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第1章
秘められた過去 2
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「凄い数の本だな!」
珍しくヨウの眼が明るく輝いた。
そうか……ヨウの父親は、前々の王様の大臣だったから、本来ならばかなり高貴な身分のはずだ。剣を持つような役ではなく、もっと平和に穏やかに生きられたはずだ。
幼い頃から勉学にも励み、知識も豊富だろう。そんなヨウが何故、このように敵とはいえ人を殺めるようになったのか……それは深くは分からない。
今ヨウが昔を思い出したかのように、この莫大な本の前で胸を高鳴らせているのが、ひしひしと伝わりどこか切ない気持ちになった。
私の存在すら忘れ、本に夢中になっているヨウを部屋に残し、静かに見守ることにした。夜も更けたというのに、彼は本を読むことが止まらないようで、部屋から出てこなかった。
「ヨウ…もう夜も更けたから今日は我が家に泊まって行かないか。こちらの部屋に寝具を用意させるから」
結局、私の私邸であれから何時間も異国の本に夢中になってしまったので、そう声をかけた。
「あっもうこんな時間だったのか、すまない。だが俺がいたら家の人に迷惑じゃ?ジョウは結婚しているのでは?」
「ははっ家に誰もいないよ。私は独り者だ。以前そういう縁談話もあったが全部断ってしまってね」
ヨウは意外そうな顔をして、その後ほっとしたような表情になった。
「そうか……そうさせてもらおうか。こんな風に人の家に泊まるのは久しぶりだよ」
微かにほほ笑むその表情。王宮で緊張した面持ちで過ごしているヨウよりも、少し子供っぽい笑顔を浮かべる綺麗な横顔に、ドキッと見惚れてしまった。
****
「じゃあ……おやすみ」
隣の部屋の灯りが消えるのを確認して、私も自室で横になるが、ヨウが近くにいると思うと何故か胸が高鳴って、なかなか寝付くことが出来ない。参ったな……私としたことが、女が泊りに来ているわけでもないのに、こんなにドキドキして。
寝付けないので寝返りを繰り返していると、何やら隣室から何やら小さな音がする。
これは……ヨウの声なのか。
「ううっ……あぁ」
隣室から苦しげな呻き声が聞こえて来たので、驚いた。
「ヨウ……どうした?一体何にうなされている?」
あまりに辛そうな様子が心配になり、部屋をそっと覗くと、ヨウは苦痛の表情で顔を歪めていた。額には汗が浮かんでいた。
「おいっしっかりしろ!一体どうした?」
私は思わず部屋に入りその怯える肩をゆさぶり、悪夢から引き戻してあげようと必死になった。
珍しくヨウの眼が明るく輝いた。
そうか……ヨウの父親は、前々の王様の大臣だったから、本来ならばかなり高貴な身分のはずだ。剣を持つような役ではなく、もっと平和に穏やかに生きられたはずだ。
幼い頃から勉学にも励み、知識も豊富だろう。そんなヨウが何故、このように敵とはいえ人を殺めるようになったのか……それは深くは分からない。
今ヨウが昔を思い出したかのように、この莫大な本の前で胸を高鳴らせているのが、ひしひしと伝わりどこか切ない気持ちになった。
私の存在すら忘れ、本に夢中になっているヨウを部屋に残し、静かに見守ることにした。夜も更けたというのに、彼は本を読むことが止まらないようで、部屋から出てこなかった。
「ヨウ…もう夜も更けたから今日は我が家に泊まって行かないか。こちらの部屋に寝具を用意させるから」
結局、私の私邸であれから何時間も異国の本に夢中になってしまったので、そう声をかけた。
「あっもうこんな時間だったのか、すまない。だが俺がいたら家の人に迷惑じゃ?ジョウは結婚しているのでは?」
「ははっ家に誰もいないよ。私は独り者だ。以前そういう縁談話もあったが全部断ってしまってね」
ヨウは意外そうな顔をして、その後ほっとしたような表情になった。
「そうか……そうさせてもらおうか。こんな風に人の家に泊まるのは久しぶりだよ」
微かにほほ笑むその表情。王宮で緊張した面持ちで過ごしているヨウよりも、少し子供っぽい笑顔を浮かべる綺麗な横顔に、ドキッと見惚れてしまった。
****
「じゃあ……おやすみ」
隣の部屋の灯りが消えるのを確認して、私も自室で横になるが、ヨウが近くにいると思うと何故か胸が高鳴って、なかなか寝付くことが出来ない。参ったな……私としたことが、女が泊りに来ているわけでもないのに、こんなにドキドキして。
寝付けないので寝返りを繰り返していると、何やら隣室から何やら小さな音がする。
これは……ヨウの声なのか。
「ううっ……あぁ」
隣室から苦しげな呻き声が聞こえて来たので、驚いた。
「ヨウ……どうした?一体何にうなされている?」
あまりに辛そうな様子が心配になり、部屋をそっと覗くと、ヨウは苦痛の表情で顔を歪めていた。額には汗が浮かんでいた。
「おいっしっかりしろ!一体どうした?」
私は思わず部屋に入りその怯える肩をゆさぶり、悪夢から引き戻してあげようと必死になった。
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