小さな突起を、まるで赤子が乳を飲むように一定間隔でリズムよく強く吸われながら、もう片方の手で乳輪をざわりと撫でられると堪えきれずに腰が揺れてしまう。
「あっ……あ……ん」
この一年……いやあの事件以降、誰にも触れさせなかった躰に、再び熱が灯っていくのを感じた。胸だけでもジンジンと感じてしまい、酷く恥ずかしかった。その次の瞬間、下半身には信二郎の手が伸びて来た。
膝裏を掴まれ大きく開脚させられると恥ずかしくて閉じたくなったが、信二郎の頭が内股に入り込んで来た。そして信二郎が俺のものを握ったかと思うと、いきなり口に含んだ。
「あ……そんな! いや……駄目だ」
信二郎の口の中に、きゅうっと音を立て吸い込まれるように入っていく。そのまま舌で裏筋を辿られ、あらゆる場所に舌を這わされ、カリの部分を刺激されたりして、あっという間に俺のものが爆発寸前まで高まってしまう。
「んっ……くっ…ふっ…」
ぴくぴくと打ち上げられた魚のように震えるものを、強弱をつけて唇で扱かれると、あっという間に鈴口から蜜が溢れ出て来た。
律矢さんに胸を吸われ、信二郎に下半身を食べられ……二重の攻め苦に、息も絶え絶えになっていた。
「ううっ……駄目っ! もう出てしまう……離して」
「いいぞ。出せよ、ここに」
信二郎が口を離してそう告げたのもつかの間、また激しい攻めが延々と続けられてしまった。
「あ……あっもう……無理っ」
外に出した気持ちが一気に加速してしまい、このままじゃと焦って信二郎の肩を手で必死に押し返すが、びくともしない。
「あぁ……うっ…うっ…もう!」
律矢さんにそのタイミングで胸の突起をきつく摘ままれて、躰にビリっと電流が走った。俺は腰をブルブルと震わせて、信二郎の口に精を一気に吐き出してしまった。
一瞬の間を置いてゴクッと嚥下する音が聴こえ、消え入りたい気持ちになった。同時にあまりの気持ち良さと恥ずかしさに涙が零れ、視界が霞んだ。
「信二郎……まさか……呑んでしまったのか」
「あぁ久しぶりの夕凪の味だ」
すると乳首を吸い続けていた律矢さんが、羨ましそうにこう言った。
「ずるいぞ。信二郎だけに飲ませるなんて。夕凪、俺にもくれ」
「え……」
気が付くと今度は信二郎の唇が、俺の唇を塞いで来た。そして身を捩り下半身に目をやると、今度は律矢さんの頭が股のあたりで蠢いているのが見えて、羞恥に震えた。
「駄目だ!……今、達ったばかりだから……まだ無理だっ」
そんな叫び声もむなしく……信二郎には唇を塞がれ、律矢さんの口腔内へ俺の高まるものがジュッと音を立てながら吸い込まれていく。
これが三人の世界の幕開けだ。
二人に抱かれることの意味。
その激しさを思い知らされた。
だが俺はこのまま身を任せ、二人と共に墜ちていく。
三人の世界にずぶずぶと……堕ちていく。
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