はるきくんとヒヨじい

こぐまじゅんこ

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はるきくんとヒヨじい 第5話

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 寝る前に、部屋をのぞくと、ヒヨじいがラジオを聞いていた。
「ラジオを聞いてるの?」
 ぼくが聞いたら、ヒヨじいは、ふりむいて言った。
「あぁ、そうじゃ。落語をやっとってなぁ。おもしろいぞ」
「ぼくも聞いてみようかなぁ……」
 なんだかヒヨじいといっしょにいたくて、ぼくはとなりにすわってラジオを聞く。
「じゅげむ じゅげむ……」
 ラジオから聞こえてくる。
「あっ、これ、ぼく知ってるよ」
 ぼくが言うと、ヒヨじいは、
「ほうか ほうか」
と、うなずいている。
「ん? 『ほうか ほうか』?」
 だれかがよく言ってたんじゃなかったっけ。
 ヒヨじいをもう一度みる。
 ヒヨじいは、
「落語って、ほんとにおもしろいのう」
と言って大笑いしている。
 ヒヨじいって、おじいちゃんじゃないの?
 ぼくは、またヒヨじいに聞いてみたくなった。
 だけど、今はヒヨじいといっしょに落語を聞こう。
 ヒヨじいのことをたしかめるのは、なんだかこわいような気がして、ぼくはラジオに耳をかたむけた。
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